銀行業務検定試験の法務3級は、五答択一式の50問(各2点)・120分 で、100点満点の60点以上 が合格です。50問の内訳は 預金12問・融資16問・内国為替4問・銀行取引関連法18問。2026年度から全国一斉の紙の試験が7月と12月の年2回になり、CBTは通年で受けられます。
第162回(2025年10月26日)の合格率は 31.83%(受験者4,446人・合格者1,415人)、平均点は49.92点でした。平均点は合格点の60点に届いていません。ぴよパスでは、出題範囲にそって独自に作った練習問題250問を、9分野に分けて無料で解けます。この記事では、公式が「正解率の低かった問題」として挙げた論点と、それを分野ごとに練習する進め方をまとめます。
結論: 債権管理・回収から固め、最後に本試験と同じ配分の模試で6割を確かめる
- 合格基準は 100点満点で60点以上(50問中30問以上)。科目ごとの最低点は設けられていない。
- 第162回で正解率が低かったのは、融資取引の相手方・消滅時効の完成猶予と更新・債権譲渡の対抗要件・債務引受・相殺。5つのうち4つが、債権の管理と回収の論点に集まっている。
- 練習問題は 9分野・250問。どの問題も、正解の理由と誤りの選択肢の理由を解説している。
- 仕上げは 預金12問・融資16問・内国為替4問・銀行取引関連法18問・120分の模試(Premium の機能)。30問の線と、分野ごとの正答率を確かめる。
- 次の紙の試験は 2026年12月6日(日)13:30〜15:30。申込は 2026年10月5日〜10月19日。CBTは2027年3月31日まで通年で受けられる。
試験の形
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催・実施 | 銀行業務検定協会・経済法令研究会 |
| 出題形式 | 五答択一式 50問(各2点) |
| 科目構成 | 預金 12問・融資 16問・内国為替 4問・銀行取引関連法(銀行法/民法/電子記録債権法/証券取引/金融犯罪等)18問 |
| 試験時間 | 120分 |
| 合格基準 | 100点満点中60点以上(紙の試験は「試験委員会にて最終決定」) |
| 受験料 | 5,500円(税込)。CBTは別に事務手数料330円 |
| 紙の試験 | 2026年12月6日(日)13:30〜15:30(午後)。申込は2026年10月5日9:00〜10月19日23:30 |
| CBT | 2026年4月27日〜2027年3月31日(申込は2027年3月28日まで) |
紙の試験は申込期間が2週間しかありません。間に合わなかった場合や、日にちを選びたい場合はCBTで受けられます。CBTの仕組みは法務3級のCBT方式にまとめています。
2026年度の変更点
2026年度から、銀行取引関連法の中身が変わりました。手形法・小切手法が外れ、証券取引と金融犯罪が加わっています。科目ごとの問題数(12・16・4・18)は変わっていません。新しく入った金融犯罪の5論点(横領・背任・特別背任・浮貸し・導入預金)は、法務3級の「金融犯罪」を条文で整理した記事で扱っています。
正解率の低かった論点 — 第162回の成績発表から
銀行業務検定協会は、回ごとの成績発表で「正解率の低かった問題」の論点を公表しています。第162回(変更前の科目構成で実施)の法務3級では、次の5つが挙がっています。どれも2026年度の科目構成でも「融資」の範囲に残る論点です。
| 論点 | ぴよパスで練習できる分野 |
|---|---|
| 融資取引の相手方 | 融資の基本と貸出形式 |
| 消滅時効の完成猶予・更新 | 債権管理・回収 |
| 債権譲渡の対抗要件 | 債権管理・回収 |
| 債務引受 | 債権管理・回収 |
| 相殺 | 債権管理・回収 |
5つのうち4つが 債権管理・回収 の分野に集まっています。どれも民法の条文の要件を1か所だけ入れ替えた肢で落としやすい論点です。
練習問題の分野 — 9分野250問
本試験の4科目に合わせて、9分野に分けています。
預金(本試験 12問)
| 分野 | 問題数 |
|---|---|
| 預金 | 60問 |
融資(本試験 16問)
| 分野 | 問題数 |
|---|---|
| 融資の基本と貸出形式 | 30問 |
| 保証・担保 | 30問 |
| 債権管理・回収 | 20問 |
内国為替(本試験 4問)
| 分野 | 問題数 |
|---|---|
| 内国為替 | 20問 |
銀行取引関連法(本試験 18問)
| 分野 | 問題数 |
|---|---|
| 銀行法・付随業務・貸金庫 | 20問 |
| 民法総則・成年後見・会社法 | 20問 |
| 金融商品取引法・消費者保護 | 25問 |
| 金融犯罪 | 25問 |
問題は本試験の写しではなく、民法・銀行法・金融商品取引法などの条文や、全国銀行協会のひな型にもとづく取引の考え方をもとに独自に作った予想問題です。
練習の進め方
- 債権管理・回収から始める — 正解率の低かった論点のうち4つがこの分野です。条文の要件を、自分の言葉で言えるまで確かめてから肢を見ます。
- 消滅時効: 権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年(民法166条1項)。裁判上の請求などは「完成猶予」と「更新」の両方にかかわり(147条)、債務者の承認は「更新」(152条)。どの事由で、時効が止まるのか、ゼロから進み直すのかを分けて覚える。
- 債権譲渡: 債務者への通知か債務者の承諾がなければ、債務者その他の第三者に対抗できない。債務者以外の第三者に対抗するには、通知や承諾が確定日付のある証書によることが要る(467条)。
- 債務引受: 併存的債務引受は引受人が債務者と連帯して同じ債務を負う(470条)。免責的債務引受を債権者と引受人の契約でするときは、債権者が債務者に通知した時に効力が生じる(472条2項)。
- 相殺: 相殺の要件(505条)と、差押えを受けた債権の第三債務者が相殺で対抗できる範囲(511条。差押え前に取得した債権、差押え後に取得しても差押え前の原因に基づく債権)。
- 融資の相手方を、行為能力の条文で押さえる — 未成年者(18歳未満)の法律行為には法定代理人の同意が要り、同意のない行為は取り消せます(民法5条)。被保佐人が借財や保証をするには保佐人の同意が要ります(13条1項2号)。成年被後見人の法律行為は、日用品の購入など日常生活に関する行為を除いて取り消せます(9条)。
- 預金を厚く解く — 本試験の12問が預金だけの1科目です。ぴよパスでも分野の中で最も多い60問を用意しています。預金者の確定・無権限者への払戻し・相続預金・預金の差押えと相殺など、債権管理・回収の論点とつながる問題が多い分野です。
- 銀行取引関連法の新しい論点は、条文の言葉で確かめる — 金融犯罪と証券取引は2026年度から入った論点です。罪の名前と構成要件、金融商品取引法の行為規制は、似た言葉の入れ替えで肢を作りやすいところです。
- 正答率の低い分野に戻る — 分野ごとの正答率を見て、6割を割っている分野から解き直します。
仕上げは本試験と同じ配分の模試で
分野ごとの練習では、50問を120分で解き切る時間の感覚 と、4科目を混ぜたときにどこで落とすか が分かりません。ぴよパスの法務3級の模試は、次の形で作っています。
| 項目 | 模試の形 |
|---|---|
| 問題数・時間 | 50問・120分(本試験と同じ) |
| 出題 | 預金12問・融資16問・内国為替4問・銀行取引関連法18問(本試験の科目構成と同じ)。9分野の中の配分はぴよパスの設定 |
| 目安 | 50問中30問以上(60%)。結果には分野ごとの正答率も出る |
模試の結果は本試験の合否を判定するものではありません。6割の線にどれだけ余裕があるか、どの分野で点を落としているかを見るための練習です。
模試は Premium の機能です。12月6日の紙の試験を受けるなら、分野ごとの練習を一回りした11月中に1回、解き直した後の試験の2週間前にもう1回通すと、伸びが分かります。
まとめ
- 法務3級は五答択一50問(預金12・融資16・内国為替4・銀行取引関連法18)・120分。100点満点で60点以上が合格。第162回の合格率は31.83%、平均点は49.92点。
- 2026年度から、銀行取引関連法の手形法・小切手法が外れ、証券取引と金融犯罪が加わった。科目ごとの問題数は変わらない。
- 第162回で正解率の低かった論点は、融資取引の相手方・消滅時効の完成猶予と更新・債権譲渡の対抗要件・債務引受・相殺。
- 練習問題250問を9分野に分けて無料で解ける。債権管理・回収は、条文の要件を言えるようにしてから肢を見る。
- 仕上げは本試験と同じ配分の模試で、30問の線と分野ごとの正答率を確かめる。
- 紙の試験は2026年12月6日(日)13:30〜15:30。申込は10月5日〜10月19日。CBTは2027年3月31日まで。
関連記事
出典
- 経済法令研究会「法務3級」(2026年12月6日の実施日・時間・申込期間・出題形式・科目構成・合格基準・受験料): https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=52130&oid=42
- 経済法令研究会「CBT法務3級」(実施期間・申込期間・事務手数料): https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=54686&oid=2000001
- 銀行業務検定協会「2026年度実施『法務2級』『法務3級』『法務4級』科目構成の変更のご案内」(2026年3月): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7484.pdf
- 銀行業務検定協会「事務局報 No.352」(第162回 成績結果・正解率の低かった問題): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7380.pdf
- 民法(明治二十九年法律第八十九号)第4条・第5条・第9条・第13条・第147条・第152条・第166条・第467条・第470条・第472条・第505条・第511条(e-Gov 法令検索。2026年4月1日施行の版)











