先に手持ちの教材で不足する科目を確認する
甲種5類では、法令・機械の基礎・器具の構造や規格に加えて、鑑別と製図を学びます。教材を増やす前に、今の本の目次で扱う科目と、写真・図面を使った問題の収録を確認します。ここではテキストと問題集の使い分けを示します。
① まず全体像を作る — 総合テキスト
総合テキストでは、筆記科目と実技の収録を確認します。避難器具は「実物を見たことがあるか」で理解の速度が大きく変わる設備なので、巻頭に器具の写真が入っているものを選びます。金属製避難はしごの固定式・立てかけ式・つり下げ式、救助袋の垂直式・斜降式、緩降機の調速器と着用具は、文字だけで読むと最後まで像が結びません。
甲種を受けるなら、実技(鑑別等・製図)の演習も用意します。甲5は筆記45問と実技7問を同時に越える必要があり、筆記だけ仕上げても実技の成績が60%未満なら不合格になるためです。
出典: 消防試験研究センター・合格基準
② 出題のされ方に合わせる — 再現収録の問題集
条文を覚えても、出題のされ方に慣れていないと取れません。とくに甲5は
- 収容人員から必要個数を算定する問題(100人・200人・300人の3系統の引き分け)
- 規格省令の数値(横桟の間隔、緩降機の最大使用荷重)
- 降下空間・操作面積といった告示側の数値
というように、同じ論点でも聞かれ方が何通りもあるタイプの試験です。実際の出題を再現収録したシリーズは、この「聞かれ方」を短時間で通せます。
公論出版の令和8年版は上下巻に分かれています。上巻は法令・機械の基礎・構造機能の機械部分、下巻は規格・鑑別等・製図を収録しています。甲種の製図だけでなく、乙種でも学ぶ規格と鑑別が下巻にある点に注意してください。
出典: 公論出版・上巻の収録内容 / 下巻の収録内容
旧版を使う場合は、出版社の訂正情報と法令改正への対応を確認します。年度が古いことだけで全内容が使えないと判断するのではなく、受験時点の規定と異なる箇所を確かめます。
③ 数値を解いて引き当てる — 演習用問題集
演習では、例えば次の取り違えを確認できます。
- 設置個数の算定で刻みを取り違える(第3号の階に100人刻みを当ててしまう等)
- 規格・告示の数値を混ぜて覚えている(架空電線との間隔が降下空間1.2m・上端2mの2つある等)
どちらも読むだけでは直りません。解いて間違えて、条文に戻る往復が要ります。解説を試し読みし、間違えた肢の理由や計算の途中まで確認できるかを比べます。同じ著者でも収録内容は異なるため、目次で重複と不足を確認してください。
教材の役割を分ける
| 役割 | 何を得るか | いつ使うか |
|---|---|---|
| 総合テキスト | 器具の像と全体の枠組み | 最初の1周 |
| 再現収録の問題集(上下巻で範囲を確認) | 出題のされ方 | テキスト1周後 |
| 演習用問題集 | 数値の引き当てと算定の手順 | 直前まで反復 |
手持ちの本で説明と演習が足りるなら、役割ごとに一冊ずつ買う必要はありません。まず苦手な箇所を特定し、その説明や問題が足りないときに追加します。
教材の前に、まず範囲を体感する
書籍を選ぶ前に、自分がどこで詰まるかを先に知っておくと本の選び方が変わります。機械の基礎で詰まる人と、法令の算定で詰まる人では、必要な本の重心が違うためです。
当サイトの甲種5類 練習問題 166問は登録不要・全問無料で、消防関係法令・基礎知識58問、構造・機能・工事・整備61問、実技の知識問題47問をカテゴリ別に解けます。法令に基づく問題は根拠条文を記載し、点検要領の確認事項や機械計算の条件と区別しています。
1周してから本を選ぶと、「解説が厚い本」と「演習量が多い本」のどちらが自分に要るかがはっきりします。











