危険物乙種3類(第3類)は自然発火性物質と禁水性物質を扱う試験で、「水や空気との反応」が試験の核心です。試験問題は35問(法令15問・物化10問・性消10問)と少なく見えますが、各科目60%以上という足切り基準があります。性質消火10問は乙3固有の科目で、カリウム・ナトリウム・黄りんなど反応が特殊な物質が多く、丸暗記では定着しにくいです。
この記事で分かること
- 乙3の3科目の問題構成と各科目60%をクリアする学習順序
- 性質消火(10問)の第3類物質を体系的に覚える手順
- 水との反応式を書き出しで定着させる方法
- 法令と物化を性質消火の後に効率よく仕上げる方法
- 模試の使い方と週単位の学習スケジュールの組み方
乙3の試験構成と足切り基準
乙3は法令15問・物化10問・性消10問の計35問で、各科目60%以上が合格基準です。つまり法令9問・物化6問・性消6問以上の正解が必要です。
物化と性消は各10問と問題数が少ないため、1問の重みが大きいです。性消で6問取るには10問中4問まで外せますが、苦手な物質が2つ3つあるだけで6問を割りやすくなります。
他の乙種免状を持っている場合は法令・物化が科目免除になり、性消10問のみの受験が可能です。この場合は60%以上=6問以上が合格ラインです。
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週単位の学習スケジュール(独学・約4〜6週間)
1〜2週目:性質消火から着手する
最初に性質消火を学ぶのは、乙3固有の科目であり暗記の量が最も多いからです。法令や物化は他の乙種と共通する部分が多く後から追加しやすいですが、性質消火の物質知識は乙3専用の知識です。
第3類の代表物質は以下のグループに分けて覚えます。
禁水性のみ: 炭化カルシウム(カーバイド)・リン化カルシウムなど。水と反応してアセチレンガス・ホスフィンを発生させます。
自然発火性のみ: 黄りん。空気中で自然発火するため水中に保存します。禁水性ではないため、水で消火できる例外物質です。
両方を持つ: カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム。水と激しく反応して水素や炭化水素ガスを発生し、発火します。
各物質について「性状・保存方法・消火方法」の3点を一覧にまとめておきます。1日1〜2種類ずつ確認し、翌日に前日分を思い出す反復を繰り返します。
2〜3週目:水との反応式を書き出す
第3類の物質は水との反応が試験の要点です。反応式を読むだけでなく、ノートに手書きで何度も書き出します。
カリウムと水の反応: 2K + 2H₂O → 2KOH + H₂↑ (水素を発生し発火)
炭化カルシウムと水の反応: CaC₂ + 2H₂O → Ca(OH)₂ + C₂H₂↑ (アセチレンガスを発生)
リン化カルシウムと水の反応: Ca₃P₂ + 6H₂O → 3Ca(OH)₂ + 2PH₃↑ (ホスフィンを発生)
反応式は「物質名→生成ガス」の対応が出題されます。「炭化カルシウムと水でできるガスはどれか」という形式で選択肢を選ぶため、発生ガスの名前と特性(可燃性・有毒性など)もセットで覚えます。
書き出し練習は、物質名だけ見て反応生成物を書けるようになるまで続けます。5〜7本の主要反応式を完全に書けるようになれば、試験での判断が早くなります。
3〜4週目:法令と物化を仕上げる
性質消火の基礎ができたら法令(15問)と物化(10問)に進みます。
法令は他の乙種と共通するルールが多く、指定数量・保安距離・行政手続き(許可・届出・報告)の3テーマが頻出です。乙種は第3類の危険物に限定して取り扱いができるため、「乙3所持者が取り扱える範囲」という問いが出ることもあります。
物化は燃焼の3要素、引火点・発火点の定義、熱量計算(Q=mcΔT)が基本です。計算問題は式の型を覚えて数値を代入するパターンが多く、式さえ分かれば比較的得点しやすい科目です。
5〜6週目:模試で通しを確認する
3科目を一通り学習したら、35問を通しで解く模試を組み込みます。科目別の正答率を確認し、6割を割っている科目に残りの時間を集中させます。
模試で間違えた問題は「なぜ間違えたか」を一行書いてから次に進みます。物質名と性質の混同か、問題文の否定語の読み飛ばしか、反応式の数字の間違いかで対処が変わります。
科目免除がある場合の注意点
乙4など他の乙種免状を持っている場合は、乙3の法令と物化が科目免除になり、性質消火10問だけの受験になります。この場合も合格基準は「性消10問中6問以上」なので、10問で4問しか外せないことになります。
免除受験のメリットは学習範囲が絞られることですが、性質消火の完成度を上げることがより重要になります。全科目受験ならば法令や物化が稼ぎ科目になりますが、免除受験では性消の10問だけで合否が決まります。
免除受験の場合は1〜4週目のスケジュールを性質消火だけに集中し、5〜6週目も性消の模試だけを繰り返す構成が適しています。書き出しや一覧表だけでは第3類物質の反応が頭に入らないと感じたら、独学を続けるか講座を足すかを 危険物乙3講座おすすめ で比較し、SATなどの動画で補強する選択肢も持っておくと安心です。
間違えやすい第3類の物質まとめ
乙3の試験で繰り返し間違えやすい点を整理します。
黄りんの取り扱い: 自然発火性物質なので空気に触れないよう水中保存。禁水性ではないため水で消火できる。他の第3類物質と違い消火に水が使える例外。
ナトリウムとカリウムの保存: 両方とも禁水性と自然発火性を持ち、灯油・流動パラフィンなど石油系液体中で保存する。水中ではなく油中という点に注意。
炭化カルシウムの発生ガス: 水と反応してアセチレン(C₂H₂)を発生。アセチレンは可燃性で燃焼範囲が広く危険。
これらは選択肢で入れ替えが使われやすいため、各物質の保存方法と発生ガスの正確な対応を確認しておきます。
まとめ
乙3の効率的な合格を狙うには、まず性質消火の物質一覧を体系化し、水との反応式を書き出しで定着させることが先決です。法令・物化は後から積み上げやすい科目なので、3〜4週目に集中して仕上げます。最後の1〜2週間は模試で3科目すべての60%を確認する仕上げに使います。
まずはオリジナル予想問題160問で性質消火の現状正答率を確認し、どの物質が弱いかを把握するところから始めてください。
出典:
- 一般財団法人 消防試験研究センター — 危険物取扱者試験 案内
- 消防法 — 危険物の分類・規定

































