技能試験で配線がすべて正しくても、リングスリーブの大きさや圧着マークが違えばその一箇所で欠陥となり不合格になります。作業自体は数秒で終わるのに、判断を間違えると復旧に大きな手間がかかる——ここが受験者の詰まりやすいところです。
組合せの表を丸暗記しようとすると、本番で「1.6mmが3本のときは○だったか小だったか」が飛びます。点数で数える方法に置き換えると、表を思い出さなくても導けるようになります。
先に結論:1.6mmは2点、2.0mmは3.5点、合計8点まで小
| 電線 | 数える点数 |
|---|---|
| 1.6mm 1本 | 2点 |
| 2.0mm 1本 | 3.5点 |
接続する電線の点数を合計して、
- 8点以下 → 小スリーブ
- 8点を超える → 中スリーブ
これだけです。第二種の候補問題で使うのは基本的に小と中の2種類なので、判断は二択になります。
⚠️ これは覚えやすくするための数え方であって、正式なルールは電線の太さと本数の組合せで定められています。ただし試験に出る組合せではこの数え方と判定が一致するため、表を丸暗記せずに済みます。
刻印は「○」だけが例外
大きさが決まったら、次は圧着マーク(刻印)です。ここが最も間違えられます。
| 組合せ | スリーブ | 刻印 |
|---|---|---|
| 1.6mm × 2本 | 小 | ○ |
| 1.6mm × 3〜4本 | 小 | 小 |
| 2.0mm × 2本 | 小 | 小 |
| 2.0mm × 1本 + 1.6mm × 1〜2本 | 小 | 小 |
| 1.6mm × 5〜6本 | 中 | 中 |
| 2.0mm × 3本 | 中 | 中 |
| 2.0mm × 1本 + 1.6mm × 3本 | 中 | 中 |
| 2.0mm × 2本 + 1.6mm × 1本 | 中 | 中 |
刻印が「○」になるのは1.6mm×2本の1通りだけです。それ以外はすべて「小」か「中」になります。
覚え方はこう考えると早いです。スリーブの大きさが「小」でも、刻印は「○」と「小」に分かれる。 大きさと刻印は別物で、一致しないのは○のときだけ、という関係です。
なぜ○だけが特別なのか
1.6mm×2本は、この試験で扱う組合せの中で最も細くて本数も少ない、いちばん小さい接続です。同じ小スリーブでも中身がスカスカになるため、より強く握って潰す必要があります。○は「最小の組合せ専用」の刻印だと理解しておくと、迷ったときに「本当に1.6mm×2本か」を数え直す習慣が付きます。
点数法を実際の組合せで確かめる
覚えた数え方が表と合うかを、境目になる組合せで確認しておきます。
| 組合せ | 点数 | 判定 |
|---|---|---|
| 1.6mm × 4本 | 2×4 = 8点 | 8点以下 → 小 |
| 1.6mm × 5本 | 2×5 = 10点 | 8点超 → 中 |
| 2.0mm × 2本 | 3.5×2 = 7点 | 小 |
| 2.0mm × 2本 + 1.6mm × 1本 | 7 + 2 = 9点 | 中 |
| 2.0mm × 1本 + 1.6mm × 2本 | 3.5 + 4 = 7.5点 | 小 |
| 2.0mm × 1本 + 1.6mm × 3本 | 3.5 + 6 = 9.5点 | 中 |
迷う場面は点数が8前後の組合せに集中します。 上の表の下4行がそれで、ここだけ意識しておけば取り違えはほぼ防げます。
本番でやる手順を決めておく
判断そのものより、確認する順番を固定しておくことのほうが効きます。圧着してしまうとスリーブは外せず、電線を切って剥き直すしかないためです。
- 接続する電線を握って、1.6mmが何本・2.0mmが何本か声に出して数える
- 点数を足して、小か中かを決める
- 1.6mm×2本かどうかだけ確認して、刻印を○にするか決める
- 工具のダイスを合わせる
- 握る前にもう一度、電線の本数とダイスを見る
ステップ5を入れるかどうかで結果が変わります。圧着は取り返しがつかない作業なので、ここだけは急がないでください。
複線図の段階で「この接続点は1.6mmが何本になるか」を書き込んでおくと、当日の判断はさらに速くなります。書き方は複線図の書き方にまとめています。
間違えたときに何が起きるか
圧着に関わる欠陥は、次のようなものが判定対象になります。
- 圧着マークが電線の組合せに対して正しくない
- スリーブの大きさの選定を誤っている
- 1つのスリーブに2回圧着している
- 圧着マークがスリーブの端にかかっている
技能試験は欠陥が一箇所でもあれば不合格です。配線がすべて正しくても、ここだけで落ちます。欠陥の全体像は技能試験の欠陥判断で確認してください。
復旧できるかは残り長さ次第
間違えた場合は電線を切って剥き直しますが、ケーブルの残り長さに余裕がないと復旧できません。支給される材料には多少の余裕がありますが、何度も切ればなくなります。
だからこそ、練習の段階から「圧着前に必ず数える」を体に入れておくのが結局いちばん速くなります。工具の扱いに慣れていないと確認に気が回らないので、技能試験の基本作業で手を動かす順番を先に固めておくとよいでしょう。
まとめ
- 1.6mmは2点、2.0mmは3.5点。合計8点までが小、超えたら中。 表を丸暗記しなくてよい
- 刻印が「○」になるのは1.6mm×2本の1通りだけ。 それ以外は小か中
- スリーブの大きさと刻印は別物で、一致しないのは○のときだけ
- 迷うのは点数が8前後の組合せに集中する。そこだけ意識する
- 圧着は取り返しがつかないので、握る前にもう一度数える手順を固定する
学科側でもリングスリーブの組合せは出題されます。第二種電気工事士の練習問題で、判断が身についているかを確かめておくと確実です。











