合格率は第161回が26.26%、第162回が25.96%、第164回が30.05%。平均点は第161回が44.31点、第162回が43.63点で、どちらも60点に届いていません。
ぴよパスの練習問題は 五択 で、本番の記述そのものではありません。その差を埋める解き方も、この先で具体的に書きます。
3級と2級で変わること
| 項目 | 財務3級 | 財務2級 |
|---|---|---|
| 形式 | 五答択一 50問(各2点) | 記述式 10題(各10点) |
| 時間 | 120分 | 180分 |
| 科目 | 財務諸表30問・財務分析20問 | 財務諸表・財務分析(案内に題数の記載なし) |
| 対象 | 中堅行職員 | 役席者・専担者など |
| 分析の範囲 | 財務分析 | 財務分析(非財務的要素を含む) |
| 受験料 | 5,500円 | 8,250円 |
| 方式 | 紙の試験 + CBT | 紙の試験だけ(年2回・7月と12月) |
| 正解の公表 | 正解表のPDFあり | 正解表には載らない(正解要旨・解答例は成績通知のURLで2か月公開) |
どちらも、試験開始後60分間と終了前10分間は退席できません。
同じ科目名でも、3級の勉強をそのまま続けるだけでは足りません。2級で増える作業は次の3つです。
- 作る: 修正仕訳から損益計算書、連結修正仕訳から連結貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書を組み立てる。解答用紙は財務諸表の空欄を埋める形で、空欄の位置は問題ごとに変わる。
- 計算の過程を書く: 「計算過程を示しなさい」の指示があれば、式を所定の欄に書く。端数処理と単位の指示に従う。
- 説明する: 指標の変化を、要因に分けて短い文章で書く。
電卓は1台だけ持ち込めます。金融計算・関数・メモ(計算式の登録)の機能がついたものは使えません。M+やMRのメモリ機能は使えます。
答案はこう書く — 計算と文章の例
公式の案内によると、解答用紙はB5で1題1枚。計算問題には「計算式・答」の欄、記述問題には罫線の欄、穴埋めには語句の欄があります。下書き用紙は配られないので、問題冊子の空白を使います。実際の問題と解答例は、公式ブログの「財務4級・3級・2級」の違いに1題載っています。
指標を計算して要因を説明する形を、ぴよパスが作った数字で試してみます(本試験の問題ではありません)。
| 資料(単位:千円) | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 500,000 | 540,000 |
| 売上原価 | 350,000 | 388,800 |
| 販売費及び一般管理費 | 125,000 | 129,600 |
| 営業外費用(純額) | 5,000 | 3,600 |
| 経常利益 | 20,000 | 18,000 |
| 総資本(期末) | 400,000 | 470,000 |
① 計算式と答えを書く(小数第3位を四捨五入)
- 前期の総資本経常利益率 = 20,000 ÷ 400,000 × 100 = 5.00%
- 当期の総資本経常利益率 = 18,000 ÷ 470,000 × 100 = 3.83%
② 2つの指標に分ける
| 指標 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 売上高経常利益率 | 20,000 ÷ 500,000 = 4.00% | 18,000 ÷ 540,000 = 3.33% |
| 総資本回転率 | 500,000 ÷ 400,000 = 1.25回 | 540,000 ÷ 470,000 = 1.15回 |
この分解の問題なら、掛け算で検算できます。売上高経常利益率 × 総資本回転率が総資本経常利益率になるはずです。当期は丸めた値で掛けると 3.33% × 1.15回 = 3.83% で合いますが、丸めると合わないこともあるので、電卓のメモリーに残した丸める前の値で確かめます。
③ どちらが大きく効いたかを数字で出す(丸める前の値で計算)
- 利益率の低下の影響 =(3.333% − 4.00%)× 1.25回 = 約−0.83ポイント
- 回転率の低下の影響 = 3.333% ×(1.149回 − 1.25回)= 約−0.34ポイント
- 合計 = 約−1.17ポイント(5.00% → 3.83%)
掛ける順を入れ替えると値は少し変わるので、これは「どちらが主か」を見るための見当です。
④ 利益率の中身まで下りる
| 売上高に対する比率 | 前期 | 当期 | 利益率への影響 |
|---|---|---|---|
| 売上原価率 | 70.00% | 72.00% | −2.00ポイント |
| 販売費及び一般管理費の比率 | 25.00% | 24.00% | +1.00ポイント |
| 営業外費用の比率 | 1.00% | 0.67% | +0.33ポイント |
⑤ 文章にする
総資本経常利益率は5.00%から3.83%へ1.17ポイント低下した。売上高経常利益率の低下(4.00%→3.33%)と総資本回転率の低下(1.25回→1.15回)の両方が要因で、影響は売上高経常利益率の低下の方が大きい。売上高経常利益率が下がったのは、売上原価率の上昇(70.00%→72.00%)が、販売費及び一般管理費の比率の低下を上回ったためである。総資本回転率が下がったのは、総資本の増加(17.5%)が売上高の増加(8.0%)を上回ったためである。
文章を書くときの順は、変化の向きと大きさ → 要因 → どちらが主か → その中身 です。「収益性が悪化した」だけでは、数字を見れば誰でも言えることしか書いていません。③と④の数字があると、一段深いところまで迷わず書けます。
部分点を含む配点は公表されていません。だからこそ、計算過程の指示がある問題は、答えだけでなく式も指示どおりに書いておきます。
平均点の低かった論点と、練習できる分野
銀行業務検定協会は、回ごとに平均点の低かった問題の論点を事務局報で公表しています。
| 回 | 平均点の低かった問題 | ぴよパスの分野 |
|---|---|---|
| 第161回 | 収益認識基準 | 収益認識 |
| 第161回 | 合併 | 合併と企業結合 |
| 第161回 | 損益分岐点分析 | 損益分岐点分析 |
| 第162回 | 税効果会計 | 税効果会計とその他の会計基準 |
| 第162回 | 株式評価額の算定 | 株式評価額と企業価値の算定 |
| 第162回 | 投資活動によるキャッシュ・フロー分析 | キャッシュ・フロー計算書の作成と分析 |
多くの受験者が点を落とした論点です。公表されているのは論点の名前だけで、どんな問い方だったかまでは分かりません。自分も落としやすいところかを、まずここで確かめます。
残りの4分野のうち、決算修正と損益計算書の作成と連結修正仕訳と連結貸借対照表は、公式ブログの質問集に出てくる問題の型です。収益性の分析は、公式ブログの例題と同じ分解の考え方を使います。安全性・資金と非財務の分析は、試験のねらいの「非財務的要素を含む」に合わせて、ぴよパスが設けた分野です。
問題は各分野8問、合わせて80問で、資料の表を読んで計算する問題を中心に、すべて独自に作っています。解説には式を1行ずつ載せました。
五択を記述の練習に変える解き方
本番に選択肢はありません。ぴよパスの五択をそのまま解くと、消去で当たってしまい、書く力がつかないことがあります。次の順で解くと、記述の練習に近づきます。
- 選択肢を隠して、紙に式を書く — 資料だけを見て「計算式・答」の形で書く。本番と同じく、途中の値も書き残す。
- 答えを選択肢と照らす — 自分の答えが無ければ、そこで考え直す。当て推量で選ばない。
- 解説の式と1行ずつ比べる — 誤りの肢は、典型的な取り違えから作ってある。自分の値がどの肢に近いかで、どこで間違えたかが分かる。
- 分析の問題は、1〜2文で結論を書いてから解説を読む — 「変化の向き → 要因 → どちらが主か」の順で書く。
- 決算修正と連結は、段階利益まで書き出す — ぴよパスの問題は金額を選ぶ形で、財務諸表の空欄を埋める形ではありません。選ぶ前に、売上総利益・営業利益・経常利益と順に書き出します。財務諸表の全部を作る練習は、問題解説集で行います。
間違えた問題は、数日後に数字を見ずに手順だけを声に出して言えるかを確かめます。手順が言えれば、数字が変わっても書けます。
第165回までの使い方
第165回は 2026年12月6日(日)13:30〜16:30 で、申込は10月19日に締め切られました。次の回の2027年度の日程は、2026年11月1日の時点では発表されていません。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 11月前半 | 平均点の低かった6分野を、上の解き方で1周する |
| 11月後半 | 決算修正と連結は段階利益まで書き出して解く。収益性と安全性は、結論の文まで書く |
| 12月に入ったら | 問題解説集の1回分を180分で書く。間違えた問題を解き直す。模試で弱い分野を探す |
| 前日まで | 使う電卓のキーと、指標の式を確かめる |
180分を10題で割ると1題18分です。最初に全部の問題に目を通し、解きやすい題から始めます。問題用紙は持ち帰れるので、解答の控えを書き込んでおくと試験後の見直しに使えます。成績の通知は試験の約8週間後からで、記述の正解要旨・解答例は通知に載るURLで2か月だけ見られます。
ぴよパスの模試は五択40問・120分で、本番とは形が違います(Premiumの機能です)。24問以上(60%)を目安に、分野ごとの正答率から弱いところを探すために使います。本試験の合否を判定するものではありません。
本番と同じ形の問題を解くには、協会編の『財務2級 問題解説集』(7回分の試験問題・解答例・解説)が中心になります。答案の書き方そのものは『公式テキスト 財務2級』の目次にも「記述式答案の書き方」「答案の具体例」があります。
迷いやすいところ
3級を持っていなくても受けられますか
試験の案内ページに、3級の合格を条件とする記載はありません。ただし受験資格の欄そのものが無く、「制限なし」とも書かれていないので、心配なら経済法令研究会に確かめてください。内容の面では、3級の範囲にあたる仕訳と指標の式は、2級の答案の前提になります。不安があれば先に財務3級の練習問題で確かめておくと、2級の資料が読みやすくなります。
文章の問題は長く書く必要がありますか
採点の基準は公表されていないので長さの正解は言えませんが、長さより、数字と要因を入れることを勧めます。上の例の「変化 → 要因 → 主因 → 中身」を核にして、欄に合わせて足し引きします。
関数電卓は使えますか
使えません。金融計算・関数・メモの機能がついた電卓は持ち込めません。M+・M−・MR・MCのメモリ機能と、税込・税抜・検算・日数計算のキーは使えます。
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出典
- 経済法令研究会「財務2級(全国一斉公開試験)」(第165回の実施日・申込期間・出題形式・科目構成・合格基準・試験時間・持込品・受験料): https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=52132&oid=42
- 経済法令研究会「財務3級(全国一斉公開試験)」(3級の形式・時間・受験料・退席の制限): https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=52133&oid=42
- 銀行業務検定協会「事務局報 No.350」(第161回の成績・平均点の低かった問題): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7247.pdf
- 銀行業務検定協会「事務局報 No.352」(第162回の成績・平均点の低かった問題): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7380.pdf
- 銀行業務検定協会 お知らせ(2027年度の日程の有無): https://www.kenteishiken.gr.jp/news.php
- 経済法令研究会「検定試験正解表」第164回(財務2級は記述式のため省略): https://www.khk.co.jp/upfiles/pdf/7655.pdf
- 経済法令研究会 公式ブログ「財務4級・3級・2級」の違い(第164回の合格率・設問の形): https://khk-blog.jp/16352/
- 経済法令研究会 公式ブログ「銀行業務検定試験の記述式でよくある質問13選」(解答用紙の形・計算過程・端数処理・財務諸表の空欄): https://khk-blog.jp/13476/
- 経済法令研究会 公式ブログ「銀行業務検定試験で使用できる電卓について」: https://khk-blog.jp/16432/
- 経済法令研究会「WEB動画 財務2級受験対策講座」(計算を伴う問題): https://www.khk.co.jp/seminar/seminar_detail.php?pid=55086
- 経済法令研究会「全国一斉公開試験の特徴」(問題用紙の持ち帰り): https://www.khk.co.jp/exam/
- 経済法令研究会 よくあるご質問(成績の通知の時期・正解要旨の公表期間): https://www.khk.co.jp/faq/
- 経済法令研究会『財務2級 問題解説集』: https://www.khk.co.jp/book/book_detail.php?pid=54717
- 経済法令研究会『公式テキスト 財務2級』: https://www.khk.co.jp/book/book_detail.php?pid=54695


