消防設備士甲種第4類 (甲4) は、自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備の工事・整備・点検を行うための国家資格です。同じ4類でも乙4が整備・点検に限られるのに対し、甲4は工事まで独占的に担えるため、防災設備工事会社や電気工事会社での需要が高く、消防設備士の中で最も合格者数が多い区分です (令和7年度の合格者は全国7,527人)。
甲種には受験資格があり、試験時間は3時間15分、実技には乙種にない製図2問が加わります。このページは、消防試験研究センターが公表している受験資格・一覧表・試験の方法・直近統計を甲4向けに読み替えて、申込前に確認すべき数字を1か所に集めたものです。
甲4は「工事ができる4類」— 乙4との違いと受験資格
甲種と乙種の業務範囲
| 比較軸 | 甲4 | 乙4 |
|---|---|---|
| できること | 工事・整備・点検 | 整備・点検 |
| 受験資格 | あり (下記) | なし (誰でも受験できます) |
| 出題 (免除なし) | 筆記45問 + 鑑別5問 + 製図2問 | 筆記30問 + 鑑別5問 |
| 試験時間 (免除なし) | 3時間15分 | 1時間45分 |
| 受験手数料 | 6,600円 | 4,400円 |
| 令和8年4〜6月の合格率 | 39.0% (3,378人中1,319人) | 38.2% (834人中319人) |
合格率は同じ水準ですが、甲4は問題数が1.5倍、実技に製図が加わり、受験者の多くが電気工事士などの有資格者という母集団の違いがあります。どちらを受けるかの判断は 甲4と乙4はどっちを取るか で扱っています。
受験資格 — 資格・学歴・実務経験のどれか1つ
甲種 (特類以外) の受験資格は消防試験研究センターの「甲種の受験資格」に列挙されており、大きく3系統です。
| 系統 | 主な該当者 | 証明書類 |
|---|---|---|
| 国家資格等 | 乙種消防設備士免状の交付を受けた後2年以上の整備経験 / 第一種・第二種電気工事士免状 / 第一種〜第三種電気主任技術者免状 / 技術士第2次試験合格 / 1級・2級建築士 / 給水装置工事主任技術者免状 / 管工事施工管理技士 / 配管技能士 / ガス主任技術者 など | 免状・合格証などのコピー |
| 学歴 | 大学・短期大学・高等専門学校・高等学校などで機械・電気・工業化学・土木・建築に関する学科を修めて卒業した人、関連科目を15単位以上修得した人 など | 卒業証明書・成績証明書 |
| 実務経験 | 消防用設備等の工事の補助者として5年以上 など | 実務経験証明書 |
最も使われるルートは電気工事士免状です。第二種電気工事士を持っていれば実務経験なしで甲4を受験でき、しかも後述の科目免除が同時に効きます。乙4から入る場合は免状交付後に整備の実務経験を2年積む必要があります。判定の手順は 受験資格の判定3ステップ にあります。
試験の全体像 (公式の数値のみ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施団体 | 一般財団法人 消防試験研究センター |
| 受験手数料 | 甲種 6,600円 |
| 出題数 (免除なし) | 筆記45問 + 実技7問 (鑑別等5問・製図2問) |
| 試験時間 (免除なし) | 3時間15分 |
| 試験の方法 | 筆記はマークカードの四肢択一、実技は写真・イラスト・図面等による記述式 |
| 合格基準 | 筆記は各科目40%以上かつ全体60%以上、実技は60%以上 |
| 合格率 (令和8年4〜6月公表) | 39.0% (受験者3,378人・合格者1,319人) |
| 免状交付手数料 | 2,900円 (1種類につき) |
| 受験地 | 居住地にかかわらず希望する都道府県で受験できる |
消防設備士甲4 オリジナル予想問題345問で科目ごとの現在地を測る →
試験内容: 筆記45問と鑑別5問・製図2問を3時間15分で解く
科目と問題数
消防試験研究センターの「試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表 (甲種)」に載っている甲4の問題数です。
| 科目 | 区分 | 問題数 | 問われること |
|---|---|---|---|
| 消防関係法令 | 共通 | 8問 | 消防法の全区分共通のルール (設置維持義務・点検報告・消防設備士制度・工事整備対象設備) |
| 消防関係法令 | 類別 | 7問 | 自動火災報知設備などの設置基準 (施行令第21条〜第23条) |
| 基礎的知識 | 電気 | 10問 | オームの法則・直並列回路・電力・電気材料・計測 |
| 構造・機能及び工事・整備 | 電気 | 12問 | 感知器・受信機・発信機・中継器の構造、配線と工事、点検・整備 |
| 構造・機能及び工事・整備 | 規格 | 8問 | 規格省令の数値 (感知器の作動温度・受信機の機能・表示) |
| 実技 | 鑑別等 | 5問 | 写真や図から機器の名称・用途・工具を記述で答える |
| 実技 | 製図 | 2問 | 平面図・系統図に感知器・配線・機器を記入する |
乙4との差は、法令が10問から15問、基礎的知識が5問から10問、構造・機能が15問から20問に増え、実技に製図2問が加わる点です。感知器の種類と設置基準 (感知面積・取付け面の高さ・警戒区域) は筆記・鑑別・製図の3面で問われるため、ここを数値まで固めることが最も効率のよい投資になります。
合格基準は三段 — 製図を捨てると実技60%が届かない
公式の合格基準は「筆記試験において、各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格」です。免除なしの最低正答数は法令6問・基礎的知識4問・構造機能8問を確保したうえで筆記合計27問です。実技は鑑別5問と製図2問を合わせて60%以上で、製図の配点は公表されていません。製図を白紙にすると鑑別でほぼ満点が要る計算になるので、甲4では製図を「捨て問」にできません。実技の採点の考え方は 実技はどう採点されるか を参照してください。
製図2問の型
製図は、平面図に感知器の種別と個数を配置して警戒区域を決める問題と、系統図に配線本数や中継器・受信機を記入する問題が典型です。感知器の感知面積と取付け高さ、配線の本数の数え方 (共通線・表示線)、耐火・耐熱配線の区分が分かれば、初見の図面でも同じ手順で解けます。つまずきやすい5点は 製図対策、捨てるか迷う人の判断は 製図のコツ で扱っています。
公式が公表している出題例
消防試験研究センターは「過去に出題された問題」として甲種の出題例をPDFで公表しています。四肢択一の文体を確かめたら、ぴよパスの 法令・基礎知識120問・構造・機能・工事・整備130問・実技 (鑑別・製図) 95問 で科目ごとの正答率を確かめてください。
免除区分ごとに残る問題数と試験時間 — 製図はどの区分でも残る
消防試験研究センターの一覧表 (令和7年5月版・甲種) の甲4の行を、残る問題数に直して並べます。
| 持っている資格 | 免除される部分 | 残る筆記 | 実技 | 試験時間 |
|---|---|---|---|---|
| なし (一般受験者) | — | 45問 | 鑑別5 + 製図2 | 3時間15分 |
| 消防設備士 甲種1〜3・5類 | 法令 (共通) 8問 | 37問 | 鑑別5 + 製図2 | 3時間00分 |
| 第一種・第二種電気工事士 | 基礎的知識 (電気) 10問 + 構造・機能 (電気) 12問 + 鑑別1問 | 23問 (法令15 + 規格8) | 鑑別4 + 製図2 | 2時間30分 |
| 電気主任技術者 (第一種〜第三種) | 基礎的知識 (電気) 10問 + 構造・機能 (電気) 12問 | 23問 (法令15 + 規格8) | 鑑別5 + 製図2 | 2時間30分 |
| 甲種1〜3・5類 + 電気工事士 | 法令 (共通) + 基礎的知識 (電気) + 構造・機能 (電気) + 鑑別1問 | 15問 (類別7 + 規格8) | 鑑別4 + 製図2 | 1時間45分 |
| 甲種1〜3・5類 + 電気主任技術者 | 法令 (共通) + 基礎的知識 (電気) + 構造・機能 (電気) | 15問 (類別7 + 規格8) | 鑑別5 + 製図2 | 1時間45分 |
| 技術士 (電気電子部門) | 基礎的知識 (電気) + 構造・機能 (電気) + 規格 | 15問 (法令15) | 鑑別5 + 製図2 | 1時間45分 |
| 技術士 (電気電子部門) + 甲種1〜3・5類 | 上記 + 法令 (共通) | 7問 (類別7) | 鑑別5 + 製図2 | 1時間30分 |
読み取れることは3つです。第1に、製図2問はどの区分でも免除されません。第2に、鑑別が1問免除されるのは電気工事士を持つ場合だけで、電気主任技術者や技術士では5問のまま残ります。第3に、乙種の免状は甲4の受験資格 (整備経験2年と組み合わせ) にはなりますが、甲4の科目免除には使えません。一覧表で法令共通が外れるのは甲種の他の類の免状だけです。
免除後の最低正答数
各科目40%の判定単位は公式が「科目毎」とだけ書いているので、免除後は残った問題数に対して計算し、端数は切り上げて安全側に見ます。
| 区分 | 残る筆記 | 各科目40%の最低正答 | 全体60%の最低正答 | 実技 |
|---|---|---|---|---|
| 免除なし | 45問 | 法令6 / 基礎4 / 構造8 | 27問 | 鑑別5 + 製図2で60%以上 |
| 電気工事士 | 23問 | 法令6 / 規格4 | 14問 | 鑑別4 + 製図2で60%以上 |
| 甲種免状 + 電気工事士 | 15問 | 類別3 / 規格4 | 9問 | 鑑別4 + 製図2で60%以上 |
電気工事士免除では規格8問のうち5問を落とした時点で規格の40%を割ります。免除の使い方は 受験資格と科目免除、配点の読み方は 甲4の配点と合格基準 で深掘りしています。免除を受けるには受験申請時に免状のコピーを提出し、申請後の追加はできません。
合格率: 令和8年4〜6月は39.0%、甲種の中では平均的
| 区分 | 期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 甲4 | 令和8年4〜6月 | 3,378人 | 1,319人 | 39.0% |
| 甲4 | 令和7年4〜6月 (前年同期) | 2,864人 | 1,096人 | 38.3% |
| 甲1 | 令和8年4〜6月 | 2,278人 | 854人 | 37.5% |
| 甲5 | 令和8年4〜6月 | 756人 | 387人 | 51.2% |
| 乙4 | 令和8年4〜6月 | 834人 | 319人 | 38.2% |
| 乙7 | 令和8年4〜6月 | 762人 | 535人 | 70.2% |
甲4は甲種の中で受験者が最も多く、令和8年4〜6月だけで3,378人が受けています。合格率は甲1・甲2・甲3と同じ3割台後半で、甲種の中で特に難しいわけでも易しいわけでもありません。年度別の推移は 甲4の合格率、難しさの実像は 甲4の難易度、落ちる型は 落ちる人の3タイプ で扱っています。
勉強時間とテキスト: 免除なし120〜200時間、電工免除で60〜100時間
| 区分 | 学習時間の目安 (編集部) | 学ぶ範囲 | 先に固めるもの |
|---|---|---|---|
| 電気工事士免除あり | 60〜100時間 | 法令15問 + 規格8問 + 鑑別4問 + 製図2問 | 感知器の設置基準の数値、規格省令、製図の手順 |
| 他の甲種免状あり | 100〜150時間 | 筆記37問 + 実技7問 | 電気計算、感知器・受信機、製図 |
| 免除なし | 120〜200時間 | 筆記45問 + 実技7問 | 構造・機能20問 → 法令15問 → 製図・鑑別 → 電気計算10問 |
この数字は公式の目安ではなく、出題数と製図の練習量から編集部が置いた目安です。テキストは甲・乙共通の「第4類」用の1冊と、製図を練習する問題集の組み合わせが定番です。
※価格・評価は変動します。購入前に版・刷と出版社の改訂情報を確認してください。上記はAmazonアソシエイトのリンクです。
週別の組み方は 勉強時間の配分、教材の比較は テキストおすすめ と 問題集の選び方、独学の進め方は 独学合格ガイド が担当しています。
申込から免状交付までの流れと費用
- 受験資格の証明書類を用意する: 電気工事士免状や乙種免状のコピー、卒業証明書、実務経験証明書など。免除を受ける場合の免状コピーも同時に提出します。
- 日程を確認して申請する: 試験は都道府県ごとに実施され、居住地にかかわらず希望する都道府県で受験できます。電子申請 (受付期間中24時間・証明書類のアップロード可) か書面申請。
- 受験票を受け取る: 免除区分に応じた試験時間と集合時刻を確認します。
- 受験する: 免除なしは3時間15分。筆記の後に鑑別と製図を解きます。
- 合格後に免状を申請する: 免状交付申請書と試験結果通知書を切り離さずに受験した支部へ提出します。手数料は1種類につき2,900円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 受験手数料 (甲種) | 6,600円 |
| 免状交付手数料 | 2,900円 (1種類につき) |
| テキスト + 製図問題集 (年度版の価格帯) | 4,000〜7,000円程度 |
手続きの細部は 申込方法5ステップ、費用の内訳は 甲4の取得費用、合格後の手順は 合格後の手続き にあります。
甲4の次: 甲1への横展開と乙7との複数受験
甲4の免状があれば、甲1〜3・5類を受けるときに法令共通8問が免除されます。水系設備の甲1へ進む道筋は 甲4の次は甲1へ と ステップアップ で扱っています。漏電火災警報器の乙7とは電気部分が重なり、一覧表には「甲種4類と乙種7類」を同じ試験で受ける複数受験の合計試験時間 (電気工事士免除のみで3時間15分、甲種の消防設備士免状+電気工事士で2時間30分) が掲載されています。乙7側の免除の全体像は 消防設備士乙7とは を参照してください。
受験を決めたら、受験資格の証明書類と免除区分を確定し、科目ごとの正答率を測るところから始めてください。
消防設備士甲4 オリジナル予想問題345問を科目別に解く →
出典 (2026-09-09 確認):
- 一般財団法人 消防試験研究センター 消防設備士試験 — 試験手数料 (甲種6,600円)
- 同センター 甲種の受験資格 — 国家資格等・学歴・実務経験による受験資格と証明書類
- 同センター 試験科目及び問題数 — 甲種の科目構成
- 同センター 試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表 (甲種) PDF — 甲4の免除区分・試験時間・複数受験、証明書類
- 同センター 試験の方法 — 四肢択一・記述式、甲種 (特類以外) 3時間15分、合格基準
- 同センター 受験の申請 — 電子申請と書面申請
- 同センター 試験結果 — 令和8年4〜6月および令和7年4〜6月の受験者数・合格者数・合格率
- 同センター 令和7年度 消防設備士試験合格者数 PDF — 甲種第4類の年度合格者数7,527人
- 同センター 免状の新規交付 — 免状交付手数料2,900円
- 消防法第17条の5 (消防設備士でなければ行ってはならない工事又は整備)、消防法施行令第21条〜第23条

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![第4類消防設備士 過去問題集 製図編 [大改訂版]](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/P/4770329210.09.LZZZZZZZ.jpg)








