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危険物乙3物理・化学攻略 ─ 燃焼理論と消火理論を160問作問視点で整理

ぴよパス編集部5分で読めます
目次

この記事で分かること

  • 危険物乙種第3類の「物理・化学」科目の出題傾向と頻出テーマ
  • 燃焼の3要素と4要素
  • 引火点・発火点・燃焼範囲の定義と違い
  • 静電気の発生・防止策
  • 消火の4要素と消火剤の適用
  • 酸化・還元の基礎

ぴよパスで 160 問 × 17 試験を運用していて気づいたのは、乙3の「物理・化学」は「燃焼の理論」「消火の理論」「静電気」の3ブロックを押さえれば、10問中7〜8問が安定して取れるということです。


乙3「物理・化学」の出題傾向

危険物乙種第3類の試験(合計35問)のうち、「基礎的な物理学及び化学」は10問出題されます。合格は各科目60%以上(足切り)なので、6問以上取る必要があります。

主な出題テーマは以下の通りです。

テーマ頻度
燃焼の3要素・4要素非常に高い
引火点・発火点・燃焼範囲非常に高い
静電気非常に高い
消火の4要素非常に高い
酸化・還元高い
反応熱・熱量高い
物質の三態・比重・融点・沸点中程度
溶液と濃度中程度

ぴよパスの乙3「物理・化学」練習問題で分野別に集中演習できます。


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燃焼の基礎

燃焼の3要素

燃焼は以下の 3 要素がすべて揃ったときに成立します。

  1. 可燃物(燃えるもの)
  2. 酸素供給源(空気・酸化剤)
  3. 点火源(熱・火花・静電気)

どれか 1 つでも欠けると燃焼は起こりません。消火は逆に、この 3 要素のうちどれかを除去することで行います。

燃焼の4要素

3 要素に「連鎖反応」を加えた 4 要素モデルもあります。

  1. 可燃物
  2. 酸素供給源
  3. 点火源
  4. 連鎖反応(ラジカル反応)

抑制(負触媒)消火剤は連鎖反応を断ち切ることで消火します。

燃焼の形態

形態内容
表面燃焼固体表面で酸化、炎なし木炭・コークス
分解燃焼熱分解で可燃性ガスが生じ燃焼木材・石炭
蒸発燃焼液体が蒸発した蒸気が燃焼ガソリン・灯油
自己燃焼(内部燃焼)分子内に酸素を含み自己燃焼ニトロセルロース
拡散燃焼可燃性ガスが空気と拡散燃焼LP ガス
予混合燃焼可燃性ガスと空気を予混合して燃焼ガスコンロ

引火点・発火点・燃焼範囲

引火点

引火点は、液体の液面上に燃焼範囲の下限に達する蒸気濃度を生じる最低温度です。

  • 引火点未満:蒸気が少なすぎて燃えない
  • 引火点以上:火種があれば燃える

例:ガソリンは引火点 -40 ℃以下、灯油は 40 ℃以上。

発火点(自然発火温度)

発火点は、火種がなくても自然に燃え出す最低温度です。

関係:引火点 < 発火点

乙3 の黄りんは発火点が約 50 ℃で、常温でも自然発火します。

燃焼範囲(爆発範囲)

可燃性蒸気が空気中でどの濃度で燃えるかを示す範囲。

物質燃焼範囲(vol%)
水素4.0〜75
アセチレン2.5〜100
ガソリン1.4〜7.6
メタン5.0〜15

燃焼範囲が広いほど危険性が高く、アセチレンは極めて広い範囲で燃焼するため、乙3 の炭化カルシウム(アセチレン発生)の取扱に注意が必要です。


静電気

静電気の発生

静電気は以下の現象で発生します。

  • 摩擦:衣服・物体どうしのこすれ
  • 流動:液体がパイプを流れる
  • 噴出:ガスやミストが噴出
  • 剥離:付着した物が離れる

静電気の防止策

対策内容
接地(アース)金属容器・配管を接地して電荷を逃がす
湿度保持室内湿度を 65〜75%に保つ
導電性材料導電性の容器・床を使用
流動速度低減液体をゆっくり流す
帯電防止剤液体に帯電防止剤を添加
人体の帯電防止導電性靴・帯電防止服

静電気の放電エネルギーが引火点以上の蒸気に着火すると火災・爆発につながります。


消火の理論

消火の4要素

燃焼の 4 要素に対応して消火も 4 つの効果があります。

効果除去対象代表的な消火剤
除去効果可燃物ガス栓を閉める等
窒息効果酸素泡・二酸化炭素・砂
冷却効果水・強化液
抑制効果(負触媒)連鎖反応粉末・ハロゲン化物

消火剤の種類

消火剤主な効果適用火災不適
水(棒状・霧状)冷却A(普通)B(油)・C(電気)・金属
強化液冷却+抑制A・B(霧状)金属
泡消火剤窒息+冷却A・BC(電気)・金属
二酸化炭素窒息+冷却B・C金属(禁水性)
ハロゲン化物抑制+窒息B・C
粉末(ABC)抑制+窒息A・B・C金属
粉末(金属火災用)抑制+窒息金属

乙3 に適用できる消火剤

乙3 の禁水性物質には水系消火剤(水・泡・強化液)が使用不可。以下が中心:

  • 乾燥砂・膨張ひる石・膨張真珠岩
  • 金属火災用粉末消火剤(炭酸水素ナトリウム系)

黄りんのみ水系消火剤が使用可能(禁水性でないため)。


酸化・還元

酸化と還元の定義

反応酸素水素電子
酸化結合失う失う
還元失う結合得る

酸化と還元は必ずペアで起こる。酸化剤は相手を酸化し自身は還元される、還元剤は相手を還元し自身は酸化される。

酸化剤・還元剤の代表例

酸化剤還元剤
過マンガン酸カリウムナトリウム(乙3)
過酸化水素カリウム(乙3)
塩素水素化ナトリウム(乙3)
硝酸炭素

反応熱と熱量

反応熱の種類

種類内容
燃焼熱1 mol の物質が完全燃焼する時の熱
生成熱1 mol の化合物が成分元素から生成する時の熱
分解熱1 mol の化合物が成分元素に分解する時の熱
溶解熱1 mol の物質が溶媒に溶ける時の熱

比熱と熱量

比熱:物質 1g を 1 ℃上げるのに必要な熱量。 熱量:Q = m × c × ΔT(m: 質量、c: 比熱、ΔT: 温度変化)

水の比熱は 4.18 J/(g・℃) で、他の物質より大きい。これが水が冷却消火剤として効果的な理由です。


物質の三態と状態変化

状態特徴
固体体積・形が一定
液体体積は一定、形は変わる
気体体積・形ともに変わる

状態変化の名称

変化名称
固体→液体融解
液体→気体気化(蒸発)
気体→液体凝縮
液体→固体凝固
固体→気体昇華
気体→固体昇華(凝華)

蒸気圧と沸点

  • 蒸気圧:液体から蒸発した蒸気の圧力
  • 沸点:蒸気圧=大気圧となる温度
  • 大気圧が下がると沸点は下がる(高地では低温で沸騰)

溶液と濃度

濃度の表し方

濃度定義
質量パーセント濃度溶質の質量 ÷ 溶液の質量 × 100
モル濃度溶質のモル数 ÷ 溶液の体積(L)

溶解度

一定温度で溶媒 100g に溶ける溶質の質量。温度が上がると固体の溶解度は増加(例外あり)、気体の溶解度は減少。


学科試験で取るべき目標点

「物理・化学」は 10 問出題されるので、6〜8 問正解を目指せば合格水準です。

優先して押さえるテーマ

  1. 燃焼の 3 要素・4 要素
  2. 引火点・発火点・燃焼範囲の定義
  3. 静電気の発生と防止(接地・湿度・導電性)
  4. 消火の 4 要素と消火剤適用(特に禁水性物質への不適切消火剤)
  5. 酸化・還元の定義と代表的な酸化剤・還元剤

まとめ

  • 燃焼:可燃物・酸素・点火源の 3 要素、抑制を加えると 4 要素
  • 引火点<発火点、燃焼範囲が広いほど危険
  • 静電気:接地・湿度 65-75%・導電性材料で防止
  • 消火:除去・窒息・冷却・抑制の 4 効果、禁水性物質には水系不可
  • 酸化・還元:酸素結合/電子授受で逆方向、乙3 物質は強い還元剤
  • 比熱:水の比熱が大きい=冷却消火に有利

乙3 の「物理・化学」は 6 類共通の基礎理論が中心で、他の乙種と重なる内容も多いため、一度しっかり学べば長く使える知識です。ぴよパスの乙3「物理・化学」練習問題で繰り返し演習しましょう。

関連記事:危険物乙3の性質と消火攻略危険物乙3の法令攻略危険物乙3の勉強法

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この記事の執筆者

ぴよパス編集部

公的機関の公表データ・法令・試験実施団体の公式情報を根拠に記事を作成。問題は全てオリジナルで、12項目の品質ガードで正確性を担保しています。

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※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の結果を保証するものではありません。最新の試験情報は各試験の公式サイトでご確認ください。

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