鑑別5問を先に固める理由
甲2の実技は鑑別等5問と製図2問で、実技単独で60%以上が必要です。先に固めるべきは鑑別で、理由は3つあります。
- 出題される機器が泡消火設備の構成部品に限られる
- 「見た目 → 名称 → 用途」の3点セットで答えられれば得点になる
- 鑑別で覚えた機器がそのまま製図の系統図の要素になる
鑑別5問で4問取れれば製図に余裕が生まれます。逆に鑑別を落とすと製図2問でほぼ満点が必要になります。
最頻出は混合装置4方式
甲2の核心です。名称が似ているので、何で原液を送るかという一点で切り分けてください。
| 方式 | 原液を送る力 | 構成の特徴 | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| プレッシャー・プロポーショナー | 差圧(動力源不要) | 差圧調合槽と吸込器。水を原液槽に送り込み、置換と吸入の両作用で混合 | 中小規模 |
| プレッシャーサイド・プロポーショナー | 専用の原液ポンプ | 送水管途中の圧入器+原液ポンプ | 大規模・大流量 |
| ポンプ・プロポーショナー | ポンプ吐出側からの分岐 | 吐出側と吸込側をつなぐバイパスと調整弁 | 既存ポンプへの後付け |
| ライン・プロポーショナー | 送水管途中の吸込器 | 構造が単純 | 可搬式・移動式 |
「差圧・専用ポンプ・分岐・吸込器」の4語で覚えると混ざりません。移動式の泡消火設備に用いる泡消火薬剤は低発泡のものに限られる(消防法施行規則第18条第4項第3号)点も、ライン・プロポーショナーとセットで押さえておくと出題に対応できます。
泡特有の機器
| 機器 | 特徴・用途 |
|---|---|
| フォームヘッド | 感熱部を持たない常時開放型。一斉開放弁の開放で区域内へ一斉に放射する |
| フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド | 泡と水の両方を放射できる。設置密度は床面積8㎡につき1個以上 |
| 一斉開放弁 | 火災感知の信号を受け、同一放射区域内の全ヘッドへ一斉に送液するために開放する弁 |
| 選択弁 | 加圧送水装置や薬剤貯蔵槽を共用する複数の防護区画のうち、火災が起きた区画にだけ送液する |
| 流水検知装置 | 配管内の流動を検知し、弁の開放やポンプ起動と連動して警報を発する |
| 泡消火薬剤貯蔵槽 | 原液を貯える。混合方式によって差圧調合槽になる |
| 泡試料採取容器 | 発泡倍率や25%還元時間を測るため、一定容積の泡試料を採取する |
| 火災感知用ヘッド | 熱で開放して配管内の圧力を低下させ、起動用圧力スイッチを作動させる |
移動式の格納箱にも規定があり、箱の表面に「移動式泡消火設備」と表示し、箱の上部に赤色の灯火を設けます(同項第4号)。表示と灯火の両方が必要で、どちらか一方では足りません。
混同しやすいペア
- 一斉開放弁 ≠ 選択弁 — 一斉開放弁は1つの放射区域内へ一斉送液する弁。選択弁は複数区画から1つを選ぶ弁。役割の階層が違う
- 連成計 ≠ 圧力計 — 連成計は目盛が正圧と負圧の両側にありポンプの吸込側に付く。圧力計は正圧のみで吐出側
- 性能試験配管 ≠ 逃し配管 — 性能試験配管は流量計と流量調整弁を持ちポンプの吐出性能を確認する。逃し配管は締切運転時の水温上昇を防ぐ
- フォームヘッド(9㎡)≠ フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド(8㎡) — 設置密度が違う。数値を取り違えると製図の個数計算も落とす
答え方の型
鑑別は記述式なので、名称だけでは不十分な設問があります。次の型で答えると要素が漏れません。
「◯◯(名称)で、△△するために□□に設ける」
例:
- 「一斉開放弁で、火災感知の信号を受けて同一放射区域内の全てのフォームヘッドへ一斉に泡水溶液を送るために、放射区域ごとの配管に設ける」
- 「連成計で、ポンプの吸込側は負圧になりうるため正圧と負圧の両方を測れるように、吸込側に設ける」
設置位置や条件まで書くと加点されやすく、落とすと知っていても減点されます。
演習
当サイトの甲種2類 練習問題 126問では、実技カテゴリ36問を五肢択一の知識問題として公開しています。写真を使わない形式ですが、「この特徴をもつ機器はどれか」という問い方で名称と用途の結びつきを確認できます。記述の練習に入る前段として、まずここで取りこぼしを洗い出してください。
製図側の対策は甲2の製図対策で、計算の型を4つにまとめています。鑑別で覚えた機器がそのまま系統図の部品になるので、この順番で進めると効率がよくなります。



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