ITパスポート試験の 過去問は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が無料で公開しています。 ITパスポート試験の公式サイトにある「過去問題(問題冊子・解答例)」のページで、平成21年度分から令和8年度分まで 29回分 の問題冊子と解答例をPDFで配っています。この記事では、ページの場所と中身、使ってよい範囲、解説が無い問題の確かめ方、何年分を解くか、そして2026年12月28日からの試験の休止と2027年度の新しい試験への備えをまとめます。
公式の「過去問題(問題冊子・解答例)」の場所と中身
ITパスポート試験の公式サイト(IPAが運営)で、「公開情報」の「過去問題」を開きます。表の見出しは「公開時期」で、新しい順に並んでいます。
| 公開時期 | 回数 | 中身 |
|---|---|---|
| 令和3年度分〜令和8年度分 | 6回 | CBT方式で 実際に出題した 試験問題から100問ずつ |
| 平成24年度春期分〜令和2年度10月分 | 17回 | CBT方式の試験問題のうち、春期・秋期に行った特別措置試験(筆記による方式)で出題した問題を100問ずつ |
| 平成21年度春期分〜平成23年度秋期分 | 6回 | 筆記による方式の試験に出題した問題(平成23年度は秋期分と特別分) |
- 令和7・8年度分の解答例は、問1〜問100の正解の記号(ア〜エ)を並べた表です。どの回も、公開されているのは問題冊子と解答例で、解説は付いていません。
- IPAは、試験問題・解答例・採点結果などについての問い合わせには応じないとしています。
- 新しい回の掲載は、毎年4月頃の予定とされています(IPAのFAQ)。いちばん新しいのは令和8年度分です。
本番の試験問題は非公開で、受験者は「試験問題を第三者に開示しない」ことに同意して受験します。実際に出題された問題を公式に確かめられる材料は、この公開問題だけです。
使ってよい範囲
IPAのFAQは、公表している過去の試験問題について、次のように書いています。
- 法令に特別の定めがある場合を除き、使用に 許諾や使用料は要らない(ダウンロードでの利用も問題ない)。
- ただし 著作権は放棄していない。
- 教育目的など、情報処理技術者試験制度の意義に反しない限り、問題集やテキストに使うときも許諾・使用料は要らない。
- 出典を明記する(例「出典:平成○年度 ○期分 ITパスポート試験 問1」)。問題の一部を改変したときは、その旨も明記する。
- 公表しているPDF以外の電子データは提供しない。
自分で解くためにダウンロードして印刷するのは、もちろん問題ありません。人に配ったり、ブログやSNSで紹介したりするなら、出典を書くことを忘れないようにします。
CBTの画面で解ける「疑似体験ソフトウェア」
ITパスポート試験はパソコンの画面で解くCBT方式です。IPAは、公開問題を使って試験会場の受験画面を疑似体験できる 疑似体験用ソフトウェア も無料で配っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入っている問題 | 平成24年度春期分以降の公開問題 |
| 公開の時期 | 問題冊子の掲載から1週間程度後 |
| 終わった後の画面 | 解答した各問題の正誤と正答数 |
| 動作環境 | Windows 11(.NET Framework 3.5を有効にする。IPAゴシックフォントが要る) |
| 使える場所 | 日本国内だけ(利用許諾の条件) |
紙で解くより、試験会場に近い画面の操作に慣れられるのが利点です。本番の画面の操作は「ITパスポートのCBT対策」にまとめました。
本番の形(現行の試験)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 問題 | 100問(小問・四肢択一) |
| 分野ごとの出題数 | ストラテジ系35問程度・マネジメント系20問程度・テクノロジ系45問程度 |
| 採点 | IRT(項目応答理論)で評価点を出す。総合評価は92問、分野別評価はストラテジ系32問・マネジメント系18問・テクノロジ系42問で行い、残りの8問は今後出す問題の評価用 |
| 合格基準 | 総合評価点600点以上(1,000点満点)、かつ3分野それぞれの分野別評価点が300点以上(各1,000点満点) |
| 受験手数料 | 7,500円(消費税込み) |
IRTで採点するので、過去問の正答数を1,000点に換算した数字は、本番の評価点と同じではありません。 IPAは正答数と評価点の対応を公表していません。そのため、ぴよパスでは、3分野のどれかが大きく崩れていないかを、分野ごとの正答数で見ることをすすめています。ほかの資格のように「何問正解で合格」とは決まっていない点に注意してください。
何年分を解くか
IPAは、何年分を解くべきかを示していません。ぴよパスでは次の進め方をすすめています。
- 新しい3回分(令和8・7・6年度分)を中心にする — 令和3年度分以降は、実際に出題した問題から公開されたもので、今の試験にいちばん近い材料です。3回分で300問になります。
- 時間があれば令和5〜3年度分に広げる — 同じく実際に出題した問題です。
- 令和2年度分以前(平成の回を含む)は、基礎の確認に使う — 用語の定義や計算の型は今も役に立ちますが、古い法令や、今のシラバスに無い語が混じります。
古い回で特に注意したいのは、法令とシラバスの改訂です。
- シラバスは、Ver.6.2(2023年8月7日掲載)で生成AIの項目が、Ver.6.3(2023年12月25日掲載)でDX推進の知識が加わり、現行の Ver.6.5(2026年1月8日掲載) では「下請法」が削除されて「中小受託取引適正化法」が加わりました。
- 下請法は、2026年1月1日の改正法の施行で、中小受託取引適正化法(取適法)に名前と内容が改められています。古い回の下請法の問題は、そのままの答えで覚えないようにします。
新しく加わった語は「ITパスポートのシラバス6.3〜6.5の頻出新トピック」で確かめられます。
解説が無い問題の確かめ方
- 解答例で正誤だけをつける — 正解の記号を写し、間違えた問題に印を付けます。
- シラバスで、その問題の項目を引く — 間違えた語がシラバスのどの分野・どの用語例に入っているかを見ると、テキストのどこを読み直せばよいかが決まります。
- 法令の問題は条文まで確かめる — 個人情報保護法・著作権法・取適法などは、e-Gov法令検索で今の条文を確かめます。古い回の答えが、今の法令では違うことがあります。
- 解説付きで練習したいときは、市販の過去問題集や予想問題を使う — 公式の公開問題には解説が無いので、解説付きで繰り返したいなら、公開問題に解説を付けた市販の過去問題集や、解説の付いた予想問題を併せて使います。問題集の選び方は「ITパスポートの問題集の選び方」にまとめました。
2026年12月28日からの休止と、2027年度の新しい試験
過去問の使い方を考えるうえで、2026年度は時期の区切りに注意が要ります。
- 試験の休止 — IPAは、システムのリプレースのため、2026年12月28日以降の試験の実施を休止するとしています(試験会場によっては、それより前に休止になる場合があります)。2026年9月28日以降に新しく申し込む場合、選べるのは2026年12月27日までの試験開催日です。2027年1月以降の試験の実施については、2026年秋頃にウェブページで知らせるとしています。
- 新しい試験制度 — IPAは、ITパスポート試験を 2027年度春頃 に新しい試験制度に移す予定で、現行の試験制度は2026年度の試験の実施をもって終わる予定としています。新しいITパスポート試験も試験時間120分・出題数100問の予定です。出題分野は今の「ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系」から 「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」 に再整理し、DXで求められるマインド・スタンスやデータマネジメントの基礎を新しく加え、AI時代に対応したセキュリティ・倫理の出題を強化する予定です(IPAが公表した検討状況で、今後変わる場合があるとしています)。
- 新試験の材料 — IPAは2026年8月31日に、新しいITパスポート試験のシラバス案(Ver.0.1)とサンプル問題(マインド・スタンス、データマネジメント、情報倫理・AI倫理の各分野)を掲載しています。
つまり、2026年12月27日までに受ける人は、今の公開問題がそのまま本番の形の練習になります。 2027年1〜3月に試験があるかどうか、どちらの制度で行うかは、まだ決まっていません(IPAが2026年秋頃に知らせるとしています)。新しい試験制度で受ける人には、公開問題で基礎(用語・計算・セキュリティ)を固めたうえで、サンプル問題とシラバス案で新しく加わる分野を補う進め方を、ぴよパスではすすめています。なお、IPAはサンプル問題について、新しい出題分野・出題形式のイメージを共有するためのもので、実際の試験と同様の問題作成やチェックのプロセスを経たものではないとしています。日程と申込みは「ITパスポートの申込みと日程」にまとめました。
例題: ぴよパスの予想問題から2問
例題1(ストラテジ系・中小受託取引適正化法) 取適法で、委託事業者に禁止されている行為を選ぶ問題です。
答え: 代金を、あらかじめ定めた支払期日に、手形を交付する方法で支払う。取適法の第5条第1項第2号は、支払期日の経過後もなお代金を支払わないことを禁止し、代金の支払について手形を交付することも、これに含めています。支払期日は、給付を受領した日から起算して60日の期間内で定めるとされています(第3条)。旧下請法のころの知識のままだと、手形での支払いを「認められている」と答えてしまいやすいところです。 この問題を解く →
例題2(テクノロジ系・CSIRT) 組織の中に設けるCSIRTの役割として、最も適切なものを選ぶ問題です。
答え: セキュリティ上の事故の報告を受け付けて調べ、被害の拡大防止などに当たる。CSIRT(シーサート)は、セキュリティインシデントの報告を受け付けて調べ、対応するためのチームです。情報セキュリティの方針や規程の案の審議(情報セキュリティ委員会)や、独立した立場からの点検と経営者への報告(システム監査)と取り違えやすいところです。 この問題を解く →
ぴよパスでは、ITパスポート試験のオリジナル予想問題を、本番と同じ3分野(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)に分けて、登録不要・無料で公開しています。本番と同じ四肢択一で、全問に解説が付いています。
3分野をまとめて時間を計って解く模擬試験は Premium(月480円)の機能です。100問・120分・分野ごとの出題数は本試験にそろえていますが、正答数で採点するもので、IRTの評価点を再現するものではありません。出題内容はぴよパスのオリジナル予想問題で、本試験の合否を判定するものではありません。
当サイトの問題について
ぴよパスの問題は、IPAが公開している過去の試験問題を写したものではなく、シラバスや法令などの公的資料をもとに独自に作った オリジナルの予想問題 です。
出典
- 独立行政法人情報処理推進機構「ITパスポート試験 過去問題(問題冊子・解答例)」「FAQ」(公開の範囲・公開時期・使用の留意点)
- 独立行政法人情報処理推進機構「CBT疑似体験ソフトウェア」
- 独立行政法人情報処理推進機構「試験内容・出題範囲」「受験要領」(出題数・採点・合格基準・受験手数料・試験問題の非開示)
- 独立行政法人情報処理推進機構「試験要綱・シラバスについて」(シラバス Ver.6.5)
- 独立行政法人情報処理推進機構「CBT方式で実施するITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験における2026年5月以降の試験実施について」
- 独立行政法人情報処理推進機構「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」「新試験制度のシラバス案について」「新試験制度のサンプル問題について」
- 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律 第3条・第5条(e-Gov法令検索)
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