介護職員初任者研修は、130時間のカリキュラムとは別に、筆記試験による修了評価(1時間程度) があります。ぴよパスでは、国の取扱細則が科目ごとに示す「修了時の評価ポイント」に沿って9分野に分けたオリジナルの4択問題を 100問、登録不要・無料で公開しています。全問に、根拠にした法令・通知や、国と公的機関の資料の名前を示した解説が付いています。
当サイトの問題は修了評価(修了試験・筆記テスト)の問題ではありません。告示・通知・法令と、厚生労働省などの公開資料をもとに独自に作った練習問題です。厚生労働省・都道府県・研修事業者とは関係ありません。
修了評価(修了試験)の形
全国共通で決まっているのは、時間と範囲と難しさです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時間 | 筆記試験で1時間程度。カリキュラムの130時間には含めない(厚生労働省告示 別表第一の注・取扱細則 Ⅰ12) |
| 範囲 | 取扱細則 別添1 の、科目ごとの「修了時の評価ポイント」 |
| 難しさ | 介護職の入口の研修なので「列挙・概説・説明できるレベル」を想定(取扱細則 Ⅰ12) |
| 問題数・形式・合格の線 | 告示と取扱細則には定めがありません。都道府県の要綱と研修事業者が決めます |
修了証は、科目9(こころとからだのしくみと生活支援技術)で介護技術の習得が講師に評価され、修了評価の結果が「所定の水準」を超えたことが確かめられた受講者に出されます(取扱細則 Ⅰ13)。研修事業者は、修了評価の方法・評価者・再履修の基準を、ホームページなどで公表することになっています(取扱細則 Ⅰ15・別添5)。
ぴよパスが確かめた要綱のうち、合格の線を数字で書いていた県の例です(2026年10月14日時点で各県のサイトに載っているもの)。
| 都道府県 | 合格の線 | ほかの決まり |
|---|---|---|
| 和歌山県 | 7割以上 | 各科目から1問以上。合格基準を満たすまで再試験 |
| 佐賀県 | 100点満点で70点以上(C以上) | 対象は原則として科目2〜9 |
| 宮城県(2027年4月1日施行の版の要綱) | おおむね7割以上の理解度が目安 | 届かない受講生には必要に応じて補講など |
東京都・岐阜県・沖縄県の要綱と山口県の案内は、時間(1時間以上・1時間程度)は書いていますが、合格の線の数字は書いていません。愛知県など3県の要綱は取得できず、確かめられていません。研修事業者の公表には、すべて四肢択一・60分・100点満点で70点以上とする例も、五肢択一・正誤式・選択式を組み合わせて70点以上とする例もあります。受講する研修事業者の案内で、形式と合格の線を確かめてください。
出典: 厚生労働省告示(平成24年第71号)、厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」(令和8年3月31日改正後)、和歌山県・佐賀県・宮城県・東京都・岐阜県・沖縄県の要綱と山口県の案内、研修事業者が公表する修了評価の方法
10科目と、ぴよパスの9分野
カリキュラムは10科目・130時間です(告示 別表第一)。修了時の評価ポイントがあるのは科目2〜9です。
| 科目(時間) | ぴよパスの分野 | 問題数 |
|---|---|---|
| 1 職務の理解(6時間) | 介護・福祉サービスの理解と医療との連携に2〜3問 | — |
| 2 介護における尊厳の保持・自立支援(9時間) | 介護における尊厳の保持・自立支援 | 12問 |
| 3 介護の基本(6時間) | 介護の基本 | 10問 |
| 4 介護・福祉サービスの理解と医療との連携(9時間) | 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 14問 |
| 5 介護におけるコミュニケーション技術(6時間) | 介護におけるコミュニケーション技術 | 10問 |
| 6 老化の理解(6時間) | 老化の理解 | 10問 |
| 7 認知症の理解(6時間) | 認知症の理解 | 12問 |
| 8 障害の理解(3時間) | 障害の理解 | 6問 |
| 9 こころとからだのしくみと生活支援技術(75時間) | こころとからだのしくみ・介護過程・生活支援技術 | 12問・14問 |
| 10 振り返り(4時間) | 作っていません | — |
| 合計(130時間) | 100問 |
科目9の「介助を行うことができる」のような技術は、修了評価の筆記とは別に、講師が習得を評価します(取扱細則 Ⅰ13)。ぴよパスの問題では、その根拠になる知識だけを問います。
例題
100問の中から3問を載せます。
例題1 令和6〜8年度の介護保険で、介護給付・予防給付に要する費用(利用者負担を除く)全体のうち、保険料で賄う割合について正しいものはどれか。
- 令和6〜8年度は、第1号被保険者の保険料で23%、第2号被保険者の保険料で27%を賄う
- 令和6〜8年度は、第1号被保険者の保険料で27%、第2号被保険者の保険料で23%を賄う
- 令和6〜8年度は、第1号被保険者の保険料と第2号被保険者の保険料で、それぞれ25%ずつを賄う
- 令和6〜8年度は、第2号被保険者の保険料だけで50%を賄い、第1号被保険者の保険料は充てない
答え: 1。国・都道府県・市町村の負担が50%で(介護保険法第121条〜第124条)、保険料で賄うのは残りの50%です。第2号被保険者の負担率は政令で3年ごとに決まり、令和6〜8年度は「百分の二十七」です(介護保険法第125条、介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令第5条)。残りの23%が、全国で見た第1号被保険者の分です。率は見直されるので、年度とセットで覚えます。 この問題を解く →
例題2 高齢者のうつ状態は、認知症と見誤られることがある。両者を見分ける目安のうち、うつ状態の側にみられやすい特徴として、最も適切なものはどれか。
- 記憶について尋ねても、考えようとしないことが多い
- 発症はゆっくりで、何がきっかけかを特定しにくい
- 誤った答えや作り話で、つじつまを合わせようとする
- 最近の記憶も昔の記憶も、同じように障害される
答え: 4。うつ状態では、最近の記憶も昔の記憶も同じように障害され、「考えてもわからない」と答えやすいとされます。考えようとしない、作り話でつじつまを合わせる、ゆっくり発症してきっかけを特定しにくい、の3つは認知症の側の特徴です(「若年性認知症支援ガイドブック」の比較表。厚生労働省のサイトに掲載)。はっきり区別できないこともあるので、気づいたことは医療職につなぎます。 この問題を解く →
例題3 訪問介護員のBさんは、訪問先の利用者Cさん(78歳・男性)の腕に、同居する家族からの暴力によると思われるあざを見つけた。高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律第7条で、こうした高齢者を発見した者の市町村への通報が、義務ではなく努力義務とされているのはどのような場合か。
- 家族からの暴力であることが、まだ確かめられていない場合
- Cさんの生命や身体に、重大な危険までは生じていない場合
- 発見した人が、職務と関わりのない近所の住民である場合
- Cさん本人が、市町村には知らせないでほしいと話している場合
答え: 2。家族などの養護者による虐待(第7条)では、生命や身体に重大な危険が生じているときは通報の義務、それ以外は通報の努力義務です(高齢者虐待防止法第7条第1項・第2項)。第7条では、虐待を受けたと「思われる」段階で対象になり、発見した人の職業や本人の意向で義務と努力義務が分かれることはありません。守秘義務の規定も通報を妨げません(同条第3項)。施設の職員による虐待は、第21条で別の決まりになっています。 この問題を解く →
法令の版と、これからの改正
ぴよパスの100問は、2026年10月1日に施行されている法令で作っています。
- 2027年4月1日から、介護保険法第8条の地域密着型サービスから「夜間対応型訪問介護」がなくなります(令和8年法律第51号による改正)。ぴよパスの問題は、この改正の前後で答えが変わらない形にしています。解説の条や項の番号は、2026年10月1日時点のものです。
- 第2号被保険者の負担率(27%)は令和6〜8年度の率です。令和9年度からの率を定める政令は、2026年10月14日時点で e-Gov法令検索に載っていません。
- 2027年4月から、取扱細則の通信学習などの決まりが変わります(令和8年3月31日の改正)。研修の受け方の話で、修了評価の範囲(取扱細則 Ⅰ12)は変わりません。
- 新型コロナのときの臨時の取扱い(都道府県の判断で、修了評価も含めて通信で行える)は、2027年3月31日で廃止されます。
100問の回し方
- 制度と法令の分野から解く — 介護保険の保険者・費用・サービスの種類、虐待の通報、身体拘束の決まりは、条文や国の手引きで答えが決まります。
- 対になる言葉をそろえる — ぴよパスの認知症と老化の問題には、中核症状とBPSD、うつ状態と認知症のように、組で覚えると解ける問題が多くあります。
- 間違えた問題だけ解き直す — 上の3県の例は、どれも7割(70点)でした。ぴよパスでは、100問を1周して7割に届くかをひとつの区切りにしています(本番の合格の線は、研修事業者の案内で確かめてください)。
- 生活支援技術は根拠から — 取扱細則の評価ポイントには、介護技術の原則を「その根拠等」まで概説できることが挙がっています。ぴよパスの問題も、なぜその手順にするのかを問います。
ぴよパスには模擬試験はありません。問題数・形式・合格の線が都道府県と研修事業者で違い、本番と同じ形が言えないためです。
出典
- 厚生労働省告示「介護保険法施行規則第二十二条の二十三第二項に規定する厚生労働大臣が定める基準」(平成24年第71号): https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab2730&dataType=0&pageNo=1
- 厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修関係)」改正後全文(令和8年3月31日 老認発0331第5号まで): https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001684747.pdf
- 厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則の一部改正について」(令和8年3月31日): https://www.mhlw.go.jp/content/001684530.pdf
- 和歌山県介護員養成研修事業実施要綱 別紙第6: https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/040300/kaigoin/kaigoin_d/fil/besshi_6.pdf
- 佐賀県介護員養成研修事業取扱要綱 別紙1-5: https://www.pref.saga.lg.jp/kiji0031442/3_1442_238001_up_r3lmnsub.pdf
- 宮城県介護員養成研修事業実施要綱: https://www.pref.miyagi.jp/documents/8807/01_yokoo.pdf
- 介護保険法 第8条・第121条〜第125条、介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令 第5条、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第7条・第21条(e-Gov法令検索)
- 若年性認知症支援ガイドブック(厚生労働省のサイトに掲載・2020年版): https://www.mhlw.go.jp/content/guidebook_2020.pdf (例題2の解説は、この比較表をもとにぴよパスが自分の文で書きました)
- 東京都・岐阜県・沖縄県の介護員養成研修の要綱、山口県の介護員養成研修の案内、研修事業者が公表する修了評価の方法(いずれも2026年10月14日に確認)
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