証券外務員一種(一種外務員資格試験)の合格率は、日本証券業協会が公表する一般受験者の数字で 73.1%(2025年度) です。数字だけ見ると「4人に3人が受かる試験」ですが、合格点の仕組みを見ると、どこで落ちるかがはっきりします。
この記事では、日本証券業協会の外務員資格試験のページ(2026年10月20日に確認)をもとに、一種の難しさを 合格率・配点・範囲・落ちたときの重さ の4つに分けて見ていきます。
数字で見る一種の難易度
| 項目 | 一種 | (参考)二種 |
|---|---|---|
| 問題数 | 100問(○×方式70問・五肢選択方式30問) | 70問(○×方式50問・五肢選択方式20問) |
| 試験時間 | 2時間40分 | 2時間 |
| 配点 | ○×1問2点・五肢選択1問10点(五肢択二は各5点) | 同じ |
| 満点と合格点 | 440点満点の7割(308点)以上 | 300点満点の7割(210点)以上 |
| 合格率(一般受験者・2025年度) | 73.1%(受験7,408名・合格5,418名) | 68.1%(受験3,753名・合格2,557名) |
| 合格率(一般受験者・2024年度) | 73.0%(受験6,903名・合格5,038名) | 64.5%(受験4,268名・合格2,751名) |
協会が公表しているのは「一般受験者」、つまりプロメトリックに自分で申し込んだ人の数字です。証券会社や銀行など協会員を通じて受けた人は含みません。一般受験者に限ると、一種を受けた人は二種の約2倍いました(2025年度 7,408名と3,753名)。
一種の合格率が二種より高い理由を、協会は書いていません。二種に受かってから一種を受けた人がどれだけいるかも、この表からは分かりません。受ける人の顔ぶれが違う以上、合格率の高さを「一種のほうが易しい」と読むことはできません。合格率の読み方を二種と並べて見たい人は証券外務員の合格率と難易度を参照してください。
難しさは配点に出る — 五肢選択30問で300点
一種の440点のうち、○×方式70問は合わせて140点、五肢選択方式30問は300点です。配点の約7割が五肢選択 にあります。合格点の308点から逆算すると、○×の出来ごとに五肢選択で要る正解数が決まります。
| ○×の正解数(70問中) | ○×の点 | 五肢選択で要る点(これ以上) | 五肢選択の正解数の目安(30問中) |
|---|---|---|---|
| 70問(全問正解) | 140点 | 168点 | 17問 |
| 63問(9割) | 126点 | 182点 | 19問 |
| 56問(8割) | 112点 | 196点 | 20問 |
| 49問(7割) | 98点 | 210点 | 21問 |
(五肢選択は1問10点で数えた目安です。五肢択二の問題は各5点なので、片方だけ正解して5点を取ることもあります。)
○×を全問正解しても、五肢選択を14問(半分弱)落とすと届きません。五肢選択には語句選択と計算問題があり、1問を落とすと○×5問分の点が消えます。合格率73.1%の試験でも、五肢選択の出来しだいで合否が分かれやすい作りです(協会は不合格の理由を公表していません)。
時間の面では、2時間40分で100問、1問あたり1.6分です。二種(2時間で70問・約1.7分)とほぼ同じ密度ですが、100問を通して集中を保つ必要があります。計算の型は証券外務員の計算問題の対策でまとめています。
二種との差は範囲 — デリバティブ取引と「専門的知識」
協会の試験ページは、一種と二種の出題科目と出題範囲を次のように書き分けています。
| 一種 | 二種 | |
|---|---|---|
| 出題科目 | 法令・諸規則、商品業務、関連科目 | 同じ3区分 |
| デリバティブ取引 | 商品業務の中の科目として出題(一種のみ) | 科目としては無い |
| 信用取引・デリバティブ取引 | 一種の欄に個別の記載はない(出題範囲の「実務的、専門的知識」が全科目にかかる) | 二種外務員の職務の範囲外。基礎的知識を「株式業務」「債券業務」など関係する科目に含めて出題 |
| 出題範囲の書き方 | 出題科目についての実務的・専門的知識と、コンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項 | 出題科目についての基礎的知識と、コンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項 |
一種で新しく加わる重みは、先物・オプションなどの デリバティブ取引 です。仕組みの理解に加えて、損益やオプションの価値を問う計算が絡みます。科目ごとの出題数は協会が公表していません。デリバティブの論点の押さえ方は証券外務員一種のデリバティブ対策、扱える商品の違いは証券外務員の一種と二種の違いで整理しています。
問題は直近の法令・諸規則などに基づいて出題される、と協会は案内しています。古いテキストで覚えた数字や規則が変わっていることがあるので、使う教材の年度版を確かめておくと安全です。
二種を持たずに一種から受けるか
一般受験に年齢などの受験資格の制限はありません。外務員等資格試験に関する規則 第4条も、一種の受験の要件に二種の合格を挙げていません(挙げているのは、協会が一級不都合行為者として扱っていないこと、二級不都合行為者なら決定から5年を過ぎていること、不合格などによる受験停止の期間中でないことです)。協会は、証券業務に就く人に限らず、金融に関心のあるすべての人が受けられるとしています。二種を飛ばして一種から受けることはできます。
| 状況 | 考え方(ぴよパスの見立て) |
|---|---|
| 勤め先から一種を求められている | 二種を挟む理由は薄い。一種の範囲に二種の範囲が含まれるので、最初から一種の教材で進める |
| 金融の知識がほとんど無い | まず法令・諸規則と商品業務の○×で用語に慣れる。五肢選択の計算まで手が回るかを見て受験日を決める |
| 二種に受かったばかり | 差分はデリバティブ取引と、専門的になる五肢選択。二種の知識が新しいうちに続けて受けるのが効率的 |
一般受験の受験料は一種・二種とも12,169円(税込)で、一度払うと返金もキャンセルもできません(日時は試験日の5営業日前まで変えられます)。申込の手順は証券外務員試験の申し込み方法にまとめています。
落ちたときの30日を計算に入れる
外務員等資格試験に関する規則は、不合格になった人は受験日から30日を経過する日まで、協会が行う すべての試験 を受けられないとしています。二種や内部管理責任者の試験も含みます(プロメトリックの案内では、欠席は不合格に含みません)。
合格率が7割を超えていても、落ちると1か月は次の受験ができず、受験料も改めてかかります。会社から期限を区切られている人ほど、「受かりそうだから受ける」ではなく、模擬試験で合格点を超えてから予約するほうが安全です。落ちたあとの立て直し方は証券外務員一種に落ちたらで説明しています。
なお、会員内部管理責任者資格試験を受けられるのは、協会員の役員や、協会・協会員が受験の必要を認めた人のうち、一種外務員の資格を持つ人です(同規則 第4条第2号)。証券会社などで内部管理の仕事に就く予定がある人にとって、一種は通り道になります(内管の概要は内部管理責任者とは)。
合格点を超えたかを確かめる方法
ぴよパスでは、証券外務員一種の練習問題 394問を4つの科目(法令・諸規則、商品業務、デリバティブ取引、関連科目)に分けて無料で解けます。問題はすべてオリジナル予想問題です。
模擬試験は、本試験と同じ100問(○×70問・五肢選択30問)を2時間40分で解き、○×2点・五肢選択10点で440点満点の7割を目安に判定します(Premium・月980円)。科目ごとの出題数は公表されていないので、科目の配分はぴよパスの設定です。どれくらいの時間で仕上がるかは証券外務員一種の勉強時間で数えています。
まとめ
- 一種の合格率は一般受験者で73.1%(2025年度)・73.0%(2024年度)。会社を通じて受けた人は含まない。
- 440点満点のうち300点が五肢選択30問。○×70問を全問正解しても、五肢選択で17問以上が要る。
- 二種との差は範囲。一種はデリバティブ取引の科目があり、出題範囲は「実務的・専門的知識」。
- 二種を持たずに一種から受けられる。受験料は12,169円で返金なし。
- 不合格なら受験日から30日を経過する日まで、協会のすべての試験を受けられない。
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出典
- 日本証券業協会「外務員資格試験」(出題科目・出題範囲・試験時間・問題数・配点・合格基準・過去2年間の受験者数と合格率(一般受験者)・受験できる人): https://www.jsda.or.jp/gaimuin/shiken.html
- プロメトリック「外務員資格試験」(受験料・年齢等の受験資格の制限なし・キャンセル不可・不合格のときの待機期間): https://www.prometric-jp.com/examinee/test_list/archives/17
- 日本証券業協会「外務員等資格試験に関する規則」第4条・第9条: https://www.jsda.or.jp/about/kisoku/files/201020_shikakushiken.pdf
2026年10月20日に日本証券業協会とプロメトリックのページで確かめました。
※ ぴよパスは日本証券業協会・プロメトリックとは関係のない学習サイトです。試験名は試験を特定するために使っています。











