電験三種の 法規の過去問は、電気技術者試験センターが無料で公開 しています。令和6年度下期から令和8年度上期までの4回分を並べると、問1は電気事業法、問3は電気設備技術基準、問10は高圧受電設備、B問題は接地と絶縁耐力の計算 が多く、並び方がほぼ決まっていました。法規の過去問には、ほかの科目にない注意点もあります。問題冊子ごとに、どの日の法令で作ったかが書いてある ことです。この記事では、公開されている回、法規の問題の形、4回分の表、基準日の読み方と使い方をまとめます。
法規の過去問はどこで見られるか(2026年10月21日時点)
センターの「第三種電気主任技術者試験の問題と解答」のページに、筆記方式の回の問題が科目ごとにPDFで載っています。平成21年度(2009年9月6日実施)から令和8年度上期(2026年8月30日実施)までの22回分で、1ページ目に平成28年度以降の15回分、2ページ目に平成27年度以前の7回分があります。法規の問題は回ごとに1つのPDF(例: 令和8年度上期は 20260830_ch_third_q04.pdf)、解答は4科目まとめて1つのPDFで、正答の番号だけです。解説はありません。
ページの注意書きでは、教育目的などで問題集やテキストに使うときは許諾も使用料も不要で、年度・期・試験区分の出典を書くことになっています。
法規の問題の形
| 区分 | 問題番号 | 配点 | 時間 |
|---|---|---|---|
| A問題 | 問1〜問10(10題) | 各6点 | 65分 |
| B問題 | 問11〜問13(3題) | 問11・問12は(a)6点・(b)7点の計13点、問13は(a)7点・(b)7点の計14点 | 〃 |
法規には、理論や機械のような選択問題はありません。A問題を全問正解してちょうど60点なので、B問題を捨てると1問も落とせなくなります。B問題を捨てるのは危険です。
問1〜問13を4回分並べた表
令和6年度下期(2025年3月23日)・令和7年度上期(2025年8月31日)・令和7年度下期(2026年3月22日)・令和8年度上期(2026年8月30日)の法規の問題を、問題番号ごとに並べました。内容の要約と分類はぴよパスが付けたものです。
| 問 | 令和6年度下期 | 令和7年度上期 | 令和7年度下期 | 令和8年度上期 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 電気事業法: 一般用電気工作物にあたるもの | 電気事業法: 需給状況が悪化したときの対応 | 電気事業法: 電気の使用制限 | 電気事業法: 小規模事業用電気工作物の使用開始前の届出 |
| 2 | 電気工事士法: 資格と作業 | 電気関係報告規則: 事故報告 | 電気関係報告規則: 感電死傷事故 | 電気関係報告規則: 事故報告 |
| 3 | 技術基準: 電路の絶縁 | 技術基準: 低圧電線路の絶縁性能 | 技術基準: 保安原則 | 技術基準: サイバーセキュリティ |
| 4 | 解釈: B種接地工事の抵抗値(計算) | 解釈: アークを生じる器具 | 解釈: 接地 | 解釈: 受電用変圧器の絶縁耐力試験 |
| 5 | 技術基準: 電磁誘導作用の防止 | 風力発電の技術基準: 風車を支持する工作物 | 技術基準: 低圧電線路の絶縁性能 | 風力発電の技術基準: 風車 |
| 6 | 解釈: 地中電線の接近・交差 | 解釈: 低圧架空引込線 | 解釈: 高圧屋側電線路 | 解釈: 地中電線路 |
| 7 | 解釈: 分散型電源の再閉路時の事故防止 | 解釈: 分散型電源の高圧連系の保護装置 | 解釈: 国際規格の取り入れ | 解釈: 分散型電源の系統連系設備 |
| 8 | 技術基準・解釈: 移動電線 | 解釈: 低圧配線と高圧配線 | 技術基準: 感電・火災の防止 | 技術基準: 配線による危険の防止 |
| 9 | 解釈: 電動機の過負荷保護装置 | 解釈: 金属ダクト工事 | 解釈: 電気自動車等からの給電設備 | 解釈: 施設場所と工事の種類 |
| 10 | 計器用変成器(変流器) | 区分開閉器(GR付PAS) | 高圧受電設備の単線結線図 | 高圧受電設備の保守・点検 |
| 11 B | 流込式水力発電所 | 流込式水力発電所 | 接地極と接地抵抗の測定 | 変圧器の更新と損失 |
| 12 B | B種接地工事 | 第5調波電流(高調波) | 高圧ケーブルの絶縁耐力試験 | B種接地工事 |
| 13 B | 受電設備の絶縁耐力試験 | 太陽電池発電所と需要 | 支線 | 高圧進相コンデンサの劣化診断 |
「技術基準」は電気設備に関する技術基準を定める省令、「解釈」は電気設備の技術基準の解釈、「風力発電の技術基準」は発電用風力設備に関する技術基準を定める省令です。
表から分かること
- 問1〜問3は法律と省令 — 問1は4回とも電気事業法、問3は4回とも技術基準(省令)でした。問2は3回が電気関係報告規則、1回が電気工事士法です。
- 問4〜問9は解釈が中心 — 分散型電源の系統連系(問7)が3回、風力発電の技術基準(問5)が2回ありました。
- 問10は受電設備と保護機器 — 変流器、区分開閉器、単線結線図、保守・点検と、高圧で受電する設備の実務の問題が4回続きました。
- B問題は計算が半々 — 12題のうち、接地(B種接地工事・接地極)・絶縁耐力試験・支線の6題が電気設備の計算(このうち解釈の数値を使うのは4題)、水力発電・高調波・太陽電池・変圧器・進相コンデンサの6題が施設管理の計算でした。A問題にも、B種接地工事(令和6年度下期の問4)や絶縁耐力試験(令和8年度上期の問4)の計算が入る回がありました。
絶縁耐力試験は4回のうち3回(令和6年度下期の問13・令和7年度下期の問12・令和8年度上期の問4)、B種接地工事は2回(令和6年度下期の問4・問12、令和8年度上期の問12)出ています(A問題とB問題を合わせて数えた回数)。接地を広く数えると、令和7年度下期の問11(接地極と接地抵抗の測定)も入って3回です。法規の計算は、絶縁耐力試験と接地から固めると、出ている問題に当たりやすくなります。
法規の過去問は「何年何月の法令か」を確かめる
法規の問題冊子の注意書きには、どの日に効力のある法令(電気設備の技術基準の解釈を含む)で問題を作ったかが書いてあります。
| 回 | 問題冊子に書かれた基準日 |
|---|---|
| 令和6年度下期(2025年3月23日) | 令和6年4月1日現在 |
| 令和7年度上期(2025年8月31日) | 令和7年4月1日現在 |
| 令和7年度下期(2026年3月22日) | 令和7年4月1日現在 |
| 令和8年度上期(2026年8月30日) | 令和8年4月1日現在 |
4回とも、その年度の4月1日でした。古い回の過去問は、その当時の法令で作られています。法令や解釈が改正されると、正解の肢の内容や数値が今と合わなくなることがあります。古い回の法規は、答えだけ覚えずに、いまの条文で根拠を確かめてから覚えると安全です。電気設備の技術基準の解釈は経済産業省の内規で、令和8年4月1日時点の版は令和7年11月20日改正のものです。
解説のない過去問を、どう使うか
- 最新の1回を、65分を計って通す — A問題10題とB問題3題で、どこに時間がかかったかを見ます。法規は他の科目より時間が短いので、時間の配分も練習のうちです。
- 問題番号ごとに、回をまたいで解く — 4回分の問10だけ、B問題の接地だけ、と並べて解くと、同じ論点の問われ方の幅が分かります。
- 新しい回から古い回へさかのぼる — 基準日が新しい回ほど、いまの法令に近い問題です。
- 間違えた論点は、条文と解説つきの問題で確かめる — 正答の番号だけでは、なぜその肢が正しいかが残りません。
例題1: ぴよパスの予想問題(B種接地工事)
公称電圧 6,600 V の中性点非接地式の高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器があり、低圧側の中性点に B種接地工事を施す。高圧側の電路の 1 線地絡電流は実測値で 6 A。混触して低圧側の対地電圧が 150 V を超えると、1.5 秒で高圧電路を自動的に遮断する装置がある。この B種接地工事の接地抵抗値の上限は何Ωか。
答え: 50 Ω。 電気設備の技術基準の解釈 第17条第2項の17-1表では、混触したときに自動的に遮断する時間が1秒を超え2秒以下なら 300/Ig、1秒以下なら 600/Ig、遮断装置がなければ 150/Ig[Ω]以下です。1.5秒は「1秒を超え2秒以下」なので、300 ÷ 6 = 50 Ω です。遮断装置がない場合の 150 ÷ 6 = 25 Ω と取り違えやすいところです。
例題2: ぴよパスの予想問題(絶縁耐力試験)
公称電圧 11,000 V、中性点非接地式の三相3線式の電路に使うケーブルを、三心一括の導体と大地のあいだに交流の試験電圧を加えて絶縁耐力試験する。最大使用電圧は公称電圧の 1.15/1.1 倍、対地静電容量 0.4 μF、周波数 50 Hz。試験用電源の容量に最も近いものはどれか。
答え: 26.0 kV·A。 最大使用電圧は 11,000 × 1.15 ÷ 1.1 = 11,500 V です。解釈 第15条の15-1表で、7,000 Vを超え60,000 V以下の中性点非接地式の電路の試験電圧は最大使用電圧の1.25倍なので、14,375 V です。充電電流は 2πfCV = 2 × 3.14 × 50 × 0.4×10⁻⁶ × 14,375 ≒ 1.81 A、容量は 14,375 × 1.81 ≒ 26.0 kV·A です。7,000 V以下の電路の倍率1.5倍で計算すると 37.4 kV·A になります。
ぴよパスの法規の練習問題
ぴよパスでは、法規を3つの分野に分けて、オリジナル予想問題を登録不要・無料で公開しています。表の問題番号とは次のように対応します。
- 問1・問2 → 電気事業法と関係法令(電気事業法・電気関係報告規則・電気工事士法など)
- 問3〜問9、B問題の接地・絶縁耐力・支線 → 電気設備技術基準と解釈
- 問10、B問題の水力・変圧器・高調波・コンデンサ → 電気施設管理
ぴよパスの法規の問題は、令和8年4月1日現在の法令(解釈は令和7年11月20日改正の版)で作っています。全問題と解説、間違えた問題の解き直しは無料です。法規を16問・65分で通す模擬試験は Premium(月980円)の機能です。分野の配分はぴよパスの設定で、本試験の合否を再現するものではありません。
当サイトの問題について
ぴよパスの問題は、電気技術者試験センターが公開している問題を写したものではなく、電気事業法・電気設備に関する技術基準を定める省令・電気設備の技術基準の解釈などの法令や公的な資料をもとに独自に作った オリジナルの予想問題 です。本試験の問題は、試験センターの公式ページでご覧ください。この記事の表は、公式の問題の内容をぴよパスが要約したもので、問題文の転載ではありません。
出典
- 一般財団法人電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者試験の問題と解答」の1・2ページ(公開されている回・使うときの条件。2026年10月21日に確認)
- 同ページから、令和6年度下期・令和7年度上期・令和7年度下期・令和8年度上期の第三種電気主任技術者試験 法規科目の問題(問題番号ごとの内容・配点・問題冊子に書かれた法令の基準日。要約と分類はぴよパス)
- 同「令和8年度第三種電気主任技術者上期試験受験案内」(試験時間・合格基準)
- 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」第15条・第17条(令和7年11月20日改正)
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