スモン訴訟は、まず「キノホルム製剤・整腸剤・亜急性脊髄視神経症」の3点を一組にして覚えます。名称を思い出したら、原因となった製品と被害の内容まで続けてみてください。
登録販売者の手引きで扱う5つの薬害訴訟は、原因・製品・被害・その後の対策を比較すると整理できます。ただし、原因を「化学物質か、生物由来か」に分けるだけでは、救済の仕組みまでは決まりません。 C型肝炎の特別措置法も別に確認します。
この記事は厚生労働省の令和8年4月版手引きに沿った試験学習用の整理です。各制度の現在の請求要件・期限・給付額を説明するものではありません。
スモンは「キノホルム・整腸剤・神経症状」で覚える
| 確認する項目 | スモンで覚えること |
|---|---|
| 原因となった医薬品 | キノホルム製剤 |
| 販売時の用途 | 整腸剤 |
| 病名 | 亜急性脊髄視神経症(SMON) |
| 手引きに示される症状 | 腹部症状に続く下半身のしびれ・脱力・歩行困難、視覚障害など |
| 制度創設との関係 | サリドマイド訴訟とともに、医薬品副作用被害救済制度の創設の契機 |
短く復習するときは、「スモンはキノホルム、整腸剤から神経症状」とつなげてみます。この記事で作成した確認用フレーズです。正式な病名まで言えるかは、表に戻って確かめてください。
手引きは、日本で1970年にキノホルム原因説が発表され、同年9月に販売が停止された経緯も説明しています。成分・製品・被害に加え、対策の経緯を読むときに確認します。出典:令和8年4月版手引き 本文p.18。
5つの薬害訴訟を原因・製品・被害で比較する
右の列を隠し、訴訟名から製品と被害を答えてみましょう。表の内容は代表的な対応関係であり、各事件の被害や経緯のすべてではありません。
| 訴訟 | 原因・製品の組合せ | 被害として確認すること |
|---|---|---|
| サリドマイド | 催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤 | 妊娠中の使用による出生児の先天異常 |
| スモン | 整腸剤として販売されたキノホルム製剤 | 亜急性脊髄視神経症 |
| HIV | HIVが混入した原料血漿から作られた血液凝固因子製剤 | 血友病患者のHIV感染 |
| CJD | プリオンに汚染されたヒト乾燥硬膜 | クロイツフェルト・ヤコブ病 |
| C型肝炎 | 特定フィブリノゲン製剤・血液凝固第IX因子製剤 | C型肝炎ウイルス感染 |
血液凝固因子製剤はHIVだけの目印ではない
C型肝炎訴訟にも血液凝固第IX因子製剤が出てきます。 「5つとも製品の種類が違う」「血液凝固因子製剤ならHIV」とは覚えないでください。
HIVは血友病患者のHIV感染、C型肝炎は出産や手術などで特定の製剤を投与されたことによるC型肝炎ウイルス感染、という対象・製品・被害を合わせて比べます。出典:手引き本文p.18・20。
救済制度は「創設の契機」と「特別措置法」を分ける
製品の分類から制度名を推測する代わりに、手引きがどの経緯を説明しているかを確認します。
| 比べる経緯 | 学習上の対応 |
|---|---|
| サリドマイド訴訟・スモン訴訟を契機とした制度創設 | 1980年、医薬品副作用被害救済制度 |
| HIV・CJDの感染被害を踏まえた対応 | 生物由来製品の安全対策強化、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設 |
| C型肝炎訴訟における救済 | 2008年制定・施行の特別措置法に基づく給付金 |
C型肝炎について手引きが挙げるのは、「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」です。長い名称は、対象製剤の二つと「給付金」を抜き出して確認すると、感染等被害救済制度の名称との違いを見つけられます。
HIV訴訟の和解と、副作用救済制度の創設は別の年
副作用救済制度の創設は1980年、HIV訴訟の和解は1996年3月です。「HIV訴訟の和解によって副作用救済制度が初めて作られた」という対応にはなりません。
一方、HIV訴訟後に安全対策が進められたことは別の事実です。制度が初めて作られたことと、その後の安全対策・被害者対策を分けて読みます。 出典:手引き本文p.18–20、厚生労働省の1996年6月17日国会答弁。
HIV訴訟と制度の経緯の確認問題で、製品・被告・年代の組合せを確認できます。
サリドマイドとスモンは、薬の名前まで読む
サリドマイドは催眠鎮静成分として承認され、その鎮静作用を目的に胃腸薬にも配合されました。キノホルムは整腸剤として販売されていた医薬品です。
「胃腸薬」という単語があるだけでサリドマイドと即断したり、「整腸剤」と別の語だから誤りだと判断したりしないようにします。手引きの別の箇所では、整腸作用を目的とする成分を含む総合胃腸薬も説明されています。具体的な成分名・用途・被害の組合せを読みましょう。出典:手引き本文p.17–18・96。
光学異性体は、分離後の体内変換まで確認
手引きでは、サリドマイドのS体に血管新生を妨げる作用があり、R体とS体は体内で相互に転換すると説明されています。そのため、R体だけを分離して製剤化しても催奇形性を避けられません。
覚えるのは「二つの型がある」だけでなく、「体内で相互に変わる」です。出典:手引き本文p.17。
CJDはプリオン・ヒト乾燥硬膜の組合せ
CJD訴訟では、脳外科手術等に使われたヒト乾燥硬膜と、原因とされるプリオンを組み合わせます。プリオンはタンパク質の一種で、細菌でもウイルスでもありません。
HIVやC型肝炎も感染被害ですが、感染という共通点だけで原因をウイルスにそろえないことが大切です。手引き本文p.19–20を確認したら、CJDの原因と製品の確認問題へ進めます。
確認例:答えを隠して5つを区別する
以下はこの記事で作成した確認例です。答えの列を隠して試し、違った組合せだけを表で見直してください。
| 確認すること | 答え・理由 |
|---|---|
| スモンの原因製剤・用途・病名は | キノホルム製剤・整腸剤・亜急性脊髄視神経症 |
| 血液凝固因子製剤という語があれば、必ずHIV訴訟か | いいえ。C型肝炎訴訟にも血液凝固第IX因子製剤がある |
| 1980年の副作用救済制度の創設は、どの訴訟が契機か | サリドマイド訴訟とスモン訴訟。HIV訴訟の和解と混同しない |
| C型肝炎の特別措置法で覚える製剤二つは | 特定フィブリノゲン製剤と特定血液凝固第IX因子製剤 |
| CJDの原因はウイルスか | いいえ。手引きではタンパク質の一種であるプリオンと説明される |
製剤の区別を続けて確認するならC型肝炎訴訟の練習問題、第1章をまとめて解くなら医薬品に共通する特性と基本的な知識を利用してください。
第1章全体の整理は登録販売者 第1章の攻略、成分名の覚え方は登録販売者 成分の語呂合わせで補えます。
参照資料:厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」令和8年4月版、本文p.17–20・96。本文ページはPDFビューアのページ番号より8少ない番号です。











