危険物甲種の 過去問は、試験を行う一般財団法人消防試験研究センターが、45問を1回分だけ無料で公開しています。 ホームページの「過去に出題された問題」にあるPDFで、令和7年度以前に出題した問題からまとめたものです。年度ごと・回ごとの過去問は公開されていません。 この記事では、公式の1回分の場所と中身、計算問題の数、類ごとの問題数、乙種のPDFと重なる問題、足りない量の補い方をまとめます。
公式の「過去に出題された問題」の場所と中身
センターのホームページで「危険物取扱者試験」→「過去に出題された問題」と進みます。甲種・乙種第4類・乙種第1・2・3・5・6類・丙種の4つのPDFが並んでいて、いちばん上が甲種です。
| 項目 | 甲種のPDF(2026年10月21日に確認) |
|---|---|
| 問題の数 | 45問(本番と同じ数) |
| 内訳 | 危険物に関する法令15問・物理学及び化学10問・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法20問 |
| 形式 | 五肢択一(1〜5から1つ選ぶ) |
| 解答 | 最後のページに、問題番号と正解の番号の表 |
| 解説 | なし |
| 出題した時期 | 令和7年度以前(ページの注記。令和8年6月更新) |
| ページ数 | 24ページ |
- センターは、同じ場所のPDFを入れ替えて更新しています。インターネットアーカイブに残る2025年6月の版とは、問21・問24・問45などが別の問題でした。この記事の問題番号・論点・計算問題の数・類ごとの数は、令和8年6月更新の版のものです。
- 1ページ目に、問題文で使う略語の一覧があります。たとえば「法令」は消防法・危険物の規制に関する政令・危険物の規制に関する規則のことで、「製造所等」は製造所・貯蔵所・取扱所のことです。
- センターは、この問題を、危険物取扱者として身につけるべき知識・技能の目安を示すために過去の問題の一部を公開するもの、と説明しています。載せた問題の内容についての問い合わせには応じていません。
回ごとの過去問は公開されていない
2026年10月21日に確かめたセンターのページ(過去に出題された問題・受験案内・試験の方法・よくある質問)には、試験の回ごとに問題と正解を公表するという案内はありません。
- センターが公開しているのは、上の1回分だけです。年度で数える「過去問◯年分」の公式版はありません。
- センターは、公平・公正な試験を実施するためとして、試験問題の内容について一切答えないとしています(よくある質問 Q30)。受験した回の正解も、教えてもらえないと考えておきます。
- センターは、問題集や参考書の出版・販売も、受験準備の講習もしていません(Q27)。市販の参考書の内容にも関わっていないとしています(Q28)。
使ってよい範囲
「過去に出題された問題」のページには、次のように書かれています。
- 試験問題の著作権は、センターが持っています。
- 学校で生徒に配る、自分の学習のために印刷するなど、教育目的(非営利)なら使えます。
- それ以外の複製・転用・販売などの二次利用は、営利・非営利・イントラネットを問わず、許可なくはできません。
自分で解くために印刷するのは問題ありません。問題を書き写してSNSや自分のサイトに載せることは、センターが例に挙げる教育目的(学校での配布・自分の学習のための印刷)に入らないので、許可なくはしないでください。
公式の1回分は、本番と同じ条件で解く
1回分しかないので、3科目の練習問題をひととおり解いたあとに、本番と同じ条件で今の力を測るのに使うほうが役に立ちます(ぴよパスのすすめ)。
- 時間は2時間30分(150分) — 甲種の試験時間です(試験の方法)。本番は、試験開始から35分たつまで退室できません(Q26)。
- 電卓・定規は使わない — 試験会場では、電卓やテンプレート等の定規類を使えません(注意事項)。計算は手で書いて解きます。
- 採点は科目ごと — 合格は3科目それぞれ60%以上です(試験の方法)。45問の合計では数えません。甲種には科目の免除がありません(Q16)。
| 科目 | 問題数 | 60%以上に要る正解数 | 落とせる数 |
|---|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 9問 | 6問まで |
| 物理学及び化学 | 10問 | 6問 | 4問まで |
| 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 20問 | 12問 | 8問まで |
合計で35問正解でも、物理学及び化学が5問なら不合格です。どの科目が60%に届かなかったかで、次にやることが決まります。
公式の1回分に並んでいる論点
公式の1回分で何が問われているかを、科目ごとにまとめます(問題文は写さず、何を問う問題かだけを書いています)。
| 科目 | 公式の1回分で問われている論点 |
|---|---|
| 法令(15問) | 類・性質・品名の組合せ、指定数量の倍数の合計、予防規程、保有空地の幅、消火設備の基準(所要単位・消火栓・スプリンクラー)、屋外貯蔵タンク3基の防油堤の容量、給油空地、仮使用、許可の取消し・使用停止命令の事由、免状の記載事項、保安講習、移動タンク貯蔵所に備える書類、貯蔵・取扱いの基準、定期点検の記録、車両での運搬 |
| 物理学及び化学(10問) | 燃焼の形態、メタノールの燃焼に使う酸素の体積、燃焼の説明、静電気の対策、二酸化炭素消火剤、混合物の分離と精製、電池の起電力(イオン化傾向)、炎色反応、アセチレンの付加反応、混合気体の全圧 |
| 性質と消火(20問) | 類ごとの性状の概論、第1類(共通の性状・塩素酸カリウムなど・硝酸アンモニウム)、第2類(共通の性状・鉄粉の消火・硫黄・燃焼で有害な気体を出すもの)、第3類(保護液の理由・すべての第3類に効く消火・リン化カルシウム・黄りん)、第4類(アセトアルデヒド・アニリン)、第5類(貯蔵と取扱い・共通の性状・過酸化ベンゾイル)、第6類(硝酸・三フッ化臭素)、混ぜると発火・爆発のおそれがある組合せ |
計算問題は4問
数値を計算して答える問題は、45問のうち4問でした。
| 科目 | 計算の中身 |
|---|---|
| 法令 | 第4類の2品目ずつの組合せから、指定数量の倍数の合計がいちばん大きいものを選ぶ |
| 法令 | 容量の違う3基の屋外貯蔵タンクを1つの防油堤で囲むときの、防油堤の最低限の容量 |
| 物理学及び化学 | メタノールが完全燃焼するときに使う酸素の体積(0℃の1 molの体積が与えられ、答えは20℃で求める) |
| 物理学及び化学 | 温度一定で、2つの気体を1つの容器に入れたときの全圧 |
法令の2問は、指定数量と防油堤の決まりを覚えていれば、割り算と掛け算で解けます。物理学及び化学の2問は、反応式の係数・気体の体積と温度・圧力と体積の関係を使います。乙4の公式の1回分では計算問題が1問だったので、甲種は計算の比重が大きい1回分です。
性質と消火は、類ごとに2〜4問
性質と消火の20問を類ごとに数えると、次のとおりでした。
| 類 | 問題数 |
|---|---|
| 類ごとの性状の概論 | 1問 |
| 第1類(酸化性固体) | 3問 |
| 第2類(可燃性固体) | 4問 |
| 第3類(自然発火性物質及び禁水性物質) | 4問 |
| 第4類(引火性液体) | 2問 |
| 第5類(自己反応性物質) | 3問 |
| 第6類(酸化性液体) | 2問 |
| 混ぜると危険な組合せ(類をまたぐ) | 1問 |
第4類は2問だけで、乙4で覚えた知識だけでは12問に届きません。第1類から第6類まで、どの類も外さずに準備する必要があります。
乙種第1・2・3・5・6類のPDFにも、同じ問題が10問ある
甲種のPDFを、乙種第1・2・3・5・6類のPDF(46ページ・75問)と見比べると、甲種の45問のうち10問は乙種のPDFにも同じ問題がありました。
| 甲種の問題 | 乙種のPDFの問題 |
|---|---|
| 法令 問14(定期点検の記録) | 共通 問9 |
| 性質と消火 問31(すべての第3類に効く消火) | 第3類 問27 |
| 問33(第1類に共通する性状) | 第1類 問31 |
| 問34(硝酸アンモニウム) | 第1類 問33 |
| 問35(リン化カルシウム) | 第3類 問32 |
| 問38(過酸化ベンゾイル) | 第5類 問34 |
| 問39(硫黄) | 第2類 問31 |
| 問40(燃焼で有害な気体を出すもの) | 第2類 問33 |
| 問43(硝酸) | 第6類 問33 |
| 問44(三フッ化臭素) | 第6類 問34 |
ほかに、性質と消火の問41(アセトアルデヒド)は、乙種第4類のPDFの問34と同じ問題でした。乙種のPDF2つを合わせると、甲種の45問のうち11問に同じ問題があります。
乙種第1・2・3・5・6類のPDFには、第1・2・3・5・6類の性質と消火が10問ずつ載っています。甲種の性質と消火の練習としても使えるので、甲種の1回分と合わせて解くと、公式の問題の量が増えます。乙種のPDFの中身は「危険物乙種の過去問はどこにある」にまとめました。
足りない量は、科目ごとの練習問題で補う
公式の1回分で60%に届かなかった科目の練習問題に戻ります。ぴよパスでは、甲種のオリジナル予想問題を3科目に分けて、登録不要・無料で公開しています。全問に解説が付いています。
- 危険物に関する法令の練習問題 — 指定数量・保安距離と保有空地・防油堤・許可と届出・保安講習・運搬など
- 物理学及び化学の練習問題 — 燃焼・消火・静電気・気体の計算・熱化学・酸と塩基・酸化と還元など
- 危険物の性質と消火の練習問題 — 第1類から第6類までの品名ごとの性状と消火の方法
例題を2問紹介します。
例題1(法令・製造所の防油堤) 製造所の屋外で灯油を取り扱うタンク3基(20,000L・10,000L・5,000L)を1つの防油堤で囲むとき、防油堤の容量は何L以上かを選ぶ問題です。
答え: 11,500L。製造所の屋外にある液体の危険物のタンクの防油堤は、2基以上を囲むとき「最大のタンクの容量の50%+他のタンクの容量の合計の10%」以上です(危険物の規制に関する規則 第13条の3)。20,000×0.5+(10,000+5,000)×0.1=11,500Lになります。公式の1回分の防油堤の問題は 屋外タンク貯蔵所 の防油堤で、こちらは、引火点のある液体(灯油など)のタンクなら、2基以上でも「最大のタンクの容量の110%」以上です(同 第22条第2項。引火点のない液体のタンクは100%、同条第3項)。施設の区分で決まりが違うので、取り違えないようにします。 この問題を解く →
例題2(性質と消火・鉄粉の消火) 鉄粉の貯蔵・取扱いと火災時の措置について、正しいものを選ぶ問題です。
答え: 火災には泡消火剤は適さず、乾燥砂や膨張ひる石などで覆って消火する。危険物の規制に関する政令の別表第五で、鉄粉・金属粉・マグネシウムの火災に適応するのは、乾燥砂、膨張ひる石・膨張真珠岩と、炭酸水素塩類等などの消火粉末です。泡・水・強化液・二酸化炭素・ハロゲン化物と、りん酸塩類等の消火粉末は適応しません。 この問題を解く →
3科目をまとめて45問・2時間30分で通す模擬試験は Premium(月980円)の機能です。科目ごとの問題数(15・10・20問)と合格の判定(3科目それぞれ60%以上)は本試験にそろえていますが、出題はぴよパスのオリジナル予想問題で、本試験の合否を判定するものではありません。間違えた問題の解き直しは無料で使えます。
古い問題の答えは、今の法令で確かめる
センターは、法令が改正された場合、施行日以降の試験は原則として改正後の内容で出題するとしています(よくある質問 Q29)。公式の1回分は令和7年度以前に出題した問題で、市販の問題集にも古い版があります。答えに迷ったら、消防法・危険物の規制に関する政令・危険物の規制に関する規則の今の条文を、e-Gov法令検索で確かめます。
当サイトの問題について
ぴよパスの問題は、センターが公開している問題を写したものではなく、消防法や危険物の規制に関する政令などの法令や公的な資料をもとに独自に作った オリジナルの予想問題 です。本試験の問題は、センターのページでご覧ください。
出典
- 一般財団法人消防試験研究センター「過去に出題された問題(危険物取扱者試験)」と「甲種試験」「乙種第1,2,3,5,6類試験」のPDF(令和8年6月更新。2026年10月21日に確認)
- 同「受験案内」「試験科目及び問題数」「試験の方法」「注意事項」
- 同「よくある質問(危険物取扱者試験)」Q16・Q26・Q27・Q28・Q29・Q30
- 危険物の規制に関する政令 別表第五、危険物の規制に関する規則 第13条の3・第22条(e-Gov法令検索)
- Internet Archive(Wayback Machine)に2025年6月26日に保存された、甲種試験のPDF(https://www.shoubo-shiken.or.jp/content/kikenbutsu_kou.pdf の当時の版)
次に読む
- 危険物甲種の問題はどんな形か — 45問の内訳・落とせる数・例題3問
- 危険物甲種の模擬試験 — 本番と同じ45問・2時間30分で解く方法
- 危険物甲種の練習問題演習 — 公式の問題と練習問題の使い分け
- 危険物甲種とは — 扱える範囲・受験資格









