結論: 性消 10 問の物質別対応表が乙3 攻略の中心戦場
危険物乙3 の 3 科目構成と科目別の攻略ポイントを整理します。
| 科目 | 出題数 | 足切り | 配分目安 | 中心戦場 |
|---|---|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15 問 | 9 問以上 | 40% | 乙4 共通の基礎 + 第3類特有貯蔵基準 |
| 基礎的な物理学及び化学 | 10 問 | 6 問以上 | 25% | 乙4 共通の酸化反応・燃焼原理 |
| 危険物の性質並びに火災予防及び消火 | 10 問 | 6 問以上 | 35% | 第3類物質の物質別保管・消火対応表 |
編集部の見立てでは、乙3 攻略の中心戦場は 「性消 10 問の物質別対応表」 です。第3類物質は保管方法が物質ごとに違い (ナトリウムは灯油中・黄りんは水中・カルシウムは禁水)、これを混同すると本番で失点して足切りリスクが上がります。
法令 15 問の対策
法令 15 問は乙種共通の基礎が大半を占めます。
| 主な範囲 | 出題比率 (目安) | 乙4 共通度 |
|---|---|---|
| 指定数量・保安距離 | 20-25% | 高 (乙4 と共通) |
| 貯蔵基準 (第3類特有あり) | 15-20% | 中 (第3類特有あり) |
| 取扱基準 | 15-20% | 高 (乙4 と共通) |
| 運搬基準 | 10-15% | 高 (乙4 と共通) |
| 製造所等の設置 | 10-15% | 高 (乙4 と共通) |
| 行政指導・罰則 | 10-15% | 高 (乙4 と共通) |
乙4 合格者にとっては、法令 15 問は復習程度で対応可能な範囲です。第3類特有の貯蔵基準 (第3類は他類と分離して貯蔵する等) を追加で押さえれば 9 問以上の足切り回避は安定して達成できます。
第3類特有の法令ポイント
第3類危険物の特有法令ポイントを整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 第3類の指定数量 | 物質ごとに 10kg, 20kg, 50kg 等 (第3類は数量が比較的小さい) |
| 第3類の貯蔵基準 | 他類と分離して貯蔵、第3類同士でも一部分離が必要 |
| 第3類の運搬基準 | 防水材料での被覆 (禁水性物質)、不活性ガス封入 (自然発火性物質) |
| 第3類の消火基準 | 物質ごとに消火剤が異なる、注水禁止物質あり |
これらは乙4 法令にはない範囲のため、新規受験 + 乙4 合格者の両方で追加学習が必要です。
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物化 10 問の対策
物化 10 問は基礎物理化学で、乙4 との共通範囲が中心です。
| 主な範囲 | 出題比率 (目安) | 乙4 共通度 |
|---|---|---|
| 基礎物理 (密度・比重・圧力等) | 20-25% | 高 |
| 基礎化学 (元素・化合物・反応式) | 20-25% | 高 |
| 酸化還元反応 | 20-25% | 高 |
| 燃焼の原理・条件 | 15-20% | 高 |
| 静電気・電気の基礎 | 10-15% | 高 |
物化 10 問は乙4 と共通範囲が大半のため、乙4 合格者にとっては復習程度で対応可能です。新規受験者は乙4 用の物化テキストで基礎を押さえれば十分対応できます。
物化で押さえる重要ポイント
物化 10 問で押さえる重要ポイントを 5 つに整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 1. 比重・密度・圧力 | 単位換算 + 物質の状態 |
| 2. 元素周期表 | 周期表の傾向 (酸化数・反応性) |
| 3. 酸化還元反応 | 酸化剤・還元剤の判定 |
| 4. 燃焼の三要素 | 可燃物・酸素・点火源 + 連鎖反応 |
| 5. 静電気 | 発生条件 + 防止策 |
これら 5 つを乙4 と同じテキストで押さえれば、物化 10 問で 6 問以上の足切り回避は安定します。
性消 10 問の対策 (中心戦場)
性消 10 問が乙3 攻略の中心戦場です。第3類物質の物質別対応表を完全暗記するのが最優先です。
第3類物質の物質別対応表
| 物質 | 保管方法 | 消火方法 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ナトリウム (Na) | 灯油中 (空気・水と隔絶) | 乾燥砂、塩化ナトリウム、注水禁止 | カリウムより穏やかな反応 |
| カリウム (K) | 灯油中 (空気・水と隔絶) | 乾燥砂、塩化ナトリウム、注水禁止 | ナトリウムより激しい反応 |
| 黄りん (P) | 水中 (空気と隔絶) | 注水可、水砂で消火 | 自然発火性、空気中で発火 |
| カルシウム (Ca) | 乾燥した不活性ガス雰囲気 | 乾燥砂、注水禁止 | 水と反応で水素発生 |
| バリウム (Ba) | 灯油中 | 乾燥砂、注水禁止 | 水と反応で水素発生 |
| 水素化ナトリウム (NaH) | 不活性ガス雰囲気 | 乾燥砂、注水禁止 | 水と反応で水素発生 |
| 水素化リチウム (LiH) | 不活性ガス雰囲気 | 乾燥砂、注水禁止 | 水と反応で水素発生 |
| リン化カルシウム (Ca₃P₂) | 乾燥した場所 | 乾燥砂、注水禁止 | 水と反応で有毒なホスフィン発生 |
| 炭化カルシウム (CaC₂) | 乾燥した場所 | 乾燥砂、注水禁止 | 水と反応でアセチレン発生 |
| アルキルアルミニウム | 不活性ガス封入 | 乾燥砂 (CO₂・ハロゲン化物消火剤は使用不可) | 自然発火 + 禁水 (両方)。CO₂と反応するため通常の消火剤が使えない乙3最大の特異点 |
| ジエチル亜鉛 | 不活性ガス封入 | 特殊消火剤 | 自然発火 + 禁水 (両方) |
最大の混乱ポイントは「黄りんは水中保管」 です。他の第3類物質はほとんど禁水性で注水禁止ですが、黄りんだけは自然発火性で水中保管が必要です。この例外を確実に押さえないと、本番で「黄りんに乾燥砂」等の誤答を選びがちです。
物質の特性別グループ分け
第3類物質は特性で 3 グループに分けられます。
| グループ | 特性 | 主な物質 |
|---|---|---|
| 禁水性のみ | 水と反応 (発火・爆発) | ナトリウム、カリウム、カルシウム、水素化ナトリウム |
| 自然発火性のみ | 空気と反応 (自然発火) | 黄りん |
| 両方 | 水・空気どちらでも反応 | アルキルアルミニウム、ジエチル亜鉛 |
3 グループに分けると保管方法が整理しやすくなります。禁水性のみ は灯油中保管 (空気との接触は OK)、自然発火性のみ (黄りん) は水中保管 (水との接触は OK)、両方 は不活性ガス封入保管 (空気・水どちらも遮断)。
アルキルアルミニウムの消火に関する重要論点: アルキルアルミニウムは CO₂ と反応するため、CO₂ 消火剤およびハロゲン化物消火剤は使用できません。乾燥砂に限られるという点が他の禁水性物質とは異なる乙3 特有の頻出論点です。本番でも「CO₂ 消火剤を使える物質はどれか」という形で出題されます。
学習配分: 新規受験 vs 科目免除
学習時間配分の目安を整理します。
| 受験パターン | 法令 | 物化 | 性消 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 新規受験 (50-80 時間) | 15-25 時間 | 10-15 時間 | 20-30 時間 | 50-80 時間 |
| 科目免除 (30-50 時間) | — | — | 30-50 時間 | 30-50 時間 |
新規受験でも科目免除受験でも、性消 10 問への学習時間が最も多くなる のが標準パターンです。物質別対応表を反復暗記して、本番で物質ごとの保管・消火方法を即答できる状態を作るのが合格戦略の基本です。
過去出題の傾向
性消 10 問の出題傾向を整理します。
| 出題テーマ | 出題比率 (目安) | 対策の優先度 |
|---|---|---|
| 物質別の保管方法 | 25-30% | 最優先 |
| 物質別の消火方法 | 25-30% | 最優先 |
| 物質の特性 (禁水性・自然発火性) | 15-20% | 高 |
| 物質の化学反応 | 10-15% | 中 |
| 物質の用途・性状 | 10-15% | 中 |
「物質別の保管方法」と「物質別の消火方法」で性消 10 問のうち 5-6 問を占めるため、物質別対応表の完全暗記が最も得点に直結します。
まとめ: 性消 10 問の物質別対応表が合否を分ける
危険物乙3 の科目別対策は、性消 10 問の第3類物質別対応表が中心戦場 という結論になります。
- 法令 15 問: 乙4 共通基礎 + 第3類特有貯蔵基準で 9 問以上
- 物化 10 問: 乙4 共通範囲で 6 問以上 (新規受験者は乙4 物化テキストで対応)
- 性消 10 問: 物質別対応表の完全暗記 で 6 問以上、ナトリウム灯油中・黄りん水中・カルシウム禁水を絶対に間違えない。アルキルアルミニウムのCO₂消火剤不可も頻出
新規受験 (3 科目) なら学習時間 50-80 時間で、うち性消に 20-30 時間を割く配分が標準パターンです。科目免除受験 (性消のみ) なら 30-50 時間を全て性消対策に集中します。
危険物乙3 とは別記事を参照、危険物乙3 の初心者ロードマップは別記事を参照 してください。
出典:
- 一般財団法人 消防試験研究センター — 危険物取扱者試験の受験案内・試験科目・合格基準













































































































































































