中小企業診断士 第1次試験 会社法と事業の開始・組織再編・倒産 練習問題 第10問: 公開会社である株式会社X社が株式会社Y社を吸収合併し、Y社の株主に対価としてX社の株式だけを交付する。X社とY社の定款に別段の定めはなく、合併差損は生じず、X社
公開会社である株式会社X社が株式会社Y社を吸収合併し、Y社の株主に対価としてX社の株式だけを交付する。X社とY社の定款に別段の定めはなく、合併差損は生じず、X社とY社はいずれも相手方の特別支配会社ではない。この合併に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答と解説を先に見る
先に見ると、この問題は今回は育ちません。
正解: 2. Y社の株主に交付するX社株式の額がX社の純資産額の5分の1を超えなければ、X社の株主総会の承認は原則として要らない。
「5分の1を超えなければ」とする記述が適切です。会社法第796条第2項は、存続会社が消滅会社の株主に交付する対価の額(交付する株式の数に1株当たり純資産額を掛けた額など)が存続会社の純資産額の5分の1(定款でこれより低い割合も可)を超えない場合は、存続会社の株主総会の承認(第795条第1項)を要しないと定めています。
存続会社の株主への影響が小さい合併で、簡易合併といいます。「反対の通知をした株主の株式の数にかかわらず承認は要らない」は誤りです。
簡易合併にあたっても、法務省令で定める数の株式を持つ株主が、通知または公告の日から2週間以内に反対を通知したときは、株主総会の承認が要ります(第796条第3項)。「Y社は効力発生日を過ぎてから承認を受ければよい」も誤りです。
省けるのは存続会社の総会だけで、消滅会社は効力発生日の前日までに株主総会の承認を受けます(第783条第1項)。消滅会社の総会を省ける略式合併は、存続会社が特別支配会社(総株主の議決権の10分の9以上を持つ会社・第468条第1項)の場合です(第784条第1項)。
「債権者の手続はY社でだけ行う」も誤りです。消滅会社の債権者(第789条第1項第1号)も存続会社の債権者(第799条第1項第1号)も異議を述べることができ、簡易合併でも省けません。
簡易合併でも、消滅会社の株主総会と、両社の債権者の異議の手続は省けません。
根拠・参照資料: 会社法第796条
関連キーワード: 簡易合併・吸収合併・存続会社・債権者保護手続
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