結論: 自分の受験ブロックを最初に確定する
登録販売者試験は厚生労働省 (令和7年4月公表の手引き) に沿って各都道府県が独自に実施する地方公共団体試験で、国家試験のように全国共通日に行われるわけではありません。実務上は近隣都道府県が同一問題で同時実施する「6ブロック」運用が定着していて、ブロックを跨いだ統一試験は存在しません。
試験は年1回だけ、ブロックごとに別日程です。最早は関西広域連合・北海道・東北の8月下旬、最遅は九州・沖縄ブロックの12月中旬〜下旬で、約4か月の幅があります。「申込まで余裕がある」と思っていても、自分の受験地がどのブロックかによって出願期間は3〜6月のどこかに来てしまうため、受験を決めた時点でブロック確認が最初の作業になります。
| 確認順 | 作業 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 受験する都道府県を1つ決める | 願書取り寄せ先と試験会場を確定 |
| 2 | 所属ブロックを確認する | 試験日のおおよその時期を把握 |
| 3 | 自治体公式の願書配布期間を確認 | 受付前に願書を入手する余裕を作る |
| 4 | 受付期間と添付書類を確認 | 出願準備の所要時間を見積もる |
| 5 | 試験日2週間前の受験票到着を確認 | 当日会場・時間の最終確認 |
編集部の見立てでは、申込の主な失敗は知識不足ではなく時間切れです。願書配布期間と受付期間を別管理にしている自治体や、住民票の発行から6か月以内など書類の有効期限が設定されている自治体があり、出願1か月前から準備しないと書類だけで間に合わなくなります。受験ブロックを決めたら、その自治体の保健所・薬務課 (または衛生薬務課) の公式ページを必ずブックマークしてください。
全国6ブロックの試験日と受験料
2026年度 (令和8年度) の試験日と受験料の標準的な範囲は次のとおりです。具体的な日付・締切は受験する都道府県の公式案内が一次情報なので、必ず自治体ページで照合してください。
| ブロック | 試験日の目安 | 願書受付の目安 | 受験料の範囲 |
|---|---|---|---|
| 北海道・東北 | 8月下旬の平日 | 6月上旬〜下旬 | 道県により異なる (13,400〜14,300円台が多い) |
| 関東 (首都圏・北関東) | 9月上旬の日曜日 | 5月下旬〜6月中旬 | 13,600〜15,000円 |
| 北陸甲信越 | 8月下旬〜9月上旬の平日 | 6月上旬〜下旬 | 13,400〜15,000円 |
| 関西広域連合 | 8月下旬の週末 | 6月上旬〜中旬 | 12,800円 |
| 中国・四国 | 10月中旬〜下旬の平日 | 7月頃 | 13,400〜14,300円 |
| 九州・沖縄 | 12月中旬〜下旬の日曜日 | 9月頃 | 13,400〜15,000円 |
受験料の最安は関西広域連合の12,800円で、最高は関東・北陸甲信越・九州沖縄の一部都県の15,000円です。額そのものは大きく動きませんが、受験料は出願時点で全額前納が原則で、出願後の払戻しは原則できません。ブロックを変えれば最大2,200円差がつくとはいえ、住んでいる地域と離れた都道府県で受験すると交通費・宿泊費がそれを上回ります。「受験料の地域差で得をしよう」は基本的に成立しません。
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出願期間は2週間と短い: 5月から準備を始める
登録販売者試験の出願期間は、おおむね2週間程度と短く設定されています。郵送必着の締切が設けられる場合もあり、消印有効ではない自治体もあります。「申込開始日に気づいてから準備を始める」では間に合いません。
東京都 (関東ブロック) の令和8年度を例にすると、次のスケジュールです。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 願書配布期間 | 令和8年5月12日〜5月28日 |
| 願書受付期間 | 令和8年5月18日〜5月29日 (当日消印有効) |
| 試験日 | 令和8年9月6日 (日) 10:00〜15:30 |
| 試験会場 | 芝浦工業大学豊洲・昭和女子大学世田谷・東京外国語大学府中 (希望選択不可) |
| 合格発表日 | 令和8年10月16日 (金) 正午 |
| 受験料 | 13,600円 |
願書配布が始まる5月12日より前に始めるべき準備は次のとおりです。
| 準備項目 | いつまでに | 補足 |
|---|---|---|
| 自治体公式ページのブックマーク | 4月中 | 願書配布日が告知される |
| 住民票の取得計画 | 5月上旬 | 6か月以内発行が条件の場合あり |
| 顔写真の準備 | 5月上旬 | 自治体指定サイズに合わせる |
| 受験料納付方法の確認 | 5月上旬 | 収入印紙・郵便定額小為替・指定口座振込など |
| 願書配布開始日のリマインド | 5月12日 | 配布期間が短い自治体は早期入手 |
東京都の例では試験会場が3つあり、希望選択ができません。「自宅から最も近い会場で受験できる」という思い込みは禁物です。会場が府中市指定になった場合、世田谷・江東区在住の受験者は片道90分以上かかる可能性があり、午前9時30分着席のため早朝出発が必要になります。会場発表は受験票送付時 (試験日約2週間前) なので、当日の交通計画は受験票到着まで確定できません。
関西広域連合は8月で最早、九州沖縄は12月で最遅
ブロック選びの判断基準は受験料ではなく、自分の学習開始日からの試験までの期間です。
関西広域連合 (大阪・京都・兵庫・滋賀・和歌山・徳島・鳥取) は8月下旬実施で、6か月程度の準備期間で受験する人向けです。受験料も12,800円と最安ですが、出願期間が6月上旬〜中旬で、5月中に学習計画と書類準備を完了する必要があります。
九州・沖縄ブロックは12月中旬〜下旬実施で、年内ぎりぎりまで学習時間を取れます。学習開始が春になった人、第3章「主な医薬品とその作用」40問の習熟に時間が必要だと感じる人には、受験地を九州ブロックの都道府県に移して時間を稼ぐ選択肢もあります (ただし住民票や受験資格の制約は事前に確認してください)。
| 学習開始時期 | 推奨ブロック | 理由 |
|---|---|---|
| 1〜2月 | 関西広域連合・北海道・東北 | 約6か月で標準的な準備期間 |
| 3〜4月 | 関東・北陸甲信越 | 5〜6か月で関東の9月試験に間に合う |
| 5〜6月 | 中国・四国 | 4〜5か月で10月試験に間に合う |
| 7〜8月 | 九州・沖縄 | 4〜5か月で12月試験に間に合う |
| 9月以降 | 翌年度を計画 | 直近年度はどのブロックも間に合わない |
併願はできるが「同じ年に2回受ける」は現実的に厳しい
試験日が重ならなければ、複数都道府県での併願は制度上可能です。ただし都道府県ごとに別の願書提出と受験料納付が必要で、合計24,000〜30,000円の自己負担になります。さらに、移動 (交通費・宿泊費) を含めると1回の受験で4〜6万円かかります。
| 併願の組合せ例 | 試験日の間隔 | 検討すべき人 |
|---|---|---|
| 関西広域連合 (8月下旬) + 九州・沖縄 (12月下旬) | 約4か月 | 8月試験で手応えが薄かった場合のリベンジ用 |
| 関東 (9月上旬) + 九州・沖縄 (12月下旬) | 約3.5か月 | 関東で受からなかった場合の同年度再挑戦 |
| 中国・四国 (10月下旬) + 九州・沖縄 (12月下旬) | 約2か月 | 直前期の追い込みを2回経験したい人 |
8月の関西広域連合と9月の関東のように間隔が短い併願は、最初の試験の自己採点結果を反映する時間が取れず、追加学習の効果が出にくくなります。8月で結果が出てから次の試験までに第3章成分の弱点補強ができる4か月程度の間隔を確保するのが、併願の唯一の合理的な使い方です。
なお、合格は受験した都道府県で登録するのが原則ですが、合格後の販売従事者登録は別の都道府県でも可能です。「関西広域連合で合格して東京で働く」も問題ありません。詳細は厚生労働省の販売従事登録の手続きを参照してください。
不合格になった場合の立て直しは、不合格リベンジ記事を参照してください
よくある申込ミスと回避策
1. 願書配布期間と受付期間を混同する
東京都の令和8年度のように、願書配布期間 (5月12日〜5月28日) と受付期間 (5月18日〜5月29日) を別管理する自治体があります。「受付期間内なら大丈夫」と思って配布期間最終日を過ぎてから願書を取り寄せようとすると、当日消印有効に間に合わないことがあります。配布期間最初の日から動けるよう、4月中に自治体公式ページをブックマークしてください。
2. 受験料の納付方法を当日確認する
受験料の納付方法は自治体により異なります。収入印紙・郵便定額小為替・指定口座振込のいずれかで、当日に方法を確認しようとすると窓口手数料や購入時間がかかります。出願期間が始まる前に納付方法を確認し、必要なものを揃えてから出願してください。
3. 顔写真の規格違反
顔写真は自治体指定のサイズ (おおむね縦4cm×横3cm) と撮影日 (6か月以内) が指定されている場合があります。マイナンバーカード用や履歴書用のサイズと異なることがあるため、登録販売者試験用に新規撮影するのが安全です。
4. 住民票の有効期限切れ
受験資格確認のため住民票添付を求める自治体があり、6か月以内発行などの有効期限が設定されています。出願1〜2か月前に取得した住民票が出願日には有効でなくなる可能性は低いですが、3〜5月のうちに「念のため」取得した住民票が、9月以降の試験までは有効でも、書類提出時に6か月を超えていることがあります。出願期間が始まる直前に取得するのが確実です。
最後のチェックリスト
- 受験する都道府県と所属ブロックを確定した
- 自治体公式ページの願書配布日・受付期間・試験日・会場を確認した
- 出願期間1か月前に住民票・顔写真・受験料納付の準備を始めた
- 受験料を全額前納する前提で予算を確保した (払戻し不可)
- 試験会場が希望選択不可な自治体では、複数候補会場すべてからの通勤・通学経路を確認した
- 併願を検討する場合は、最低3か月以上の試験日間隔を確保した
- 受験票が試験日2週間前に届く前提で当日の交通計画を準備した
申込の失敗は知識ではなく時間管理で起こります。出願期間2週間に間に合わせるためには、その1か月前から準備を始めるのが安全です。願書配布日を見逃すと、当年度の受験そのものができなくなります。
出典:









