公式統計: 合格率は24.1% (令和6年度)
消防試験研究センターが公表している試験実施状況によると、甲種1類の直近実績は次のとおりです。
| 年度 | 申請者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 (R6.4〜R7.3) | 17,079人 | 12,086人 | 2,914人 | 24.1% |
| 令和5年度 | 16,083人 | 11,721人 | 2,619人 | 22.3% |
おおむね4人に1人しか受からない水準で推移しています。申請者と受験者の差 (約5,000人) が示すとおり、申し込んだものの準備が間に合わず欠席する人も少なくありません。
他の類と比べてどれくらい難しいか
同じ令和6年度の公表値で、主要な区分と並べてみます。
| 区分 | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 甲種1類 | 12,086人 | 24.1% |
| 甲種4類 | 19,767人 | 34.0% |
| 甲種2類 | 3,890人 | 27.3% |
| 甲種3類 | 4,080人 | 25.6% |
| 乙種1類 | 2,161人 | 31.0% |
| 乙種6類 | 25,835人 | 36.2% |
甲種1類は受験者1万人を超える主要区分の中で最も合格率が低いグループに入ります。人気の乙6 (消火器) と比べると12ポイント、同じ甲種の4類と比べても約10ポイントの差があります。
なぜ甲1は落ちやすいのか — 3つの要因
1. 製図で水理計算まで問われる
甲種共通の関門である製図は、1類の場合配管系統図とポンプ・水源の計算が絡みます。摩擦損失を考慮した全揚程、同時開放個数から求める水源水量など、「図が読める」だけでなく「数字が合う」ところまで要求されるのが甲4の製図との違いです。筆記が合格ラインでも製図の計算でつまずいて不合格になるパターンが典型です。
2. 規格数値の暗記量が多い
屋内消火栓だけでも 1号 (0.17MPa・130L/min・水平距離25m)・2号 (0.25MPa・60L/min)・広範囲型2号 (0.17MPa・80L/min) と規格が枝分かれし、スプリンクラーは湿式・乾式・予作動式・開放型で構造が変わります。似た数値・似た構造の区別がそのまま出題ポイントになるため、あいまいな暗記では選択肢を絞り切れません。
3. 「2つ目の甲種」として受ける人が多い
甲1受験者の多くは甲4や乙6を取ってからのステップアップ組です。前回の成功体験から「同じ勉強量でいけるだろう」と見積もると、水系特有の水理・配管の学習量に追いつかず不合格、というのがよくある失敗です。免除を使うと試験時間が短くなる一方で1問あたりの重みが増すことも見落とされがちです。
科目別の攻略順序
- 消防関係法令 (共通): 特定防火対象物・点検報告・着工届など、他の類と共通の頻出領域。得点源にしやすい
- 屋内消火栓・屋外消火栓の規格数値: 1号/2号/広範囲型の放水圧力・放水量・水源水量を表で固める。ここは製図の計算にも直結する
- スプリンクラーの方式と構成機器: 湿式/乾式/予作動式/開放型の違い、流水検知装置・末端試験弁の役割
- 基礎的知識 (機械・電気): ベルヌーイ・摩擦損失・三相誘導電動機。計算パターンは限られるので過去に解いた問題の型を反復
- 製図: 最後にまとめてではなく、2〜4 と並行して系統図を自分の言葉で説明できるようにする
当サイトの甲種1類 練習問題は、この順序で学べるようカテゴリを分けています。全問解説付き・無料で使えるので、規格数値の定着確認に活用してください。
まとめ
- 合格率は24.1% (R6)・22.3% (R5) と主要区分で最難関クラス
- 差がつくのは製図の水理計算と規格数値の正確な区別
- 甲4合格者でも水系の学習量を甘く見ると落ちる。共通法令の貯金を活かしつつ、構造・規格に時間を配分する
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