結論: ITパスポートの次は「業務で何を読み書きするか」で SG・FE・AP の 3 択を選ぶ
ITパスポート合格後の進路は 情報セキュリティマネジメント (SG)・基本情報技術者 (FE)・応用情報技術者 (AP) の 3 資格のいずれかが基本線です。難易度順に並べて上から取るのではなく、現職で日々扱う情報の種類 から逆算するのが、編集部が最も挫折率の低いと考える進め方です。
| 進路 | 接続試験 | 学習時間目安 | 受験料 | 合格率 | 向く現職 |
|---|---|---|---|---|---|
| セキュリティ管理 | 情報セキュリティマネジメント (SG) | 60-100 時間 | 7,500 円 (税込) | 約 50% | 情シス・総務・法務・内部監査 |
| エンジニア | 基本情報技術者 (FE) | 200-300 時間 | 7,500 円 (税込) | 約 40-50% | SE・PG・開発職・SI 新人 |
| 上流・企画 | 応用情報技術者 (AP) | 300-500 時間 | 7,500 円 (税込) | 約 20-25% | システム企画・上流 SE・PM 候補 |
| (横展開) | 簿記 3 級・FP3 級 など | 50-80 時間 | 2,850-8,000 円 | 35-70% | 業務改革・経営企画と兼務する人 |
編集部の見立てでは、ITパスポートの合格直後に SG/FE/AP の 学習時間を 2-3 倍ジャンプ させる前に、まず「現職で報告書・規程・コード・要件定義書のどれを一番読むか」を 1 日棚卸ししたほうが、次の試験の選択精度が一気に上がります。SG・FE・AP のうちで迷ったら、まず SG を 2 か月で取って 「情報処理試験 2 連勝の流れ」 を作る、というのが定石です。
ITパスポートと上位試験の制度比較 (公式数値)
IPA (情報処理推進機構) の試験要綱に基づき、ITパスポートと上位 3 試験の制度を 1 つの表で並べます。同じ受験料 7,500 円でも学習時間と合格率の段差が大きい ことが意思決定の入口です。
| 項目 | ITパスポート | SG | FE | AP |
|---|---|---|---|---|
| レベル | 1 | 2 | 2 | 3 |
| 試験方式 | CBT 通年 | CBT 通年 | CBT 通年 | 春・秋年 2 回 (筆記) |
| 試験時間 | 120 分 | 120 分 | 科目 A 90 分 + 科目 B 100 分 | 午前 150 分 + 午後 150 分 |
| 出題数 | 100 問 | 60 問 | 60 問 + 20 問 | 80 問 + 5 問記述 |
| 受験料 | 7,500 円 | 7,500 円 | 7,500 円 | 7,500 円 |
| 合格率 (公表値の幅) | 約 50% | 約 50% | 約 40-50% | 約 20-25% |
| 学習時間目安 (IPAではなく実務者の傾向) | 100-180 時間 | 60-100 時間 | 200-300 時間 | 300-500 時間 |
| プログラミング | 不要 | 不要 | 必須 (擬似言語) | 必須 (午後選択次第で回避可) |
合格率はいずれも IPA 公式数値。学習時間は IPA が定義しておらず、独学合格者の傾向値として扱ってください。
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進路 1: 情報セキュリティマネジメント (SG) — 非エンジニア最有力ルート
こんな人に向く
- 情シス・総務・法務・内部監査 で日常的にセキュリティ規程やインシデント報告書を扱う
- マイナンバー、個人情報保護法、サイバーセキュリティ経営ガイドライン に業務で触れる
- 個人情報保護法 2022 年改正・サイバーセキュリティ基本法を読む立場の人
- プログラミングは一切したくない
向かないシーン
- 開発職で「コードレビューに参加できるレベル」を求められている → FE のほうが業務に直結
- 上流工程の要件定義や見積りに関わりたい → AP まで進む必要がある
学習設計の目安
| 段階 | 投下時間 | やること |
|---|---|---|
| 1-4 週目 | 30 時間 | テクノロジ系 (暗号・認証・脆弱性) を 1 周 |
| 5-8 週目 | 30 時間 | マネジメント系 (ISMS・リスクアセス) を 1 周 |
| 9-12 週目 | 20-40 時間 | 過去問道場で午後問題 (中問形式) を 5 セット |
90 日 × 1 日 1 時間 = 約 90 時間 で標準的な独学合格レンジに収まります。
進路 2: 基本情報技術者 (FE) — 開発職の登竜門
こんな人に向く
- SI 企業の新人 で入社後 1 年以内に取得目標が設定されている (例: NTTデータ・富士通・NEC 等)
- コードを書く時間が業務時間の 30% 以上 ある (要件定義より実装が多い)
- 大学・専門学校で C 言語・Python の経験あり
- 擬似言語のトレースに 1 問 5-7 分かけても苦にならない
向かないシーン
- 業務でコードを書く頻度が 月 1 度未満 → SG でセキュリティ理解を深めるほうが投資対効果が高い
- 配列・ループ・スタックの概念が初耳 → 先に Progate / paiza ラーニングなどで 30 時間下地を作ってから FE 着手
FE 科目 B (アルゴリズム + 情報セキュリティ) の壁
科目 B は 20 問・100 分 で、約 16 問がアルゴリズムと擬似言語、残り 4 問が情報セキュリティ。1 問あたり 5 分の制限時間でトレースを完了させる必要があり、文系出身者は 科目 A はクリアできるが科目 B で落ちる パターンが多いと観察されます。
| 段階 | 投下時間 | やること |
|---|---|---|
| 1-6 週目 | 60 時間 | 科目 A (テクノロジ 60-65% / マネジメント 15-20% / ストラテジ 20-25%) を 1 周 |
| 7-12 週目 | 80 時間 | 擬似言語のトレース演習 (40 問以上) |
| 13-18 週目 | 60 時間 | 科目 A・B 通し演習 + 模試 |
| 19-20 週目 | 40 時間 | 弱点補強 |
約 240 時間 (週 12 時間 × 5 か月) が標準。
進路 3: 応用情報技術者 (AP) — 上流・PM 候補
こんな人に向く
- 要件定義・基本設計 に参加する立場で、業務分析や IT ストラテジを言語化できる必要がある
- 将来的に 情報処理安全確保支援士 (登録セキスペ)・プロジェクトマネージャ試験 など高度試験に進みたい
- 午後の 記述式 (40-80 字) を書く根気がある
向かないシーン
- 春・秋の年 2 回のみ の試験形態が、月単位の繁忙期と合わない → CBT 通年の SG か FE が無難
- 記述式の採点が公開されないことに耐えられない (FE の科目 B は配点が見えやすい)
AP 午後の選択戦略
AP の午後試験は 11 問から 5 問選択 で、必須は問 1 (情報セキュリティ) のみ。残り 4 問は 経営戦略・プログラミング・データベース・ネットワーク・組込みシステム・情報システム開発・プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント・システム監査 から選びます。プログラミングを避けたい場合は 経営戦略・サービスマネジメント・システム監査 の 3 問に データベースまたはプロジェクトマネジメント を加える組み合わせが、独学者では多い選択です。
累積コスト警告: 3 連戦するとトータル何円か
| ステップ | 受験料 | 学習教材 (テキスト + 過去問) | 累計 |
|---|---|---|---|
| ITパスポート 1 発合格 | 7,500 円 | 3,000-5,000 円 | 約 12,500 円 |
| SG 1 発合格 | 7,500 円 | 3,500-5,000 円 | 約 25,000 円 |
| FE 1 発合格 | 7,500 円 | 4,000-6,000 円 | 約 38,500 円 |
| FE で 1 回落ちる | +7,500 円 | (教材流用) | 約 46,000 円 |
FE で 2 回落ちる と通信講座 1 本分 (約 4-5 万円) に達するため、独学に固執するより早めに講座への切替を検討する判断ラインがあります。
受験者タイプ別の進路表
| 現職 | 業務で触れる情報 | 推奨ルート | 理由 |
|---|---|---|---|
| 情報システム部門 | アクセス権申請・ISMS 文書 | SG → AP | 監査・規程理解が直結 |
| 経理・人事・総務 | マイナンバー・労務管理システム | SG | 業務適合度が高い |
| 開発職 (SI 新人) | コード・設計書 | FE | 多くの SI 企業で取得目標 |
| 開発職 (中堅) | 設計書・運用設計 | AP | 上流に進む布石 |
| 営業 (IT 業界) | 提案書・見積書 | SG → AP | 顧客との会話の土台 |
| 業界外 (経営企画) | 経営計画・KPI | 簿記 3 級 + SG | IT 系単独ではキャリア訴求が薄い |
| 学生 (文系) | 講義資料 | SG → FE | 就活向けに 2 連勝の流れ |
| 学生 (理系) | 研究レポート | FE → AP | 開発志望ならスキップせず順番に |
進路選びで落ちる人の典型パターン
- 難易度順に上から取ろうとして FE で挫折 — 業務でコードを書かない人が FE に挑むと、擬似言語のトレース演習に 80 時間以上かかり挫折しやすい。SG なら同じ 80 時間で合格圏に届く
- ITパスポート合格から半年以上空けて再着手 — セキュリティ用語と法務分野の記憶が抜け、SG でも実質的に再学習が必要になる
- SG・FE・AP の試験を「全部取る」と並列着手 — 1 試験あたり最低 60 時間を並行すると進捗管理が破綻。1 つずつ直列で取る
- SG をスキップして FE に直行 — SG のテクノロジ系 (暗号・認証) は FE 科目 A の出題範囲と重なる。SG → FE の流れは復習効果が高い
- AP の年 2 回スケジュールを軽視 — 春試験 (4 月) の申込締切は 1 月、秋試験 (10 月) の締切は 7 月。これを逃すと半年待ち。計画に「申込締切」を入れる
次の試験を 3 か月以内に申込むためのチェックリスト
- ITパスポート合格通知書を受領したら 3 日以内に SG / FE / AP の試験要綱を読む
- 現職で読み書きする情報 を 1 ページに書き出し、SG / FE / AP のどれと相関するか線を引く
- 学習時間 (60h / 240h / 400h) を 12 か月のカレンダーに割り振り、申込締切日を記入する
- テキスト + 過去問 2 冊 を初週で揃え、1 周目に何時間かけるかを決める
- 2 か月以内に 1 回模試 を入れ、合格点 60% に届かなければ学習配分を組み直す
- 合格後の 次の試験申込日 をカレンダーに登録する
まとめ: 「次に何の試験を取るか」より「業務で何を扱うか」が先
ITパスポートの次は、SG / FE / AP の選択肢を 現職で読み書きするものから逆算 して 1 つ選ぶのが正解です。難易度順では FE が中位ですが、業務でコードを書かない人にとっては 同じ 80 時間を SG に投じたほうが 合格率も業務評価も上がります。SG・FE・AP を全部取りたい場合も、SG → FE → AP の 順番で直列に取る のが、最も累積学習時間を圧縮できる王道です。
出典
- 独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA) 情報処理技術者試験 — 試験区分・レベル・受験料・申込スケジュール
- IPA 情報処理技術者試験 統計資料 — 各試験の合格率・受験者数
- IPA 情報セキュリティマネジメント試験 (SG) シラバス Ver.3.2
- IPA 基本情報技術者試験 (FE) シラバス Ver.9.0
- IPA 応用情報技術者試験 (AP) 出題範囲














































