この記事で分かること
- 甲4の試験で計算が絡む問題がどこに何問あるか
- 電気基礎(筆記)の計算問題:オームの法則・合成抵抗・電力の公式と解き方の手順
- 製図(実技)の計算問題:感知器個数計算の公式・感知面積表の読み方・手順
- 製図で数値を記入する設問のコツと失点パターン
- ぴよパスの演習問題と模擬試験の活用法
甲4で「計算が問われる場面」は2か所
消防設備士甲種4類の試験で計算が必要になる問題は、大きく2か所に集中している。
1つ目は筆記の「基礎的知識(電気)」(10問)。 オームの法則・合成抵抗・電力・電流などの電気回路計算が3〜5問程度出題される。残りはトランス・コンデンサ・論理回路など計算を伴わない知識問題だ。
2つ目は実技の「製図」(2問)。 製図問題の定番テーマである「感知器の設置個数計算」は毎回ほぼ出題される。床面積と感知面積(感知器1個あたりがカバーできる面積)から必要な個数を割り出す計算で、答えとなる数値を解答欄に記入する。
試験全体52問相当のうち、計算を要する設問は5〜7問程度(全体の10〜13%)。決して多くはないが、この部分で失点が集中する受験者が多い。計算パターンは限られているため、対策の効果が出やすい分野でもある。
電気基礎の計算問題:公式と手順
1. オームの法則(V=IR)
電気基礎で最も基本となる公式がオームの法則だ。
電圧(V)= 電流(I)× 抵抗(R)
電流(I)= 電圧(V)÷ 抵抗(R)
抵抗(R)= 電圧(V)÷ 電流(I)
試験では「回路図が与えられ、回路に流れる電流値を求めよ」という形が標準的だ。回路が複雑に見えても、最終的にはオームの法則1本で解ける問題がほとんどである。
例題イメージ: 起電力12Vの電源に、4Ωと2Ωの抵抗が直列接続されている。回路に流れる電流は何Aか。
- 直列の合成抵抗を求める:4+2=6Ω
- オームの法則を適用:I=V÷R=12÷6=2A
計算自体は中学数学の範囲に収まる。落ち着いて手順を踏めば確実に得点できる。
2. 合成抵抗の計算
複数の抵抗をつないだ回路では、回路全体の合成抵抗を求めてからオームの法則を使う。
| 接続形式 | 合成抵抗の求め方 | 例 |
|---|---|---|
| 直列接続 | R総 = R1 + R2 + … | 4Ω+6Ω=10Ω |
| 並列接続 | 1/R総 = 1/R1 + 1/R2 + … | 1/R総=1/6+1/3=1/2 → R総=2Ω |
自動火災報知設備の感知器回路は並列接続が基本のため、並列の計算に慣れておくことが製図問題にも直結する。
並列計算のコツ: 2本の抵抗が並列の場合、「R1×R2 ÷(R1+R2)」の公式(積を和で割る)を使うと分数を使わずに素早く計算できる。
3. 電力(P=VI)
電力の計算はオームの法則の派生形だ。
電力(W)= 電圧(V)× 電流(I)
電力(W)= 電流(I)² × 抵抗(R)
電力(W)= 電圧(V)² ÷ 抵抗(R)
試験では「抵抗で消費される電力を求めよ」という形で出題される。電流か電圧のどちらか一方と抵抗値が与えられていることが多く、まずオームの法則で不足している値を求めてから電力の公式を使う2段階の手順になる。
製図の計算問題:感知器設置個数の公式と手順
製図問題の計算の核心は「感知器を何個設置すれば基準を満たすか」の設置個数計算だ。
基本公式
設置個数 = 床面積 ÷ 感知面積(端数は切り上げ)
「感知面積」とは、感知器1個がカバーできる面積の上限値だ。感知器の種別・建物の構造(耐火造か非耐火造か)・天井の高さの3条件によって数値が変わる。
感知面積の早見表(主要感知器)
| 感知器の種別 | 耐火構造・天井高4m未満 | 耐火構造・4m以上8m未満 | 非耐火構造・天井高4m未満 | 非耐火構造・4m以上8m未満 |
|---|---|---|---|---|
| 差動式スポット型1種 | 90m² | 45m² | 50m² | 30m² |
| 差動式スポット型2種 | 70m² | 35m² | 40m² | 25m² |
| 定温式スポット型特種・1種 | 70m² | — | 40m² | — |
| 光電式スポット型2種 | 150m² | 75m² | 150m² | 75m² |
※定温式は天井高8m以上には設置できない。光電式は耐火/非耐火で感知面積が変わらない点が特徴。
計算の手順(3ステップ)
ステップ1:条件を整理する 問題文から「床面積」「天井高」「構造区分(耐火/非耐火)」「感知器の種別」を読み取る。
ステップ2:感知面積を特定する 感知面積表から、該当する感知器・構造・天井高区分の値を選ぶ。
ステップ3:個数を計算して端数を切り上げる 床面積 ÷ 感知面積を計算し、小数点以下が出た場合は必ず切り上げる。
例題イメージ: 床面積250m²、耐火構造、天井高3m、差動式スポット型2種を設置する場合の最小設置個数は何個か。
- 条件:耐火造、天井高4m未満、差動式2種 → 感知面積70m²
- 設置個数:250 ÷ 70 = 3.57…
- 端数を切り上げ → 4個
製図で数値を記入する設問のコツ
製図問題は「計算した結果を解答欄に書く」だけでなく、平面図に数値や記号を正確に記入する場面も多い。数値記入で失点しないための3つのポイントを押さえておこう。
コツ1:天井高の区分を先に確認する
計算ミスの最大の原因は「感知面積の選択ミス」だ。問題文に天井高が書かれているのに、無意識に「4m未満の数値」を使ってしまうケースが多い。計算を始める前に、天井高と感知面積の区分(4m未満 or 4m以上8m未満)を書き出す習慣をつけると防ぎやすい。
コツ2:部屋が複数ある場合は部屋ごとに計算する
製図問題では平面図に複数の部屋が描かれており、部屋ごとに天井高や感知器の種別が異なることがある。全体の床面積をまとめて割るのではなく、部屋ごとに個別計算してから合算することが正しい手順だ。
コツ3:端数は「切り捨て」ではなく「切り上げ」
設置個数の端数処理を誤る受験者は多い。感知器は「最低限必要な個数」を求めるルールのため、端数があれば1個多く設置する(切り上げ)。「300m²÷70m²=4.28 → 4個」と書いてしまうと減点または0点になる。計算後に必ず「端数を切り上げたか」を確認すること。
ぴよパスの演習問題で計算問題を固める
計算問題の対策で最も効果的なのは「パターンを繰り返し解くこと」だ。ぴよパスでは以下のカテゴリで計算を含む練習問題を提供している。
- 基礎的知識(電気)カテゴリ → オームの法則・合成抵抗・電力計算の設問が含まれる。選択肢から答えを選ぶ形式なので、計算の手順を確認しながら演習できる。
- 製図カテゴリ → 感知器の設置個数計算を文章題形式で出題。条件の読み取り→感知面積の選択→計算→切り上げの4ステップを繰り返し練習できる。
計算問題は最初に解いたとき間違えても、解説を読んでから再挑戦することで定着率が上がる。各問には「なぜその数値を選ぶか」まで踏み込んだ解説があるため、単なる答え合わせではなく考え方ごと身につけられる。
模擬試験で計算問題の本番感覚をつかむ
計算問題のもう一つの落とし穴は「時間配分」だ。本番の試験では計算に手間取って他の問題に使える時間が削られるリスクがある。
ぴよパスの模擬試験(/shoubosetsubishi-ko4/mock)では、筆記45問を通しで解く環境を再現している。計算問題が出てきたとき「どの公式を使うか」「どの順で解くか」をスムーズに判断できるよう、本番前に2〜3回は通しで解いておくことをすすめる。
時間が余れば計算問題に立ち返って検算する習慣もつけたい。特に設置個数計算は「端数を切り上げたか」だけでも確認できれば、ケアレスミスを防ぐことができる。