運行管理者試験は、トラックやバス・タクシーなどの事業者が営業所ごとに選任しなければならない「運行管理者」になるための国家試験です。 国土交通大臣の指定を受けた運行管理者試験センターが、貨物と旅客の2種類を、パソコンで解くCBT方式で年2回行います。試験は30問・90分で、30問中18問以上の正解と、分野ごとの最低正解数の両方が合格の条件です。受験には、事業用自動車の運行管理の実務1年以上か、試験と同じ種類の基礎講習の修了が要ります。
ぴよパスでは、運行管理者試験(貨物)と運行管理者試験(旅客)のオリジナル予想問題を、登録不要・無料で解けます。運行管理者試験センター・国土交通省・講習の実施機関とは関係がなく、本試験の問題や講習の教材を載せたものではありません。
結論: 運行管理者試験の要点
- 何の資格か: 事業用自動車の運行の安全を確保する業務を行う運行管理者になるための資格。合格すると「運行管理者資格者証」の交付を受けられる。
- 貨物と旅客: トラックの事業は貨物、バス・タクシーの事業は旅客。1回の試験で受けられるのはどちらか1つ。
- 受験資格: 実務1年以上か、同じ種類の基礎講習(16時間)の修了(修了予定を含む)。
- 試験: CBT・30問・90分。総得点18問以上、法令の4分野は各1問以上、実務は2問以上。
- 費用: 受験手数料6,000円(非課税)と、新規の申請はシステム利用料660円。
- 合格率: 令和8年度第1回は貨物41.1%・旅客42.7%。令和4年度からの各回はおおむね3〜4割。
- 合格後: 合格の日から3か月以内に、運輸支局等へ資格者証の交付を申請する。
運行管理者とは — 営業所ごとに選任が義務
一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、運行管理者資格者証を持つ人の中から運行管理者を選任しなければなりません(貨物自動車運送事業法第16条)。旅客も同じで、一般旅客自動車運送事業者は、国土交通省令で定める営業所ごとに運行管理者を選任します(道路運送法第23条)。どちらも、選任・解任は遅滞なく国土交通大臣に届け出ます(貨物自動車運送事業法第16条第3項・道路運送法第23条第3項)。
営業所ごとに要る人数は、管理する車の数で決まります。
| 事業 | 選任する運行管理者の数(以上) |
|---|---|
| 一般貨物(トラック) | 車両数(被けん引自動車を除く)を30で割り(端数切り捨て)1を足した数。29両までは1人、30両で2人 |
| 一般乗合(路線バスなど)・一般乗用(タクシー・ハイヤー)・特定旅客 | 車両数を40で割り(端数切り捨て)1を足した数 |
| 一般貸切(貸切バス) | 19両以下は2人(4両以下で地方運輸局長が認めると1人)、20〜99両は20で割り(端数切り捨て)1を足した数、100両以上は100を引いた数を30で割り(端数切り捨て)6を足した数 |
根拠は貨物自動車運送事業輸送安全規則第18条と旅客自動車運送事業運輸規則第47条の9です。貨物は、5両未満の営業所で地方運輸局長が支障が無いと認めた場合は除かれます。旅客は表が対象の営業所を決めていて、乗合と特定は乗車定員11人以上の車か10人以下の車5両以上、乗用は5両以上を管理する営業所です。複数の運行管理者を選任する営業所では、業務を統括する統括運行管理者も選任します。
古い参考書で「貨物自動車運送事業法第18条(運行管理者)」とあるのは、法改正で条番号が繰り上がり、いまは第16条です(資格者証は第17条、試験は第19条)。
貨物と旅客の違い — どちらを受けるか
| 試験 | 対象の事業 | 1つ目の分野(8問) | 共通の分野 |
|---|---|---|---|
| 貨物試験 | トラックなどの貨物自動車運送事業 | 貨物自動車運送事業法関係 | 道路運送車両法関係4問・道路交通法関係5問・労働基準法関係6問・実務上の知識及び能力7問 |
| 旅客試験 | バス・タクシーなどの旅客自動車運送事業 | 道路運送法関係 | 同上 |
資格者証は事業の種類に応じて交付され、受けるのは、資格者証の交付を受けようとする事業と同じ種類の試験です。試験センターの受験案内は、1回の試験で受けられるのは貨物試験・旅客試験を含めて1人1回限りとしています。両方が要る人は、別の回で受けます。
受験資格 — 実務1年以上か基礎講習
受験資格は次のどちらか1つです(貨物自動車運送事業輸送安全規則第31条・旅客自動車運送事業運輸規則第48条の12)。
- 実務の経験: 試験日の前日に、事業用自動車(緑色のナンバーの車。貨物軽自動車運送事業のものを除く)の運行管理に関して1年以上の実務の経験があること。受験案内は、運転の業務・営業・総務や経理などの管理業務は運行管理の実務経験に当たらないとしています。申請では、実務経験を承認する人のメールでの承認が要ります。
- 基礎講習の修了: 国土交通大臣が認定した講習実施機関で、平成7年4月1日以降に、試験と同じ種類(貨物か旅客)の基礎講習を修了したこと。修了予定で申請でき、令和8年度第1回は令和8年7月29日までに修了して修了証の写しを出す決まりでした。
受験案内に年齢や学歴の条件は書かれていないので、実務の経験が無い人も、基礎講習を修了すれば受けられます。
基礎講習は16時間の講習です(国土交通省)。実施機関は自動車事故対策機構(NASVA)のほか、各地の自動車学校などが国土交通省の一覧に載っています。NASVAの対面の基礎講習は3日間連続での受講で、eラーニング(eナスバ)は受講料9,560円(テキストの配送料660円を含む)、1日に受けられるのは6単元までなので最短で3日かかります。講習の申込みと試験の申請は別の手続きです。
試験の形と合格基準
| 出題分野 | 問題数 |
|---|---|
| 貨物自動車運送事業法関係(貨物)/道路運送法関係(旅客) | 8問 |
| 道路運送車両法関係 | 4問 |
| 道路交通法関係 | 5問 |
| 労働基準法関係 | 6問 |
| その他運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力 | 7問 |
| 合計 | 30問 |
試験はCBT方式で、筆記試験は行いません。全国47都道府県の試験会場で、予約した日時に90分で解きます。
合格には、次の2つを両方満たす必要があります。
- 原則として、総得点が満点の60%(30問中18問)以上。
- 分野ごとの正解数が、法令の4分野は各1問以上、実務上の知識及び能力は2問以上。
試験センターは、法令などの改正があった場合、原則として施行後6か月間は、改正の前と後で解答が変わる問題を出さないとしています。希望者は試験結果レポート(140円)で、総得点と分野別の得点を受験者全員の平均点と並べて確かめられます。
申請の流れ・日程・費用
申請はインターネットに限られます。書類の審査が終わると試験センターから会場予約の案内メールが届き、その後に試験会場と日時を予約します。本人を確かめる書面(運転免許証・マイナンバーカードの表面・住民票のいずれか)と顔写真、実務経験の証明か基礎講習の修了証書が要ります。
| 費用 | 額 |
|---|---|
| 受験手数料 | 6,000円(非課税) |
| システム利用料(新規受験申請) | 660円 |
| システム利用料・事務手数料(再受験申請) | 860円 |
| 試験結果レポート(希望者のみ) | 140円 |
受験手数料の6,000円は省令で決まっています(貨物自動車運送事業輸送安全規則第63条・旅客自動車運送事業運輸規則第67条)。払った手数料は返されません。
試験は年2回です。令和8年度第1回は、申請の受付が令和8年6月15日〜7月15日、試験が8月8日〜9月6日、結果発表が9月24日でした。第2回の詳しい日程は10月20日の時点で発表されておらず、試験センターの事業計画では、令和9年2月中旬から3月中旬までのおおむね1か月間とされています。前年度の第2回は、申請が2025年12月8日〜2026年1月14日、試験が2026年2月14日〜3月15日でした。
合格率の推移(令和4年度〜令和8年度第1回)
| 回 | 貨物 受験者数 | 貨物 合格率 | 旅客 受験者数 | 旅客 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和8年度第1回 | 29,323人 | 41.1% | 7,128人 | 42.7% |
| 令和7年度第2回 | 21,577人 | 38.9% | 6,679人 | 38.3% |
| 令和7年度第1回 | 25,318人 | 37.2% | 7,611人 | 34.1% |
| 令和6年度第2回 | 20,755人 | 34.1% | 6,430人 | 29.6% |
| 令和6年度第1回 | 24,993人 | 32.9% | 6,469人 | 30.7% |
| 令和5年度第2回 | 22,493人 | 34.2% | 5,434人 | 36.5% |
| 令和5年度第1回 | 26,293人 | 33.5% | 5,158人 | 34.5% |
| 令和4年度第2回 | 23,759人 | 34.6% | 4,675人 | 35.3% |
| 令和4年度第1回 | 28,804人 | 38.4% | 5,403人 | 40.1% |
令和4年度から令和7年度までの各回は、貨物も旅客もおおむね3〜4割(最も低いのは令和6年度第2回の旅客29.6%)で、令和8年度第1回はこの表の中で貨物・旅客とも最も高い合格率でした。受験者は、どの回も貨物が旅客の約3.2〜5.3倍です。
難易度 — 合格率と、合格基準の足切り
合格率は3〜4割の回が続いています。試験センターは合格率が低い理由や勉強時間の目安を公表していませんが、合格基準と受験資格には次の特徴があります。
- 分野ごとの足切りがある: 18問以上取れても、法令の4分野のどれかが0問、または実務が1問以下だと不合格です。問題数の少ない道路運送車両法関係(4問)も落とせません。
- 数字で答えが決まる設問がある: 試験センターの出題例にも、運転者の拘束時間・休息期間など、改善基準告示の数値で答えが決まる設問があります。
- 実務の経験が無くても受けられる: 基礎講習(16時間)を修了すれば受験資格を得られるので、運行管理の仕事をしたことがなくても受けられます。受験資格の別ごとの合格率は公表されていません。
足切りがあるので、全分野を一通り解いて、正解数の少ない分野を見つけておくと、どの分野を補えばよいかが分かります。
合格した後 — 資格者証の交付申請
試験に合格しただけでは運行管理者にはなれません。運行管理者資格者証の交付を申請します。
- 期限: 法令では「合格の日から三月以内」(貨物自動車運送事業輸送安全規則第25条第3項・旅客自動車運送事業運輸規則第48条の6第3項)。試験センターは「結果発表日から3ヵ月以内」と案内し、期限までに申請しないと合格は無効になるとしています。
- 出す先: 運輸支局等。直接持参か郵送で、申請した当日には交付されません。試験センターの申請代行(有料)もあります。
- 書類: 運行管理者資格者証交付申請書(収入印紙270円。法令上は電子申請の場合260円)、運転免許証・住民票・マイナンバーカードのいずれか1点、運行管理者試験結果通知書(原本)。
試験によらずに資格者証を受ける道もあり、貨物では運行管理の実務5年以上と、その間に認定講習を5回以上受けることが要件です(貨物自動車運送事業輸送安全規則第24条)。旅客の一般貸切旅客自動車運送事業は、この方法の対象外です。
例題: ぴよパスの運行管理者の問題から
ぴよパスのオリジナル予想問題から2問です(本試験の問題ではありません)。
例題1(貨物) 一般貨物自動車運送事業者の営業所において、被けん引自動車を除く事業用自動車70両の運行を管理している。この営業所に選任しなければならない運行管理者の数として、法令上、正しいものは次のうちどれか。
- 2人以上
- 3人以上
- 4人以上
- 8人以上
答え: 2。70を30で割ると2(端数切り捨て)で、1を足して3人以上です。 この問題を解く →
例題2(旅客) 一般貸切旅客自動車運送事業者の営業所において、事業用自動車60両の運行を管理している。この営業所に選任しなければならない運行管理者の数として、法令上、正しいものは次のうちどれか。
- 3人以上
- 4人以上
- 2人以上
- 7人以上
答え: 2。貸切の20〜99両は20で割って1を足すので、60両は4人以上です。 この問題を解く →
練習問題と模擬試験の使い方
ぴよパスの運行管理者の練習問題は、試験センターの出題分野と同じ5分野に分かれ、選択肢ごとの解説つきで無料で解けます。本試験と同じ30問・90分・分野ごとの出題数と合格基準で解く模擬試験(貨物・旅客)は Premium の機能です。本試験にある「正しいものをすべて選ぶ」形式や語句の穴埋め形式は扱っていません。
分野ごとの出題の中身は運行管理者試験(貨物)の練習問題と運行管理者試験(旅客)の練習問題、試験センターが公開している出題例は運行管理者試験の過去問はどこで解ける?の記事で説明しています。
まとめ
- 運行管理者は、トラック・バス・タクシーの事業者が営業所ごとに選任する。人数は車の数で決まる。
- 試験は貨物と旅客の2種類で、1回に受けられるのは1つ。
- 受験資格は実務1年以上か基礎講習(16時間)の修了。修了予定でも申請できる。
- CBT・30問・90分。総得点18問以上と、分野ごとの最低正解数の両方が要る。
- 合格率は令和4年度からおおむね3〜4割、令和8年度第1回は貨物41.1%・旅客42.7%。
- 合格したら3か月以内に運輸支局等へ資格者証の交付を申請する。
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出典
- 運行管理者試験センター「令和8年度第1回運行管理者試験のご案内」: https://www.unkan.or.jp/contents/examinfo_pdf/20260625/examinfo.pdf
- 運行管理者試験センター「CBT試験新規受験申請の概要」: https://www.unkan.or.jp/outline/cbt_new.html
- 運行管理者試験センター「受験概要」: https://www.unkan.or.jp/outline/
- 運行管理者試験センター「運行管理者とは」: https://www.unkan.or.jp/about.html
- 運行管理者試験センター「結果発表」(令和8年度第1回・合格後の手続き): https://www.unkan.or.jp/after/
- 運行管理者試験センター「事業報告」令和4年度〜令和7年度: https://www.unkan.or.jp/pdf/infodisclosure/r7/07inf01.pdf (令和4〜6年度は同じ場所の r4/04inf01.pdf・r5/05inf01.pdf・r6/06inf01.pdf)
- 運行管理者試験センター「過去の試験問題(CBT)」(出題例): https://www.unkan.or.jp/past.html
- 運行管理者試験センター「令和8年度事業計画」: https://www.unkan.or.jp/pdf/infodisclosure/r8/08inf05_2.pdf
- 運行管理者試験センター(プロメトリック社のページに掲載)「運行管理者資格者証の交付申請手続きのご案内」: https://www.prometric-jp.com/personal/unkan/documents/
- 国土交通省「運行管理者について」: https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/dispatcher.html
- 自動車事故対策機構「指導講習Q&A(対面講習)」「よくある質問(eナスバ)」: https://www.nasva.go.jp/fusegu/documents/qa/taimen_01.pdf ・ https://www.nasva.go.jp/fusegu/documents/qa/enasva_01.pdf
- 貨物自動車運送事業法 第16条・第17条・第19条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000083
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則 第18条・第24条・第25条・第29条〜第31条・第63条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000800022
- 道路運送法 第23条・第23条の2・第23条の4(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000183
- 旅客自動車運送事業運輸規則 第47条の9・第48条の6・第48条の10〜第48条の12・第67条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/331M50000800044




