銀行業務検定試験 財務2級 株式評価額と企業価値の算定 練習問題 第8問: 取引先の甲社(非上場)の株式価値を簿価純資産法とDCF法で見積もり、次の資料(単位:千円)を得た。2つの方法の差の読み方として、最も適切なものはどれか。 簿価
取引先の甲社(非上場)の株式価値を簿価純資産法とDCF法で見積もり、次の資料(単位:千円)を得た。2つの方法の差の読み方として、最も適切なものはどれか。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 簿価純資産 | 100,000 |
| 含み益(税相当を引いた後) | 30,000 |
| 予測3年分の現在価値 | 120,000 |
| 残存価値の現在価値 | 480,000 |
| DCF法の事業価値 | 600,000 |
| 純有利子負債 | 200,000 |
| DCF法の株式価値 | 400,000 |
解答と解説を先に見る
先に見ると、この問題は今回は育ちません。
正解: 2. 事業価値の8割が残存価値で、差の300,000千円は予測期間後の前提に左右される
「事業価値の8割が残存価値で、差の300,000千円は予測期間後の前提に左右される」が正しく、決め手は残存価値の現在価値が差の額を上回ることです。残存価値は予測の最終年より後のFCFの価値です(企業価値評価ガイドライン Ⅳ5(1))。
差=400,000−100,000=300,000
残存価値の割合=480,000÷600,000=80%
残存価値を除いた株式価値=120,000−200,000=−80,000
含み益を入れた純資産=100,000+30,000=130,000(差はまだ270,000)
簿価純資産法はネットアセット・アプローチで、一時点の純資産に基づくので将来の収益力は映りにくく、DCF法はインカム・アプローチで将来のFCFに基づきます。その代わり、事業計画などの将来の情報に左右されやすい面があります(同 Ⅳ2(2))。
「簿価純資産法だけが将来の収益を織り込む」は2つの方法を逆にした読みです。「8割が予測3年分」は割合を取り違えた読みで、予測3年分は120,000÷600,000=20%です。
「含み益による」は含み益が30,000で差の1割にとどまる点を見落としています。「債務超過」は簿価純資産がプラスの100,000である点と合いません。
DCF法の株式価値が純資産を大きく上回るときは、残存価値の割合を計算し、予測期間後の前提の置き方を確かめます。
関連キーワード: 簿価純資産法・DCF法・残存価値・インカム・アプローチ・ネットアセット・アプローチ
模試 (40問)
財務諸表と財務分析の10分野を、資料を読みながら通して解く
10分野から4問ずつ、5択で通して解きます。本試験の記述式10題とは形式が違う、ぴよパス独自の練習です。目安は正答率60%です。Premium (月980円)Premium (ご利用中)時間制限つきの実力チェック