宅建(宅地建物取引士資格試験)の「5問免除」は、宅建業に従事している人が登録講習を修了すると、試験の50問のうち5問が免除される制度 です。免除された5問は解かずに、残りの45問で合否が決まります。
令和8年度(2026年度)の試験は10月18日に終わり、合格発表は11月25日です。次に5問免除を使えるのは令和9年度(2027年度)の試験からで、日程はまだ公表されていません(例年は10月の第3日曜日)。この記事では、宅地建物取引業法・同施行規則と、試験を行う不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の案内(2026年10月20日に確認)をもとに、5問免除の条件と申込の注意点をまとめます。
5問免除のしくみ
| 項目 | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 受けられる人 | 宅建業に従事している人(従業者証明書を持っている人)。一般の人は受講できない | 施行規則第10条の5第1号・RETIO |
| 受けるもの | 国土交通大臣の登録を受けた機関が行う「登録講習」と、その修了試験 | 法第16条第3項・施行規則第10条の5第6号 |
| 免除される問題 | 施行規則第8条の第1号(土地・建物の形質など)と第5号(需給に関する法令と実務)の事項。50問中5問 | 施行規則第10条の14・RETIO |
| 免除が使える期間 | 登録講習修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験 | 施行規則第10条の14 |
| 試験時間 | 一般 13:00〜15:00(2時間)、登録講習修了者 13:10〜15:00(1時間50分) | RETIO(令和8年度) |
| 受験手数料 | 8,200円(一般と同じ) | RETIO |
法令は免除を問題の番号ではなく「事項」で決めています。令和7年度の問題冊子では、登録講習修了者は 問46〜問50 を解答しない形でした。その5問の分野は、住宅金融支援機構・景品表示法(宅建業者の広告)・統計・土地・建物です(ぴよパスの分類)。
合格点は一般より5点低い — 10年の公表値
RETIOの「試験実施概況」に並ぶ合格基準点を、直近の年度から抜き出します。
| 年度 | 合格率(全体) | 一般の合格点 | 登録講習修了者の合格点 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度(2025年) | 18.7% | 33点(50問中) | 28点(45問中) |
| 令和6年度(2024年) | 18.6% | 37点(50問中) | 32点(45問中) |
| 令和5年度(2023年) | 17.2% | 36点(50問中) | 31点(45問中) |
| 令和4年度(2022年) | 17.0% | 36点(50問中) | 31点(45問中) |
| 令和3年度(2021年)10月 | 17.9% | 34点(50問中) | 29点(45問中) |
令和7年度以前の10年間の公表値では、登録講習修了者の合格点は毎回、一般の合格点から5点を引いた値でした(令和3年度の12月試験は修了者の欄が無い)。差が5点と法令で決まっているわけではなく、合格点そのものも毎年変わります。
登録講習修了者だけの全国の合格率は、RETIOのページには見当たりません。香川県が公表した県内の令和7年度の値は、県全体の合格率が17.6%、登録講習修了者だけでは18.4%でした(香川県だけの値です)。令和8年度の申込者307,254人のうち、登録講習修了者は58,162人(約19%)でした。
登録講習の受け方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 講習の形 | 講義はおおむね50時間。通信を使う場合は、教材でおおむね2か月学んだあとに講義(科目ごとの合計で約10時間) |
| 修了試験 | すべての科目について知識の習得を確かめる。合格すると「登録講習修了者」になる |
| 修了者に知らされる事項 | 講習機関の登録番号・修了試験に合格した年月日・修了番号 |
| 日程と料金 | 機関によって違う。国土交通省の登録講習機関一覧から選び、各機関に確かめる |
| かかる期間 | RETIOは、受講申込みから修了まで2か月以上かかるとしている |
講習機関は、国土交通省の「登録講習の登録講習機関一覧」(令和8年8月12日現在)に並んでいます。試験の申込期間(例年7月)に修了が間に合うよう、遅くとも春のうちに受講を申し込むのが安全です(ぴよパスの見立て)。
申込で5問免除にならない3つの落とし穴
- 受講中は修了者として申し込めない — 登録講習修了の情報の通知を受けてからでないと、修了者としての申込みはできません。
- 修了番号などが1つでも欠けると一般申込者になる — インターネット申込みでは、修了試験の合格年月日・修了番号・講習機関の登録番号を入れ、講習機関からRETIOに送られたデータと照合されます。一部でも入っていないと、5問免除にならず一般申込者(50問)になります。
- あとから修了者に変えられない — 一般申込者で申し込んだあとに登録講習修了者(45問)へ変えることは一切できず、手数料も返りません。番号が分からなくなったら、受講した講習機関に確かめます。
「3年以内」は修了試験の合格日から数え、試験の日を基準に判定します。令和8年度(10月18日)の試験では、令和5年10月19日以降の合格が条件でした。
「登録講習」と「登録実務講習」は別の講習
名前が似ていますが、受ける時期も目的も違います。
| 登録講習(5問免除) | 登録実務講習 | |
|---|---|---|
| いつ受けるか | 宅建試験の前 | 宅建試験の合格後(宅建士の登録の前) |
| 受けられる人 | 宅建業に従事している人 | 試験に合格し、実務経験が2年に満たない人 |
| 効果 | 3年以内の試験で5問免除 | 宅建士の登録に要る実務経験2年と同等と認められる |
| 根拠 | 法第16条第3項・施行規則第10条の5・第10条の14 | 法第18条第1項・施行規則第13条の15・第13条の16・第13条の21 |
合格後の登録実務講習と登録の流れは宅建士 合格後の手続きで説明しています。
5問免除の人も、免除の無い人も
免除される5問は、試験の「税・その他」の分野の一部です。免除を受ける人はその分を宅建業法・権利関係・法令上の制限に回せ、免除の無い人はこの5問で得点を積めます。分野ごとの考え方は宅建の税・その他の攻略にまとめています。
ぴよパスの宅建の練習問題は、権利関係・宅建業法・法令上の制限・税・その他の4分野で、無料で解けます(問題はすべてオリジナル予想問題です)。50問・2時間の模擬試験(Premium・月980円)は一般受験の形で、免除者向けの45問の形にはしていません。
まとめ
- 5問免除は、宅建業に従事する人が登録講習を修了すると、修了試験の合格日から3年以内の試験で5問が免除される制度。一般の人は受けられない。
- 免除は法令上「土地・建物の形質など」と「需給」の事項。令和7年度の冊子では問46〜問50。
- 合格点は過去10年いつも一般より5点低い値(令和7年度は45問中28点)。修了者だけの全国の合格率は見当たらない。
- 修了番号などが欠けると一般申込者になり、あとから変えられない。
- 登録講習(試験前・5問免除)と登録実務講習(合格後・実務経験の代わり)は別物。
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出典
- 宅地建物取引業法 第16条第3項・第18条第1項・第48条第1項(e-Gov 法令検索・2026年10月20日時点の版): https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
- 宅地建物取引業法施行規則 第8条・第10条の5・第10条の14・第13条の15・第13条の16・第13条の21(e-Gov 法令検索・2026年10月20日時点の版): https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50004000012
- 不動産適正取引推進機構「登録講習修了者の方へ」(受講できる人・3年以内・申込の注意): https://www.retio.or.jp/exam/tourokukosyu/
- 不動産適正取引推進機構「試験概要」(試験時間・問題数・受験手数料): https://www.retio.or.jp/exam/exam_detail/
- 不動産適正取引推進機構「試験のスケジュール」(令和8年度の日程・合格発表): https://www.retio.or.jp/exam/schedule/
- 不動産適正取引推進機構 よくある質問(免除される問題・照合の方法): https://www.retio.or.jp/exam/faq/
- 不動産適正取引推進機構「令和8年度 インターネット申込み試験案内」(PDF・登録講習修了者の申込手続。試験のスケジュールのページからリンク): https://www.retio.or.jp/exam/schedule/
- 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」(PDF・合格基準点): https://www.retio.or.jp/wp-content/uploads/2025/12/10years_result2025.pdf
- 不動産適正取引推進機構「令和8年度宅地建物取引士資格試験 受験状況【速報】」(PDF・登録講習修了者の申込者数。宅建試験のページからリンク): https://www.retio.or.jp/exam/
- 国土交通省「宅地建物取引士の登録について」(登録講習・登録実務講習の機関一覧): https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000251.html
- 国土交通省告示第172号「宅地建物取引業法第十六条第三項の登録講習の時間等を定める件」(PDF): https://www.mlit.go.jp/common/000006546.pdf
- 香川県「令和7年度宅地建物取引士資格試験実施結果の概要」(県内の登録講習修了者の合格率): https://www.pref.kagawa.lg.jp/jutaku/takken/takkennsikenr7.html
2026年10月20日に、法令は e-Gov 法令 API の現行版で、そのほかは不動産適正取引推進機構・国土交通省・香川県のページで確かめました。
※ ぴよパスは不動産適正取引推進機構・国土交通省とは関係のない学習サイトです。試験名は試験を特定するために使っています。






