本記事のポイント
- 登録販売者試験の全国平均合格率は40〜44%(令和3〜6年度の実績)
- 都道府県ブロックによって合格率に大きな開きがあり、30%台から60%超まで差が生じる
- 合格基準は「全体84点以上(70%)」かつ「各章の足切りラインクリア」の2条件
- 第3章(40問)が最大の難関で、合否を左右する章と言える
- 独学でも150〜200時間の準備で合格を狙える水準の試験
登録販売者の合格率は40-44% — 全国平均と過去5年推移
厚生労働省が毎年公表する「登録販売者試験の実施状況」によると、登録販売者試験の全国平均合格率は令和3〜6年度の実績で概ね40〜44%の範囲で推移している。
本記事では「登録販売者試験」を「登販」「登録販売者」と表記する場合がある。
過去5年の合格率推移
| 年度 | 受験者数(概算) | 合格者数(概算) | 合格率(概算) |
|---|---|---|---|
| 令和2年度(2020年度) | 約54,000人 | 約22,800人 | 約42% |
| 令和3年度(2021年度) | 約60,000人 | 約26,400人 | 約44% |
| 令和4年度(2022年度) | 約63,000人 | 約27,300人 | 約43% |
| 令和5年度(2023年度) | 約65,000人 | 約27,600人 | 約42% |
| 令和6年度(2024年度) | 約66,000人 | 約28,000人 | 約42〜43%(推計) |
※出典:厚生労働省「登録販売者試験の実施状況」公表データをもとにぴよパス編集部が概算・算出。実際の数値と若干異なる場合がある。最新の確定値は厚生労働省の公式サイトで確認すること。
推移から読み取れること
直近5年間、登録販売者試験の全国平均合格率は40〜44%の範囲で安定して推移している。大きな急落や急上昇は見られず、例年を踏まえた対策が有効な試験だ。受験者数は増加傾向にあるが、合格率はほぼ横ばいを保っている。
ただし「全国平均40〜44%」という数字は、後述する都道府県ブロック別の合格率を単純平均した結果であることに注意が必要だ。受験地ブロックによって合格率が大きく異なるため、全国平均だけを見て難易度を判断することはできない。
(出典:厚生労働省「登録販売者試験の実施状況」https://www.mhlw.go.jp/)
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都道府県別ブロック合格率 — 30%台から60%超までの差
登録販売者試験は都道府県単位、または複数の都道府県が合同で行うブロック単位で実施される。問題は各ブロックが独自に作成するため、ブロックによって問題の難易度に差が生まれ、合格率に大きな開きが出る構造になっている。
ブロック別の合格率傾向
| ブロック | 直近5年の合格率傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| 北海道・東北 | 50〜60%台が多い | 合格率が高い年が多い |
| 関東・甲信越 | 30〜40%台が多い | 問題難易度が高めで低い年も |
| 北陸・東海 | 40〜50%前後 | 全国平均付近で推移 |
| 近畿 | 40〜50%前後 | 全国平均付近で推移 |
| 中国・四国 | 50〜60%台が多い | 比較的高い傾向 |
| 九州・沖縄 | 55〜65%台が多い | 全国で最も高い水準になる年も |
(年度によって大きく変動するため、上記は傾向の目安。最新データは各都道府県・ブロックの公式発表を参照すること)
なぜブロックによって合格率が異なるのか
ブロックごとに問題が異なるため、問題の難易度・出題傾向・選択肢の紛らわしさが合格率に直接影響する。特に関東・甲信越ブロックは受験者数が多く、問題の難易度も高めに設定される傾向が指摘されている。九州・沖縄や北海道・東北のブロックは問題が比較的取り組みやすい年が多い。
ただし、問題の作成方針は毎年変わりうるため、「このブロックは必ず合格率が高い」とは言い切れない点に注意が必要だ。受験地を選ぶ際は直近2〜3年の合格率の推移を確認したうえで判断することを推奨する。
「受かりやすい都道府県」ランキング — 受験地戦略
過去の実績から、相対的に合格率が高い傾向にあるブロック・受験地を整理する。
合格率が高い傾向にあるブロック(上位)
- 九州・沖縄 — 年度によっては65%を超えることもある。全国で最も高い水準になりやすいブロックの一つ
- 北海道・東北 — 55〜60%台が多く、安定して高い水準を維持している年が目立つ
- 中国・四国 — 50〜60%台が多く、全国平均を上回ることが多い
合格率が低い傾向にあるブロック(下位)
- 関東・甲信越 — 問題の難易度が高めな年が多く、30%台になる年度もある。受験者数が最多のため分母が大きいことも平均を押し下げる一因
受験地戦略の現実的な考え方
居住地から離れたブロックで受験することは可能だが、「合格率が高いから別の都道府県で受ける」という判断をする前に以下を確認してほしい。
- 試験日程は各ブロックによって異なるが、多くが8〜12月に集中している
- 受験手数料・交通費・宿泊費を合わせると数万円のコストがかかる場合もある
- 問題の難易度の傾向は年度ごとに変動するため、過去の合格率が必ずしも来年を保証しない
受験地選びに過度のリソースをかけるよりも、学習の質と量を高めることが最も確実な合格への道だ。
登録販売者のオリジナル練習問題・薬事法令カテゴリで出題範囲を把握するところから始めよう。
章別難易度 — 第3章(40問)が合否を分ける
登録販売者試験は全5章・120問で構成されている。章ごとに難易度が大きく異なり、どの章で得点を稼ぎ、どの章で足切りを回避するかが合格の鍵を握る。
章別の出題数と難易度
| 章 | 内容 | 出題数 | 難易度 | 攻略方針 |
|---|---|---|---|---|
| 第1章 | 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 低め | 得点源。確実に取りにいく |
| 第2章 | 人体の働きと医薬品 | 20問 | 中程度 | 解剖学の基礎が問われる。標準的に対策 |
| 第3章 | 主な医薬品とその作用 | 40問 | 高い(最大の難関) | 最多出題。成分名の暗記量が膨大 |
| 第4章 | 薬事関係法規・制度 | 20問 | 中程度 | 暗記が中心。法令の条文を押さえる |
| 第5章 | 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 | 低め | 第1章と並んで得点源になりやすい |
第3章が最大の難関である理由
第3章「主な医薬品とその作用」は120問中40問を占め、試験全体の約33%が1つの章に集中している。出題内容は一般用医薬品の各カテゴリ(かぜ薬・解熱鎮痛薬・胃腸薬・抗アレルギー薬など)に含まれる有効成分の名称・作用・副作用・使用上の注意にわたる。
医薬品成分の名称は英語由来のカタカナ表記が多く、初見では意味が読み取れないため、純粋な暗記量が求められる。成分名と作用機序・副作用をセットで覚える必要があり、関連する成分の数は数十〜百を超える。
学習時間の50〜60%を第3章に配分するのが、合格者に共通する学習戦略だ。
章別の足切りラインと標準偏差の意味
登録販売者試験では全体の70%以上(84点以上)を取るだけでは合格できない。各章に足切りラインが設定されており、どれか1章でもラインを下回ると不合格になる。
足切りラインは「各章の出題数の35〜40%以上」が目安とされているが、実際の運用は各試験の実施主体(都道府県・ブロック)によって異なる場合がある。以下は一般的な足切りライン(目安)だ。
| 章 | 出題数 | 足切りライン目安(3.5割) | 必要最低正解数 |
|---|---|---|---|
| 第1章 | 20問 | 約7問(35%) | 7〜8問 |
| 第2章 | 20問 | 約7問(35%) | 7〜8問 |
| 第3章 | 40問 | 約14問(35%) | 14〜16問 |
| 第4章 | 20問 | 約7問(35%) | 7〜8問 |
| 第5章 | 20問 | 約7問(35%) | 7〜8問 |
第3章の足切りラインが14〜16問(出題数40問中)と最も高い絶対数になるため、第3章を後回しにしたまま受験すると足切りで不合格になるリスクが高まる。
第3章の合格率への影響を見ると、合格率が低いブロック・年度ほど第3章の問題が難しい傾向があることが知られている。第3章の問題の難易度が、ブロック間の合格率格差を大きく左右する要因の一つと考えてよい。
合格基準(各章40% + 全体70%)を点数で理解する
合格に必要な得点シミュレーション
登録販売者試験の合格基準を120問の得点で具体的にイメージすると次のようになる。
全体ラインのクリア(84点以上)
120問 × 70% = 84問正解が必要だ。1問1点として、84点が全体の合格ライン。
章別足切りのクリア(各章35%以上)
全体で84点を取っていても、1章でも35%(目安)を下回ると不合格になる。
| 章 | 出題数 | 目標正解数(合格戦略) | 余裕を持った目標 |
|---|---|---|---|
| 第1章 | 20問 | 14〜15問(70〜75%) | 15問以上 |
| 第2章 | 20問 | 14〜15問(70〜75%) | 15問以上 |
| 第3章 | 40問 | 28〜30問(70〜75%) | 30問以上 |
| 第4章 | 20問 | 14〜15問(70〜75%) | 14問以上 |
| 第5章 | 20問 | 14〜15問(70〜75%) | 15問以上 |
| 合計 | 120問 | 84〜90問 | 89問以上 |
全章で70〜75%の正答率を確保すれば、全体84点ラインと各章足切りラインを同時にクリアできる。章によって得意・不得意があっても、どの章も50%以上(全体では70%超)を確保できるように底上げすることが基本戦略だ。
得点配分の現実的な戦略
第1章・第5章は比較的取り組みやすく、しっかり準備すれば75〜80%の正答率が狙える。ここで計15〜16問(第1章)+ 15〜16問(第5章)= 30〜32問を確保できると、残り章のプレッシャーが下がる。
第3章は40問で全体の33%を占めるため、ここで30問(75%)取れれば全体84点の約36%をこの章だけで稼げる。第3章の出来が合否に最も大きく影響する構造になっているため、学習時間の半分以上を第3章に割くことが合理的だ。
他資格との難易度比較(FP3級・簿記3級・行政書士)
登録販売者試験の難易度を他の資格試験と比較して相対的な位置を確認しておこう。
| 資格名 | 合格率目安 | 試験形式 | 学習時間目安 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 日商簿記3級 | 40〜50% | 択一+記述 | 50〜100時間 | 中程度 |
| FP3級(学科) | 60〜70% | 択一・○×式 | 50〜100時間 | 比較的易しい |
| 登録販売者 | 40〜44% | 択一式(120問) | 150〜200時間 | 中程度(暗記量が多い) |
| 宅地建物取引士 | 15〜17% | 択一式(50問) | 300〜500時間 | やや難しい |
| 行政書士 | 10〜15% | 択一+記述 | 500〜1000時間 | 難しい |
(合格率・学習時間は目安であり、個人差がある)
登録販売者の難易度をどう評価するか
合格率40〜44%は日商簿記3級と近い水準だが、登録販売者のほうが必要な学習時間が長い。その主な理由は第3章の医薬品成分の暗記量にある。成分名・作用・副作用・禁忌(使ってはいけない人・状況)をセットで覚える暗記作業は、理解型の学習が中心の簿記3級とは性質が異なる。
FP3級(合格率60〜70%)と比べると、登録販売者は合格率が20〜30ポイント低く、学習時間も長い。「比較的取り組みやすい資格から始めたい」という場合は、FP3級や日商簿記3級を先に取得してから登録販売者に挑むルートも選択肢の一つだ。
行政書士(合格率10〜15%)と比べると、登録販売者は格段に取り組みやすい。行政書士は法律科目の広い知識と論理的な記述力を要求されるのに対して、登録販売者は択一式のみで、出題範囲も「医薬品に関する知識」という明確な範囲に絞られている。
ぴよパスでの学習の進め方
ステップ1:出題範囲の全体像を把握する
まず5章120問の構成と各章の特徴を把握する。第3章が最も学習時間を要する章であることを前提に、早い段階から第3章に取り組むスケジュールを立てることが重要だ。
ステップ2:第3章から着手する
学習の最初の2〜3週間は第3章の医薬品成分の暗記から始めることを推奨する。第3章の暗記量は多いため、時間をかけて繰り返し復習することで記憶が定着する。最初から第3章に取り組むことで、試験直前に「第3章が全然できていない」という状況を防ぐことができる。
ステップ3:第1・5章で得点を安定させる
第1章(医薬品の特性・基本知識)と第5章(適正使用・安全対策)は比較的取り組みやすい章だ。第3章と並行して進めることで、全体の点数を安定させながら学習を進められる。
ステップ4:第2・4章を仕上げる
第2章(人体の働きと医薬品)は解剖学の基礎が問われ、第4章(薬事関係法規・制度)は法令知識が中心だ。どちらも体系的な理解と暗記が必要な章だが、第3章ほど暗記量は多くない。学習の中盤以降に集中的に取り組むことが効率的だ。
ステップ5:模擬試験で5章通しの実力を測る
学習の仕上げとして、本番形式(120問・全5章)の模擬試験に取り組む。各章の正答率を確認し、足切りラインを下回っている章を重点的に補強する。試験の2〜3週間前に1〜2回の模擬試験を行うことで、本番に近い状態で実力を確認できる。
登録販売者の独学合格法・スケジュールの詳細については登録販売者の独学ガイドを参照してほしい。
まとめ:合格率40〜44%の登録販売者に「確実に受かる」ための2つの柱
登録販売者試験の全国平均合格率40〜44%という数字は、きちんと準備した受験者が合格できる試験であることを示している。都道府県ブロックによって合格率が30%台から60%超まで差があるが、自分が受験するブロックの傾向を確認したうえで十分な準備をすれば、独学でも十分に届く試験だ。
柱1:第3章(40問)に学習時間の半分以上を投入する
第3章の医薬品成分の暗記が合否を分ける最大の要因だ。全120問の33%を占め、成分名・作用・副作用・禁忌のセットで暗記するには相応の反復学習が必要になる。学習開始から第3章に最も多くの時間を割く計画を立て、直前期まで繰り返し復習することが合格への近道だ。
柱2:全章の足切りラインを意識した「均等底上げ型」の学習
全体84点(70%)を取ることと並行して、5章すべてで足切りラインをクリアすることが合格の条件だ。得意な章に偏った学習ではなく、苦手な章も最低ラインを確実に超えられるよう底上げすることが必須だ。模擬試験後は全体点数より「各章の正答率」を先に確認する習慣を作ることが足切り回避の核心になる。
150〜200時間の準備を積んで、この2つの柱を実行した受験者が合格している。登録販売者試験は「難しくない試験」ではないが、「正しく準備すれば着実に受かる試験」だ。
まずはぴよパスの登録販売者オリジナル練習問題から取り組んで、今の自分がどのテーマでつまずくかを把握するところから始めてほしい。
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出典・参考資料
- 厚生労働省「登録販売者試験の実施状況」https://www.mhlw.go.jp/
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)最新改正版
- 厚生労働省「登録販売者試験実施要領」各年度版