通関士試験 課税価格・関税額・加算税の計算 練習問題 第15問: 輸入者B社は、外国の売手にシャツの縫製を委託し、完成したシャツを輸入する。取引の事実は次のとおりである。関税定率法第4条第1項の規定により計算した課税価格はいく
輸入者B社は、外国の売手にシャツの縫製を委託し、完成したシャツを輸入する。取引の事実は次のとおりである。関税定率法第4条第1項の規定により計算した課税価格はいくらか。 ・今回輸入するシャツの仕入書価格はCIF条件でUS$26,000である ・B社は、B社と特殊関係にある本邦の生地メーカーC社が生産した生地3,000mを、C社から直接1,200,000円で購入し、売手に無償で提供した。C社がこの生地の生産に要した費用は1,000,000円で、C社が特殊関係のない取引先に同じ量の生地を販売するときの価格は1,350,000円である ・B社は、売手の工場までの生地の運賃90,000円と保険料15,000円を負担した ・提供した生地のうち1,800mが今回輸入するシャツに組み込まれ、残りの1,200mは次回に輸入する別のシャツに組み込まれる。生地の費用は、使用した長さに応じて按分して各回の課税価格に算入する ・本邦通貨への換算に用いる相場は1米ドル=150円とする
解答と解説を先に見る
先に見ると、この問題は今回は育ちません。
正解: 2. 4,563,000円
課税価格は4,563,000円です。本件は本邦のB社が材料を提供して外国で縫製させ、できたシャツを取得する委託加工の取引なので、関税定率法第4条第3項により、この取引が輸入取引と、加工の対価が現実支払価格とみなされて第1項が適用されます(関税定率法施行令第1条の9)。
関税定率法第4条第1項第3号イは、輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して買手が無償で提供した物品のうち、輸入貨物に組み込まれている材料、部分品などに要する費用を加算するとしています。その費用は、買手と特殊関係にある者が生産した物品を買手がその者から直接に取得したときは、買手の購入価格や他の取引先への販売価格ではなく、「当該物品の生産に要した費用」です(関税定率法施行令第1条の5第2項第1号)。
これに、提供のために要した運賃、保険料その他の費用で買手が負担したものを加え、輸入貨物以外の貨物にも組み込まれるときは使用の程度に応じて按分します(同項本文)。計算の順は、①換算26,000×150円=3,900,000円、②生産に要した費用1,000,000円+運賃90,000円+保険料15,000円=1,105,000円、③按分1,105,000円×1,800m÷3,000m=663,000円、④3,900,000円+663,000円=4,563,000円です。
「4,683,000円」は、C社からの購入価格1,200,000円を基に計算した額です。「4,773,000円」は、C社が特殊関係のない取引先に販売するときの価格1,350,000円を基に計算した額です。
「5,005,000円」は、生産に要した費用に運賃と保険料を加えた1,105,000円を、按分せずに全額加えた額です。「4,500,000円」は、生産に要した費用だけを按分し、運賃と保険料を入れなかった額です。
買手と特殊関係にある者が生産し、買手がその者から直接に取得した材料は、購入価格ではなく生産に要した費用に提供の運賃・保険料を加えて計算すると押さえましょう。
根拠・参照資料: 関税定率法第4条第3項、関税定率法第4条第1項第3号イ、関税定率法施行令第1条の9、関税定率法施行令第1条の5第2項
関連キーワード: 材料・特殊関係・生産に要した費用・按分・課税価格
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