登録販売者試験は、厚生労働省の登録販売者試験実施要領で全120問・240分と決められています。出題形式を定めているのは都道府県で、実施要領そのものは「筆記試験」「真偽式や多肢選択式等」としか書いていません (多くの都道府県はマークシート方式)。ただし実施するのは都道府県で、どの章が前半に来るか、昼休みがあるか、何時に集合するかは実施主体ごとに違います。 当日「最後まで集中が切れない段取り」を作るには、まず自分の受験案内の時間割を見て、次に持ち物と遅刻の限度を押さえ、そのうえで前半・後半の解き方を決めておきます。
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試験の全体像を数字でつかむ — 120問・240分は全国共通
厚生労働省の実施要領は、試験項目ごとの問題数と配分時間を次のように定めています。単純計算で1問2分です。
| 試験項目(手引きの章) | 出題数 | 配分時間 | 当日の扱い |
|---|---|---|---|
| 医薬品に共通する特性と基本的な知識(第1章) | 20問 | 40分 | 知識・常識寄り。速く確実に取る |
| 人体の働きと医薬品(第2章) | 20問 | 40分 | 仕組みの理解。標準ペース |
| 主な医薬品とその作用(第3章) | 40問 | 80分 | 暗記量が最多・最難。時間を厚く配分 |
| 薬事関係法規・制度(第4章) | 20問 | 40分 | 暗記中心。速く取る |
| 医薬品の適正使用・安全対策(第5章) | 20問 | 40分 | 第3章と関連。標準ペース |
| 合計 | 120問 | 240分 | — |
合格基準は同じ実施要領で「総出題数に対して7割程度の正答の場合であって、各試験項目ごとに、都道府県知事が定める一定割合以上の正答のときに合格」。東京都(令和7年度)・関西広域連合(令和7年度)・福岡県(令和6年度)はいずれも総得点84点以上(120問の7割)かつ各試験項目3.5割以上を公表しています。20問の項目なら7問、40問の第3章なら14問を下回ると、総得点が84点を超えていても不合格です。「得意章で荒稼ぎして苦手章は捨てる」が通用しないのはこのためです。合格率の読み方は登録販売者の合格率で扱っています。
時間割はブロックで違う — 自分の受験案内で「第3章が前半か後半か」を見る
令和8年度の3つのブロックの受験案内を並べると、同じ120問でも組み方が違うことが分かります。
| ブロック(令和8年度) | 試験日 | 集合 | 前半 | 後半 | 休憩 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 9月6日 | 午前9時30分までに着席 | 10:00〜12:00 共通特性20・人体20・法規20 | 13:30〜15:30 主な医薬品40・適正使用20 | 90分(昼食は持参を推奨) |
| 関西広域連合 | 8月30日 | 午前11時30分 | 12:00〜14:00 共通特性20・主な医薬品40 | 14:45〜16:45 人体20・法規20・適正使用20 | 45分(会場で食事不可、水分補給は可) |
| 福岡県 | 12月20日 | 午前9時50分までに入室 | 10:30〜12:30 共通特性20・人体20・適正使用20 | 14:00〜16:00 主な医薬品40・法規20 | 90分 |
- 最難関の第3章(主な医薬品40問)が前半に来るブロック(関西広域連合)と後半に来るブロック(東京都・福岡県)がある。 「午後に第3章」を前提に段取りを組むと、関西では前半からいきなり本丸です。
- 休憩の長さと食事の可否も違う。 関西広域連合は「試験会場では、食事をすることはできません(水分補給はできます)」と明記しています。東京都は「試験会場周辺は混雑が予想されるので、なるべく昼食はご持参ください」です。
- 遅刻の限度: 関西広域連合と福岡県は「試験開始後30分を超えて遅刻した場合は、受験(入室)を認めません」。関西広域連合は前半のみ・後半のみの受験もできません。
- 途中退室: 関西広域連合は「試験監督員の指示がない限り退室は禁止」。トイレは挙手して指示に従います。
他のブロックの試験日と出願期間は登録販売者の受験料と地域別の日程にまとめています。時間割そのものは受験票と受験案内が正です。
出発前: 持ち物は「受験票・鉛筆・消しゴム・時計」
3つのブロックの案内に共通する持ち物は4点です。当日朝に探し物をすると出だしが乱れるので、前夜に1か所へまとめます。
| 持ち物 | 案内の記載 |
|---|---|
| 受験票 | 電子申請の人は配信された受験票を印刷して持参(関西広域連合・福岡県)。忘れたり紛失したりした場合、関西広域連合は本人確認できる書類を持って試験会場本部で再発行 |
| 鉛筆・シャープペンシル | 東京都「HBの鉛筆」、関西広域連合「B又はHBの黒鉛筆(シャープペンシルも可)」、福岡県「HB又はBの黒鉛筆、シャープペンシル」。ボールペンで書くと解答を読み取れない(関西広域連合は「零点となる場合があります」と明記) |
| 消しゴム | 東京都は「プラスチック消しゴム」 |
| 時計 | 関西広域連合は「試験会場には、時計がない場合もある」、福岡県は「試験会場には、時計がありません」。携帯電話・スマートフォン・スマートウォッチを時計として使うことは不可。関西広域連合はアラーム機能付き・秒針音のするもの・キッチンタイマー・大型のものも不可 |
これに加えて、上着(「空調設備等により着席位置によっては寒暖の差が生ずる」と関西広域連合が注意)、飲み物、昼休みがあるブロックでは昼食を持ちます。身分証明書は3ブロックとも必須の持ち物には入っていませんが、受験票を忘れたときの再発行に要るので、財布に入っているものを確認しておきます。試験時間中に机に置けるのは受験票・筆記用具・時計だけです(関西広域連合。ハンカチや眼鏡は監督員の許可を得る)。
腕時計は秒針付きのアナログだと残り時間の感覚をつかみやすく、見直しに使う時計の有無が時間配分の精度を直接左右します(時計の選び方)。会場までの経路と所要時間は前日までに調べ、集合時刻に余裕を持って着く電車を1本前にしておきます。試験会場への問い合わせは3ブロックとも禁止です。
前半: 1周目は「即答できる問題」だけ拾う
前半のコツは、最初から完璧に解こうとしないことです。1周目は問題用紙の頭から順に、即答できる問題だけマークし、少しでも迷ったら印をつけて飛ばします。これで前半に難問が固まっていても時間切れを防げます。
- 1周目(目安60分): 即答できる問題だけ解く。迷った問題には「△」を残す
- 2周目(目安40分): △の問題に戻り、消去法で詰める
- 見直し(目安20分): マーク欄と問題番号のずれを必ず指差し確認する
第3章が前半に来るブロック(関西広域連合)では、共通特性20問を先に片づけてから主な医薬品40問に80分を充てる順番が、実施要領の配分(20問40分・40問80分)と一致します。マークのずれは1つずれると以降が全部ずれる事故につながるので、章が切り替わる節目で番号を合わせる習慣をつけてください。
休憩: リセットが後半の失速を防ぐ
後半の鍵は休憩の過ごし方です。やってはいけないのが、友人やSNSで前半の答え合わせをすること。前半の点は変えられないのに、できなかった問題が気になって後半の集中を削ります。休憩は水分と軽食(食事ができるかはブロックの案内で確認)、そして次に来る章の自分用まとめ(第3章なら成分の分類メモ)だけを眺めてウォームアップに使います。関西広域連合のように休憩が45分で会場で食事できない場合は、集合前に食べておきます。
後半: 第3章40問の具体的な時間の使い方
第3章が後半に来るブロック(東京都・福岡県)では、後半は主な医薬品40問+もう1項目20問の計60問で120分です。実施要領の配分どおり第3章に80分、残り40分を法規または適正使用に使うのが基本形です。
- 第3章(40問): 1問あたり2分を目安に進む。知っている成分・漢方から先に解き、見覚えのない成分名で固まったら印をつけて飛ばす。全問1回転させてから戻る方が取りこぼしが減る。分野別の整理は第3章の攻略
- 第5章(20問・東京都): 第3章と内容が重なる部分があるため、第3章で思い出した知識をそのまま使えることも多い。
- 第4章(20問・福岡県): 法規は知識問題なので、第3章を終えた時点で残り35〜40分あれば足ります。
最後の5〜10分は全体の見直し時間として残し、マーク欄と問題番号のずれを必ず確認します。
やりがちな失敗と立て直し方
失敗1: 「午後に第3章」と思い込んで受験案内を見ない。 関西広域連合は前半に第3章です。受験票が届いたら時間割を紙に書き出して、前半・後半の章と集合時刻を確認します。
失敗2: 1問目から完璧に解こうとして前半で時間を溶かす。 1周目は即答できる問題だけ拾い、迷ったら飛ばす。全問を1度は見てから戻る方が取りこぼしが減ります。
失敗3: 休憩に前半の答え合わせをして後半に引きずる。 終わった試験は採点しない。休憩は水分・軽食と軽いまとめ確認だけに使い、気持ちをリセットします。
失敗4: スマートフォンを時計代わりにするつもりで腕時計を持たない。 3ブロックとも携帯電話を時計として使うことは禁止で、福岡県は会場に時計がないと明記しています。
失敗5: 得意章だけで84点を狙う。 各試験項目3.5割の足切りがあるので、どの章も7問(40問の章は14問)は必ず取りにいきます。
まとめ
登録販売者の試験当日は、受験案内の時間割を先に見て、出発前・前半・後半で「何を見て何をするか」を前もって決めておけば崩れません。決め手は、難所の第3章が回ってくる時間帯まで集中を残す段取りです。今夜できる最初の一歩として、受験票・鉛筆・消しゴム・時計を1か所にまとめ、集合時刻と会場までの経路を紙にメモしておきましょう。本番の時間配分は、登録販売者のオリジナル予想問題を本番と同じ制限時間で1回通して確かめておくと、当日のペースが体に入ります。
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出典:
- 厚生労働省 登録販売者試験実施要領(試験問題数・配分時間・合格基準)、試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)
- 東京都保健医療局 令和8年度登録販売者試験について、令和8年度登録販売者試験Q&A、令和7年度登録販売者試験について(合格基準)
- 関西広域連合 令和8年度 登録販売者試験受験案内、令和7年度 登録販売者試験結果について(合格基準)
- 福岡県 令和8年度福岡県登録販売者試験のご案内・実施要領、令和6年度福岡県登録販売者試験の問題、正答及び合格基準について











