賃貸不動産経営管理士試験は 2026年11月15日(日) です。残り4週間ほどの時期は、テキストを読み直すより、論点を1つずつ「正しいか・誤りか」で確かめていくほうが穴が見つかります。
この記事では、3つの範囲(管理業法の管理受託・サブリースの規制・民法と借地借家法の賃貸借)から、ぴよパスが条文をもとに作ったオリジナルの○×24問を出します。答えには根拠の条文番号(3問は国土交通省の「解釈・運用の考え方」の該当箇所)を付けました。条文は令和8年4月1日の時点で施行されている版で確かめています(令和8年度の試験は「令和8年4月1日現在で施行されている規定」に基づいて出題されます)。
解き方: 表の「問題」だけを見て○か×かを決め、答えと根拠で答え合わせをしてください。×の問題は、どこを直せば○になるかまで言えれば合格です。
管理業法(管理受託)の○×11問
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下「管理業法」)の、管理受託契約まわりです。
| No. | 問題 | 答え | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 1 | 賃貸住宅管理業を営む者は、管理する賃貸住宅の戸数にかかわらず、国土交通大臣の登録を受けなければならない。 | × | 戸数が国土交通省令で定める規模(200戸)未満なら登録は要らない(管理業法 第3条第1項ただし書・施行規則 第3条) |
| 2 | 賃貸住宅管理業の登録は、5年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失う。 | ○ | 管理業法 第3条第2項 |
| 3 | 賃貸住宅管理業者は、営業所又は事務所ごとに、1人以上の業務管理者を選任しなければならない。 | ○ | 管理業法 第12条第1項 |
| 4 | 業務管理者は、同じ会社の他の営業所の業務管理者を兼ねることができる。 | × | 業務管理者は他の営業所又は事務所の業務管理者となることができない(管理業法 第12条第3項) |
| 5 | 管理受託契約の締結前の重要事項説明は、業務管理者が自ら行わなければならない。 | × | 業務管理者が行うことは必ずしも必要ないが、業務管理者の管理及び監督の下に行う必要がある(国土交通省「解釈・運用の考え方」第13条関係) |
| 6 | 管理受託契約の重要事項説明は、説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましいとされている。 | ○ | 「解釈・運用の考え方」第13条関係 |
| 7 | 管理業法 第15条が禁止しているのは、委託を受けた管理業務の「全部」を他の者に再委託することである。 | ○ | 管理業法 第15条。なお、複数の者に分割して全部を再委託することも違反とされている(「解釈・運用の考え方」第15条関係) |
| 8 | 賃貸住宅管理業者は、管理業務で受け取った家賃・敷金・共益費などを、自己の固有財産や他の管理受託契約の金銭と分けて管理しなければならない。 | ○ | 管理業法 第16条 |
| 9 | 委託者への定期報告は、管理受託契約を締結した日から2年を超えない期間ごとに行えばよい。 | × | 1年を超えない期間ごと、及び契約期間の満了後遅滞なく、管理業務報告書を交付して説明する(施行規則 第40条第1項) |
| 10 | 賃貸住宅管理業者の従業者は、従業者でなくなった後も、業務の補助で知り得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならない。 | ○ | 管理業法 第21条第2項 |
| 11 | 維持保全を行わず、家賃などの金銭の管理だけを行う業務も、管理業法の「管理業務」に当たる。 | × | 金銭の管理は、維持保全の業務と併せて行うものに限って管理業務に当たる(管理業法 第2条第2項第2号) |
進む この節の数字は「200戸」「5年」「1人以上」「1週間程度」「1年」。○×では数字だけを入れ替えた形にしやすいところなので、正しい数字を言えるか確かめてください。
サブリース(特定賃貸借)の○×2問
| No. | 問題 | 答え | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 12 | 特定賃貸借契約の締結前の重要事項説明は、特定転貸事業者が自ら行う必要がある。 | ○ | 「解釈・運用の考え方」第30条関係 |
| 13 | 特定賃貸借契約の条件についての誇大広告等の禁止は、特定転貸事業者だけでなく、勧誘者にも及ぶ。 | ○ | 特定転貸事業者又は勧誘者(特定転貸事業者等)が対象(管理業法 第28条) |
No.5とNo.12は対にして覚えると取り違えません。管理受託の説明は「業務管理者の管理及び監督の下」で行う、という一文がありますが、サブリースの説明の項にはこの一文がありません(サブリースの説明は、実務経験のある者や賃貸不動産経営管理士など、専門的な知識と経験のある者が行うことが「望ましい」とされています)。どちらも、説明は事業者自らが行う必要があります。
民法と借地借家法(賃貸借)の○×11問
| No. | 問題 | 答え | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 14 | 賃借人の責めに帰すべき事由で修繕が必要になったときも、賃貸人は修繕する義務を負う。 | × | その場合は賃貸人の修繕義務の対象外(民法 第606条第1項ただし書) |
| 15 | 賃借人が修繕が必要である旨を通知したのに、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、賃借人は自らその修繕をすることができる。 | ○ | 民法 第607条の2第1号(急迫の事情があるときも同じ。第2号) |
| 16 | 賃借人が賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸借の終了の時でなければ償還を請求できない。 | × | 必要費は直ちに償還を請求できる(民法 第608条第1項)。終了の時に償還するのは有益費(同条第2項) |
| 17 | 賃借物の一部が賃借人の責めによらない事由で使えなくなったとき、賃料は、賃借人が減額を請求した場合に限って減額される。 | × | 使えなくなった部分の割合に応じて減額される(民法 第611条第1項)。請求を要件にしていない |
| 18 | 通常の使用によって生じた損耗や経年変化も、賃借人の原状回復義務の対象になる。 | × | 通常の損耗と経年変化は原状回復の対象から除かれている(民法 第621条) |
| 19 | 賃貸人は、賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたときに、敷金から賃借人の債務の額を差し引いた残額を返還しなければならない。 | ○ | 民法 第622条の2第1項第1号 |
| 20 | 賃借人は、賃貸人に対し、未払いの賃料に敷金を充てるよう請求することができる。 | × | 充当できるのは賃貸人の側。賃借人は充当を請求できない(民法 第622条の2第2項) |
| 21 | 定期建物賃貸借で「契約の更新がない」とする定めは、書面(電磁的記録による契約を含む)で契約するときに限って定めることができる。 | ○ | 借地借家法 第38条第1項・第2項 |
| 22 | 定期建物賃貸借で、賃貸人が契約の前に「更新がなく期間の満了で終わる」旨の説明(書面の交付か、賃借人の承諾を得た電磁的方法による提供を伴うもの)をしなかったとしても、契約書に更新がない旨が書かれていれば、その定めは有効である。 | × | 事前の説明をしなかったときは、更新がない旨の定めは無効(借地借家法 第38条第3項〜第5項) |
| 23 | 普通建物賃貸借で「一定の期間、賃料を減額しない」という特約があれば、賃借人はその期間、借賃の減額を請求できない。 | × | 条文が特約に従うとしているのは「増額しない」旨の特約だけ(借地借家法 第32条第1項ただし書) |
| 24 | 期間の定めがある普通建物賃貸借で、当事者が期間満了の1年前から6月前までに、更新をしない旨の通知(条件を変更しなければ更新をしない旨の通知を含む)をしなかったときは、従前と同一の条件で更新したものとみなされ、その期間は定めがないものとなる。 | ○ | 借地借家法 第26条第1項 |
注意 No.23は普通建物賃貸借の話です。定期建物賃貸借で借賃の改定に係る特約があるときは、第32条そのものが適用されません(借地借家法 第38条第9項)。
答え合わせの後にすること
24問の答えは○12問・×12問です。×だった問題は、根拠の条文を開いて「どの語を入れ替えると○になるか」を書き出してください(例: No.9の「2年」→「1年」、No.17の「請求した場合に限って」→ 請求は要らない)。○×は1問ずつ正誤が決まるので、ここで迷った論点は本試験の四肢択一でも迷います。
ただ、本試験は○×ではなく 四肢択一50問・120分 です。令和7年度の合格基準は50問中38問以上(76%)でした(賃貸不動産経営管理士の合格ライン)。4つの選択肢の中から誤りを1つ探す問題では、一問一答で覚えた論点を、4つ続けて正誤判定することになります。○×で固めたら、次は四肢択一の形で同じ論点を解いてみてください。
| この記事の範囲 | ぴよパスの分野 |
|---|---|
| 管理業法・サブリース(No.1〜13) | 管理受託契約・賃貸住宅管理業法 |
| 民法・借地借家法(No.14〜24) | 賃貸借契約(民法・借地借家法) |
この記事では扱わなかった建物・設備の維持保全や、金銭の管理・税・保険などの論点は、維持保全・建物設備・金銭の管理と賃貸住宅管理の実務・関連法令の分野で解けます。
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まとめ
- 管理業法は「200戸未満は登録不要」「登録は5年ごとに更新」「業務管理者は営業所ごとに1人以上・兼任不可」「定期報告は1年を超えない期間ごと」「再委託の禁止は全部」。
- 重要事項説明は、管理受託もサブリースも事業者自ら。管理受託は業務管理者の管理及び監督の下で行い、業務管理者本人が説明する必要はない。
- 民法は「必要費は直ちに・有益費は終了時」「一部滅失の賃料は当然に減額」「通常損耗と経年変化は原状回復の対象外」「敷金の充当を請求できるのは賃貸人だけ」。
- 借地借家法は「定期借家は書面と事前の書面説明」「減額しない特約は効かない(普通建物賃貸借)」「更新拒絶の通知は1年前から6月前」。
- 一問一答で固めたら、四肢択一と50問の通しで試す。
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出典
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 第2条・第3条・第12条・第15条・第16条・第21条・第28条(e-Gov 法令検索・令和8年4月1日時点で施行されている版): https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則 第3条・第40条(同): https://laws.e-gov.go.jp/law/502M60000800083
- 借地借家法 第26条・第32条・第38条(同): https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090
- 民法 第606条・第607条の2・第608条・第611条・第621条・第622条の2(同): https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行。第13条関係 p.15・第15条関係・第30条関係 p.27): https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001474894.pdf
- 賃貸不動産経営管理士協議会「試験実施要領」(令和8年度の試験日・出題形式・法令の基準日): https://www.chintaikanrishi.jp/exam/summary/
- 賃貸不動産経営管理士協議会「令和7年度賃貸不動産経営管理士試験の結果概要を発表」(合否判定基準): https://www.chintaikanrishi.jp/topics/entry/00447
2026年10月20日に e-Gov 法令検索・国土交通省・賃貸不動産経営管理士協議会のページで確かめました。
※ ぴよパスは賃貸不動産経営管理士協議会とは関係のない学習サイトです。試験名は試験を特定するために使っています。この記事の○×問題は、条文をもとにぴよパスが作ったもので、本試験の問題ではありません。

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