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危険物甲種の出題傾向|法令・物理化学・性質消火のよく出るテーマ一覧

ぴよパス編集部7分で読めます
目次

この記事で分かること

  • 法令15問の頻出テーマと出題パターン
  • 物理化学10問の計算問題・概念問題の傾向
  • 性質消火20問の類別頻出ポイント(第1〜6類)
  • 各科目の学習で重点を置くべき優先順位
  • 出題傾向を踏まえた効率的な学習アプローチ

甲種の試験構成と出題傾向の全体像

危険物取扱者甲種は45問・3科目で構成される。各科目で60%以上が合格条件だ。

科目問題数出題の特徴
危険物に関する法令15問暗記中心。数値・手続きのひっかけが多い
物理学及び化学10問計算問題と概念問題が混在。大学化学レベルの内容も出る
危険物の性質・消火方法20問全6類の性質・消火方法を横断的に問う。暗記量が最大

出題傾向を把握した上で学習の優先順位を決めることが、限られた時間で合格する最も効率的なアプローチだ。


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法令の出題傾向(15問)

法令は暗記科目だが、単純な用語の暗記では通じないひっかけ問題が多い。「正しいものを選べ」「誤っているものを選べ」の両方の形式で出題され、似た概念の使い分けを問う問題が頻出する。

頻出テーマ①:指定数量の計算

指定数量の倍数計算は、法令で最も重要な計算問題だ。

指定数量の倍数 = 貯蔵量(取扱量) ÷ 指定数量

複数の危険物を同一場所に貯蔵する場合は、各物質の倍数の合計で判断する。この合計が1以上になると危険物として規制の対象になる。

よく出るパターン

  • 複数の危険物の指定数量の倍数の合計を求めて規制の要否を判断
  • 異なる類の危険物を同一の貯蔵所に貯蔵できるかどうかを問う問題

頻出テーマ②:保安距離と保有空地

保安距離は特定の製造所等が周辺の建物や施設から確保しなければならない最低距離だ。

保安距離が必要な施設

  • 製造所
  • 屋内貯蔵所
  • 屋外タンク貯蔵所
  • 屋外貯蔵所
  • 一般取扱所

保安距離が不要な施設

  • 屋内タンク貯蔵所
  • 地下タンク貯蔵所
  • 移動タンク貯蔵所
  • 給油取扱所(一部例外あり)

「この施設に保安距離は必要か」を問う問題は毎回のように出題される。上記の対象・非対象を確実に区別できるようにしておく。

頻出テーマ③:届出・許可・認可の使い分け

行政手続きの種類と対象を問う問題は毎回出題される。

手続きの種類主な対象
許可製造所等の設置・位置や構造・設備の変更
完成検査設置・変更許可後の使用前検査
届出製造所等の廃止・危険物取扱者の解任

「許可が必要か届出で足りるか」の判断を問う問題でひっかかる受験者が多い。

頻出テーマ④:定期点検・保安検査の周期

検査の種類対象周期
定期点検特定の製造所等年1回以上
保安検査屋外タンク貯蔵所(大型)8年以内ごと(一定条件で延長可)

数値を含む問題は「1年・3年・8年」などの具体的な数字が問われるため、対象施設と周期をセットで覚える必要がある。


物理化学の出題傾向(10問)

物理化学は計算問題と概念問題に二分される。計算問題は公式を理解して解法の型を身につければ安定した得点源になる。

頻出テーマ①:熱量計算

基本公式:熱量(Q)= 質量(m)× 比熱(c)× 温度変化(ΔT)

比熱の概念と熱化学方程式(反応熱の計算)は毎回出題される頻出テーマだ。物質の状態変化(融解熱・蒸発熱)に関する問題も出る。

よく出るパターン

  • 一定量の物質の温度を上昇させるのに必要な熱量を求める
  • 2つの物質を混合したときの最終温度を求める
  • 熱化学方程式から反応熱を算出する

頻出テーマ②:化学反応式と燃焼計算

完全燃焼の化学反応式の係数決めと、燃焼に必要な酸素量・生成される水・二酸化炭素の量を求める問題が出題される。

モル計算の基本

  • 物質のモル数 = 質量(g)÷ 分子量(g/mol)
  • 標準状態での気体の体積(L)= モル数 × 22.4

化学反応式の係数と各物質のモル比を使った計算は、手順を型として習得することが重要だ。

頻出テーマ③:燃焼の3要素と燃焼範囲

燃焼の3要素(可燃物・酸素・点火源)は概念問題として毎回問われる。燃焼範囲(爆発下限値〜上限値)の概念と、燃焼範囲が広いほど危険性が高いという原則を理解しておく。

よく出るパターン

  • 燃焼の3要素のうち何かを除去することを「消火」の原理として問う
  • 燃焼範囲の外側(下限値未満・上限値超)では燃焼しないことを問う
  • 引火点・発火点・沸点の定義と違いを問う

頻出テーマ④:酸化還元反応

酸化・還元の定義(電子の授受・酸素との結合/分離・水素の授受)と、酸化剤・還元剤の判断が問われる。

  • 酸化剤:相手を酸化する(自らは還元される)物質
  • 還元剤:相手を還元する(自らは酸化される)物質

第1類(酸化性固体)・第6類(酸化性液体)の性質と結びつけて理解することで、性質消火の学習とも連携できる。


性質消火の出題傾向(20問)

性質消火は甲種最大の科目で、全6類から横断的に出題される。各類から2〜4問程度が出題され、類の特徴・代表物質の性質・消火方法・禁水性の有無が問われる。

第1類(酸化性固体)の頻出ポイント

確認事項内容
類の特徴固体・不燃性・他の可燃物の燃焼を助ける酸化性
消火方法の原則大量注水が有効(一部例外あり)
禁水性の例外アルカリ金属の過酸化物(過酸化ナトリウム・過酸化カリウム)は水と反応するため注水不可
代表物質塩素酸塩類・過塩素酸塩類・硝酸塩類・亜塩素酸塩類

アルカリ金属の過酸化物の例外は毎回問われる頻出ポイントだ。

第2類(可燃性固体)の頻出ポイント

確認事項内容
類の特徴引火しやすい固体・比較的低温で着火
消火方法の原則一般的には水・泡による冷却消火
禁水性の例外マグネシウム・鉄粉・金属粉は水と反応するため乾燥砂などで対応
代表物質硫化リン・赤リン・硫黄・マグネシウム

同じ第2類でも消火方法が分かれる点が試験のポイントだ。

第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)の頻出ポイント

確認事項内容
類の特徴空気・水と接触して発火するものが多い
消火方法の原則禁水・乾燥砂・膨張真珠岩
黄リンの例外空気中で自然発火するが禁水ではなく、水中保存が必要
代表物質カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・黄リン

黄リンは「自然発火性はあるが禁水ではない(水中保存する)」という例外が頻繁に問われる。

第4類(引火性液体)の頻出ポイント

乙4経験者には最も馴染みのある類だが、甲種ではより細かい数値と品名の定義まで問われる。

確認事項内容
引火点の数値ガソリン(−40℃以下)・灯油(40〜70℃未満)・重油(60〜150℃)
特殊引火物引火点−20℃以下または発火点100℃以下のもの(ジエチルエーテルなど)
蒸気比重全て空気より重い(水面・床面に蒸気が滞留する)
消火方法泡・CO₂・粉末消火剤(水は厳禁)

第4類は問題数が多く、甲種で最も得点を稼ぎやすい類でもある。数値を正確に覚えることが重要だ。

第5類(自己反応性物質)の頻出ポイント

確認事項内容
類の特徴空気がなくても自ら分解・燃焼・爆発
消火方法大量注水(外部からの冷却。窒息消火は無効)
代表物質ニトログリセリン・ニトロセルロース・有機過酸化物
発火点多くが低い温度で自己分解を開始する

「窒息消火が効かない」という点が選択肢のひっかけとして使われることが多い。

第6類(酸化性液体)の頻出ポイント

確認事項内容
類の特徴液体・不燃性・他の可燃物の燃焼を助ける酸化性
消火方法の原則大量注水(一部例外あり)
硝酸の注意点水と反応して発熱するため、注水は慎重に(かつ毒性ガス発生)
代表物質過塩素酸・過酸化水素・硝酸・ハロゲン間化合物

第1類と比較して「固体か液体か」を問うパターンも出題される。


出題傾向を踏まえた学習の優先順位

法令の優先順位

  1. 指定数量の数値と倍数計算(毎回必ず出題)
  2. 保安距離の対象施設と距離(毎回出題)
  3. 届出・許可の手続き区分(毎回出題)
  4. 定期点検・保安検査の周期(高頻度で出題)
  5. 危険物取扱者の義務・保安講習(定番テーマ)

物理化学の優先順位

  1. 熱量計算(毎回出題)
  2. 化学反応式の係数と燃焼計算(毎回出題)
  3. 燃焼の3要素と燃焼範囲(毎回出題)
  4. 酸化還元の概念(高頻度で出題)
  5. 物質の状態変化(融解・蒸発)(定番テーマ)

性質消火の優先順位

  1. 第4類の引火点・発火点・消火方法(問題数が多く最重要)
  2. 第1類・第3類の禁水性例外物質(頻出のひっかけポイント)
  3. 第2類の消火方法が分かれる物質(頻出)
  4. 第5類の消火方法(大量注水・窒息消火の無効)(頻出)
  5. 第6類の代表物質と消火上の注意(定番テーマ)

ぴよパスで出題傾向に沿った演習をする

ぴよパスでは法令・物理化学・性質消火のカテゴリ別に練習問題を提供している。出題傾向の高いテーマに集中して演習できる。

科目問題数リンク
法令54問法令の練習問題
物理化学40問物理化学の練習問題
性質消火66問性質消火の練習問題
模擬試験45問(本番形式)模擬試験を受ける

まとめ

危険物甲種の出題傾向を科目別に整理すると、以下のテーマが最重要だ。

  • 法令:指定数量の倍数計算・保安距離の対象施設・届出と許可の区分
  • 物理化学:熱量計算・化学反応式の係数決め・燃焼の3要素と燃焼範囲
  • 性質消火:第1〜6類の代表物質の引火点(発火点)・消火方法・禁水性の有無、各類の例外物質

出題傾向に沿って重要テーマを優先的に学習した上で、ぴよパスの練習問題で繰り返し演習することが合格への最短ルートだ。まず頻出テーマの得点を固め、その後に細かい知識を積み上げる戦略で本番に臨んでほしい。


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この記事の執筆者

ぴよパス編集部

公的機関の公表データ・法令・試験実施団体の公式情報を根拠に記事を作成。問題は全てオリジナルで、12項目の品質ガードで正確性を担保しています。

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