消防設備士甲4の合格率は34%前後 — 最新の令和7年度は34.5%
消防設備士甲種4類の合格率は、実施団体である一般財団法人 消防試験研究センターの公表データで令和7年度(2025年度)が34.5%(受験者21,819人・合格者7,527人)です。過去4年間は32〜35%の帯で安定しており、年度によって急に難化・易化する試験ではありません。
甲種4類 合格率の年度別推移(全国・年度累計)
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度 (2022年度) | 19,899人 | 6,848人 | 34.4% |
| 令和5年度 (2023年度) | 19,205人 | 6,210人 | 32.3% |
| 令和6年度 (2024年度) | 19,767人 | 6,715人 | 34.0% |
| 令和7年度 (2025年度) | 21,819人 | 7,527人 | 34.5% |
※出典: 消防試験研究センター「試験実施状況」各年度累計 (2026年7月2日確認)。令和8年度(2026年度)分は同ページで月次公表が進行中です。
この34%という数字を読み解くポイントは3つあります。
- 絶対評価であって競争試験ではない — 合格基準(筆記各科目40%・筆記全体60%・実技60%)を満たせば全員合格する。34%は「上位34%の枠」ではない
- 受験者は有資格者に絞られている — 甲種には電気工事士免状などの受験資格があり、準備なしの記念受験が入りにくい母集団での34%。それでも3人に2人が落ちる
- 落ちる場所は筆記より実技(製図) — 記述式の製図2問を含む実技の60%足切りが最大の関門
合格基準そのもの(必要正答数を1問単位で詰める読み方)は姉妹記事の 消防甲4 合格基準の読み方(各科目40%・全体60%・実技60%) が担当しています。本記事は「合格率の公式データと、34%にとどまる構造」を扱います。受験資格の判定は 消防甲4 受験資格の3ルート を参照してください。
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他の類と比べる:甲4の合格率はどの位置か
同じ消防設備士でも、類によって合格率は大きく異なります。令和7年度の年度累計で並べると次の通りです。
| 種別 | 令和7年度 合格率 |
|---|---|
| 甲種特類 | 31.9% |
| 甲種1類(屋内消火栓設備等) | 28.7% |
| 甲種4類(自動火災報知設備等) | 34.5% |
| 乙種4類 | 34.0% |
| 乙種6類(消火器) | 35.6% |
| 乙種7類(漏電火災警報器) | 64.7% |
この比較表の読み方は3点です。
- 甲種の中では甲4は「取りやすい側」 — 甲1(28.7%)や特類(31.9%)より高い。市販テキストや講座が充実していて対策情報を集めやすいジャンルであることが効いています
- 乙7の64.7%は免除制度の影響 — 乙種7類は電気工事士免状があれば実技試験(鑑別等)を含む大幅な科目免除が受けられます(消防試験研究センターの免除一覧表)。免除受験者を含んだ数値のため、他の類と単純比較はできません
- 乙4(34.0%)と甲4(34.5%)は数値がほぼ同じ — ただし甲4は受験資格で母集団が絞られたうえに製図2問が加わるため、実質難易度は甲4が上です。試験範囲と受験戦略の違いは 甲4と乙4の違いと選び方 で比較しています
全類を横断して次に取る類を検討したい人は 消防設備士 全類比較ガイド も参考になります。
合格率34%を生む合格基準 — 三重の足切り構造
消防試験研究センターの公式基準は「筆記試験において、各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格とします」(「試験の方法」)。この1文の中に、3つの足切りが含まれています。
| 種別 | 出題数 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 筆記・消防関係法令 | 15問 | 科目別40%以上 |
| 筆記・基礎的知識 | 10問 | 科目別40%以上 |
| 筆記・構造機能 | 20問 | 科目別40%以上 |
| 筆記全体 | 45問 | 60%以上(27問正答) |
| 実技(鑑別5問+製図2問) | 7問 | 60%以上 |
3条件はAND条件で、1つでも欠けると他が満点でも不合格です。しかも筆記と実技は合算されないため、「筆記で稼いで実技をカバーする」という相殺は効きません。試験時間は甲種3時間15分で、この中で四肢択一45問と記述式の実技7問を解き切る必要があります。
科目ごとの必要正答数(法令6/15・基礎4/10・構造機能8/20)や、鑑別と製図の現実的な得点パターンまで詰めたい人は、消防甲4 合格基準の読み方 で1問単位まで分解しています。本記事とセットで読むと「合格率データ(なぜ34%か)」と「合格基準(何問取ればよいか)」の両面が揃います。
不合格の66%はどこで落ちるのか — 3つの主因
約66%が不合格になる構造を分析すると、大きく3つの主因に整理できます(以下の割合は編集部の推計であり公式統計ではありません)。
製図での足切り
製図2問で60%(実技合計の60%基準に対して)に届かない受験者が多いとされています。製図は記述式のため四肢択一の消去法が使えず、警戒区域・感知器配置・配線の3要素を正確に描ける必要があります。5パターン(オフィス/工場/倉庫/病院/学校)を白紙に書ける状態にしておくことが合否の分岐点です。
製図の得点分布(推計)
| 製図の取り組み状況 | 受験者割合(推計) | 結果の傾向 |
|---|---|---|
| ほぼ白紙・大幅失点 | 15〜20%程度 | 不合格直結 |
| 部分的にしか書けない | 25〜30%程度 | 不合格リスク高 |
| おおむね完答できる | 50〜60%程度 | 合格圏内 |
製図足切り対策
- 5パターンを白紙に書ける状態にする
- 警戒区域・感知器配置・配線の順で描く手順を固める
- 設置基準(法令)と組み合わせて学習する
実技全体の得点不足
鑑別5問+製図2問の実技で60%に届かないケースがあります。実技は筆記の約2倍の配点比率があるため、合計スコアへの影響が大きくなります。
実技の出題構成
| 種類 | 問題数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 鑑別 | 5問 | 機器写真と用途を結びつける |
| 製図 | 2問 | 自動火災報知設備の配置 |
| 合計 | 7問 | 配点は筆記の約2倍 |
実技60%突破の対策
- 鑑別:機器写真50問をフラッシュカードで反復して4〜5問確保
- 製図:5パターン暗記で1〜2問確保
筆記の得点不足
筆記(消防関係法令15問+基礎知識10問+構造機能20問)で60%または各科目40%に届かないケースです。
筆記の出題構成と目標
| 科目 | 問題数 | 足切り(40%基準) | 合格圏(60%基準) |
|---|---|---|---|
| 消防関係法令 | 15問 | 6問以上 | 9問以上 |
| 基礎知識 | 10問 | 4問以上 | 6問以上 |
| 構造機能 | 20問 | 8問以上 | 12問以上 |
筆記60%突破の対策
- 法令:パターン化された暗記で安定(15問と配点が大きく得点源にしやすい)
- 構造機能:感知器の体系学習(20問の主力科目)
- 基礎知識:電気回路の基本公式を押さえる
合格率を自分の側に引き寄せる3つの対策
3構造分析を踏まえて、合格確率を引き上げる対策の柱を整理します。
対策1:製図足切りを回避する
5パターン(オフィス/工場/倉庫/病院/学校)の暗記で製図2問に対応する。不合格の主因となっている製図を固めることが最優先です。製図を独学の問題集で固めるか動画講座で描画手順から押さえるかは、まず 甲4は独学か通信講座か で判断基準を確認し、講座を使うなら 消防甲4の講座選びガイド で各社の特徴と向く人を見たうえで決めると失点を減らせます。
対策2:実技全体を60%以上に引き上げる
鑑別機器写真50問の反復+製図5パターンで実技全体の60%以上を確保します。
対策3:筆記の配点構造に合わせた学習時間の配分
主力科目の構造機能(20問)を重点的に学習し、法令15問は暗記パターンで固める。筆記は均等時間配分より配点比重に合わせた時間投資が合理的です。総学習時間の目安は 消防甲4 の難易度と勉強時間 で立ち位置ごとに整理しています。
残り時間別 合格率引き上げの優先順位
| 残り時間 | 製図対策 | 実技対策 | 筆記対策 |
|---|---|---|---|
| 残り6ヶ月以上 | 5パターン暗記開始 | 機器写真50問のフラッシュカード | 法令+構造機能基礎 |
| 残り3ヶ月 | 5パターン白紙書き出し | 鑑別演習集中 | 練習問題演習 |
| 残り1ヶ月 | 弱点パターン強化 | 鑑別の弱点機器集中 | 模試3ステージ |
| 残り2週間 | 5パターン最終確認 | 機器写真総復習 | 弱点科目集中 |
| 残り1週間 | 製図基本配置の最終確認 | フラッシュカード1周 | 法令数値最終確認 |
よくある失敗パターンと回避策
失敗1:合格率34%を「普通の試験」と単純化する
「34%だから3人に1人受かる」と判断して対策を軽視するパターン。母集団が受験資格保有者に絞られたうえでの34%であり、実技配点が筆記の約2倍・製図は記述式という点を見落とすと痛手になります。
失敗2:製図を軽視して筆記で稼ごうとする
「製図は難しいから筆記で稼ぐ」という戦略は成立しません。筆記と実技は合算されないため、製図を含む実技で60%に届かなければ、筆記が高得点でも不合格です。製図対策を最優先にするのが正解です。
失敗3:実技配点が筆記の約2倍あることを知らずに筆記偏重にする
「3科目均等で学習」という判断をすると時間配分が偏ります。実技(鑑別+製図)に配点比超の時間を投じることが合理的です。
合格率34%に入るためのチェックリスト
- 最新の合格率データ(令和7年度34.5%・過去4年32〜35%で安定)と絶対評価であることを理解している
- 筆記の構成(消防関係法令15問・基礎知識10問・構造機能20問)を把握している
- 実技(鑑別5問+製図2問)に対して配点比を意識した学習時間を確保している
- 製図5パターンを白紙に書ける状態になっている
- 鑑別機器写真50問を繰り返し確認している
- 科目別の足切り(40%)と筆記全体60%・実技60%の三重基準を理解している
消防設備士甲4類オリジナル予想問題 160 問で実力確認 →
出典:
- 一般財団法人 消防試験研究センター 試験実施状況 — 年度別アーカイブの入口。令和8年度分は月次で公表中
- 同 試験実施状況(令和7年4月〜令和8年3月) — 令和6・7年度の甲種4類・各類の受験者数・合格者数・合格率(年度累計、2026年7月2日確認)
- 同 試験実施状況(令和5年4月〜令和6年3月) — 令和4・5年度の同データ(年度累計、2026年7月2日確認)
- 一般財団法人 消防試験研究センター 試験科目及び問題数 — 甲種4類の筆記45問(法令15・基礎的知識10・構造機能20)/実技(鑑別等5・製図2)の構成
- 一般財団法人 消防試験研究センター 試験の方法 — 合格基準(筆記各科目40%以上・全体60%以上・実技60%以上)・試験時間(甲種3時間15分)
- 試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(乙種)(PDF) — 乙種7類の電気工事士免状による実技試験(鑑別等)免除
- 消防法第17条の5(消防設備士の区分) — 甲種・乙種の規定
※合格率・試験制度は年度により変動します。受験時は消防試験研究センターの最新の受験案内で必ず確認してください。

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