社労士(社会保険労務士)試験の 公式の過去問は、その年の回の分しか載っていません。 試験事務を行う全国社会保険労務士会連合会 試験センターのオフィシャルサイトの「合格発表」のページに、いまは第58回(令和8年度・2026年8月23日)の選択式・択一式の問題PDFと、合格発表日に公表された正答のPDFがあります。解説はありません。
この記事では、公式の問題と正答の中身、毎年変わる合格基準の読み方、古い問題を解くときの法改正の注意、何年分をどう解くかをまとめます。数字と原文は、2026年10月20日にオフィシャルサイトと厚生労働省のページで確かめました。
公式に載っている問題は「その年の回」だけ
| 置き場所 | 載っているもの | 載る時期 |
|---|---|---|
| オフィシャルサイト「合格発表」のページ | 第58回の選択式の問題PDF(19ページ)・択一式の問題PDF(69ページ) | 試験の翌日の正午すぎ(FAQ) |
| 同じページの「合格基準及び正答」のPDF | 第58回の合格基準と、科目ごとの正答の表 | 合格発表日(2026年10月1日) |
| 厚生労働省「社会保険労務士試験の結果について」 | 各回の結果のページ(合格者数・合格基準・科目得点状況表など。2026年10月20日の時点で開けるのは第49回と第54回以降) | 合格発表日 |
知っておくとよい点は次のとおりです。
- 過去の回をまとめたページはありません。 オフィシャルサイトの「合格発表」のページからリンクされている問題は、第58回の2つだけです。厚生労働省の結果のページにも、試験問題と正答は載っていません。
- 解説はありません。 正答のPDFは、科目ごとに、選択式の空欄A〜Eの正答の番号と、択一式の問1〜問10の正答の記号(A〜E)を並べた表だけです。受験案内には、試験問題に関する照会への回答はいたしかねると書かれています。
- 正答が2つの問題があります。 第58回は、択一式の「労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識」の問9で、誤った選択肢を1つ選ぶ問題なのに、Eのほかに選択肢Dも誤った内容だったため、DとEの両方が正答になりました。
- 11月5日の後も載っているかは分かりません。 ページには「※このページの掲載予定期間は、令和8年10月1日(木)~11月5日(木)午後5時30分までです。」とあります。この注記は合格者受験番号一覧の欄にありますが、文言は「このページの」なので、問題を手元で解きたい人は11月5日までに保存しておきます。
使ってよい範囲
オフィシャルサイト、問題のPDF、受験案内のどこにも、試験問題の利用条件(著作権・転載)についての記載は見当たりませんでした。自分で解くためにダウンロードしたり印刷したりするのは、著作権法第30条の私的使用のための複製の範囲です。ほかの人に配ったり、ウェブに載せたりはしないようにします。
本番の形(第58回)
| 項目 | 選択式 | 択一式 |
|---|---|---|
| 時間 | 80分(10:30〜11:50) | 210分(13:20〜16:50) |
| 問題 | 8問(8科目×1問。1問に空欄が5つ) | 70問(7科目×10問。肢はA〜Eの5つ) |
| 配点 | 1空欄1点・1科目5点・40点満点 | 1問1点・1科目10点・70点満点 |
| 答え方 | 空欄ごとに番号を選ぶ。①〜⑳の語群から選ぶ問と、空欄ごとに①〜④の4つから選ぶ問がある(第58回は労災・雇用・労働の一般常識が4択) | 正しいもの・誤っているもの・組合せ・個数などを1つ選ぶ |
- 択一式の「労働者災害補償保険法」と「雇用保険法」は、それぞれ問1〜問7がその法律、問8〜問10が労働保険の保険料の徴収等に関する法律(徴収法)の問題です。選択式には徴収法の出題はありません。
- 択一式の一般常識は、「労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識」の1科目10問です。選択式では、労働の一般常識と社会保険の一般常識が別の科目(各1問)です。
- 受験手数料は15,000円(非課税)で、受験には学歴・実務経験・国家試験の合格などの受験資格が要ります。午後の択一式だけを受けることはできません。
- 解答に使う法令は、試験の実施についての官報公告の日に施行されているもの です。第58回は令和8年4月10日でした。東日本大震災や新型コロナウイルス感染症に関連する特例措置は、出題の根拠に含まれません。
合格基準は毎年補正される
合格には、選択式と択一式の それぞれ で、総得点の基準点と科目ごとの基準点を満たす必要があります。基準点は合格発表日に公表され、試験の難易度の差に合わせて毎年補正されます。
| 回(年度) | 合格率 | 選択式の基準 | 択一式の基準 |
|---|---|---|---|
| 第58回(令和8年度) | 9.3% | 総得点25点以上・各科目3点以上(雇用保険法は2点以上) | 総得点47点以上・各科目4点以上 |
| 第57回(令和7年度) | 5.5% | 総得点22点以上・各科目3点以上(労災保険法・労働の一般常識・社会保険の一般常識は2点以上) | 総得点42点以上・各科目4点以上(雇用保険法は3点以上) |
| 第56回(令和6年度) | 6.9% | 総得点25点以上・各科目3点以上(労働の一般常識は2点以上) | 総得点44点以上・各科目4点以上 |
| 第55回(令和5年度) | 6.4% | 総得点26点以上・各科目3点以上 | 総得点45点以上・各科目4点以上 |
| 第54回(令和4年度) | 5.3% | 総得点27点以上・各科目3点以上 | 総得点44点以上・各科目4点以上 |
厚生労働省の「合格基準の考え方」は、平成12年度からの出発点を、選択式が総得点28点以上・各科目3点以上、択一式が総得点49点以上・各科目4点以上としています。各科目の基準点(選択式3点・択一式4点)以上の受験者が5割に満たない場合は、原則としてその科目の基準点を引き下げる補正をします(例外の定めもあります)。第58回の選択式の雇用保険法は、平均点が2.1点でした。
過去問を自己採点するときは、総得点だけでなく科目ごとの点も、その年の基準と比べます。 総得点が足りていても、1科目が基準点に届かなければ不合格です。合格率と難しさの理由は「社労士の合格率・難易度」にまとめています。
古い問題は、法改正に注意
近年の回の問題は、その年の官報公告の日に施行されている法令 で作られています。第58回の問題の表紙には令和8年4月10日、厚生労働省が載せている第57回の官報公示の写しには令和7年4月11日とあり、基準日は毎年4月の公示の日です。
そのため、前の年の問題は、次の年の試験と前提の法令が違うことがあります。法律の改正で肢の正誤が変わったり、数字(金額・率・期間など)が変わったりした問題は、当時の正答をそのまま覚えると、今の試験では間違いになります。市販の過去問題集を使うときは、法改正で変わった問題をどう扱っているか(改題・注記・削除など)を、各書籍で確かめてください。
何年分を、どう解くか
試験センターは、何年分を解くべきかを示していません。ぴよパスでは次の順をすすめています。
- 第58回を、本番と同じ時間で解く — 選択式を80分、択一式を210分で解き、正答のPDFで採点します。総得点と科目ごとの点を、第58回の基準(選択式25点・択一式47点、科目ごとの基準点)と比べ、基準点に届かない科目を見つけます。
- 市販の過去問題集で、科目ごとに数年分を解く — 択一式は1科目10問なので、1年分では科目ごとの練習量が足りません。科目別にまとめた過去問題集なら、弱い科目だけを続けて解けます。法改正の扱いは各書籍で確かめます。
- 選択式は、空欄の語句と数字を正確に言えるかを見る — 選択式は1科目5点で、各科目の基準点が原則3点です。2つ落とすと基準点ぎりぎりになるので、条文の用語と数字を、選択肢を見ずに言えるかを確かめます。
テキストや問題集の選び方は「社労士のおすすめテキスト・問題集」、科目ごとの時間の配分は「社労士の勉強時間」で説明しています。
解説が無い問題の確かめ方
- 間違えた肢の根拠の条文を引く — e-Gov法令検索で、その問題の年の基準日(官報公告の日)の版を開いて当時の正答の理由を確かめ、今の版で同じかを確かめます。通達を根拠にした肢は e-Gov では引けないので、厚生労働省の法令等データベースで通達を探します(第58回の択一式の労災保険法にも、精神障害の認定基準の通達から出た問題がありました)。
- 数字は今年の値で覚え直す — 金額・率・期間を問う肢は、年によって値が変わることがあります。
- 調査や統計の問題は、出典を確かめる — 一般常識では、法令のほかに厚生労働省の調査を参照した問題も出ます(第58回の択一式にも、若年者雇用実態調査や労働争議統計調査を参照した問題がありました)。古い年の調査の数字は覚えません。
次の第59回(2027年)の予定
2026年10月20日の時点で、第59回の日程は公表されていません。オフィシャルサイトの試験の概要は、受験申込期間を「厚生労働大臣の官報公示(毎年4月中旬)が行われてから5月31日までの間」としています。試験日は、第54回から第58回まで8月下旬の日曜日(8月28日・27日・25日・24日・23日)でしたが、決まった日の約束ではありません。
受験票と成績(結果)通知書は、次の3回の試験の受験資格の証明に使えるので、再受験する人は保管しておきます。
ぴよパスの社労士の問題
ぴよパスでは、社労士のオリジナル予想問題213問を、択一式の範囲に沿って10の分野に分け、登録不要・無料で公開しています。どれも本試験と同じ5肢択一で、すべての選択肢に解説が付いています。選択式(空欄補充)の形式はまだありません。
- 労働基準法と労働安全衛生法: 労働基準法・労働安全衛生法
- 労災保険法と雇用保険法: 労働者災害補償保険法・雇用保険法・労働保険徴収法
- 一般常識: 労務管理その他の労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識
- 健康保険と年金: 健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法
過去問で基準点に届かなかった科目を、ここで続けて解くと、科目ごとの弱点を埋めやすくなります。本試験の択一式と同じ70問・210分で通して解く模擬試験は Premium(月980円)の機能です。科目ごとの基準点は判定せず、本試験の合否を判定するものではありません。
ぴよパスの問題は、試験センターが公表している試験問題を写したり再現したりしたものではなく、法令の条文をもとに独自に作った オリジナル予想問題 です。
関連記事
- 社労士の合格率・難易度 — 合格率の推移と科目別の基準点
- 社労士の勉強時間 — 10科目への時間の配分
- 社労士のおすすめテキスト・問題集
- 社労士の受験資格 — 学歴・実務経験・国家試験の合格
- 社労士は独学か通信講座か
- 行政書士の過去問は無料 — 行政書士となる資格は、社労士の受験資格の1つ
出典
- 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「合格発表」(第58回の試験問題・合格基準及び正答・問題誤り・合格者受験番号一覧の掲載予定期間)、第58回の選択式・択一式の問題PDF(表紙の注意事項・問題数・法令の適用日・特例措置の注意)、「社会保険労務士試験の合格基準及び正答について」(PDF。合格基準・配点・正答の表)
- 同「試験の概要」(試験科目と配点・徴収法の出題・合格基準の決め方・受験申込期間・受験手数料)、「第58回 社会保険労務士試験 受験案内」(PDF。試験時間・受験手数料・照会・法令の適用日・受験票の保管)
- 同「よくある質問」(試験問題の掲載の時期)・「受験資格」
- 厚生労働省「社会保険労務士試験の結果について」、「第58回社会保険労務士試験の合格者発表」(合格率・参考1 合格基準の考え方・参考2 合格基準・参考3 科目得点状況表)、第54回〜第57回の合格者発表のページ(第57回・第56回・第55回・第54回)
- 厚生労働省「第58回社会保険労務士試験の実施について」(令和8年4月10日の官報公示の写し。PDF。法令等の適用日・択一式の出題数の内訳)、「第57回社会保険労務士試験の実施について」(令和7年4月11日の官報公示の写し。PDF)
- 著作権法 第30条(e-Gov法令検索)
- 国立国会図書館サーチ・openBD(『よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集』2027年度版の書誌。2026年10月20日に検索)
2026年10月20日に試験センターのオフィシャルサイトと厚生労働省のページで確かめました。
※ ぴよパスは全国社会保険労務士会連合会とは関係のない学習サイトです。試験名は試験を特定するために使っています。


![2026年度版 みんなが欲しかった! 社労士の教科書 [赤シート対応]](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/P/4300118639.09.LZZZZZZZ.jpg)
![2026年度版 みんなが欲しかった! 社労士の問題集 [択一式・選択式]](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/P/4300118647.09.LZZZZZZZ.jpg)






