ITパスポートの一問一答は、四肢択一の選択肢に出てくる用語や数字を、1つずつ「正しいか・誤りか」で確かめる練習です。この記事では、シラバスVer.6.5の範囲から、ぴよパスが作ったオリジナルの○×26問をストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系に分けて出します。答えごとに、根拠の条文や公的機関の資料を付けました。
解き方: 表の「問題」だけを見て○か×かを決め、答えと根拠で答え合わせをしてください。×の問題は、どこを直せば○になるかまで言えれば合格です。法律の答えは2026年10月21日の時点で施行されている条文によります。
ストラテジ系の○×12問(経営・会計・法務)
| No. | 問題 | 答え | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 1 | SWOT分析では、自社の強みと弱みを外部環境、機会と脅威を内部環境として整理する。 | × | 強み・弱みは内部環境、機会・脅威は外部環境(中小企業基盤整備機構 J-Net21) |
| 2 | 損益分岐点売上高は、固定費を限界利益率(1−変動費率)で割って求める。 | ○ | 中小企業基盤整備機構 J-Net21 |
| 3 | 損益分岐点とは、売上高と変動費が等しくなって利益がゼロになる売上高のことである。 | × | 利益がゼロになるのは、売上高が総費用(変動費+固定費)と等しいとき(中小企業基盤整備機構 J-Net21) |
| 4 | BCP(事業継続計画)は、災害などの緊急事態でも中核となる事業を続けるか早く復旧するために、平常時にすることと緊急時の方法をあらかじめ決めておく計画である。 | ○ | 中小企業庁(中小企業BCP策定運用指針のページ) |
| 5 | RPAは、人が行ってきた定型的なパソコン操作を、ソフトウェアのロボットで自動化するものである。 | ○ | 総務省 |
| 6 | 著作権は、文化庁に登録したときに発生する。 | × | 登録などの手続は要らず、著作物を創作した時に発生する(著作権法 第17条第2項・第51条第1項) |
| 7 | 著作権の存続期間は、原則として著作者の死後50年までである。 | × | 原則として死後70年(著作権法 第51条第2項) |
| 8 | プログラムの著作物の保護は、そのプログラムを作るのに使ったプログラム言語や解法(アルゴリズム)には及ばない。 | ○ | 著作権法 第10条第3項 |
| 9 | 特許権の存続期間は、原則として、特許出願の日から20年で終わる。 | ○ | 特許法 第67条第1項(延長登録の出願による延長がある。同条第2項。特許権は設定の登録で発生する。第66条第1項) |
| 10 | 要配慮個人情報は、オプトアウトの手続をとれば、本人の同意がなくても第三者に提供できる。 | × | 要配慮個人情報はオプトアウトでは第三者に提供できない(個人情報保護法 第27条第2項ただし書)。取得にも原則として本人の同意が要る(第20条第2項) |
| 11 | 労働者派遣では、派遣労働者を雇用するのは派遣先で、仕事の指揮命令をするのは派遣元である。 | × | 派遣元が雇用し、派遣先が指揮命令をする(労働者派遣法 第2条第1号) |
| 12 | 中小受託取引適正化法(取適法)では、代金の支払期日を、委託事業者が給付を受け取った日から60日以内で定めなければならない。 | ○ | 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律 第3条第1項(2026年1月1日施行。旧 下請法) |
進む この節の×は、「内部と外部」「雇用と指揮命令」のように2つの言葉を入れ替えた形と、「50年と70年」のように改正前の数字にした形で作っています。取適法は、2026年1月1日に下請法の題名と中身が変わってできた法律です。古い教材の「下請法」の問題は、今の法律の名前で覚え直してください。
マネジメント系の○×6問(プロジェクト・開発・監査)
| No. | 問題 | 答え | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 13 | WBSは、プロジェクト全体を、細かな成果物とそれを作る作業に階層的に分けていく手法である。 | ○ | IPA/SEC『組込みソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメント導入の勧め』 |
| 14 | クリティカルパス上の作業が1つ遅れても、ほかの作業に余裕があれば、プロジェクト全体の期間は延びない。 | × | クリティカルパス上の作業が1つでも遅れると、プロジェクト全体の期間が延びる(同上) |
| 15 | スクラムチームにいるプロダクトオーナーとスクラムマスターは1人ずつで、開発者は複数人いる。 | ○ | スクラムガイド(2020年版) |
| 16 | スクラムのスプリントの長さの上限は、3か月である。 | × | スプリントは1か月以内の決まった長さ(スクラムガイド 2020年版) |
| 17 | システム監査は、監査の対象となる部門の担当者が、自分の部門を監査して行うのが原則である。 | × | 監査人は、監査の対象から独立した客観的な立場で監査する(経済産業省「システム監査基準」【基準4】) |
| 18 | SLA(サービスレベル合意書)は、どんなサービスをどの水準で提供するかについて、サービスを提供する側と顧客が取り決めて文書にしたものである。 | ○ | IPA「ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5」のサービスマネジメントの項 |
進む マネジメント系は、「誰がするか(監査人の独立性)」と「数字(スプリントは1か月以内)」が×の作り方の中心です。シラバスVer.6.5では、クリティカルパス分析はストラテジ系の業務分析の用語例に、WBSやアローダイアグラムはマネジメント系のプロジェクトマネジメントの用語例に載っています。
テクノロジ系の○×8問(ネットワーク・セキュリティ・基礎理論)
| No. | 問題 | 答え | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 19 | IPv4のアドレスは32ビット、IPv6のアドレスは128ビットである。 | ○ | 日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC) |
| 20 | DNSは、IPアドレスをMACアドレスに変換する仕組みである。 | × | ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み(総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」用語集) |
| 21 | 公開鍵暗号方式は、暗号化と復号に同じ鍵を使う暗号方式である。 | × | 暗号化と復号で異なる鍵を使う。同じ鍵を使うのは共通鍵暗号方式(同上) |
| 22 | 電子署名(デジタル署名)は、作成者が自分の公開鍵で作り、受け取った人は作成者の秘密鍵で検証する。 | × | 作成者が自分の秘密鍵で作り、受け取った人が作成者の公開鍵で検証する(同上) |
| 23 | 多要素認証は、「知っているもの」「持っているもの」「本人自身に関するもの」のうち、2つ以上の要素を使う利用者認証である。 | ○ | 同上 |
| 24 | ランサムウェアに感染してデータを暗号化されても、身代金を払えばデータは必ず元に戻る。 | × | 身代金を払っても復旧されない可能性があり、支払いは推奨されない(総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」用語集) |
| 25 | フィッシングは、実在する組織を装ったメールなどで偽のサイトに誘い、IDやパスワード、カード番号などを入力させて盗む手口である。 | ○ | フィッシング対策協議会 |
| 26 | 2進数の1011を10進数で表すと11である。 | ○ | 1×8+0×4+1×2+1×1=11 |
進む この節の×は、鍵の向き(秘密鍵で作って公開鍵で検証する)と、変換の向き(ドメイン名からIPアドレスへ)を入れ替えて作っています。No.22は、公開鍵暗号で「受け取る人の公開鍵で暗号化し、受け取る人の秘密鍵で復号する」流れと逆になるので、混ぜないように覚えてください。
答え合わせの後にすること
- ×の問題を○に書き直す — 「50年」を「70年」に、「外部環境」を「内部環境」に、のように、×の理由を自分の言葉で言えるまで直します。この記事の×の問題は、正しい文の言葉や数字を入れ替えて作っています。
- 間違えた分野の問題ページで四肢択一を解く — No.1〜12で間違えたらストラテジ系、No.13〜18ならマネジメント系、No.19〜26ならテクノロジ系の練習問題を解きます。どれも登録なしで、解説まで無料で読めます。
- 苦手な分野を残さない — 本試験は、総合評価点のほかに3分野それぞれに300点の基準があります。得意な分野で点を稼いでも、1つの分野が300点に届かなければ不合格です。
セキュリティの用語をまとめて確かめたいときはITパスポートのセキュリティ対策、計算の問題はITパスポートの計算問題を見てください。
一問一答と本試験の形
ITパスポート試験は、全国の試験会場でCBT方式により随時行われます。受験手数料は7,500円(税込)です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間・問題数 | 120分・100問(四肢択一式) |
| 分野ごとの出題数 | ストラテジ系35問程度・マネジメント系20問程度・テクノロジ系45問程度 |
| 採点 | IRT(項目応答理論)に基づいて評価点を出す。評価に使うのは92問で、残りの8問は今後出題する問題の評価に使われる |
| 合格基準 | 総合評価点600点以上(1,000点満点)、かつ3分野の分野別評価点がそれぞれ300点以上(各1,000点満点) |
試験問題は公開されていませんが、IPAは出題した問題から毎年100問を公開しています。公開問題の使い方は「ITパスポートの過去問はどこにある」にまとめています。
| 練習 | 向いていること | 別に要ること |
|---|---|---|
| 一問一答(○×) | 用語の意味と数字を1つずつ確かめる・すき間時間に回す | 4つの選択肢を比べて選ぶ練習・時間配分 |
| 四肢択一 | 「最も適切なものはどれか」の形に慣れる・計算の問題 | 1問に時間がかかる |
| 100問の通し演習 | 120分の時間配分・3分野それぞれの出来の見通し | まとまった時間が要る |
本試験と同じ問題数(100問)・同じ時間(120分)で、ぴよパスのオリジナル問題を通して解く模擬試験もあります(Premium・月980円の機能です。正答数で採点するので、本試験のIRTの評価点や分野別評価点を再現するものではなく、本試験の合否を判定するものではありません)。
2027年度からの試験の変更に注意
IPAは、2027年度春頃からITパスポート試験の出題分野を、今の「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」から「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に組み直す予定と公表しています。試験時間120分・100問は変わらない予定です。新しい制度のシラバスは、2026年8月31日に「シラバス案Ver.0.1」として掲載された段階で、内容が変わる可能性があるとされています。
今の3分野の試験制度は、2026年度の試験で終わる予定です。また、システムの入れ替えのため、試験を一時休止する予定もあります。IPAのよくある質問は、休止の前の試験日を2026年12月27日までとし、2025年12月27日以降に申し込んだ人は2026年12月28日以降の試験日を選べないと案内しています。空席が無いなどで2026年12月27日までに受験できなくても、受験手数料は返還されません。今の制度で受けるなら、受験日を早めに決めてください。
まとめ
- ITパスポートの一問一答は、四肢択一の選択肢に出てくる用語と数字を1つずつ確かめる練習。この記事の26問はシラバスVer.6.5の範囲から作りました。
- この記事の×は、言葉の入れ替え(内部と外部・雇用と指揮命令・秘密鍵と公開鍵)と、改正前の数字や上限の数字の入れ替えで作っています。×の理由を自分の言葉で言えるまで直してください。
- 本試験は総合600点以上に加えて3分野それぞれ300点以上が要るので、苦手な分野を残さないこと。
- 今の3分野の制度は2026年度の試験で終わる予定で、試験の一時休止の予定もあります。2025年12月27日以降に申し込んだ人は、2026年12月27日までに受験します。
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出典
- IPA 情報処理推進機構(ITパスポート試験の試験内容・出題範囲のページ。試験時間・出題数・出題形式・分野別の出題数・合格基準・IRT・92問で評価・シラバスVer.6.5・シラバス案Ver.0.1): https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
- IPA「ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5」: https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/omgdg50000005kn1-att/syllabus_ip_ver6_5.pdf
- IPA(ITパスポート試験の試験概要のページ。CBT方式で随時実施・受験手数料・試験問題の公開): https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/examination/exam_summary.html
- IPA(ITパスポート試験のよくある質問。分野別評価点の基準・試験の一時休止と受験の期限・受験手数料を返還しないこと): https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/reference/faq.html
- IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(2026年3月31日公開・4月28日最終更新。2027年度からの新試験制度・現行制度の終了の予定): https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/henkou/2025/20260331.html
- e-Gov法令検索(2026年10月21日の時点で施行されている版): 著作権法 第10条・第17条・第51条、特許法 第66条・第67条、個人情報の保護に関する法律 第20条・第27条、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第2条、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律 第3条
- 中小企業基盤整備機構 J-Net21(SWOT分析・損益分岐点): https://j-net21.smrj.go.jp/special/mangadewakaru/01.html ・ https://j-net21.smrj.go.jp/qa/financial/Q0240.html ・ https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list5/5-2-9.html
- 中小企業庁(中小企業BCP策定運用指針): https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_c/bcpgl_01_1.html
- 総務省(RPA): https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html
- IPA/SEC『組込みソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメント導入の勧め』(WBS・クリティカルパス): https://www.ipa.go.jp/archive/publish/qv6pgp0000000wz3-att/000005105.pdf
- スクラムガイド 2020年版 日本語版: https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf
- 経済産業省「システム監査基準」(令和5年4月26日): https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/sys-kansa/sys-kansa-2023r.pdf
- 日本ネットワークインフォメーションセンター(IPアドレスの基礎): https://www.nic.ad.jp/ja/ip/admin-basic.html
- 総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」用語集(DNS・公開鍵暗号方式・電子署名・多要素認証・ランサムウェア): https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/glossary/ja_02/ ほか
- 警察庁(ランサムウェア): https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/ransom.html
- フィッシング対策協議会(フィッシングの説明): https://www.antiphishing.jp/consumer/abt_phishing.html
2026年10月21日にIPAのページ、e-Gov法令検索と各機関のページで確かめました。
※ ぴよパスはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)とは関係のない学習サイトです。試験名は試験を特定するために使っています。問題はすべてぴよパスのオリジナルで、本試験の問題ではありません。







