ドローンの国家資格は、航空法の「無人航空機操縦者技能証明」です。 資格は一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の2つで、二等は第三者の上空を飛ばない特定飛行(カテゴリーⅡ)、一等は第三者の上空を飛ぶ特定飛行(カテゴリーⅢ)に必要な技能を証明します(航空法第132条の42)。取り方は、学科試験・身体検査・実地試験に合格し、国土交通省に技能証明書の交付を申請する流れで、登録講習機関の講習を修了すると実地試験が免除されます。
ぴよパスでは、二等の学科試験に向けたオリジナル予想問題を二等無人航空機操縦士の学科試験の練習ページで登録不要・無料で解けます。国土交通省・指定試験機関(日本海事協会)・登録講習機関とは関係がなく、本試験の問題や講習の教材を載せたものではありません。
結論: ドローンの国家資格の要点
- 正式な名前は 無人航空機操縦者技能証明。区分は 一等 と 二等 の2つ。
- 二等は カテゴリーⅡ(立入管理措置を講じた特定飛行)、一等は カテゴリーⅢ(立入管理措置を講じない特定飛行)の技能の証明。
- 技能証明は 必須ではない。カテゴリーⅡの特定飛行は、飛行ごとの国の許可・承認でも行える(カテゴリーⅢは一等の技能証明と第一種機体認証が要る)。
- 取り方は 学科試験(CBT)・身体検査・実地試験。実地試験は学科試験に合格してから。登録講習機関の講習を修了すると 実地試験が免除。初めて取る人は、講習を修了しても学科試験を受ける。
- 申請できるのは 16歳以上。有効期間は 3年 で、更新には更新講習と身体の基準が要る。
- 民間の技能認証で飛行の申請の一部を省く運用は、2025年12月18日に廃止 された。
一等と二等の違い
| 二等無人航空機操縦士 | 一等無人航空機操縦士 | |
|---|---|---|
| 対象の飛行 | 立入管理措置を講じた上で行う特定飛行(カテゴリーⅡ) | 立入管理措置を講じずに行う特定飛行(カテゴリーⅢ。レベル4飛行を含む) |
| 学科試験 | CBT・三肢択一50問・30分 | CBT・三肢択一70問・75分 |
| 学科の合格の目安 | 試験開始当初は正答率80%程度 | 試験開始当初は正答率90%程度 |
| 実地試験の合格 | 100点の持ち点からの減点式で70点以上 | 100点の持ち点からの減点式で80点以上 |
| 学科試験の手数料 | 8,800円 | 9,900円 |
| 実地試験の手数料(マルチローター・基本) | 20,400円 | 22,200円 |
| 技能証明書の交付 | 3,000円(新規) | 3,000円(新規)+登録免許税3,000円 |
学科試験の合格の目安は、指定試験機関が「試験開始当初の合格に最低限必要な正答率」として示している値で、問題の改定後は同じ水準になるよう統計的に決めるため「多少変動する可能性があります」と書かれています。学科試験は一等と二等の2種類だけで、機体の種類や限定の内容にかかわらず共通です。
一等を受けるのに二等を持っている必要はありません(国土交通省のFAQ)。
国家資格で何ができるようになるか
航空法は、空港などの周辺・地表や水面から150メートル以上の高さ・緊急用務空域・人口集中地区(DID)の上空での飛行と、夜間・目視外・人や物件から30メートル未満・催しの上空・危険物の輸送・物件の投下のどれかに当たる飛行を「特定飛行」としています(航空法第132条の85〜第132条の87・航空法施行規則第236条の71)。国土交通省の整理では、飛行は次の3つのカテゴリーに分かれます。
| カテゴリー | 内容 | 手続き |
|---|---|---|
| カテゴリーⅠ | 特定飛行に当たらない飛行 | 航空法の飛行の許可・承認は要らない(屋外で飛ばす機体の登録は要る) |
| カテゴリーⅡ | 立入管理措置を講じた上で行う特定飛行(第三者の上空を飛ばない) | 飛行ごとの許可・承認、または技能証明と機体認証で一部の許可・承認が不要になる |
| カテゴリーⅢ | 立入管理措置を講じずに行う特定飛行(第三者の上空) | 一等の技能証明と第一種機体認証を受けたうえで、飛行ごとの許可・承認 |
技能証明で許可・承認が不要になるのは、立入管理措置を講じた上で、技能証明を受けた人が機体認証を受けた機体を、総重量25キログラム未満で、DIDの上空・夜間・目視外・人や物件から30メートル未満のどれかに当たる飛行として飛ばす場合です。飛行マニュアルの作成など、安全のための措置も要ります。夜間と目視外をこの形で飛ばすには、技能証明の限定変更が必要です。
一方、空港の周辺・高さ150メートル以上・催しの上空・危険物の輸送・物件の投下と、総重量25キログラム以上の機体の飛行は、技能証明や機体認証があっても、飛行ごとに国の許可・承認を受けます。国土交通省は「無人航空機操縦者技能証明書の取得は、無人航空機の飛行において必須事項ではありません」としていて、技能証明が無くても、飛行ごとの許可・承認を受ければカテゴリーⅡの飛行はできます。
限定 — 機体の種類・重さ・昼間・目視内
技能証明には、実地試験で使った機体と飛行の方法に応じた限定が付きます(航空法施行規則第236条の40)。機体の種類はマルチローター・ヘリコプター・飛行機の3つで、それぞれに最大離陸重量25キログラム未満の限定があり、飛行の方法には昼間と目視内の限定があります。限定を外すと、機体の種類の追加、25キログラム以上の機体、夜間飛行、目視外飛行ができるようになります(限定変更)。
取り方 — 学科試験・身体検査・実地試験
技能証明の試験は、学科試験・身体検査・実地試験の3つで、学科試験に合格しないと実地試験は受けられません(航空法第132条の47)。試験は指定試験機関の日本海事協会が行います。
| 順 | すること | 決まり |
|---|---|---|
| 1 | 国土交通省のドローン情報基盤システム(DIPS2.0)で技能証明申請者番号を取る | 技能証明の申請は16歳以上(航空法第132条の45) |
| 2 | 指定試験機関の試験申込システムに登録し、学科試験(CBT)を受ける | 申込システムの利用者登録は16歳以上。不合格でも受験の回数に制限はない。学科の合格は2年間有効 |
| 3 | 身体検査を受ける | 運転免許証など公的な書類による受検と、会場での受検がある。合格は原則1年間有効(公的な書類で受けたときは、その書類の有効期間の方が短ければそちら) |
| 4 | 実地試験を受ける(指定試験機関)か、登録講習機関の講習を修了する | 講習を修了すると、修了から1年以内は実地試験が免除される |
| 5 | DIPS2.0で国土交通省に技能証明書の交付を申請する | 一等は登録免許税3,000円を別に納める |
登録講習機関の講習を修了して免除されるのは 実地試験 です(航空法施行規則第236条の54第2項)。初めて技能証明を取る人は、講習を修了しても学科試験と身体検査を受けます。学科試験が免除されるのは、技能証明の有効期間が切れた人が、満了から3年以内に登録講習機関の講習を修了して取り直す場合などに限られます(同条第1項)。
登録講習機関の講習を受けるかどうかは任意です。国土交通省は「必ずしも登録講習機関の無人航空機講習を受講する必要はありません」としていて、指定試験機関で実地試験を受けることもできます。実地試験は机上試験・口述試験・実技試験で構成され、マルチローターの基本(昼間・目視内・25キログラム未満)は原則として集合試験の形で行われます。指定試験機関は、実地試験の予約が取りづらくなっていると案内しています。
身体検査の基準
一等の25キログラム未満の限定と二等では、視力(両眼で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上など)、色覚(赤・青・黄の識別)、聴力(補聴器を含め、10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる。後方2メートルからの通常の会話で確かめる方法もある)などを確かめます(航空法施行規則別表第六)。自動車の運転免許証(自動二輪・小型特殊・原付の免許を除く)などの公的な書類による受検ができ、その場合の手数料は5,200円、会場での受検は19,900円です。
費用 — 国が定める手数料
試験と身体検査の手数料(指定試験機関に払う)と技能証明書の手数料(国に払う)は、どちらも航空法関係手数料令と同規則で国が定めた額です。
| 項目 | 二等 | 一等 |
|---|---|---|
| 学科試験 | 8,800円 | 9,900円 |
| 身体検査(書類による受検 / 会場での受検) | 5,200円 / 19,900円 | 5,200円 / 19,900円(会場での受検は25キログラム未満の限定のときだけ) |
| 実地試験(マルチローター・基本) | 20,400円 | 22,200円 |
| 技能証明書の交付(新規) | 3,000円 | 3,000円+登録免許税3,000円 |
| 更新・再交付・限定変更の技能証明書 | 2,850円 | 2,850円 |
ヘリコプター・飛行機の実地試験や限定変更の実地試験は額が違います(例: 二等の飛行機の基本は21,500円)。登録講習機関の講習の受講料は機関ごとに違い、国土交通省は各機関に問い合わせるよう案内しています。
有効期間3年と更新
技能証明の有効期間は3年です(航空法第132条の51)。更新するには、登録更新講習機関の更新講習を修了し、身体の基準を満たしたうえで、有効期間が満了する日の6か月前から1か月前までに申請します(航空法施行規則第236条の57)。更新講習は、申請の日の前3か月以内に修了したものでなければなりません。
民間資格との違い
民間の講習団体の技能認証は、国家資格ではありません。国土交通省のFAQは「民間ライセンスが国家ライセンスの扱いになることはありません」としています。民間の技能認証を持つ人は、登録講習機関の経験者コースで講習時間が短くなることがありますが、修了審査は同じ内容です。
飛行の許可・承認の申請で、民間の技能認証を持つ人は書類の一部を省けるという運用がありましたが、国土交通省はこれを廃止し、2025年12月18日から施行しました。今、申請の一部を省けるのは技能証明(国家資格)を持つ場合です。
技能証明の交付数は、国土交通省の審議会の資料に一等1,999件・二等15,997件(2024年9月30日時点)とあります。合格率と受験者数は、国土交通省と指定試験機関のページでは見つかりませんでした(2026年10月20日時点)。制度が始まった直後の学科試験の申請件数は、2023年1月24日時点で二等874件、2月14日時点で一等458件でした。
例題: ぴよパスのドローンの問題から
ぴよパスのオリジナル予想問題から2問です(本試験の問題ではありません)。
例題1 無人航空機操縦者技能証明の試験と交付の手続きについて、誤っているものはどれか。
- 登録講習機関の講習を修了した者について免除の対象となるのは、実地試験ではなく学科試験である。
- 学科試験に合格した者でなければ、実地試験を受けることができない。
- 試験に関して不正の行為があったときは、関係する者の試験を停止し、又はその合格を無効にすることができる。
答え: 1。講習の修了で免除されるのは実地試験です。 この問題を解く →
例題2 無人航空機操縦者技能証明の有効期間と更新について、正しいものはどれか。
- 技能証明の有効期間は5年であり、その満了の際には申請によって更新することができる。
- 有効期間が満了した後であっても、満了日から3月以内であれば更新を申請できる。
- 更新の申請は、有効期間が満了する日の6月前から1月前までの間に行う必要がある。
答え: 3。有効期間は3年で、更新の申請は満了の6か月前から1か月前までです。 この問題を解く →
練習問題の使い方
ぴよパスの二等無人航空機操縦士の練習問題は、教則(第5版)の二等の範囲を、「航空法(定義・登録・特定飛行)」「航空法(操縦者の義務・罰則・技能証明)」「航空法以外の法令と飛行自粛要請空域」「機体の特徴と飛行原理」「機体の構成・電波・GNSS・整備」「操縦者の心得・運航体制・操縦知識」「運航リスク管理と気象」の7分野に分けています。分野ごとの練習問題と解説は無料です。本試験と同じ50問・30分で解く模擬試験は Premium の機能です。学科試験の形と教則の版は、二等無人航空機操縦士の学科試験の練習問題の記事で詳しく説明しています。
まとめ
- ドローンの国家資格は無人航空機操縦者技能証明。一等はカテゴリーⅢ、二等はカテゴリーⅡの技能の証明。
- 技能証明は必須ではない。技能証明と機体認証があると、25キログラム未満のDID上空・夜間・目視外・30メートル未満の飛行で許可・承認が要らなくなる場合がある。
- 取り方は学科試験・身体検査・実地試験。登録講習機関の講習を修了すると実地試験が免除される。初めて取る人は学科試験を受ける。
- 手数料は国の定めで、二等の学科8,800円・実地(マルチローター基本)20,400円・交付3,000円など。講習の受講料は機関ごと。
- 有効期間は3年。満了の6か月前から1か月前までに、更新講習を修了して更新する。
関連記事
出典
- 航空法 第132条の40〜第132条の47・第132条の50・第132条の51・第132条の54・第132条の85〜第132条の87(e-Gov法令検索・2025年12月1日施行の版): https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231
- 航空法施行規則 第236条の40・第236条の41・第236条の47〜第236条の51・第236条の54〜第236条の57・第236条の71・第236条の73・別表第六(e-Gov法令検索・2026年10月1日施行の版): https://laws.e-gov.go.jp/law/327M50000800056
- 航空法関係手数料令 第13条〜第16条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/409CO0000000284
- 航空法関係手数料規則 第8条・別表第一・別表第二(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/409M50000800058
- 国土交通省「無人航空機操縦者技能証明等」: https://www.mlit.go.jp/koku/license.html
- 国土交通省「無人航空機レベル4飛行ポータルサイト(技能証明)」: https://www.mlit.go.jp/koku/level4/license/index.html
- 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」(カテゴリーの整理・2025年12月15日のお知らせ): https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html
- 国土交通省「カテゴリーⅡ飛行に関する許可・承認の審査要領の改正」説明会資料: https://www.mlit.go.jp/common/001971113.pdf
- 国土交通省 無人航空機操縦者技能証明 FAQ: https://www.mlit.go.jp/koku/content/001574653.pdf
- 国土交通省「無人航空機操縦者技能証明書の交付手数料額」: https://www.mlit.go.jp/koku/content/001572203.pdf
- 国土交通省「次世代航空モビリティに関する検討状況について」(2024年10月11日の審議会資料・技能証明の交付数): https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001767892.pdf
- 国土交通省 報道発表(2023年1月24日・2月14日): https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000226.html ・ https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000229.html
- 指定試験機関(一般財団法人 日本海事協会)無人航空機操縦士試験の案内(制度の概要・学科試験・実地試験・身体検査): https://ua-remote-pilot-exam.com/guide/overview/ ・ https://ua-remote-pilot-exam.com/guide/written-examination/ ・ https://ua-remote-pilot-exam.com/guide/pilot-examination/ ・ https://ua-remote-pilot-exam.com/guide/physical-examination/

