銀行業務検定 法務3級の一問一答を、ぴよパスが条文をもとに作ったオリジナルの○×24問にしました。答えには根拠の条文番号を付けています。本試験は五答択一の50問なので、ここでの○×は、5つの選択肢の1つずつを正誤で判定する練習です。
解き方: 表の「問題」だけを見て○か×かを決め、答えと根拠で答え合わせをしてください。×の問題は、どこを直せば○になるかまで言えれば合格です。条文は2026年10月21日の時点で施行されているものです。協会の2026年度の案内には法務3級の法令の基準日が見当たりませんが、ここで使った条文は2026年4月1日の版とも同じ文でした(犯罪収益移転防止法施行令 第7条は、使った部分が同じ)。
預金・相続・取引時確認の○×8問
| No. | 問題 | 答え | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 1 | 受領権者としての外観を有する者に預金を払い戻した場合、金融機関が善意であれば、過失があっても払戻しは有効になる。 | × | 善意で、かつ過失がなかったときに限り有効(民法 第478条) |
| 2 | 預金債権に付けた譲渡制限の意思表示は、そのことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人に対抗できる。 | ○ | 民法 第466条の5第1項 |
| 3 | 譲渡制限の意思表示がされた預金債権を差し押さえた差押債権者にも、金融機関は譲渡制限を対抗できる。 | × | 強制執行をした差押債権者には対抗できない(民法 第466条の5第2項) |
| 4 | 各共同相続人は、遺産分割の前でも、相続開始の時の預金額の3分の1に自分の法定相続分を乗じた額を、1つの金融機関ごとに150万円を上限として、単独で払い戻すことができる。 | ○ | 民法 第909条の2・同条の法務省令で定める額を定める省令 |
| 5 | 遺産分割前の払戻しの上限150万円は、相続人1人について、すべての金融機関を合わせた上限である。 | × | 上限は預貯金債権の債務者(金融機関)ごとに定められている(民法 第909条の2) |
| 6 | 遺産分割の前に単独で払い戻した預金は、その後の遺産分割では考慮されない。 | × | 払戻しをした預金は、遺産の一部の分割によって取得したものとみなされる(民法 第909条の2後段) |
| 7 | 預金の受入れを内容とする契約の締結は、犯罪収益移転防止法の取引時確認が必要な取引に当たる。 | ○ | 犯罪収益移転防止法 第4条第1項・同法施行令 第7条第1項第1号イ |
| 8 | 現金の受払いをする取引で振込(為替取引)を伴うものは、金額が10万円を超えると、取引時確認が必要な取引に当たる。 | ○ | 現金等の受払いは200万円超、現金の受払いで為替取引又は自己宛小切手の振出しを伴うものは10万円超(同法施行令 第7条第1項第1号ケ。公共料金・税金の納付など、施行規則で除かれる取引がある) |
No.4〜6は、遺産分割前の払戻しの3点セットです。「3分の1 × 法定相続分」「金融機関ごとに150万円」「払い戻した分は一部分割とみなす」を一度に言えるようにしておきます。
融資・保証・担保・時効の○×8問
| No. | 問題 | 答え | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 9 | 成年被後見人がした日用品の購入その他日常生活に関する行為も、取り消すことができる。 | × | 日常生活に関する行為は取り消せない(民法 第9条ただし書) |
| 10 | 被保佐人が借財又は保証をするには、保佐人の同意を得なければならない。 | ○ | 民法 第13条第1項第2号 |
| 11 | 法人が保証人となる根保証契約も、極度額を定めなければ効力を生じない。 | × | 極度額を定めなければ効力を生じないのは、保証人が法人でない個人根保証契約(民法 第465条の2) |
| 12 | 事業のための貸金等債務を個人が保証するときは、契約の締結の日前3か月以内に作成された公正証書で、保証債務を履行する意思を表示しなければならない。 | × | 締結の日前1か月以内の公正証書(民法 第465条の6第1項) |
| 13 | 主たる債務者である会社の取締役が、会社の事業のための借入れを保証するときは、公正証書による保証意思の表示は要らない。 | ○ | 民法 第465条の9第1号 |
| 14 | 根抵当権は、債務者との一切の取引から生ずる債権を担保するものとして設定することができる。 | × | 担保する債権の範囲は、特定の継続的取引契約や一定の種類の取引から生ずるものなどに限定して定める(民法 第398条の2第2項) |
| 15 | 貸出金などの債権は、権利を行使できることを知った時から5年間、又は権利を行使できる時から10年間行使しないと、時効によって消滅する。 | ○ | 民法 第166条第1項 |
| 16 | 民法の規定では、債権の譲渡を債務者以外の第三者に対抗するには、確定日付のある証書による通知又は承諾が必要である。 | ○ | 民法 第467条第2項(法人の金銭債権の譲渡は、債権譲渡登記で代えられる特例がある) |
No.12とNo.13は対にして覚えます。事業のための借入れの保証は、原則は「1か月以内の公正証書」、ただし主たる債務者の取締役などの経営者は除かれます。
会社法・電子記録債権・金融犯罪の○×8問
| No. | 問題 | 答え | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 17 | 代表取締役の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 | ○ | 会社法 第349条第5項 |
| 18 | 電子記録債権は当事者の合意だけで発生し、発生記録は第三者に対抗するための要件にすぎない。 | × | 電子記録債権は、発生記録をすることによって生ずる(電子記録債権法 第15条) |
| 19 | 電子記録債権の譲渡は、譲渡記録をしなければ、その効力を生じない。 | ○ | 電子記録債権法 第17条 |
| 20 | 業務上自己の占有する他人の物を横領した場合の法定刑は、5年以下の拘禁刑である。 | × | 業務上横領は10年以下の拘禁刑(刑法 第253条)。5年以下は単純横領(第252条) |
| 21 | 背任罪の法定刑には、罰金刑がない。 | × | 5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(刑法 第247条) |
| 22 | 取締役が自己の利益を図る目的で任務に背き、会社に財産上の損害を加えたときは、特別背任罪として、10年以下の拘禁刑若しくは1,000万円以下の罰金に処され、又はこれらが併科される。 | ○ | 会社法 第960条第1項 |
| 23 | 金融機関の職員が、その地位を利用し、自己の利益を図るために金銭の貸借の媒介をすることは、出資法で禁止されている(浮貸し)。 | ○ | 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 第3条 |
| 24 | 導入預金で処罰されるのは預金者だけで、約束をした金融機関の役職員は処罰されない。 | × | 金融機関の役員又は職員も、3年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金に処され、又は併科される(預金等に係る不当契約の取締に関する法律 第3条・第5条) |
No.20〜24は、2026年度から銀行取引関連法に入った「金融犯罪」の論点です。法定刑は、刑法等の改正(2025年6月施行)で「懲役」から「拘禁刑」に変わっています。古い問題集の「懲役」の表記に注意してください。金融犯罪の範囲は法務3級の金融犯罪で詳しく整理しています。
答え合わせの後にすること
- ×の問題を○に書き直す — 「3か月」を「1か月」に、「善意であれば」を「善意かつ無過失なら」に、のように、×の理由を自分の言葉で言えるまで直します。
- 間違えた分野の五答択一を解く — 預金で間違えたら預金、保証や担保なら保証・担保、時効や債権譲渡なら債権管理・回収、成年後見や会社法なら民法総則・成年後見・会社法、金融犯罪なら金融犯罪を解きます。
- 数字をまとめて覚える — この24問に出てきた主な数字は「150万円」「3分の1」「200万円と10万円」「1か月」「5年と10年」「10年以下と5年以下」「1,000万円」「50万円」「3年以下と30万円」です。
公式が名前を挙げた「正解率の低かった問題」は、第162回(2025年10月)が融資取引の相手方・消滅時効の完成猶予と更新・債権譲渡の対抗要件・債務引受・相殺、第161回(2025年6月)が普通預金規定・根抵当権の元本の確定・債権譲渡の対抗要件・相殺・破産手続と民事再生手続の異同でした(どちらも2026年度の科目変更の前の回)。2回続けて名前が挙がったのは、債権譲渡の対抗要件(No.16)と相殺です。根抵当権(No.14)と消滅時効(No.15)も、論点は違いますが、どちらかの回で挙がっています。
一問一答と本試験の五答択一
| 項目 | 本試験(公開試験・CBT) |
|---|---|
| 出題 | 五答択一の50問(各2点) |
| 時間 | 120分 |
| 合格基準 | 100点満点中60点以上(公開試験は「試験委員会にて最終決定」の但し書き) |
| 科目の構成 | 預金12問・融資16問・内国為替4問・銀行取引関連法18問 |
| 受け方 | 公開試験は2026年度から年2回(7月・12月)。CBTは2027年3月31日まで |
一問一答で○×を即答できる論点が増えたら、5つの肢から1つを選ぶ練習に移ります。○×で覚えたつもりでも、似た肢が5つ並ぶと迷う論点が見つかります。試験の申込みとCBTの受け方は法務3級のCBT、教材の選び方は法務3級のテキストにまとめています。
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まとめ
- 法務3級の本試験は五答択一の50問。一問一答は、肢の1つずつを正誤で判定する練習です。
- 遺産分割前の払戻しは「3分の1 × 法定相続分」「金融機関ごとに150万円」「一部分割とみなす」。
- 保証は「個人根保証は極度額が必要」「事業の貸金の保証は1か月以内の公正証書(経営者は除く)」。
- 2026年度から手形法・小切手法が外れ、金融犯罪が入りました。法定刑は「拘禁刑」です。
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出典
- 経済法令研究会「銀行業務検定試験 法務3級」(公開試験の出題形式・科目構成・合格基準・第165回の日程): https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=52130&oid=42 、同 CBT: https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=54686&oid=2000001 、CBT-Solutions「銀行業務検定試験 法務3級」: https://cbt-s.com/examinee/examination/khk-houmu03.html
- 銀行業務検定協会「試験公告」(2026年3月9日。2026年度の科目構成の変更): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7484.pdf 、「事務局報」(第161回・第162回の正解率の低かった問題): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7247.pdf ・ https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7380.pdf
- 経済法令研究会「正解表」(第154回〜第164回): https://www.khk.co.jp/exam/exam_correct_answer.php 、『法務3級 問題解説集 2026年度受験用』: https://www.khk.co.jp/book/book_detail.php?pid=54710
- e-Gov法令検索(2026年10月21日の時点で施行されている版): 民法 第9条・第13条・第166条・第398条の2・第465条の2・第465条の6・第465条の9・第466条の5・第467条・第478条・第909条の2、民法第九百九条の二に規定する法務省令で定める額を定める省令、会社法 第349条・第960条、電子記録債権法 第15条・第17条、犯罪による収益の移転防止に関する法律 第4条・同法施行令 第7条、刑法 第247条・第252条・第253条、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 第3条、預金等に係る不当契約の取締に関する法律 第3条・第5条: https://laws.e-gov.go.jp/
2026年10月21日に経済法令研究会・銀行業務検定協会のページとe-Gov法令検索で確かめました。
※ ぴよパスは銀行業務検定協会・経済法令研究会とは関係のない学習サイトです。試験名は試験を特定するために使っています。問題はすべてぴよパスのオリジナルで、本試験の問題ではありません。











