QC七つ道具は、名前と「何を知るために使うか」を組にすると、使い分けを確認できます。まず七つを一覧で見て、データを集める、分ける、ばらつきや関係を見る、という目的へ結びつけてみましょう。
以下の場面と数値は、独自に作った学習用の例です。
QC七つ道具を、目的から覚える
日本科学技術連盟のQC手法の解説では、次の七つが挙げられています。表の右側は、その役割を理解するための編集部の例です。
| 手法 | このような目的で使う |
|---|---|
| チェックシート | 傷・印字不良など、種類別の発生を記録する |
| パレート図 | 種類別の件数を大きい順と累積割合で見る |
| 管理図・グラフ | 時間に沿った変化を見る。管理図では管理限界も使う |
| ヒストグラム | 寸法などを区間に分け、分布の形を見る |
| 特性要因図 | 起きている問題に関わる要因の候補を整理する |
| 散布図 | 対になった2種類の測定値の関係を見る |
| 層別 | 設備別・材料別などにデータを分け、違いを調べる |
覚える際は、チェックシートを「集める」、層別を「分ける」、残りを「何を見る図か」として説明してみてください。これは学習上の整理であり、七つ道具を使う順番を固定するものではありません。
例えば、ヒストグラムとパレート図は、どちらも棒のような形を使います。ただし、ヒストグラムでは寸法などの数値の区間、パレート図では不良の種類などの分類項目を並べます。形だけでなく、横軸の意味を読むと区別できます。
50件の自作データで、図を選んでみる
ある期間に記録した不良が、傷30件、印字不良15件、漏れ5件だったとします。合計は50件です。件数の大きい順に整理すると、次のようになります。
| 種類と件数 | 累積件数・累積割合 |
|---|---|
| 傷:30件 | 30件、30÷50=60% |
| 印字不良:15件 | 45件、45÷50=90% |
| 漏れ:5件 | 50件、50÷50=100% |
どの種類が件数の多くを占めるかを見たいなら、パレート図が候補になります。この例では傷と印字不良で記録件数の90%です。ただし、件数だけで対策の優先順位を決めず、影響の大きさや損失なども確認します。
同じ現場でも、知りたいことが変われば使う手法も変わります。
- 1個ずつ測った部品の長さが、どの区間に多いかを見たい:ヒストグラム。
- 設備Aと設備Bで不良の傾向が違うかを調べたい:まず設備別に層別する。
- 加工温度と部品の寸法に関係があるかを見たい:同じ対象の値を対にして散布図へ。
- 傷が生じる要因を検討したい:特性要因図で候補を整理し、観察やデータで確かめる。
散布図に関係が見えても、それだけで原因が証明されたことにはなりません。また、特性要因図に書いた候補も、確認前から原因と決めつけないようにします。
新QC七つ道具は、言葉の整理や計画と結びつける
新QC七つ道具も七つですが、QC七つ道具とは別の手法群です。日本科学技術連盟のTQM基礎用語では、主に言語データを図や表で整理する手法群として説明されています。
| 手法 | 思い出すための着眼点 |
|---|---|
| 親和図法 | 集めた意見を、内容の近さからまとめる |
| 連関図法 | 複雑に絡む要素どうしの関係をたどる |
| 系統図法 | 目的を実現する手段を、具体的な段階へ展開する |
| マトリックス図法 | 行と列に置いた要素の対応や関連を見る |
| マトリックスデータ解析法 | 数値のデータを解析して整理する |
| アローダイアグラム法 | 作業の前後関係を明らかにして計画を考える |
| PDPC法 | 計画の途中で起こり得る事態と対応経路を考える |
系統図法とマトリックス図法などの考え方は、日本科学技術連盟のFAQでも説明されています。名前の末尾に「法」が付くことは、この一覧を覚える補助にはなりますが、名前だけで手法の使い方まで分かるわけではありません。
「新は言葉、旧は数字」と完全に分けるのも避けましょう。QC七つ道具にも特性要因図のように言葉で要因を整理する手法があり、新側のマトリックスデータ解析法は数値を解析します。
また、アローダイアグラム法にも日程や所要時間などの数値が登場します。数値が書かれていることと、数値データを統計的に解析する手法であることは別です。
混ざりやすい手法は、同じ題材で比べる
「出荷までの作業を改善したい」という架空の題材で考えてみます。
| 知りたいこと・行いたいこと | 考える手法 |
|---|---|
| 作業者から集めた自由意見を整理したい | 親和図法 |
| 出荷遅れに関係する複数の要素をつなぎたい | 連関図法 |
| 出荷遅れを減らすための手段を具体化したい | 系統図法 |
| 作業と担当部門の対応を一覧にしたい | マトリックス図法 |
| どの作業の終了後に次の作業を始めるか確認したい | アローダイアグラム法 |
| 設備停止などが起きた場合の対応経路を考えたい | PDPC法 |
これは目的を比較するための例で、改善活動に使う道具が一つに決まるという意味ではありません。必要に応じて複数を組み合わせます。
例えば、意見を集めた直後に親和図法を使うときは、最初から結論に合わせて分類を押し付けず、言葉の内容を見て整理します。親和図法の活用解説も参考になります。
管理図が別の章に載っていても、所属の変更とは限らない
QC検定®3級の公式レベル表では、QC七つ道具のグラフとは別に、管理図の考え方やX̄−R管理図が記載されています。手法編のマトリックスも、各手法の理解水準を級別に確認する資料です。
このように説明の項目が分かれていることから、3級になると管理図がQC七つ道具に属さなくなるとは言えません。資料の章立てと、手法群の分類を分けて読みましょう。
3級の対策では名前の一覧に加え、公式に示された範囲で使い方を確認します。管理図の限界線と、製品に求める規格の限界も別のものです。
名前を見ずに、使う目的を答えてから演習へ
最初の表の手法名を隠し、右側の目的から名前を答えてみてください。次に、名前から別の使用場面を一つ説明します。答えられなかった組み合わせを演習で確認すると、暗記だけでは分からなかった違いを探せます。
ぴよパスではQC七つ道具30問、新QC七つ道具30問、管理図・工程能力指数・相関分析30問を公開しています。通常の問題と解説は登録不要・無料です。全体はQC検定®3級のオリジナル練習問題300問から確認できます。
用語を場面に当てはめる練習は実践分野の学び方、数値計算は公式と自作例題へ。教材を併用するときはテキスト選びの考え方も参照してください。
公式範囲と公開一次資料は2026年9月13日に確認しました。表の使用場面と数値は独自の学習例であり、本試験の出題配分や公式解答を再現していません。







