銀行業務検定試験 財務2級 株式評価額と企業価値の算定 練習問題 第3問: 取引先の甲社の当期の損益計算書の要約は次のとおりである(単位:千円)。 営業利益:金額72,000 営業外収益:金額3,000 営業外費用:金額15,000
取引先の甲社の当期の損益計算書の要約は次のとおりである(単位:千円)。
| 科目 | 金額 |
|---|---|
| 営業利益 | 72,000 |
| 営業外収益 | 3,000 |
| 営業外費用 | 15,000 |
| 特別利益 | 40,000 |
| 特別損失 | 12,000 |
| 税引前当期純利益 | 88,000 |
| 法人税等 | 26,400 |
| 当期純利益 | 61,600 |
特別利益と特別損失は当期限りのもので、来期以降は当期と同じ額の経常利益が毎期続くと見込む。法人税等は税引前の利益の30%、還元率は8%、有利子負債は300,000千円で、発行済株式総数は50,000株、自己株式はない。来期以降の予想利益を用いた利益還元法による甲社の1株の価額はいくらか。
解答と解説を先に見る
先に見ると、この問題は今回は育ちません。
正解: 3. 10,500円
10,500円が正しく、決め手は当期限りの特別損益を除いた税引後の利益を還元率で割り、その値をそのまま株主の価値とすることです。利益還元法は将来の純利益を割り引いて株主の価値を出す方法で、収益還元法とも呼びます(企業価値評価ガイドライン Ⅳ5(4)②)。
同じ額の利益が毎期続くなら、割引の式は「利益÷還元率」にまとまります。
経常利益=72,000+3,000−15,000=60,000
予想利益(税引後)=60,000×(1−30%)=42,000
株主の価値=42,000÷8%=525,000千円
1株の価額=525,000千円÷50,000株=10,500円
「15,400円」は特別損益を含む当期純利益61,600を割った値です。「15,000円」は税を引かない経常利益60,000を割った値です。
「12,600円」は営業利益72,000から税を引いて割り、営業外損益を入れなかった値です。「4,500円」は525,000千円からさらに有利子負債300,000千円を引いた値です。
事業価値を出すフリー・キャッシュ・フロー法とは違い、利益還元法で割り引く純利益は営業外費用を引いた後の株主の取り分なので、有利子負債は引きません。分子には、資料の当期純利益でなく、今後も続くと見込む税引後の利益を使います。
関連キーワード: 利益還元法・収益還元法・還元率・特別損益・経常利益
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