ビジネス実務法務検定試験®の1級は、3級・2級とは形がまったく違う試験です。選択肢を選ぶ問題はなく、すべて論述で、パソコンのキーボードで答えを書きます。2022年度に2級の合格要件がなくなったので、いきなり1級を受けることもできます。
この記事では、東京商工会議所の検定試験サイトの試験要項・1級試験案内(2026年度版)・試験結果のデータ(2026年10月20日に確認)をもとに、1級の日程と形式、合格基準、合格率、教材を整理します。
第60回(2026年度)の日程と形式
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 2026年12月6日(日)。全国一斉の統一試験(日時は選べない) |
| 申込 | インターネットのみ。11月4日(水)10:00〜11月11日(水)18:00 |
| 方式 | テストセンターのパソコンで受けるCBT(2022年度から)。答えは論述で、キーボードで入力する |
| 構成 | 前半・共通問題 2問必須(90分)/後半・選択問題 4問中2問(90分)。片方だけの受験はできない |
| 出題の中身 | 共通問題は民法と商法・会社法を中心に、業種を問わず起こりうる法律実務の問題。選択問題は特定の業種に関わる法律を取り上げる |
| 持ち込み | 判例のついていない、書き込みのない市販の法令集(紙。電子版は不可。アンダーラインは書き込みに含まない)。筆記用具はシャープペンシル・鉛筆・消しゴムのみ(下書き用紙は会場で配布・回収) |
| 受験料(税込) | 9,900円+CBT利用料2,200円=12,100円。申込後のキャンセル・返金はできない |
| 合格発表 | 2027年3月10日(水)10時以降。結果は試験の場では出ず、後日メールで案内される |
| 法令の基準日 | 2025年12月1日現在で成立している法律に準拠 |
受験票は発送されず、当日は顔写真つきの本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど。電子媒体やコピーは不可)を持っていきます。
合格の基準と準1級
| 1級の得点(200点満点) | 認定 |
|---|---|
| 合計140点以上で、4問すべて50%以上 | 1級合格 |
| 合計140〜200点だが、50%未満の問題がある | 準1級 |
| 110〜139点 | 準1級 |
| 109点以下 | 不合格 |
合格には、合計140点(7割)に加えて 4問それぞれで50%以上 が要ります。1問を大きく落とすと、合計が届いていても合格になりません。準1級の人には成績の開示と合わせて称号が付きますが、デジタル合格証は出ず、紙の認定証は有料(1,980円)です。
合格率は9.2% — 2級・3級とは段が違う
| 回 | 級 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第58回(2025年度) | 1級 | 521人 | 48人 | 9.2% |
| 第57回(2025年度) | 2級 | 5,729人 | 2,027人 | 35.4% |
| 第58回(2025年度) | 2級 | 7,050人 | 3,053人 | 43.3% |
| 第59回(2026年度) | 2級 | 6,183人 | 2,201人 | 35.6% |
| 第59回(2026年度) | 3級 | 9,840人 | 5,602人 | 56.9% |
(東京商工会議所の試験結果のデータ。合格率は合格者数を実受験者数で割った値)
1級を受ける人は、同じ年度の2級の1割に満たない人数です。2級(100点満点・70点以上で合格の選択式)とは、問われ方も合格の線も違います。
「いきなり1級」の前に確かめること
1級の出題範囲は 「1級・2級・3級の範囲に該当する法律および関連法令」 です。2級・3級で学ぶ法律が土台になりますが、1級には独自の公式テキストがあり、選択問題は特定の業種に関連する法律を取り上げます。そのうえで、論述で「多面的な観点から高度な判断・対応ができる」水準まで使えるかが問われます(東商の示す1級の基準)。
いきなり1級を受けるかどうかは、次の順で決めると無駄がありません。
| 状態 | 次の手 |
|---|---|
| 2級の範囲の択一問題で7割に届かない分野がある | 先に2級の範囲を固める(2級を受けるかは別として) |
| 2級の範囲は固まっている | 1級の公式問題集の過去問題で、論述の答え方を練習する |
| 論述で、どの問も50%を割らずに合計7割(140点)に届く | 12月6日の第60回に申し込む(申込は11月11日まで) |
択一で知識の穴を見つけるのと、論述で答案を組み立てるのは別の練習です。ぴよパスの問題は択一式なので、論述の練習にはなりません。2級の範囲のどこに穴があるかを先に見つける道具として使ってください。
1級の教材
| 教材 | 内容 |
|---|---|
| ビジネス実務法務検定試験®1級公式テキスト 2026年度版 | A5・4,730円(税込) |
| ビジネス実務法務検定試験®1級公式問題集 2026年度版 | 4,070円(税込)。第54回・第56回・第58回の1級の問題を収録 |
| 東商の1級のページ | 第58回の1級の試験問題を公表(模範解答の公表はない)。キーボードで答える画面を試せるCBTのサンプル試験も公開(費用なし) |
| 東商の「問題にチャレンジ!」 | 1級の問題例(第38回の共通問題)と参考解答例 |
2・3級の公式問題集は章ごとの問題と模擬問題3回分で過去の試験問題は入っていませんが、1級の公式問題集には過去の回の問題が入っています(2・3級の過去問の扱いはビジネス実務法務検定の過去問はどこにある?)。
合格したら — 称号と有効期限
| 級 | 合格者の称号 |
|---|---|
| 1級 | ビジネス法務エグゼクティブ® |
| 2級 | ビジネス法務エキスパート® |
| 3級 | ビジネス法務リーダー® |
1級の合格者にはデジタル合格証が付与されます。東商の検定のよくある質問は、合格後の手続きや資格更新、合格の有効期限はなく、一度取得した級はずっと保持できるとしています。
ぴよパスで2級の範囲の穴を探す
ぴよパスでは、ビジネス実務法務検定試験®2級の練習問題 320問を10分野、3級の練習問題 320問を8分野に分けて無料で解けます。問題はすべてオリジナル予想問題で、本試験の問題ではありません。1級の共通問題の中心になる民法と商法・会社法は、2級の企業取引・契約にかかわる法務・債権の担保・法的紛争の予防と株式会社の組織・運営の分野で確かめられます。
まとめ
- 1級は2級の合格がなくても受けられる。全問論述で、キーボードで答える。
- 第60回は2026年12月6日(日)。申込は11月4日〜11月11日 18:00、インターネットだけ。受験料は12,100円。
- 1級は200点満点で、各問50%以上かつ合計140点以上が合格。合計110〜139点などは準1級。
- 直近の第58回の合格率は9.2%。2級(35〜43%)とは段が違う。
- 出題範囲は1〜3級の法律。いきなり1級なら、まず2級の範囲の穴をふさいでから論述の練習に移る。
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出典
- 東京商工会議所 検定試験サイト「試験要項」(第60回の日程・1級の試験方式・共通問題と選択問題・合格基準と準1級・受験資格・称号・法令の基準日): https://kentei.tokyo-cci.or.jp/houmu/exam-info/
- 東京商工会議所「ビジネス実務法務検定試験® 1級 試験案内【2026年度版】」(試験日・申込方法・受験料・試験形式・持ち込み品・合格発表日・デジタル合格証・準1級の認定証): https://kentei.tokyo-cci.or.jp/houmu/pdf/houmu-1Q.pdf
- 東京商工会議所「CBT方式 統一試験 1級」(2022年度からCBT・結果は後日メール・第58回の問題の公表・サンプル試験): https://kentei.tokyo-cci.or.jp/houmu/exam-info/grade-1.html
- 東京商工会議所「問題にチャレンジ!」(1級の問題例と参考解答例): https://kentei.tokyo-cci.or.jp/houmu/support/challenge/example_01.html
- 東京商工会議所「データ」(2025年度・2026年度の試験結果): https://kentei.tokyo-cci.or.jp/houmu/about/data.html
- 東京商工会議所「公式テキスト・問題集」(1級公式テキスト・公式問題集 2026年度版): https://kentei.tokyo-cci.or.jp/houmu/support/official-text.html
- 東京商工会議所 検定試験 よくある質問(合格の有効期限・資格更新はない): https://kentei.tokyo-cci.or.jp/faq/cbt_general.html
2026年10月20日に東京商工会議所の検定試験サイトで確かめました。
※ ビジネス実務法務検定試験®・ビジネス法務エグゼクティブ®・ビジネス法務エキスパート®・ビジネス法務リーダー®は東京商工会議所の登録商標です。ぴよパスは東京商工会議所・各地の商工会議所とは関係のない学習サイトで、試験名は試験を特定するために使っています。










