結論: 基本情報の合格率は 40-50% 前後、難易度の山は「科目B のアルゴリズム」
基本情報技術者試験 (FE) は 独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA) が実施する国家試験 (情報処理技術者試験のスキルレベル 2) です。2023 年から CBT 方式で通年実施となり、合格率は おおむね 40-50% 前後 で推移しています。受験資格はなく誰でも挑戦できますが、半数前後は不合格になります。
難易度を一言でいえば、「暗記中心の科目A」より「読んで考える科目B」のほうが壁になりやすい という構造です。科目B には ITパスポートにはなかった アルゴリズム/プログラミング (疑似言語) が入り、ここでつまずく受験者が多いことが、IPA の合格率データからも読み取れます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA) |
| 位置づけ | 情報処理技術者試験 スキルレベル 2 |
| 試験形式 | CBT 通年実施 (2023 年〜) |
| 構成 | 科目A (60 問・90 分) + 科目B (20 問・100 分) |
| 合格基準 | 科目A・科目B 各 1,000 点満点で両方 600 点以上 |
| 受験資格 | なし (年齢・学歴・実務経験 不問) |
| 受験手数料 | 7,500 円 (税込) |
数値は改定されることがあるため、申込前に IPA 公式サイトで最新情報を確認してください。
CBT 化後の合格率はどう動いたか
旧制度では午前・午後を同日に受験し、合格率は 20-30% 台 で推移する回が多い試験でした。2023 年の CBT 通年化と科目B の出題見直しにより、合格率は上振れしています。
| 時期 | 合格率の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 新制度 初月 (2023 年 4 月) | 約 56.4% | 高水準でスタート |
| 2023 年度 序盤 | 50% 前後 | 高めの水準が継続 |
| 令和 6 年度 合計 (2024 年度) | 約 40.8% | 40% 前半に落ち着く |
| 直近の傾向 | 40-50% 前後 | 月により 40% を割る回も |
ポイントは、制度変更直後の高い数字がそのまま続くわけではない ことです。受験層が広がり回を重ねるにつれ、合格率は 40% 前半へと収れんしてきました。「最近は受かりやすい」と単純に考えず、半数前後が落ちる前提で準備するのが安全です。
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合格基準: 科目A・科目B を両方 600 点で突破する
合格判定は 科目A と科目B のそれぞれが 1,000 点満点中 600 点以上 で、両方を同時に満たす必要があります。片方が高得点でも、もう片方が 600 点未満なら不合格です。
| 区分 | 満点 | 合格ライン | 出題 |
|---|---|---|---|
| 科目A | 1,000 点 | 600 点以上 | 60 問・四肢択一 |
| 科目B | 1,000 点 | 600 点以上 | 20 問・多肢選択 |
採点には IRT (項目応答理論) が採用され、「1 問あたり何点」という素点配点は公開されていません。そのため「正答率 60% で必ず 600 点」とは限らず、難易度補正がかかる点に注意が必要です。得点は素点ではなく評価点であると理解しておきましょう。
科目A と科目B の違い
科目A は旧午前、科目B は旧午後に相当します。CBT 化で総試験時間は旧制度の 300 分前後から 190 分 へ短縮されました。
| 観点 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|
| 旧称 | 午前試験 | 午後試験 |
| 問題数 | 60 問 | 20 問 |
| 試験時間 | 90 分 | 100 分 |
| 形式 | 四肢択一 | 長文の多肢選択 |
| 主な範囲 | テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系 | アルゴリズム/プログラミング・情報セキュリティ |
| 対策の性質 | 知識の暗記・過去傾向の反復 | 読解とトレース (手を動かす) |
科目A は出題範囲が広い代わりに、過去の傾向を踏まえた反復演習で得点を積み上げやすい領域です。一方、科目B は問題数こそ 20 問ですが 1 問が長文で、じっくり読んで考える時間設計 が求められます。
科目B のアルゴリズムが「壁」になる理由
基本情報が難しいと言われる中心は、ほぼ科目B です。科目B は 20 問のうち 16 問前後がアルゴリズムとプログラミング (疑似言語)、残り 4 問前後が情報セキュリティ という構成で、配点比重がアルゴリズムに大きく寄っています。
| 科目B の内訳 | 問数の目安 | 中心テーマ |
|---|---|---|
| アルゴリズムとプログラミング | 16 問前後 | 変数・配列・選択/繰返し・探索・整列・スタック/キュー・再帰 |
| 情報セキュリティ | 4 問前後 | アクセス管理・マルウェア対策・脆弱性管理・ログ監視 |
疑似言語の問題は、コードを上から 1 行ずつたどり、変数の値の変化を紙やメモに書き出す トレース が前提です。これは知識の暗記では代替できず、ITパスポートまでの学習スタイルから切り替えが必要になります。実際、IPA の公表では科目A の合格率がほぼ横ばいで推移したのに対し、科目B の合格率は新制度の初期から大きく下がった時期 があり、合否を分けているのが科目B 側であることがうかがえます。
逆にいえば、科目B の疑似言語と情報セキュリティに対策時間を集中的に割り当てれば、合格は十分に現実的です。配列・探索・整列の基本パターンをトレースで体に入れることが、最初の突破口になります。
ITパスポートとの難易度差
基本情報の前段にあたるのが ITパスポート (i パス・スキルレベル 1) です。同じ IPA の国家試験ですが、求められる深さが一段違います。
| 観点 | ITパスポート | 基本情報技術者 |
|---|---|---|
| スキルレベル | レベル 1 (基礎) | レベル 2 |
| 対象像 | IT を活用する人 (利用者) | IT で開発する人 (作り手の入口) |
| 出題形式 | 100 問・四肢択一のみ | 科目A (択一) + 科目B (長文) |
| アルゴリズム | ほぼ問われない | 科目B の中心テーマ |
| 合格率の目安 | 50% 前後 | 40-50% 前後 |
| 学習の質 | 用語・仕組みの理解 | 理解 + トレース (手を動かす) |
合格率の数字だけ見ると大きな差はありませんが、中身の負荷が違います。ITパスポートが用語と仕組みの理解で届くのに対し、基本情報は疑似言語を読んで追う訓練が別途必要です。ITパスポートを終えた人が「同じ感覚で暗記すれば受かる」と考えると、科目B でつまずきます。試験の全体像をまだ固めていない段階なら、まず ITパスポートとは で基礎区分との違いを押さえ、独学の進め方は ITパスポートの独学ガイド が参考になります。
どんな人が受けるべきか
基本情報は「IT を使う」段階から「IT を作る・支える」段階へ進みたい人に向く試験です。受けるべき人と、いったん後回しでよい人を整理します。
| タイプ | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| IT 業界へ就職・転職したい学生/社会人 | 受けるべき | 開発系の入口資格として評価されやすい |
| ITパスポート取得済みで次へ進みたい人 | 受けるべき | レベル 2 が自然なステップアップ |
| 情報システム部門に配属された非エンジニア | 受けるべき | 科目B のセキュリティ知識が実務に直結 |
| まず IT リテラシーの最低ラインだけ欲しい人 | 後回しでよい | ITパスポートで目的を満たせる |
| プログラミング未経験で時間が取れない人 | 計画してから | 科目B のトレース対策に追加時間が必要 |
判断軸はシンプルで、疑似言語のトレースに時間を割けるか です。そこに学習時間を確保できるなら、基本情報はキャリアの土台として有効に働きます。
難易度を踏まえた学習の組み立て方
合格率と難易度の構造から逆算すると、対策の重心は科目B、特にアルゴリズムに置くのが合理的です。
| 順序 | 取り組み | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | 科目A の頻出範囲を 1 冊で通読 | 広い範囲の土台づくり |
| 2 | 科目A を過去傾向の演習で反復 | 暗記領域を先に得点源化 |
| 3 | 疑似言語の文法とトレースに慣れる | 科目B 最大の壁に着手 |
| 4 | 配列・探索・整列をパターンで習得 | 頻出アルゴリズムを体に入れる |
| 5 | 情報セキュリティ (科目B) を補強 | 残り 4 問前後を取り切る |
注意したいのは、科目A だけ仕上げて満足しない ことです。両方 600 点以上が条件である以上、科目B を後回しにすると本番で間に合いません。早い段階から疑似言語に触れ、毎日 1 問でもトレースする習慣をつくると、科目B への苦手意識が薄れていきます。教材選びで迷うなら、まず基礎を固める前段として ITパスポートのテキスト選び の考え方 (1 冊に絞る・改訂年を見る) がそのまま流用できます。
まとめ: 次の一手
基本情報技術者試験の合格率は CBT 化後で 40-50% 前後、難易度の山は科目B のアルゴリズム (疑似言語) にあります。科目A・科目B の両方で 600 点以上という基準を満たすには、暗記で取れる科目A を早めに固めつつ、トレースが必要な科目B に十分な時間を残す配分が鍵になります。
まずは科目A の範囲を 1 冊で通読し、並行して疑似言語の問題を 1 日 1 問だけでもトレースする習慣を今日から始めてみてください。自分が基礎区分から固めるべきか迷うなら ITパスポートとは で立ち位置を確認し、学習スタイルは ITパスポートの独学ガイド を土台にすると、基本情報へのつなぎがスムーズになります。
出典:
- 独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA) — 情報処理技術者試験 (基本情報技術者試験 FE) 試験要綱・出題範囲・統計情報・受験手数料
- 基本情報技術者試験 — CBT 方式・科目A/科目B 構成・合格基準 600 点・合格率推移・科目A 免除制度





































