鑑別5問は「取りやすい実技」— 製図より先に固める
甲種1類の実技は鑑別等5問と製図2問です。製図に苦手意識が集まりますが、先に固めるべきは鑑別です。理由は3つあります。
- 出題される機器の種類が限られている(水系設備の構成部品)
- 「見た目 → 名称 → 用途」の3点セットで答えられれば得点になる
- 鑑別で覚えた機器がそのまま製図の系統図の要素になる
実技は60%以上で合格なので、鑑別5問で4問取れれば製図で余裕が生まれます。逆に鑑別を落とすと製図2問でほぼ満点が必要になり、かなり厳しくなります。
押さえるべき機器 — 用途とセットで
ポンプまわり
| 機器 | 見分け方・特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| フート弁 | 吸込配管の末端に付く、ろ過装置(ストレーナ)付きの弁 | 水源がポンプより低い位置にある場合に設ける逆止弁。ポンプの水を落とさない |
| 呼水槽 | ポンプ上部の小さな水槽(減水警報装置付き) | 水源がポンプより低いとき、ポンプと吸込配管に水を満たしておく |
| 連成計 | 目盛が正圧と負圧(真空)の両側にある | ポンプの吸込側に付ける。負圧も測れるのが特徴 |
| 圧力計 | 目盛が正圧のみ | ポンプの吐出側に付ける |
| 起動用水圧開閉装置 | 小型の圧力タンク+圧力スイッチ | 配管内の圧力低下を検知してポンプを自動起動する |
混同しやすいペアは連成計と圧力計です。「吸込側は負圧になりうるから連成計」と原理で覚えると迷いません。
試験・点検の器具
| 機器 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ピトーゲージ | 細い管(受圧部)と圧力計が一体の測定器 | ノズル先端の放水圧力を測る。棒状放水の中心軸に直角に当てる |
| 性能試験配管 | 吐出側から分岐し、流量計と流量調整弁を持つ配管 | 消火栓から放水せずにポンプの吐出性能を確認する |
| 末端試験弁 | 配管の末端に付く弁(圧力計・排水配管を伴う) | 流水検知装置の作動と警報を試験する。ヘッドを開放せずに試験できる |
スプリンクラー特有の機器
| 機器 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| 流水検知装置(自動警報弁) | 各階・区画ごとに設ける弁 | 配管内の水流を検知して警報を発する |
| リターディングチャンバー | 自動警報弁に付属する小さな容器 | 圧力変動による誤報を防止する |
| 一斉開放弁 | 開放型スプリンクラー系統の弁 | 感知器等の信号や手動起動弁で開き、区域内へ一斉放水させる |
| 閉鎖型ヘッド | 感熱部がある(ヒュージブルリンク型=可溶合金/グラスバルブ型=液体封入球) | 熱で感熱部が外れ、そのヘッドだけが放水する |
| 開放型ヘッド | 感熱部がない(放水口が開いたまま) | 一斉開放弁の作動で区域内の全ヘッドから放水する |
答え方の型 — 「名称+用途」を1文で
鑑別は記述式なので、名称だけでは不十分な設問もあります。次の型で答えると必要な要素が漏れません。
「◯◯(名称)で、△△するために□□に設ける」
例:
- 「フート弁で、水源がポンプより低い位置にある場合に水の逆流とごみの吸込みを防ぐため、吸込配管の末端に設ける」
- 「末端試験弁で、流水検知装置が正常に作動して警報を発するかを試験するため、放水圧力が最も低くなると予想される配管部分に設ける」
「末端試験弁」だけ書くより、設置位置の条件まで書くと加点されやすくなります。逆に位置の条件を落とすと、知っているのに減点されます。
よく出る「混同」を先に潰す
- 末端試験弁 ≠ 一斉開放弁 — 末端試験弁は閉鎖型系統の試験用。一斉開放弁は開放型系統の起動用。役割がまったく違う
- リターディングチャンバー ≠ 起動装置 — 誤報防止の部品で、ポンプ起動には関与しない
- 性能試験配管 ≠ 逃し配管 — 性能試験配管は吐出性能の確認用。逃し配管は締切運転時の水温上昇防止用
- 可燃物接触注意は掲示板ではない — 第1類の運搬容器に表示する注意事項(掲示板の法定表示は「禁水」「火気注意」「火気厳禁」の3種)
こうした「役割の似た別物」が鑑別と構造・機能の両方で狙われます。
演習で名称と用途を結びつける
当サイトの甲種1類 練習問題では、実技(鑑別・製図)カテゴリを五肢択一の知識問題として36問公開しています。写真を使わない形式ですが、「この特徴をもつ機器はどれか」という問い方で名称と用途の結びつきを確認できます。記述の練習に入る前段として、まずここで取りこぼしを洗い出してください。
製図側の対策は甲1の製図対策で、全揚程と水源水量の計算の型を解説しています。鑑別で覚えた機器がそのまま系統図の部品になるので、この順番で進めると効率がよくなります。
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