消防設備士乙1の直前期は、科目ごとの弱点、取り違えた設備の条件、記述で答えられない項目を確認して、残りの時間を配分しましょう。学習時間の累計だけで受験を諦めたり、特定の分野を一律に捨てたりせず、今の答案から復習先を選びます。
この記事では、混同しやすい屋内消火栓の区分、スプリンクラーヘッドの標示、ポンプ周りの設備を確認したうえで、直前の予定と本番の時間配分を組みます。数値は2026年9月12日時点の法令に照合しています。
筆記の各科目・全体・実技を別々に確認する
免除がない乙1は、筆記30問と鑑別等5問、試験時間は1時間45分です。公式の科目表と試験方法・合格基準を、自分の受験条件と照合してください。
筆記は各科目40%以上に加え、全体60%以上が必要です。免除なしでは法令4/10問、基礎2/5問、構造6/15問以上を満たし、筆記全体でも18/30問以上が必要になります。構造・機能・整備の内訳は機械8問・電気4問・規格3問です。
実技は別に成績60%以上が必要で、鑑別等5問のうち3問を正解すればよい、とは換算できません。記述の小問や配点を無視して判定しないようにしましょう。免除がある場合は、公式の乙種免除表で問題数と時間の短縮も確認します。
屋内消火栓は、易操作性1号と広範囲型2号を区別する
次の表は、消防法施行令第11条第3項の基準と、日本消火装置工業会の区分を対応させたものです。放水圧力・放水量は、ノズル先端の性能の下限を示します。
| 種類 | 放水圧力の下限 | 放水量の下限 | 水平距離 |
|---|---|---|---|
| 1号消火栓 | 0.17MPa | 130L/分 | 25m以下 |
| 易操作性1号消火栓 | 0.17MPa | 130L/分 | 25m以下 |
| 2号消火栓 | 0.25MPa | 60L/分 | 15m以下 |
| 広範囲型2号消火栓 | 0.17MPa | 80L/分 | 25m以下 |
80L/分は広範囲型2号の基準で、易操作性1号は130L/分です。 1人で操作できるという特徴だけで同じ種類と判断しないようにします。
表の水平距離は、その階の各部分からホース接続口までの距離です。水が飛ぶ距離や、ホース自体の長さとは区別します。放水性能は同じ階で同時に使用する条件があり、設置数が2を超えるときは2個を同時使用して確かめます。下限だけを見ず、施行規則第12条にある0.7MPaを超えないための措置も確認してください。
ヘッドの標示温度と色別を対応させる
閉鎖型スプリンクラーヘッドの規格省令第15条では、標示温度の区分に応じた色別が定められています。標示温度は製品に示される温度で、作動試験で測った温度と同じ言葉として扱わないようにします。
| 標示温度の区分 | 規格省令の色別 |
|---|---|
| 60℃未満 | 黒 |
| 60℃以上75℃未満 | 無 |
| 75℃以上121℃未満 | 白 |
| 121℃以上162℃未満 | 青 |
| 162℃以上200℃未満 | 赤 |
| 200℃以上260℃未満 | 緑 |
| 260℃以上 | 黄 |
この色別表示には、作動後にも識別できる方法で標示温度が表示されている場合の例外があります。色だけを頼りにせず、製品の表示と規格を合わせて確認してください。旧来の「低温用・中温用」という曖昧な呼び方から、境界の温度を推測しないようにします。
ヘッドには標準型・小区画型などの区分があります。配管口径や散水範囲も、すべてのヘッドに同じ数値を当てはめず、教材と施行規則のスプリンクラー設備の規定で対象となる種類を確認します。
ポンプ周りは、設備名と役割を取り違えない
次は屋内消火栓設備を例に、施行規則第12条第1項で確認できる項目を整理したものです。
| 設備・配管 | 確認する役割・条件 |
|---|---|
| 呼水装置 | 水源の水位がポンプより低い場合に設ける。専用の呼水槽、減水警報、自動補給等を確認 |
| 性能を試験するための配管 | 定格負荷運転時のポンプ性能を試験するためのもの |
| 水温上昇防止用の逃し配管 | 締切運転時の水温上昇を防ぐためのもの |
| 圧力計・連成計 | ポンプの吐出側に圧力計、吸込側に連成計を設ける |
呼水槽の容量は、同条では加圧送水装置を有効に作動させられるものとされています。「100L」とだけ覚えて対象や根拠を確認しない、という読み方を避けましょう。
ポンプの性能については、同条第1項第7号ハ(ハ)に、吐出量が定格の150%の場合に全揚程が定格の65%以上という条件があります。これは、性能試験配管を「締切圧力の140%以下」と説明することとは異なります。流量・圧力・揚程のどの量を比較しているかを確認してください。
残り1週間の予定は、答案から決める
次の予定は編集部の例です。残りの日数だけで科目を捨てるルールにはせず、誤答や記述の状況に合わせて入れ替えてください。
| 時期の例 | 先に確認すること | その日の復習 |
|---|---|---|
| 7〜5日前 | 各科目の正答率と、説明できない正解 | 弱い科目の用語・適用条件・計算を解き直す |
| 4〜3日前 | 鑑別の名称・役割を自分で書けるか | 書けなかった項目を写真や図へ戻って確認 |
| 2日前 | 時間を測った演習で、どこに時間を使うか | 時間の掛かった問題と記述を復習 |
| 前日・当日朝 | 受験票の記載、持ち物、会場への経路 | 手元の誤答記録から必要な項目を確認 |
計算を新しく学ぶ余地があるかは、つまずきの深さと使える時間によります。単位換算だけの誤りなら短い復習で解消できることもあります。分野名だけで諦めず、誤答の原因を分ける方法で確認しましょう。
105分の練習では、見直し時間を先に確保する
免除がない場合の時間配分を試すための例です。解く順序は自分が練習で使いやすかった順にし、試験官の指示がある場合はそれに従ってください。
| 使う時間 | 配分例 |
|---|---|
| 消防関係法令 | 20分 |
| 基礎的知識 | 15分 |
| 構造・機能・整備 | 30分 |
| 鑑別等 | 30分 |
| 未解答・記入箇所の見直し | 10分 |
| 合計 | 105分 |
記述に時間が必要だったなら、次の練習で配分を調整します。大問の数で単純に割って「1問3分」と固定するより、選択式と記述式で使った時間を分けて記録してください。
学習時間が何時間未満なら受験をやめる、という基準は設けません。今の理解と残りの予定から判断し、日程を変える場合も、各支部の受付期間や手数料の扱いを確認してください。
テキストへ戻って確認する
式や設備のつながりが分からないときは、問題の解説からテキストの該当章へ戻ります。TAC出版の書誌・目次で確認できる次の教材は、1類の甲種・乙種に対応しています。乙種を受ける場合は、自分の試験範囲を確かめて使ってください。
上記はAmazonアソシエイトのリンクです。購入前に版・刷と、出版社の正誤表・改訂情報を確認してください。
最後は、確認した内容を問題で使う
覚え直した数値は、設備の種類と条件を説明してから問題で確かめます。解説を閉じても理由が言えるか確認し、残った弱点を次の短い復習へ回しましょう。



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