フォークリフト運転技能講習は、最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するために必要な講習で、労働安全衛生法に基づき登録教習機関が実施します。学科講習の後に修了試験 (学科試験) があり、ここで落ちると修了証は交付されません。
ぴよパスでは、フォークリフト運転技能講習規程が定める学科4科目を、走行装置と荷役装置を厚めに12問・12問・8問・8問の合計40問の四肢択一で練習できるオリジナル問題を用意しました。関係法令は労働安全衛生規則と労働安全衛生法施行令の条文を根拠にし、走行装置と荷役装置は講習テキストで説明される構造と操作の基本に沿っています。
学科講習と修了試験の形式 (技能講習規程から)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 労働安全衛生法第61条、労働安全衛生法施行令第20条第11号、フォークリフト運転技能講習規程 (昭和47年労働省告示第111号) |
| 対象 | 最大荷重1t以上のフォークリフトの運転 (道路上の走行を除く) |
| 学科講習 | 走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 4時間 / 荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 4時間 / 運転に必要な力学に関する知識 2時間 / 関係法令 1時間 (計11時間) |
| 実技講習 | 走行の操作 20時間 / 荷役の操作 4時間 (計24時間) |
| 修了試験 | 学科試験 (筆記又は口述) と実技試験。試験時間・問題数・合格基準は規程では定められておらず、機関ごとに異なる |
| 免除 | 自動車の運転免許があれば学科の「走行に関する装置」が免除。大型特殊免許があれば実技の一部も免除 (規程第3条) |
| 実施 | 登録教習機関 (陸災防の支部、建機メーカーの教習所、自動車学校など)。受講料とテキスト代は機関とコースで異なる |
修了試験の問題数・形式・合格基準を全国一律に定めた規定はありません。「何問中何問で合格か」は受講する機関に確認するのが正しい手順で、どの機関でも講習で扱った内容から出ることだけは共通です。
4科目と練習問題40問の対応
| 科目 (講習時間) | 練習問題で扱う内容 |
|---|---|
| 走行に関する装置 (4時間・12問) | フォークリフトの種類、エンジン式とバッテリー式、トルクコンバータ、後輪操舵と後部の振り出し、ブレーキとインチングペダル、タイヤ、安定の三角形、荷を積んだときの走行姿勢と坂道、離車時の措置、作業開始前点検、バッテリーの取扱い |
| 荷役に関する装置 (4時間・12問) | マスト・リフトシリンダ・ティルトシリンダ、リリーフ弁とフローレギュレータ、ヘッドガードとバックレスト、最大荷重・許容荷重・荷重中心、フォークの差し込みと積み付け、アタッチメント、パレット、フォーク下の立入禁止、油圧の点検 |
| 運転に必要な力学 (2時間・8問) | 荷重中心とモーメント、てこのつり合いの計算、重心と安定、慣性・遠心力・制動距離、比重から求める荷の質量、力の三要素、摩擦、前後左右の安定度 |
| 関係法令 (1時間・8問) | 就業制限の1tと特別の教育、作業計画と作業指揮者、定期自主検査 (年次は特定自主検査・月次・記録3年)、ヘッドガードの強度と開口、用途外使用と搭乗の制限、接触防止と誘導者、道板、技能講習規程 |
走行装置と荷役装置を厚めにしているのは、講習時間が長く、修了試験でも出題の中心になる科目だからです。関係法令は1時間しかありませんが、数字がはっきりしているため短時間で得点源にできます。
直感と逆の論点を先に押さえる — 後輪操舵と荷重中心
学科試験で落ちる人の多くは、講習を聞いて「分かったつもり」になっている論点で失点しています。フォークリフトは乗用車と逆の性質がいくつもあり、そこが出題の中心です。
- 後輪操舵: ハンドルを切ると車体の後部が旋回の外側へ大きく振れます。乗用車の感覚で壁際を曲がると後部をぶつけます。
- 荷重中心と許容荷重: 最大荷重は基準荷重中心 (500mmなど) での値で、荷の重心がフォークの根元から遠くなるほど負荷させられる荷重は小さくなります。「2tのフォークリフトだから2tまで持てる」は誤りです。
- 走行姿勢: 荷を積んで走るときはフォークを床上15〜20cm程度に下げ、マストを後傾させます。荷で前が見えないときは後進します。
- 坂道: 荷を坂の上側にするので、積載時は登りが前進、下りが後進です。
- 離車: 運転位置を離れるときはフォークを最低降下位置に置き、原動機を止めてブレーキをかけます (労働安全衛生規則第151条の11)。
練習問題の解説では、正解の肢だけでなく誤りの肢についても「なぜ逆なのか」を書いています。4つの肢のうち3つは正しい知識として読めるので、全肢を読むこと自体が復習になります。
関係法令は「数字」で決まる
| 論点 | 数字・内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 技能講習が必要な範囲 | 最大荷重1t以上 (道路上の走行を除く) | 労働安全衛生法施行令第20条第11号 |
| 特別の教育で足りる範囲 | 最大荷重1t未満 | 労働安全衛生規則第36条第5号 |
| 制限速度 | 最高速度が毎時10kmを超える機械について作業場所に応じて定める | 同規則第151条の5 |
| ヘッドガード | 強度は最大荷重の2倍 (上限4t) の等分布静荷重、上部わくの開口は16cm未満 | 同規則第151条の17 |
| 定期自主検査 | 1年以内ごと (特定自主検査)、1月以内ごと。記録は3年保存 | 同規則第151条の21〜第151条の24 |
| 作業開始前点検 | 制動・操縦装置、荷役・油圧装置、車輪、前照灯・後照灯・方向指示器・警報装置 | 同規則第151条の25 |
| 用途外使用 | 荷のつり上げ、労働者の昇降などに使わない | 同規則第151条の14 |
| 搭乗 | 乗車席以外に人を乗せない | 同規則第151条の13 |
労働安全衛生規則は2026年4月1日施行の改正で「労働者」が「作業従事者」に広がった条文がありますが、上の表の数字と義務の内容は改正前後で同じです。
荷役の現場でフォークリフトと一緒に取ることが多い玉掛け技能講習も、同じ「講習の科目 = 出題範囲」の型です。玉掛け学科試験の練習問題40問 で数字と計算の3パターンを確認できます。
修了試験の形式と合格基準が機関ごとに違う理由
技能講習規程は「修了試験は学科試験及び実技試験とし、学科試験は筆記試験又は口述試験による」と定めるだけで、問題数や合格点は書いていません。修了試験を作って採点するのは各登録教習機関なので、○×式の機関もあれば四肢択一の機関もあり、問題数も機関ごとに違います。
インターネット上の「◯問中◯問で合格」という情報は、書いた人が受けた機関の例にすぎません。ぴよパスの練習問題は、どの形式で出ても対応できるよう、正誤の判断が必要な記述を四肢択一にまとめています。○×式の機関を受ける人は、各肢を「○か×か」で判断する練習として使ってください。
落ちた場合と、落ちないための準備
修了試験に合格しなければ修了証は交付されず、その講習は修了になりません。再試験や補講を設けている機関が多いものの、扱いは機関ごとに違うので、申込時に確認しておくと安心です。
落ちる原因は、講習を聞くだけで数字を覚えていないことと、後輪操舵・荷重中心のような「直感と逆」の論点を整理していないことに集中しています。受講前にぴよパスの40問を一度解き、間違えた科目を講習中に重点的に聞き、講習後にもう一度解く順番が効率的です。
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出典
- 厚生労働省 法令等データベース「フオークリフト運転技能講習規程」(昭和47年労働省告示第111号) — 学科・実技の科目と時間、修了試験、免除 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74142000&dataType=0&pageNo=1)
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生法施行令」第20条第11号 — 最大荷重1t以上のフォークリフトの運転
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生規則」第36条第5号、第151条の2〜第151条の26 — 特別の教育、車両系荷役運搬機械等の使用・点検 (2026年4月1日施行版)
- 陸上貨物運送事業労働災害防止協会 北海道支部「フォークリフト運転技能講習」— 講習時間の区分と受講料の例 (http://www.rikusaibo-hokkaido.org/kousyu/fork/fork.htm)

