銀行業務検定試験 財務2級 株式評価額と企業価値の算定 練習問題 第6問: 取引先の甲社(非上場)の株式価値をEV/EBITDA倍率法で見積もる。甲社の当期の営業利益は80,000千円、減価償却費は40,000千円、支払利息は10,00
取引先の甲社(非上場)の株式価値をEV/EBITDA倍率法で見積もる。甲社の当期の営業利益は80,000千円、減価償却費は40,000千円、支払利息は10,000千円、有利子負債は300,000千円、現預金は60,000千円である。類似上場会社3社の倍率は次のとおりである。
| 類似上場会社 | EV/EBITDA倍率 | EV/営業利益倍率 |
|---|---|---|
| A社 | 6.0 | 10.0 |
| B社 | 7.0 | 11.0 |
| C社 | 8.0 | 12.0 |
3社の単純平均の倍率から非流動性ディスカウントとして30%を差し引いた倍率を使う。甲社の株式価値はいくらか。
解答と解説を先に見る
先に見ると、この問題は今回は育ちません。
正解: 4. 348,000千円
348,000千円が正しく、決め手はEBITDA(償却前の利益)に割引後の倍率を掛けて事業価値を出し、純有利子負債を引くことです。
EBITDA=80,000+40,000=120,000
平均倍率=(6.0+7.0+8.0)÷3=7.0
割引後の倍率=7.0×(1−30%)=4.9
事業価値=120,000×4.9=588,000
純有利子負債=300,000−60,000=240,000
株式価値=588,000−240,000=348,000
EV/EBITDA倍率法は、類似上場会社の事業価値とEBITDAの比を対象会社に当てはめる方法で、EBITDAは簡易的に営業利益と減価償却費の和で求めます(中小M&Aガイドライン 参考資料2(3))。営業利益は支払利息を引く前の利益なので、利息は調整しません。
非上場の株式は流動性が低いので評価を割り引くことがあり、この問題では条件で倍率から30%を引くと決めています。純有利子負債は有利子負債から現預金を引いた額です。
「684,000千円」はEBITDAに、EV/営業利益倍率の平均11.0を30%割り引いた7.7を掛けた値です。「152,000千円」はEBITDAでなく営業利益80,000に4.9を掛けた値です。
「299,000千円」はEBITDAから支払利息10,000を引いて110,000とした値です。「288,000千円」は現預金を差し引かず、有利子負債300,000の全額を引いた値です。
倍率法では、倍率の分母と同じ指標に倍率を掛け、得た事業価値から純有利子負債を引いて株式価値にします。
関連キーワード: EV/EBITDA倍率法・類似上場会社法・純有利子負債・非流動性ディスカウント
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