中小企業診断士 第1次試験 民法と取引・契約 練習問題 第7問: A社はB社に中古の工作機械1台(特定物)を代金800万円で売る契約を結び、引渡しは1か月後とした。引渡しの前に、近隣の火災の延焼によって機械が滅失した。滅失はA
A社はB社に中古の工作機械1台(特定物)を代金800万円で売る契約を結び、引渡しは1か月後とした。引渡しの前に、近隣の火災の延焼によって機械が滅失した。滅失はA社・B社のいずれの責めにも帰することができない事由による。民法の規定に照らして、最も適切なものはどれか。
解答と解説を先に見る
先に見ると、この問題は今回は育ちません。
正解: 3. B社は、滅失についてA社に帰責事由がなくても、売買契約を解除することができる。
B社は、A社に帰責事由がなくても売買契約を解除できる、という記述が適切です。債務の全部の履行が不能であるときは、債権者は催告をせずに直ちに契約の解除をすることができます(民法第542条第1項第1号)。
解除の要件に債務者の帰責事由は入っておらず、解除が否定されるのは、不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるときです(第543条)。「代金800万円の支払債務も、あわせて消滅する」は誤りで、当事者双方の責めに帰することができない事由で履行できなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができる(第536条第1項)とされ、代金債務は当然には消えません。
「その前に売買契約を解除しておかなければならない」も誤りで、第536条第1項の履行の拒絶は、解除をしなくてもできます。「同じ型式の中古機械を引き渡すよう請求できる」は誤りで、特定物の売買で引き渡すべき物はその機械であり、その履行が不能になれば、B社は履行を請求できません(第412条の2第1項)。
なお令和2年(2020年)4月1日に施行された改正で、特定物の滅失の危険を買主が負うとした旧第534条は削除されました。当事者双方の責めによらず引渡しの前に特定物が滅失したときは、買主は代金の支払を拒め、催告なしに解除もできます。
根拠・参照資料: 民法第542条・第536条
関連キーワード: 特定物・反対給付・契約の解除・帰責事由
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