計算問題は、公式を覚える前に解く順番を固定する
一級ボイラー技士の計算問題で手が止まる原因は、公式を知らないことだけではありません。問題文を読んだ瞬間に、何を求めるのか、どの数字を使うのか、単位をそろえる必要があるのかが混ざります。
解く順番は、毎回これで固定します。
| 順番 | 書くこと | 見る場所 |
|---|---|---|
| 1 | 求めるもの | 空気比、熱量、効率、燃料消費量など |
| 2 | 使う式 | 割る向き、分母分子、掛ける相手 |
| 3 | 単位 | kJ/MJ、kg/h、パーセント/小数 |
| 4 | 代入 | 数字を入れるのは最後 |
公式を先に眺めるより、この順番を体に入れる方が本番で強いです。選択肢を見る前に式を書ける問題が増えると、計算はかなり楽になります。

空気比は「実際が上、理論が下」で割る向きを固定する
空気比は、計算が苦手な人でも最初に得点源にしやすい型です。式が短く、間違いどころもはっきりしています。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 求めるもの | 空気比 |
| 使う式 | 空気比 = 実際空気量 ÷ 理論空気量 |
| 単位 | 無次元 |
| ミスしやすい点 | 理論空気量 ÷ 実際空気量に逆転する |
例題で見ます。
| 条件 | 数字 |
|---|---|
| 理論空気量 | 10 m³/kg |
| 実際空気量 | 13 m³/kg |
式はこうです。
空気比 = 実際空気量 ÷ 理論空気量
= 13 ÷ 10
= 1.3
ここで大事なのは、13と10を見てすぐ割らないことです。先に「実際が上、理論が下」と言葉で置きます。これだけで、空気比の逆転ミスはかなり減ります。
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熱量計算は、kJとMJをそろえてから代入する
熱量計算で多いのは、式の間違いより単位のズレです。kJとMJ、kgあたりと時間あたりが混ざると、答えが1000倍ずれることがあります。
蒸気や給水の熱量差を扱うときは、教材や問題で示された式に合わせます。考え方は、質量と1kgあたりの熱量差を掛けることです。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 求めるもの | 1時間あたりの熱量 |
| 使う式 | 熱量 = 質量流量 × 1kgあたりの熱量差 |
| 単位 | kg/h × MJ/kg = MJ/h |
| ミスしやすい点 | kJとMJを混ぜる |
例題です。
| 条件 | 数字 |
|---|---|
| 質量流量 | 1,000 kg/h |
| 1kgあたりの熱量差 | 2.4 MJ/kg |
熱量 = 1,000 × 2.4
= 2,400 MJ/h
同じ問題で、熱量差が2,400 kJ/kgと書かれていたら、2.4 MJ/kgに直してから代入します。計算ミスを減らすには、式の上に単位を書いてから数字を入れます。
効率と燃料消費量は、パーセントを小数に直す
効率が出てくる問題は、式の中にパーセントが混ざります。80パーセントなら0.80、75パーセントなら0.75です。ここを直さないまま代入すると、答えが大きく崩れます。
燃料消費量の基本形は、投入できる熱量で必要熱量を割る形で考えます。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 求めるもの | 燃料消費量 |
| 使う式 | 燃料消費量 = 必要な有効熱量 ÷ (燃料の発熱量 × 効率) |
| 単位 | MJ/h ÷ (MJ/kg) = kg/h |
| ミスしやすい点 | 80パーセントを80のまま使う |
例題です。
| 条件 | 数字 |
|---|---|
| 必要な有効熱量 | 1,800 MJ/h |
| 燃料の低位発熱量 | 45 MJ/kg |
| ボイラー効率 | 80パーセント |
効率 80パーセント = 0.80
燃料消費量 = 1,800 ÷ (45 × 0.80)
= 1,800 ÷ 36
= 50 kg/h
式を丸暗記するより、「1kgの燃料で実際に使える熱量は、45 × 0.80 = 36 MJ」と言葉で見ると分かりやすいです。必要な熱量1,800 MJ/hを、1kgあたり36 MJで割るから50 kg/hになります。
解き直しノートは4行だけでいい
計算問題を間違えたとき、長い解説を写す必要はありません。次に同じミスをしないためには、4行で足ります。
| 行 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 求めるもの | 空気比 |
| 2 | 使う式 | 実際空気量 ÷ 理論空気量 |
| 3 | 単位 | 無次元。m³/kgは割ると消える |
| 4 | 間違えた理由 | 割る向きを逆にした |
熱量計算なら、4行目は「kJをMJに直さなかった」。燃料消費量なら「80パーセントを0.80にしなかった」。このように書きます。
答えの数字だけを残しても、次に直りません。間違えた理由が一行で残っていると、試験前に自分の癖を拾えます。
残り時間で、練習する型を絞る
残り時間が長いなら、空気比、熱量、効率、燃料消費量、伝熱面積まで広げます。残り時間が短いなら、基本型を落とさない方が現実的です。
| 残り時間 | 計算対策 |
|---|---|
| 1か月以上 | 空気比、熱量、効率、燃料消費量をそれぞれ複数回解く |
| 2週間 | 空気比と効率、単位換算を毎日短く解く |
| 1週間 | 間違えた型だけを解き直す |
| 3日前 | 新しい難問を増やさず、式と単位だけ確認する |
直前期に難問へ広げすぎると、基本型の精度が落ちます。一級ボイラー技士は燃料及び燃焼だけでなく、4科目全体で最低ラインを守る必要があります。計算に時間を使いすぎて法令や構造が落ちるのも危険です。
計算を捨てたくなるときほど、短い型に戻る
計算が苦手な人ほど、途中で「もう全部捨てよう」と思いがちです。ただ、燃料及び燃焼の計算をまるごと捨てると、科目の最低ラインが不安定になります。
全部を完璧にする必要はありません。戻る場所を短くします。
| つまずき | 戻る型 |
|---|---|
| 式が出ない | 求めるものを先に書く |
| 割る向きが分からない | 言葉で分母分子を決める |
| 数字は合うのに答えが違う | 単位をそろえる |
| 解説を読めば分かる | 選択肢を見ずに式だけ書く |
| 同じミスをする | 4行ノートに間違えた理由を残す |
計算問題は、才能より手順です。毎回同じ順番で書けば、問題文が少し変わっても崩れにくくなります。
ぴよきちメモ
一級ボイラー技士の計算問題は、公式をたくさん覚えた人より、毎回同じ順番で解ける人が安定します。
求めるものを書く。式を書く。単位をそろえる。最後に数字を入れる。この順番だけは崩さないでください。
空気比なら「実際が上、理論が下」。効率なら「80パーセントは0.80」。熱量なら「kJとMJをそろえる」。本番で効くのは、こういう小さい確認です。
計算が苦手でも、全部を捨てる必要はありません。短い型をいくつか持っておけば、燃料及び燃焼の足場になります。
出典・参考(2026年5月23日確認):
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 一級ボイラー技士の紹介 — 試験科目、試験時間、合格基準
- 一般社団法人 日本ボイラ協会 一級ボイラー技士免許の取得について — 一級ボイラー技士試験科目





























































