製図2問は捨てられない
甲2の実技は鑑別5問と製図2問。実技は単独で60%以上が必要なので、製図を白紙で出すと鑑別5問がほぼ満点でないと届きません。問題数が少ないぶん1問の重みが筆記より大きくなります。
逆に言えば、製図で問われる計算は種類が限られています。覚えるのは次の4つだけです。
式1:フォームヘッドの必要個数
床面積 ÷ 9㎡(端数は切り上げ)
消防法施行規則第18条第2項第1号は、フォームヘッドを天井または小屋裏に床面積9平方メートルにつき1個以上設けることを求めています。
ここで狙われるのがヘッドの種別です。
| ヘッド | 設置密度 |
|---|---|
| フォームヘッド | 床面積 9㎡ につき1個以上 |
| フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド | 床面積 8㎡ につき1個以上 |
8と9で分かれます。床面積450㎡なら 450÷9=50個以上。もし8で割ると57個になり、これは別のヘッドの基準を当てはめた誤りです。
式2:放射量は薬剤で変わる
放射量(L/min·㎡)× 床面積
同条第1項第2号ハの表は用途で2段に割れます。
| 用途 | たん白泡 | 合成界面活性剤泡 | 水成膜泡 |
|---|---|---|---|
| 道路・自動車の修理若しくは整備・駐車の用に供される部分 | 6.5 | 8.0 | 3.7 |
| 指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱う部分 | 6.5 | 6.5 | 6.5 |
単位は L/min·㎡。駐車場等では薬剤で3通りに分かれるのに、指定可燃物の部分では3薬剤とも6.5に揃うという非対称が要点です。
床面積450㎡の駐車場に水成膜泡なら 3.7×450=毎分1,665リットル。ここでたん白泡の6.5を当てると2,925、合成界面活性剤泡の8.0を当てると3,600になり、いずれも薬剤の取り違えです。
式3:泡水溶液の量は「最大の放射区域」を基準に10分間
最大となる放射区域の床面積 × 放射量 × 10分
同条第2項第2号は、床面積が最大となる放射区域を基準に10分間放射できる量とすることを求めています。放射区域が複数あるとき、合計でも平均でもなく最も大きい1区域を採ります。
放射区域の面積そのものにも基準があります(同条第4項第5号)。
- 道路の用に供される部分:80㎡以上160㎡以下
- その他の防火対象物またはその部分:50㎡以上100㎡以下
上限と下限の両方がある点が要点で、「100㎡以上(上限なし)」は別の枠組みの値です。
なお同項第5号により、算出した量に配管内を満たすに要する量を加えます。
移動式の場合は考え方が変わり、2個(ホース接続口が1個の場合は1個)のノズルを同時に使用した場合に、道路・自動車の修理整備・駐車の部分は毎分100リットル、その他は毎分200リットルで15分間放射できる量です(同項第4号)。固定式の10分間と混ざりやすいので、対で覚えてください。
式4:加圧送水装置は方式で項数が違う
| 方式 | 式 | 項数 |
|---|---|---|
| 高架水槽(落差) | H = h1 + h2 + h3 | 3項 |
| ポンプ(全揚程) | H = h1 + h2 + h3 + h4 | 4項 |
| 圧力水槽(圧力) | P = p1 + p2 + p3 + p4 | 4項 |
ポンプ方式の各項は、h1=泡放出口の設計圧力換算水頭またはノズル先端の放射圧力換算水頭、h2=配管の摩擦損失水頭、h3=落差、h4=移動式の消防用ホースの摩擦損失水頭です(同条第4項第9号ハ)。
高架水槽の3項とポンプの4項を取り違えるのが定番の誤りです。落差が独立した項として入るかどうかで見分けてください。圧力水槽の水量は水槽の体積の2/3以下とされます(規則第12条の準用)。
電動機の容量は次の式です。
P(kW)= 0.163 × Q × H / E × K
Q=吐出量(m³/min)、H=全揚程(m)、E=ポンプ効率、K=伝達係数(電動機は1.1)。Q=2.0、H=60、E=0.65、K=1.1 なら 0.163×2.0×60×1.1÷0.65=約33.1kWです。
解く順序
- 用途を確認する(道路か、駐車場か、指定可燃物か)— 放射量の段が決まる
- 薬剤を確認する — 放射量の値が決まる
- 床面積 ÷ 9㎡ でヘッド個数
- 放射量 × 面積 で毎分の必要量
- 最大の放射区域 × 10分 で泡水溶液の量(+配管内充水量)
- 方式に応じた式で全揚程または圧力
最初の2ステップを飛ばすと、以降の計算が全部ずれます。 用途と薬剤を問題文から先に拾う癖をつけてください。
演習
当サイトの甲種2類 練習問題 126問では、実技カテゴリ36問を五肢択一の知識問題として公開しています。計算問題は問題文の中に必要な数値をすべて与える自己完結型なので、図が無くても解けます。全問に解説と根拠条文が付いています。
本試験と同じ3時間15分で通すなら模擬試験を使ってください。製図に何分残せるかが分かります。



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