消防設備士乙6の数値は、何の数値か・単位・適用条件を一緒に覚えましょう。たとえば「6」は消火器の機器点検の6か月。「20」は大型以外の消火器に至る歩行距離の上限20mです。
ここでは、ぴよパス編集部が作った短い覚え方を、法令上の条件と並べます。語呂自体は公式用語ではありません。右側の説明まで思い出せるか、記事末尾の確認例と既存問題で試してください。
まず覚える語呂と数値の対応表
| 覚え方 | 思い出す内容 | 外してはいけない条件 |
|---|---|---|
| 消火器、機器は半年 | 機器点検は6か月ごと | 報告の周期と別。消火器に総合点検1年を足さない |
| 報告、特1・非3 | 特定は1年、非特定は3年ごと | 消防設備の点検結果を報告する周期 |
| 歩いて20、大型30 | 大型以外20m以下、大型30m以下 | 各部分から消火器に至る歩行距離 |
| 20度で10秒以上 | 放射時間は10秒以上 | 規格省令の20℃における基準 |
| 化学泡は5から、ほか0から、どちらも40 | 化学泡5〜40℃、それ以外0〜40℃ | 基本の使用温度範囲。条件を満たせば拡大可 |
| 温度を広げるなら10刻み、性能も確認 | 10℃単位で使用温度範囲を拡大 | 正常な操作と消火・放射の性能が必要 |
この表は2026年9月11日時点の条文・告示に照合しています。消防試験研究センターは、改正法令の施行日以降の試験では改正内容を出題すると案内しています。受験日までに改正がある場合は、その施行日も確認してください。
「消火器、機器は半年」— 点検と報告を分ける
消火器具の機器点検は6か月ごとです。根拠は平成16年消防庁告示第9号の第3にある表です。
消防用設備全体の説明では「機器点検6か月・総合点検1年」という組合せを見かけますが、消火器具の欄にあるのは機器点検6か月です。屋内消火栓設備などの欄を、そのまま消火器に当てはめないでください。
| 問われたこと | 答える周期 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 消火器の機器点検 | 6か月ごと | 消火器、機器は半年 |
| 特定防火対象物の点検結果の報告 | 1年ごと | 報告、特1 |
| 非特定防火対象物の点検結果の報告 | 3年ごと | 報告、非3 |
「1年」「3年」は報告周期です。報告が3年ごとでも、消火器の機器点検を3年間しなくてよいわけではありません。報告周期は消防法施行規則第31条の6第3項で確認できます。
内部や機能の点検を始める経過年数も、機器点検の周期とは別です。二酸化炭素・ハロゲン化物を除く消火器では、製造年から3年、蓄圧式は製造年から5年、化学泡は設置後1年が条文上の経過年数の区分です。外形の点検で所定の異常が認められた場合は、これらの経過年数を待たず対象になります。
「歩いて20、大型30」— 放射距離と混ぜない
大型消火器以外の消火器具は、階ごとに、各部分からいずれか一つの消火器具に至る歩行距離が20m以下になるよう配置します。大型消火器は30m以下です。
ここでいう距離は、人が消火器まで歩く距離です。消火薬剤が届く「放射距離」ではありません。また、「20歩」でも「消火器同士を20m間隔で置く」という意味でもありません。
たとえば、ある場所から消火器までの直線距離が15mでも、壁を回って通路を進むと23mある場合、その場所について大型以外の20m以下という条件を満たしません。これは配置条件だけを確認する自作例です。
必要な本数を決めるときは、床面積・用途等に応じた能力単位などの条件も確認します。部屋の長さだけから「20mごとに1本」とは算定できません。
「20度で10秒以上」— 規格と製品の性能を分ける
消火器規格省令第10条第2号では、20℃における放射時間を10秒以上と定めています。「粉末は8秒、強化液は60秒」のような種類別の数値を、この条文の最低値として覚えるのは誤りです。
一方、製品カタログに書かれた放射時間や放射距離は、その製品の性能です。同じ薬剤の消火器でも、薬剤量や型式を指定せず一律の数値にはできません。
| 見ているもの | 読み取る内容 | 答え方 |
|---|---|---|
| 規格省令第10条第2号 | 20℃で10秒以上 | 温度条件と最低時間を一緒に書く |
| 第10条第3号の射程 | 消火に有効な射程 | すべて一律3m以上とは書かない |
| 特定型式のカタログ・表示 | その型式の放射時間・放射距離 | 型式と表示値を対応させる |
問題文の「規格」「この製品」「写真の表示」のどれを尋ねているかに線を引くと、使う数値を選びやすくなります。
使用温度は「化学泡5、ほか0、上は40」
消火器規格省令第10条の2の基本範囲は、化学泡消火器が5〜40℃、化学泡以外が0〜40℃です。「泡は全部5℃から」ではなく、化学泡かどうかを見ます。
さらに、10℃単位で範囲を広げても正常に操作でき、消火・放射の性能を有効に発揮できる消火器では、拡大した範囲を使用温度範囲にできます。
| 確認する区分 | 基本範囲・条件 |
|---|---|
| 化学泡消火器 | 5℃以上40℃以下 |
| 化学泡以外の消火器 | 0℃以上40℃以下 |
| 範囲の拡大 | 10℃単位。正常な操作・消火・放射の性能を満たすこと |
「粉末は必ずマイナス30℃から」「強化液は必ずマイナス20℃から」と種類だけで決めず、規格の基本範囲と製品に表示された範囲を区別します。実物を設置するときは、その消火器に表示された使用温度範囲を守ります。
数字の条件を思い出せるか、5つの自作例で確認
ここからはぴよパス編集部の確認例です。公式過去問ではありません。太字の答えを隠し、理由も含めて答えてください。
- 消火器の機器点検は、報告が3年ごとの建物なら3年ごとでよいか。いいえ。機器点検は6か月ごとで、報告周期と別です。
- 大型以外の消火器まで、実際の通路を歩くと23m。20m以下の配置条件を満たすか。満たしません。直線距離ではなく歩行距離で判定します。
- 規格省令が定める20℃での放射時間の最低値は。10秒です。「10秒以上」と答えます。
- 化学泡消火器の基本の使用温度範囲は。5℃以上40℃以下です。化学泡以外の基本範囲は0℃以上40℃以下です。
- 使用温度範囲は、5℃刻みで自由に広げられるか。いいえ。10℃単位で、拡大しても必要な操作・消火・放射の性能を満たすことが条件です。
数値だけ合って条件を忘れたものは、その条件を一枚のカードにしましょう。語呂を自作カードと確認練習に変える方法に、表裏の具体例を載せています。分野ごとに続ける場合は乙6の実技・鑑別オリジナル問題へ進めます。
テキストと照らし合わせる
使っている教材の該当ページに、語呂と「何の条件か」を添えてください。改訂版・正誤表も確認し、数字が食い違う場合は該当条文や製品の条件まで戻りましょう。
上記はAmazonアソシエイトのリンクです。購入前に版・刷と出版社の改訂情報・正誤表をご確認ください。
出典
- 消防法施行規則:第6条第6項、第7条第1項、第31条の6第3項。
- 消火器の技術上の規格を定める省令:第10条第2・3号、第10条の2。
- 平成16年消防庁告示第9号:第3の点検期間表。
- 消防庁・消火器具の点検基準:機器点検、内部及び機能の点検。
- 消防試験研究センター公式FAQ:Q30、改正法令の試験への適用。








