この記事が向く人・向かない人
向く人: 二級ボイラー技士を取得済みで、一級の受験資格(実務経験2年以上)を満たしている、または取得見込みの方。ノートを作るほど時間がある段階(受験まで1〜3か月)の人。
向かない人: 二級をまだ持っていない方は先に二級対策が必要です。また、すでに問題演習が十分回せている残り1週間以内の直前期は、新しいノートを作るより既存ノートを読み返す方が有益です。
試験の基本スペック: 受験料8,800円、4科目各10問の計40問、試験時間4時間、合格基準は各科目40%以上かつ全体60%以上(安全衛生技術試験協会公表)。近年の合格率は50%前後で推移しています。

ノートは、4ページから始める
一級ボイラー技士のノートで最初に決めたいのは、何を書くかより、どこまで書かないかです。
テキストを丁寧に写すと、作っている間は安心します。ただ、問題を間違えたあとに「どこへ戻れば直るか」が見えないノートは、試験前になるほど開かなくなります。
最初は、4ページだけで足ります。
| ページ | 役割 | 書くもの |
|---|---|---|
| 1 | 水管の一枚図 | 給水から蒸気までの流れ |
| 2 | 計算カード | 求めるもの、式、単位、止まった理由 |
| 3 | 法令数字表 | 数字、対象、何の境目か |
| 4 | 誤答ログ | 同じ間違いを戻すための1行 |
二級ボイラー技士の基礎が残っている人ほど、基本用語を全部書き直す必要はありません。一級で増える重さは、水管ボイラー、計算、法令数字、そして「同じところで止まる癖」に出ます。
ノートは、自作の教科書ではありません。解き直しで帰る場所です。
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1ページ目は、水と蒸気の道順だけ描く
水管ボイラーは、部品名だけを並べても点になりにくい分野です。蒸気ドラム、水ドラム、上昇管、下降管、過熱器、エコノマイザ、空気予熱器を、位置と役割でつなげる必要があります。
1ページ目は、きれいな設備図にしなくて大丈夫です。むしろ、試験用のノートなら線は少ない方が使えます。
給水
↓
エコノマイザ
↓
ドラム
↓
管群で加熱
↓
蒸気
↓
過熱器
横に、小さく3つだけ足します。
| 横に置くメモ | 例 |
|---|---|
| 何を温めるか | 過熱器は蒸気、エコノマイザは給水、空気予熱器は燃焼用空気 |
| 流れで迷う場所 | 上昇管と下降管を入れ替えない |
| 似た形式 | 自然循環、強制循環、貫流を同じ図で混ぜない |
ここで大事なのは、白紙に戻せることです。完成した図を眺めるだけだと、分かった気持ちで止まります。翌日に何も見ずに矢印を引き、手が止まった場所だけを直します。
2ページ目は、計算を「1問カード」に直す
計算ノートを公式集にすると、試験中に止まります。公式を見れば分かるのに、問題文になると使えないのは、式そのものではなく「この条件なら何を求めるか」が抜けているからです。
2ページ目は、1問を1枚のカードとして残します。長い解説はいりません。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 求めるもの | 空気比、熱量、効率、伝熱面積など |
| 最初に置く式 | 途中式ではなく、最初の1本 |
| 単位 | kJ/MJ、kg/h、平方メートル、パーセント/小数 |
| 止まった理由 | 割る向き、単位換算、条件の読み落とし |
たとえば空気比で間違えたなら、ノートに残すのは答えの数字ではありません。
| 欄 | 残す例 |
|---|---|
| 求めるもの | 空気比 |
| 最初に置く式 | 実際空気量 ÷ 理論空気量 |
| 単位 | 無次元。パーセント表示に引きずられない |
| 止まった理由 | 理論空気量を上にして逆に割った |
この形なら、次に似た問題を見たとき、解説を丸ごと読み返さなくて済みます。見るのは、自分が止まった1行だけです。
3ページ目は、法令数字を「境目」で並べる
関係法令のノートは、数字だけ並べると混ざります。25、500、40、60、4、10。数字が増えるほど、何の数字だったかが薄くなります。
数字の横には、必ず「何を分ける境目か」を書きます。
| 数字・条件 | 何の境目か |
|---|---|
| 4科目、各10問 | 構造、取扱い、燃料及び燃焼、関係法令を同じ重さで見る |
| 各科目40パーセント以上、合計60パーセント以上 | 合計だけ取れても、低い科目があると危ない |
| 25平方メートル以上500平方メートル未満 | 一級ボイラー技士を作業主任者として見る範囲 |
| 貫流ボイラーのみ500平方メートル以上 | 表の注記まで確認する数字 |
| 受験資格と免許申請 | 試験を受ける条件と、免許を受ける条件を分ける |
安全衛生技術試験協会の案内では、一級ボイラー技士試験は4科目、各10問、試験時間4時間です。合格基準は各科目40パーセント以上かつ全科目合計60パーセント以上とされています。
だから、法令ノートにも「合計で何点取るか」だけでなく、「低い科目を作らない」という見方を入れます。数字を表に写すだけではなく、試験中にどう判断するかまで残すと、直前期に使えます。
4ページ目は、間違えた理由を1行で残す
誤答ログは、ノートの最後に置きます。ここがあると、きれいなノートから「直るノート」に変わります。
1問につき、書くのは4つだけです。
| 欄 | 例 |
|---|---|
| 科目 | 燃料及び燃焼 |
| 止まった理由 | kJとMJをそろえずに代入した |
| 戻る場所 | 計算カードの単位欄 |
| 次に見る日 | 3日後 |
「なぜ間違えたか」を長く反省する必要はありません。次に戻れる言葉になっていれば十分です。
誤答ログの良いところは、ページを増やすか削るかの判断にも使えることです。同じ理由で2回止まったら、専用のページを作る。1回だけの読み違いなら、ログだけに置く。これでノートが膨らみにくくなります。
ノートを増やす前に、問題へ戻る
ノート作りが重くなるときは、だいたい問題演習から離れています。
色を増やす。表紙を整える。条文名をきれいに並べる。公式を全部写す。どれも悪いことではありませんが、解き直しの役に立たないなら優先度は下がります。
ノートを増やしたくなったら、先に問題を5問だけ解きます。そのあとで、戻る場所が本当に必要だったかを見ます。
| 問題後の状態 | ノートの扱い |
|---|---|
| 理由まで言えて正解 | 追加しない |
| 見れば思い出す | 誤答ログに1行だけ残す |
| 同じ理由でまた止まる | 専用ページを作る |
| 図や式に戻れない | 4ページの該当箇所を直す |
ノートは、問題から生まれる方が強いです。先にノートを作り込みすぎると、実際には使わないページが増えます。
残り日数で、ノートの厚さを変える
試験までの残り時間で、ノートの作り方は変わります。
| 残り時間 | 作り方 |
|---|---|
| 3か月以上 | 4ページを土台に、水管、計算、法令を少しずつ増やす |
| 1〜2か月 | 問題演習で戻った場所だけ増やす |
| 2週間 | 新しいページを作らず、誤答ログを1行で残す |
| 3日前 | ノートを読むだけにして、作成は止める |
残り2週間で水管図を一から美しく描くより、「過熱器は蒸気、エコノマイザは給水」と1行で戻した方が点につながることがあります。
直前期のノートは、薄い方が使えます。開くページが少ないほど、試験前に同じところへ戻れます。
ぴよきちメモ
一級ボイラー技士のノートは、気合いで分厚くするものではありません。
水管は一枚図。計算は1問カード。法令は数字の境目。間違えた問題は、理由と戻る場所を1行だけ。
この4ページが回り始めると、ノート作りがかなり軽くなります。足りないページは、問題演習のあとで増やせば大丈夫です。
きれいなノートより、戻れるノート。試験前の自分が30秒で「ああ、ここだった」と思えるなら、そのページはちゃんと働いています。
出典・参考(2026年5月23日確認):
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 一級ボイラー技士の紹介 — 取扱範囲、試験科目、試験時間、受験資格、免許申請時の実務経験証明、合格基準
- 一般社団法人 日本ボイラ協会 一級ボイラー技士免許の取得について — 一級ボイラー技士免許を受けることができる者、試験科目、支部講習案内
- 一般社団法人 日本ボイラ協会 ボイラー取扱作業主任者を選任できる免許 — ボイラー取扱作業主任者の選任範囲





























































