危険物甲種で復習する分野を絞るときは、法令・物理化学・性質消火のうち、どの科目で理由を説明できずに間違えたかから決めましょう。合格には、3科目それぞれの基準を満たす必要があります。
公式の試験科目と公開問題の一部を手掛かりに、戻って確認する論点を整理しました。問題を解いた後に、迷った用語や条件の復習先を探すために使ってください。
3科目の配分と、合格基準を確認する
消防試験研究センターの試験科目・問題数では、甲種は次の配分です。
| 科目 | 問題数 | 復習で見ること |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 対象施設、危険物の区分、手続や数値の条件 |
| 物理学及び化学 | 10問 | 用語の意味、計算の式と単位、現象が起こる条件 |
| 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 20問 | 類の共通性質と、個々の物質の性質・例外 |
合計45問、五肢択一式で、試験時間は2時間30分です。試験の方法・合格基準は、各科目それぞれ60%以上とされています。全45問を一つにまとめた正答率だけで判断しないでください。
練習では正答数に加え、解説を見ても納得できなかった問題を科目別に残します。たとえば法令の条件を繰り返し読み落としているなら、性質消火の問題数を増やす前に、その条件へ戻ります。
公開問題で確かめられる論点を、復習の入口にする
センターは過去に出題された問題の一部を公開しています。2026年6月更新の案内では、令和7年度以前に出題した問題と説明されています。掲載分が、その年の全試験や次回の出題割合を表すわけではありません。
次の表は、甲種の公開PDFから7問を選び、その主題と復習先を整理したものです。問題番号はこのPDFに対応します。
| 公開PDFの問題番号 | 主題 | 解いた後に戻る箇所 |
|---|---|---|
| 問1 | 類別・性質・品名の対応 | 危険物の分類表で三つの対応を確認する |
| 問2 | 指定数量の倍数 | 物質ごとの指定数量と、倍数を合計する手順 |
| 問3 | 予防規程 | 定める人、認可する側、守る人の区別 |
| 問18 | 燃焼の条件 | 可燃物・酸素供給源・点火源の意味 |
| 問19 | 静電気による危険の防止 | 作業や設備と、帯電防止対策の対応 |
| 問30 | 第3類の貯蔵 | 保護液を用いる目的と、対象となる物質 |
| 問31 | 第3類の消火 | 個別の物質に使える方法と、類全体に使える方法の区別 |
まず元の五つの選択肢を読み、どの用語・条件が分からなかったかを調べるために使ってください。自分の教材の問題でも、同じように「主題/迷った条件/戻るページ」を残せます。
科目ごとに、暗記する単位を変える
法令は、数字と対象施設を切り離さない
法令の表を覚えるときは、施設の種類や危険物の区分まで一緒に確認します。保安距離と保有空地を混ぜたり、ある施設の基準をすべての施設へ広げたりしないようにしましょう。
たとえば、保安距離を「製造所と一般取扱所だけ」と覚えるのは不正確です。危険物の規制に関する政令の第10条第1項第1号は屋内貯蔵所、第16条第1項第1号は屋外貯蔵所について、製造所の位置の基準を参照しています。各条の対象・例外まで読み、施設名だけの短い暗記に置き換えないでください。
物理化学は、求める量と条件を先に書く
計算問題では、数字を式に入れる前に「何を求めるか」「単位は何か」を書きます。式を覚えていても、体積と質量、温度の表し方などを取り違えると別の答えになります。
文章問題では、用語を一言で説明してから選択肢を読み直します。「引火」と「発火」のような近い言葉や、酸化剤と還元剤の役割は、名称だけで選ばず、教材の定義と照合しましょう。数値だけを並べた表より、条件を含む説明に戻るほうが、どこを取り違えたか見つけやすくなります。
性質消火は、類の共通性質と物質ごとの例外を分ける
センターの危険物の区分では、第1類は酸化性固体、第2類は可燃性固体、第3類は自然発火性物質及び禁水性物質、第4類は引火性液体、第5類は自己反応性物質、第6類は酸化性液体です。
類の名前を言えることと、個々の物質の貯蔵・消火方法を選べることは分けて確認します。公開PDFの問30・31を解く際も、問題が一部の物質について尋ねているのか、類全体について尋ねているのかを読み分けます。
また、「引火点を持つのは第4類だけ」とは覚えないでください。政令第1条の4第4項は、第2類の引火の危険性を判断する試験にも引火点の測定を定めています。分類名を、ほかの類の性質をすべて否定する言葉として使わないことが大切です。
| 復習メモの項目 | 残す内容 |
|---|---|
| 対象 | 施設、物質、類別など、何についての説明か |
| 条件 | 温度、水溶性、数量、設備の種類など |
| 結論 | その条件で何が言えるか |
| 確認先 | 条文、解説、教材の該当ページ |
指定数量の計算は、一つずつ割ってから足す
次は計算手順を確認するための編集部作成例です。
同じ場所に、第1石油類の非水溶性液体150Lと、第1石油類の水溶性液体200Lがあるとします。指定数量の倍数の合計はいくらでしょうか。
政令別表第三では、第1石油類の指定数量は非水溶性液体200L、水溶性液体400Lです。それぞれの量を、それぞれの指定数量で割ります。
| 区分 | 量 | 指定数量 | 計算した倍数 |
|---|---|---|---|
| 第1石油類・非水溶性 | 150L | 200L | 150÷200=0.75 |
| 第1石油類・水溶性 | 200L | 400L | 200÷400=0.50 |
| 合計 | — | — | 0.75+0.50=1.25倍 |
先に150Lと200Lを足して、一つの指定数量で割る方法ではありません。消防法第10条第2項は、各危険物の数量をその指定数量で割った値の合計が1以上になる場合の扱いを定めています。
間違えたときは「指定数量を取り違えた」「水溶性の条件を見落とした」「割り算・足し算を誤った」のどれかを残します。計算だけやり直す前に、分母の200L・400Lを正しく選べたか確認してください。
正解数だけでなく、間違えた理由で次の学習を決める
五肢択一では、「必ず」「のみ」という言葉があるだけで誤りと決めないでください。その条件で成り立つかを、知識や計算で判断します。消せた選択肢の数より、消した理由を説明できることを確認しましょう。
| 解いた後の状態 | 次にすること | 解き直しで確かめること |
|---|---|---|
| 用語を知らなかった | 教材の定義と具体例に戻る | 選択肢を隠して説明できるか |
| 数字や区分を混同した | 対象と条件を並べたメモを作る | 条件の違う問題でも選べるか |
| 計算を間違えた | 式・単位・途中計算を残す | 値を変えても同じ手順で解けるか |
| 正解したが理由が曖昧 | 迷った選択肢も解説と照合する | 正解と誤答の違いを説明できるか |
一回の学習は、問題を解いて、この表のどこで止まったか分かるところまでで構いません。次回はその論点を解き直し、解けたら別の問題でも確かめます。一律に「何問解けば完成」「何週間で十分」とは決めず、自分の誤答に合わせて戻る範囲を変えましょう。
3科目の無料練習と、手元の教材へ戻る
ぴよパスのオリジナル問題と基本解説は、登録不要・無料で使えます。法令、物理化学、性質と消火から、復習したい科目を開いてください。公式過去問の転載ではないので、センターの公開問題でも五肢択一の実物を確認します。
手元の教材で解説を読める人は、まずその該当ページに戻れば十分です。三科目を一冊で整理したい場合は、次の教材も候補になります。
ISBNは9784770329820です。出版社提供の書誌・内容紹介では、法令、物理・化学・燃焼・消火、第1~6類、模擬テストの構成を確認できます。購入前に版と訂正情報を確かめてください。出版社の書誌と目次を確認して紹介しています。
資料確認日:2026年9月11日。法令の説明は同日時点の施行版に基づきます。受験時は対象年度の受験案内・教材の法令基準日も確認してください。公開問題の主題整理、復習手順、計算例は編集部によるものです。







