銀行業務検定 法務3級の勉強時間について、経済法令研究会の試験案内とよくあるご質問には、目安が書かれていません。試験案内に書かれているのは、五答択一式50問・120分・100点満点中60点以上で合格という形だけです。
そこでこの記事では、ぴよパスの練習問題と模試の量から時間を数えます。練習問題250問を1周し、間違えた問題など100問ほどをもう1回解き、本試験と同じ形の模試を2回通すと、およそ30時間です。合格の線の「50問中30問」は、受ける時期を決める目安に使います。1日1時間なら約1か月、1日2時間なら約2週間になります。数字は公表データではなく、下の表の仮定で計算したぴよパスの見立てです。
結論: 公式の目安は無い。練習の量で約30時間、30問の線で受ける時期を決める
- 公式の勉強時間の目安は無い(経済法令研究会の試験案内とよくあるご質問に、学習時間の記載は無い。2026年10月19日に確認)。
- 合格は 50問中30問(60点)。合格基準に科目ごとの基準は書かれていない。
- 受験者の平均点は 第161回 48.16点・第162回 49.92点。平均的な受験者は、合格まであと5〜6問足りない。
- 練習問題250問の1周と、選んだ100問の2周目(約22時間)+模試2回と見直し(約6時間)で、約30時間(ぴよパスの見立て)。
- 正解率の低い問題に 2回続けて入ったのは「債権譲渡の対抗要件」と「相殺」。時間はここに厚く配る。
- 1週間で受けるなら1日4時間が要る計算。一夜漬けでは練習問題の1周目も終わらない。受けるかどうかは、前の日までに模試で30問以上取れたかで決める。
合格の線は50問中30問。受験者の平均は5〜6問足りない
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題形式 | 五答択一式 50問(各2点) |
| 科目構成 | 預金12問・融資16問・内国為替4問・銀行取引関連法18問 |
| 試験時間 | 120分(公開試験は開始後60分と終了前10分は退席できない) |
| 合格基準 | 100点満点中60点以上(公開試験は「試験委員会にて最終決定」) |
| 持込品(公開試験) | 受験票と筆記用具だけ。電卓は使わない |
銀行業務検定協会の事務局報に法務3級の成績が載っている直近2回(2026年10月19日時点)は次のとおりです。
| 回(実施日) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 平均点 | 受験者の平均の勤続年数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第161回(2025年6月1日) | 3,911人 | 1,112人 | 28.43% | 48.16点 | 4.8年 |
| 第162回(2025年10月26日) | 4,446人 | 1,415人 | 31.83% | 49.92点 | 4.9年 |
勤続年数は受験者へのアンケートの平均です。金融機関で平均5年ほど働いている人たちの平均点が、合格点の60点に届いていません。 平均点の48〜50点は、50問で言うと24〜25問の正解です。合格には、そこから5〜6問の上積みが要ります。
協会が公表した直近2回の「正解率の低かった問題」は延べ10件で、普通預金規定と破産・民事再生の異同を除く8件は、民法を中心に条文の要件(誰に対して・何をすれば効力が生じるか)を問う論点でした(ぴよパスの分類。下の表)。勉強時間の大半は、この要件を条文の言葉で言えるようにすることに使います。
約30時間の内訳 — 練習問題250問と模試2回で数える
本試験は120分で50問なので、1問に使える時間は2.4分です。練習では解説を読む時間が加わるので、1周目は1問4分で数えます。
| やること | 量 | 1問・1回あたり | 時間(目安) |
|---|---|---|---|
| 練習問題の1周目 | 9分野250問 | 4分(解く+解説を読む) | 約17時間 |
| 練習問題の2周目 | 1周目に間違えた問題と、2026年度の新しい論点の問題 計100問ほど | 3分 | 約5時間 |
| 模試 | 50問・120分 × 2回 | 120分+見直し60分 | 約6時間 |
| 合計 | 約28〜30時間 |
上の時間は、問題1問あたりの仮定から計算した見立てで、受験者の実績の統計ではありません。次の人は時間が増えます。
- 預金・融資の窓口を経験していない人(約定書や規定の用語に慣れるまで、1周目がもっと遅い)
- 2026年度から入った「証券取引」「金融犯罪」に仕事で触れない人(刑法・会社法・出資法・導入預金法・金融商品取引法などの条文を読む時間が加わる)
逆に、融資の事務を毎日している人は、融資の基本と保証・担保の1周目が速く進みます。どちらに当たるかは、最初に預金と融資の分野を20問ずつ解いて、正答率を見ると分かります。
科目ごとの時間の配り方
時間は出題数に合わせて配るのが基本です。30時間を出題の比率で分けると、次のようになります。
| 科目 | 出題数 | 時間の目安 | ぴよパスの分野 |
|---|---|---|---|
| 預金 | 12問 | 約7時間 | 預金(60問) |
| 融資 | 16問 | 約10時間 | 融資の基本と貸出形式・保証・担保・債権管理・回収(計80問) |
| 内国為替 | 4問 | 約2時間 | 内国為替(20問) |
| 銀行取引関連法 | 18問 | 約11時間 | 銀行法・付随業務・貸金庫・民法総則・成年後見・会社法・金融商品取引法・消費者保護・金融犯罪(計90問) |
内国為替は4問しかないので、2時間で一通り押さえたら、残りの時間は融資と銀行取引関連法に回します。2科目で34問、全体の68%です。
2回続けて正解率が低かった論点に厚く
協会は成績の発表のたびに「正解率の低かった問題」の論点を5つずつ挙げています。事務局報に載っている直近2回は次のとおりで、債権譲渡の対抗要件と相殺は2回とも入りました。
| 第161回(2025年6月) | 第162回(2025年10月) |
|---|---|
| 普通預金規定 | 融資取引の相手方 |
| 根抵当権の元本の確定 | 消滅時効の完成猶予・更新 |
| 債権譲渡の対抗要件 | 債権譲渡の対抗要件 |
| 相殺 | 相殺 |
| 破産手続と民事再生手続の異同 | 債務引受 |
債権譲渡の対抗要件は、譲渡人から債務者への通知か、債務者の承諾が要り、債務者以外の第三者に対抗するには確定日付のある証書による通知・承諾が要る、という二段の要件です(民法467条)。相殺は、要件(505条)と、差押えを受けた債権に対してどこまで相殺で対抗できるか(511条)が問われます。どちらも債権管理・回収と預金の問題で練習できます。根抵当権の元本の確定は保証・担保にあります。
注意 第161回に挙がった「破産手続と民事再生手続の異同」のうち、民事再生手続は、ぴよパスの練習問題ではまだ扱っていません(破産手続の問題はあります)。公式テキストや問題解説集で補ってください。
2026年度の新しい論点は、協会の練習問題と条文で確かめる
2026年度から、銀行取引関連法の手形法・小切手法が外れ、証券取引と金融犯罪が入りました。協会は、過去に出題したことのない項目について、2026年4月下旬発刊の『法務3級問題解説集 2026年度版』に練習問題を載せ、発刊までの間は同様の練習問題をホームページに載せると案内しています。過去の回の問題だけでは足りないので、問題解説集の練習問題とあわせて、ぴよパスの金融犯罪(25問)と金融商品取引法・消費者保護(25問)で、条文の要件を確かめてください。金融犯罪の論点は金融犯罪の5論点を条文で整理した記事にまとめています。
期間ごとの進め方
4週間(平日1時間・休日2時間で約36時間)
| 週 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 預金(60問)と内国為替(20問)の1周目。正答率の低い分野を書き出す |
| 2週目 | 融資の3分野(80問)の1周目。債権管理・回収は条文の要件を言えるまで |
| 3週目 | 銀行取引関連法の4分野(90問)の1周目。新しい論点(金融犯罪・証券取引)を厚く。週末に模試を1回 |
| 4週目 | 間違えた分野の2周目(100問ほど) → 試験の数日前に模試をもう1回 |
2週間(毎日2時間で約28時間)
1〜9日目で250問の1周目を終え(1日28問ほど・約2時間)、10〜14日目で2周目の100問と模試2回に回します(1日2時間少し)。
1週間で合格できるか・一夜漬けで足りるか
1週間で受けるなら、毎日4時間で約28時間になります。計算の上では足りますが、ゆとりはありません。
一夜漬けは、練習問題の1周目(約17時間)も終わらない時間です。平均で勤続5年ほどの受験者でも平均点が48〜50点の試験なので、仕事の知識だけで30問に届くとは考えないほうが安全です。前の日までに模試を1回通し、30問以上取れていれば当日は間違えた問題の見直しに、届いていなければ正答率の低い分野に時間を使います。
CBTなら「仕上がってから予約」もできる
テストセンターで受けるCBT方式は、2027年3月31日まで通年で受けられます(申込は3月28日まで)。予約できるのは申込日から3日目以降で、合否はその日のうちに分かります。経済法令研究会のよくあるご質問では、不合格のあとも再申込に制約は無いと案内されています。ただし受けるたびに受験料5,500円と事務手数料330円がかかるので、模試で30問以上取れてから予約すると、受け直しの費用を抑えやすくなります。12月6日の公開試験の個人のネット申込は、2026年10月19日23:30で締め切りです。締め切りのあとに受けるならCBTです。CBTの申込の流れは法務3級のCBT方式にまとめています。
模試で30問の線を確かめる
ぴよパスの法務3級の模擬試験は、本試験と同じ50問・120分で、預金12問・融資16問・内国為替4問・銀行取引関連法18問の配分で出題します(科目の中の分野の配分はぴよパスの設定です)。結果には分野ごとの正答率が出るので、2周目にどの分野を回すかが決まります。模試は Premium(月980円)の機能で、問題はオリジナルの予想問題です。本試験の合否を判定するものではありません。
分野ごとの練習問題250問は無料で解けます。
財務3級と比べて難しいか
両方が行われた第161回(2025年6月1日)で比べると、合格率はほぼ同じです。法務3級が28.43%(平均点48.16点)、財務3級が27.63%(平均点46.79点)でした。どちらも平均点が合格点に届いていません。
違うのは問われる力です。法務3級は民法などの条文の要件を読み分ける試験で、電卓は使いません。財務3級は財務諸表の読み方と財務分析の計算が中心です。財務3級の進め方は財務3級の練習問題の記事で扱っています。
まとめ
- 法務3級の勉強時間に公式の目安は無い。合格は50問中30問で、受験者の平均点(48〜50点)は合格点に5〜6問届いていない。
- ぴよパスの見立ては約30時間(練習問題250問の1周と選んだ100問の2周目+模試2回と見直し)。1日1時間で約1か月、2時間で約2週間。
- 時間は出題数(預金12・融資16・内国為替4・銀行取引関連法18)に合わせて配り、2回続けて正解率が低かった債権譲渡の対抗要件と相殺を厚く。
- 2026年度からの証券取引と金融犯罪は、協会が問題解説集2026年度版の練習問題で補うと案内している。過去の回の問題だけでは足りないので、条文でも確かめる。
- 一夜漬けでは1周目も終わらない。模試で30問以上取れてから受ける。12月6日の公開試験の個人のネット申込は2026年10月19日23:30で締め切り。CBTは2027年3月31日まで受けられる。
関連記事
出典
- 経済法令研究会「法務3級」(2026年12月6日の実施・申込期間・出題形式・科目構成・合格基準・試験時間と退席の制限・持込品): https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=52130&oid=42
- 経済法令研究会「CBT法務3級」(実施期間・申込期間・事務手数料): https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=54686&oid=2000001
- 経済法令研究会「よくあるご質問」(CBTの再申込に制約が無いこと・申込日から3日目以降の予約・CBTと公開試験の範囲と難易度): https://www.khk.co.jp/faq/
- 銀行業務検定協会「事務局報 No.350」(第161回 成績結果・法務3級と財務3級の業態別一覧表・正解率の低かった問題): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7247.pdf
- 銀行業務検定協会「事務局報 No.352」(第162回 成績結果・法務3級の業態別一覧表・正解率の低かった問題): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7380.pdf
- 銀行業務検定協会「2026年度実施『法務2級』『法務3級』『法務4級』科目構成の変更のご案内」(過去に出題のない項目の練習問題を問題解説集2026年度版に載せる予定): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7484.pdf
- 民法(明治二十九年法律第八十九号)第467条・第505条・第511条(e-Gov 法令検索)
勉強時間の数字は、公表データではなく、この記事の表に書いた仮定(1問あたりの時間)から計算したぴよパスの見立てです。2026年10月19日に公式の案内を確かめて書きました。











