- 法律上は「免許」ではない。労働安全衛生法の免許(第72条)の種類にフォークリフトは無く、技能講習の修了で運転できるようになる。
- 修了証は作業中に持っていなければならない(労働安全衛生法第61条第3項)。
- 修了証をなくしたら講習を受けた登録教習機関で再交付。機関が無くなっていたら、技能講習修了証明書発行事務局で修了証明書(手数料1,500円)を出してもらう(事務局のデータベースに修了の記録がある場合)。
技能講習の最後には修了試験があり、学科では関係法令も出ます。ぴよパスのフォークリフトの関係法令の練習問題で、たとえば運転の業務に必要な資格の問題や、修了証をなくしたときの再交付の問題を解いてみてください。
この記事の条文は e-Gov 法令検索の労働安全衛生法・同施行令・労働安全衛生規則(いずれも2026年10月1日施行の版)で、講習の時間は厚生労働省の「フオークリフト運転技能講習規程」と「安全衛生特別教育規程」で、修了証明書の手続きと費用は技能講習修了証明書発行事務局のページで、2026年10月25日に確かめました。
結論: 正式名称と書き方
| 運転するフォークリフト | 正式な名前 | 根拠 | 受けると出るもの | 履歴書の書き方の例 |
|---|---|---|---|---|
| 最大荷重1トン以上 | フォークリフト運転技能講習 | 労働安全衛生法第61条・施行令第20条第11号・別表第十八第二十九号 | 技能講習修了証(様式第17号) | フォークリフト運転技能講習 修了 |
| 最大荷重1トン未満だけ | フォークリフトの運転の業務に係る特別教育 | 労働安全衛生規則第36条第5号 | 法令に決まった修了証の様式は無い(事業者は記録を3年保存。第38条) | フォークリフトの運転の業務に係る特別教育 修了 |
どちらも、道路の上を走らせる運転は対象外です。公道を走るには、道路交通法の運転免許が別に要ります。1トンの線の分け方と講習の時間はフォークリフトの特別教育と技能講習の違いで説明しています。
法律上は「免許」ではない
労働安全衛生法で「免許」と呼ぶものは第72条で決まっていて、「第七十五条第一項の免許試験に合格した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者に対し、免許証を交付して行う」ものです。クレーン・デリック運転士免許や潜水士免許がこれに当たります。労働安全衛生規則の免許の種類の表(別表第四)や免許試験の区分(第69条)に、フォークリフトは入っていません。
フォークリフトの運転は、労働安全衛生法第61条第1項の「就業制限」の業務です。条文は、免許を受けた者「又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者」でなければ就かせてはならない、としています。フォークリフトはこのうち技能講習の側で、労働安全衛生規則の別表第三は、最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転ができる人を次のように書いています。
- フォークリフト運転技能講習を修了した者
- 職業能力開発促進法の普通職業訓練のうち、揚重運搬機械運転系港湾荷役科の訓練を修了した者で、フォークリフトについての訓練を受けたもの
- その他厚生労働大臣が定める者
同じ表で、クレーンの行は「クレーン・デリック運転士免許を受けた者」のように「免許」と書かれていますが、フォークリフトの行に「免許」の語はありません。「フォークリフト免許」は仕事の現場で使われる通称です。
履歴書の書き方
厚生労働省の履歴書の様式例は、資格を書く欄を「免許・資格」としています。様式例には資格の書き方の説明はありませんが、法令の字面に合わせると次のようになります。
| 年 | 月 | 免許・資格 |
|---|---|---|
| 2026 | 5 | フォークリフト運転技能講習 修了 |
| 2025 | 9 | 普通自動車第一種運転免許 取得 |
- 「フォークリフト免許 取得」より、「フォークリフト運転技能講習 修了」のほうが正確です。技能講習は「修了」と書きます。
- 年月は、修了証の交付日(修了証の第2面に「年 月 日交付」とある)に合わせるのが分かりやすい書き方です。修了日と交付日のどちらを書くかの決まりはありません。
- 1トン未満の特別教育だけを受けた人は「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育 修了」と書き、技能講習と取り違えないようにします。1トン以上は運転できないためです。
技能講習修了証の見方
修了証の様式は、労働安全衛生規則の様式第17号で決まっています。縦64mm×横91mmの4面で、各面には次のことが書かれます。
| 面 | 書かれていること |
|---|---|
| 第1面 | 「( )技能講習修了証」(括弧の中に講習の種類) |
| 第2面 | 「第 号」「年 月 日交付」「都道府県労働局長/登録教習機関 印」「備考」 |
| 第3面 | 「氏名」「年 月 日生」「住所」 |
| 第4面 | 注意事項(「本修了証は、大切にし、作業中は必ず携帯すること。」など) |
法令の様式には、顔写真の欄も有効期限の欄もありません(教習機関によっては写真を入れたカードの形で出しています)。労働安全衛生法と労働安全衛生規則にも、技能講習を修了した人の資格を更新する定めは見当たりません。事業者には、危険・有害な業務に就いている人に安全衛生教育を行うよう努める義務があります(労働安全衛生法第60条の2)が、これは資格の更新とは別のものです。
2026年7月には神奈川労働局が、登録の無い団体が出した、修了証に見せかけた書面に注意を呼びかけました。本物には「技能講習修了証」という名前、「○○労働局長登録教習機関」の名前、修了者番号などが書かれていて、登録の無い団体の書面では労働安全衛生法上フォークリフトの運転はできません。2026年1月1日からは、技能講習修了証やまぎらわしい書面を不正に交付することを禁じる条文(労働安全衛生法第76条の2)も加わっています。
なくしたとき・名前が変わったとき
| こんなとき | どこへ | 根拠 |
|---|---|---|
| なくした・傷んだ | 修了証を交付した登録教習機関に再交付申込書(様式第18号)を出して再交付を受ける | 労働安全衛生規則第82条第1項 |
| 氏名が変わった | 修了証を交付した登録教習機関で書替えを受ける | 同条第2項 |
| 交付した登録教習機関が講習の業務をやめている(登録の取消し・失効を含む) | 厚生労働大臣が指定する機関(技能講習修了証明書発行事務局)に申し込み、技能講習修了証明書の交付を受ける | 同条第3項 |
住所が変わっても書替えは要りません(愛知労働局は、住所の変更や写真の更新は書替えをしなくても問題ないとしています)。大事なのは、講習を受けた会場ではなく、どの登録教習機関が行った講習かです。どこで受けたか分からないときは、技能講習修了証明書発行事務局に資格の照会をする方法があります。
技能講習修了証明書(統合カード)は、修了証と同じく労働安全衛生法第61条第3項の「資格を証する書面」に当たり、ほかの技能講習の資格もまとめて1枚にできます。
| 項目 | 技能講習修了証明書発行事務局の案内 |
|---|---|
| 手数料 | カード発行手数料1,500円 |
| 総額 | コンビニ振込で2,103円(手数料・返信用の簡易書留460円・振込手数料143円)、現金書留で2,571円 |
| 写真 | 縦4.5cm×横3.5cm、申込前6か月以内に撮った正面・脱帽・背景無地のもの |
| 申し込み方 | 郵送・窓口(東京都港区芝の安全衛生総合会館)・オンライン(2023年3月から)・マイナポータル(2026年3月16日から) |
| かかる日数 | 郵送で概ね3週間程度 |
発行事務局のデータベースに修了の記録が届いていない人には発行できず、特別教育の記録は扱っていません。
出典
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生法」(第60条の2・第61条・第72条・第76条・第76条の2・別表第十八)
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生法施行令」(第20条第11号)
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生規則」(第36条第5号・第38条・第41条・第69条・第81条・第82条・別表第三・別表第四・様式第17号・様式第18号)
- 厚生労働省 法令等データベース「フオークリフト運転技能講習規程」(昭和47年労働省告示第111号)
- 厚生労働省 法令等データベース「安全衛生特別教育規程」(昭和47年労働省告示第92号)
- 技能講習修了証明書発行事務局
- 愛知労働局「技能講習修了証 書替・再交付」
- 神奈川労働局「「技能講習修了証」の偽造にご注意ください!」(PDF)
- 厚生労働省 労働政策審議会資料「履歴書の様式例」(PDF)



