実技は記述式の5問、合格基準は60%以上
乙種3類の実技は鑑別等5問だけです。製図はありません。合格には実技で60%以上の成績が必要です。記述式なので、大問の正解数だけで合否を判断することはできません。
筆記で高得点を取っても、実技の60%基準を下回れば合格できません。写真の名称だけでなく、用途や判定理由まで答える練習をします。
一方で、鑑別で問われる内容は構造・機能15問とほぼ重なります。鑑別を固めると筆記も同時に上がるので、ここに時間を使う効率は高くなります。
設備名に加えて、貯蔵方式と条件を確認する
同じ機器でも、設ける条件が設備や貯蔵方式で異なります。「この機器はこの設備だけ」と覚える前に、条件を確認しましょう。
| 機器 | 確認する条件 | 根拠 |
|---|---|---|
| 定圧作動装置 | 加圧式の粉末消火設備の貯蔵容器等ごと | 規則第21条第4項第9号 |
| 圧力調整装置・圧力調整器 | 加圧式のハロゲン化物は2MPa以下、加圧式粉末は2.5MPa以下に調整。不活性ガスにも圧力調整装置を設ける場合がある | 規則第20条第4項第9号・第21条第4項第8号・第19条第5項第7号ロ(ロ) |
| 自動冷凍機 | 二酸化炭素の低圧式貯蔵容器 | 規則第19条第5項第9号ハ |
| 容器弁 | 不活性ガスの所定の容器のほか、ハロゲン化物・粉末にも条件付きで必要 | 規則第19条第5項第8号・第20条第4項第8号・第21条第4項第3号ハ |
| 閉止弁 | 二酸化炭素の全域放出方式の集合管又は操作管 | 規則第19条第5項第19号イ(ハ) |
ハロゲン化物・粉末の蓄圧式貯蔵容器で内圧が1MPa以上となるものには、所定の容器弁を設けます。加圧用ガス容器にも別途規定があります。
低圧式二酸化炭素の容器には液面計・圧力計・圧力警報装置・破壊板の規定がありますが、圧力計などが他の設備に存在しないという意味ではありません。貯蔵タンクも粉末だけに限定できず、ハロゲン化物の規定にも現れます。
閉止弁は常時開放とし、点検時の閉止などの表示を確認します。
選択弁と放出弁は「どこに付くか」で分ける
似た名前の弁が並ぶので、役割で分けます。
| 弁 | 役割 | 根拠 |
|---|---|---|
| 容器弁 | 貯蔵容器そのものに付く。高圧式の二酸化炭素容器、窒素・IG-55・IG-541の容器に必要 | 規則第19条第5項第8号/昭和51年消防庁告示第9号 |
| 選択弁 | 防護区画又は防護対象物が2以上あって貯蔵容器を共用するとき、区画ごとに設ける | 規則第19条第5項/平成7年消防庁告示第2号 |
| 放出弁 | 消火剤を放出する弁 | 平成7年消防庁告示第1号 |
| 閉止弁 | 二酸化炭素の全域放出方式の所定の管に設ける。常時開放 | 令和4年消防庁告示第8号 |
弁の材質は該当する告示で確認します。列挙された材質だけでなく、同等以上の強度・耐食性などを満たすものを認める規定があるため、規格番号の一覧だけで可否を判断しません。
粉末に用いる選択弁・放出弁は、仕切弁及び玉形弁その他これらに類するもの以外でなければなりません。粉末が詰まるためです。
覚える数値は「2分」と「5分」で分かれる
告示の試験値には規則性があります。
| 試験 | 圧力・条件 | 時間 |
|---|---|---|
| 容器弁の耐圧試験 | 容器の種別により24.5MPa又は容器等の耐圧試験圧力値 | 2分間 |
| 選択弁・放出弁の耐圧試験 | 最高使用圧力の1.5倍の水圧力(二酸化炭素の低圧式は3.75メガパスカル) | 2分間 |
| 選択弁・放出弁の気密試験 | 最高使用圧力の窒素ガス又は空気圧力(低圧式は2.3メガパスカル) | 5分間 |
| 定圧作動装置の耐圧試験 | 最高使用圧力の1.5倍の水圧力 | 2分間 |
| 定圧作動装置の気密試験 | 最高使用圧力の窒素ガス又は空気圧力 | 5分間 |
| 移動式ホース等の気密試験 | 最高使用圧力の窒素ガス又は空気圧力 | 2分間 |
この表では耐圧2分・気密5分が多い一方、移動式ホース等の気密は2分です。容器弁の24.5MPaは、高圧式二酸化炭素の貯蔵容器・起動用ガス容器、HFC-23の貯蔵容器等、二酸化炭素を加圧用に使う粉末設備のガス容器が対象です。それ以外は容器等の耐圧試験圧力値を使います。出典:昭和51年消防庁告示第9号・第三の二。
用語の定義で差がつく
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 常用圧力 | 容器等の内部の温度を20℃(二酸化炭素を低圧式で貯蔵する容器は零下18℃)とした場合における内部圧力 |
| 最高使用圧力 | 容器等の内部の温度を40℃(二酸化炭素を低圧式で貯蔵する容器を除く)とした場合における内部圧力 |
いずれも圧力調整装置を設けるものは調整圧力になります。20℃と40℃、そして低圧式だけ基準が違うという2点が要点です。
表示事項は「容器弁だけが持つもの」で見分ける
容器弁の表示は7項目(製造年月/製造者又は商標/型式番号/質量/耐圧試験圧力値/充てんガスの種別/再検査年月)です。
ここで比較する機器では、「質量」と「再検査年月」は容器弁の表示項目で、選択弁(6項目)・放出弁(5項目)・閉止弁(5項目)・噴射ヘッド(4項目)・定圧作動装置(4項目)・制御盤(3項目)には現れません。表示事項の比較問題はこの2語が手掛かりになります。
答え方の型
- 機器の名称を言えるか
- その機器がどの設備に付くか(3設備のうちどれか、低圧式だけか)を言えるか
- その機器に数値の規定があるか(耐圧2分/気密5分など)を言えるか
- 根拠が規則か告示かを言えるか
機器の基準は規則と委任先の告示を対応させて確認します。省令・告示という形式名だけで正誤を決めず、機器名と適用条件を読みましょう。
演習で取り違えを洗い出す
当サイトの乙種3類 練習問題 148問は実技の鑑別を22問、構造・機能及び整備を62問そろえています。当サイトは文章の五肢択一で、機器の特徴、目盛や寸法の読み取り、点検記録・復旧順序を確認できます。写真を見て記述する本試験の練習は、書籍や公式公開問題も併用してください。
合格基準の出典:消防試験研究センターの公式FAQ、乙種の科目・問題数一覧。免除なしの問題数で計算しています。











